今回は私がマイホームを購入した時のことを綴ったブログです。
車ネタは出てきませんのでご了承下さい。
私は以前、賃貸マンションで暮らしていました。
2LDKでのささやかな生活でした。
当時私は交替制勤務の仕事をしていたのですが、娘がよく友達を家に連れて来て部屋で遊んでいました。
夜勤の時など騒がしいと眠れなかったりするのですが、それでも友達がいることはいいことだと思い、友達を連れてくることを了承していました。
その日も夜勤のため横になっていたのですが、小学校低学年の長女が友達を連れてきました。
後で知ったのですが、初めて連れてくる友達でした。
玄関で何やら話をしているのですが、なかなか中に入ってきません。
どうしたのかと耳を澄ませていると、こんな会話が聞こえてきました。
友達「○○ちゃん、こんなとこ住んでるの?」
長女「うん。中に入って。」
友達「え~~~。」
長女「どうしたん?」
友達「狭~~~。」
長女「狭い? でも入って!」
友達「私、こんな狭いところ入るの嫌!帰る!!もう家に誘ったりしないで!!!」
長女「・・・・・」
そう言って友達は帰って行きました。
当時私が住んでいたところは、マンションや新興住宅・旧家が混在しているところでした。
その友達は、旧家の大邸宅に住んでいるようでした。
しばらくしても、長女は玄関から中に入ってきません。
どうしたのかなと思ってそっと玄関を覗いてみると、長女がうずくまっていました。
そして長女の小さな背中は、小刻みに震えていました。
次の日から私は、家族のためのマイホーム探しを始めました。
それまでも漠然とは思っていたのですが、諸事情もありなかなか踏ん切りがつかないでいました。
でも長女のあの姿が忘れられず、不甲斐ない自分が情けなくて辛くて、マイホーム購入を決心したのでした。
休日や夜勤明けは不動産屋や分譲地を巡り、それ以外は新聞の折込み広告を食い入るように見ていました。
理想は高く、でも予算は限られている。
近辺の不動産屋や分譲地等はほとんどすべて周り、いつしか一年の歳月が流れていました。
なかなか思うような物件が見つからず苦慮していた時、友人の知り合いの不動産屋からある物件を紹介されました。
私はそこそこ庭があって車が何台もおけるようなところが理想だったのですが、現実はかなり厳しく、予算的にそういったところはかなり不便なところしか無理でした。
そんな時紹介された物件は、庭は猫の額ほどしかありませんが、小・中学校から近く、駅からも徒歩圏内でコンビニもすぐそばにあり、現在近くにある巨大ショッピングモールが建てられると噂されているところでした。
いろいろ悩んだ末、やはり通学に便利で転校の必要がなく、買い物に便利なところがいいと思い、現在住んでいるこの一戸建てに決めたのでした。
ささやかな家ですが、二度と家のことで娘に不憫な思いをさせたくないと思い、子供部屋の内装や電化製品は、奮発してハロ○キティで揃えました。
友達が泊まった時にビックリするように、天井は明かりを消すと星空が光り輝くようにしました。
引越しの片付けが終わったある日、長女が友達を呼んでいいかと聞きました。
実は長女、あの一件があってから、二度と友達を家に呼ぶことはありませんでした。
その長女が友達を家に連れて来たいと言ったので、もちろんOKしました。
次の日、たまたま私は休みだったのですが、長女が沢山友達を連れて来ました。
長女に恥をかかせたくなかったので、ほんの少し料理ができた私は、相手が小学生にもかかわらず、真鯛のポアレーや羊のノアゼット等の料理をふるまいました。
もちろん小学生にそんなものが理解できるはずもなく、一番評判が良かったのはフルーツアートでした。
友達が帰った後、長女は満面の笑みを浮かべ、嬉しそうに友達が喜んでいたと話をしてくれました。
その笑顔を見た時、無理してでもマイホームを購入して本当に良かったと思いました。
そして長女が言いました。
「ねえねえ、明日も友達連れて来ていい?」
「もちろん。」
(本文中の写真は全て私が撮影したものです。また本文と写真は一切関係ありません。)
Posted at 2015/12/03 17:21:05 | |
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