120iカブリオレと新しい店長さん

120iカブリオレデビューということで、いつものディーラーに行ってきた。3月末という忙しい決算期のさなか、2時間前に到着したばかりでナンバーさえ貼っていない車のキャンバス・トップを開けて、車内を見せたり説明してくれたりしたのは、先日この店舗に異動になったばかりの新しい店長さんだった。

「お客様担当のＹはただいま納車の接客中でございますので、私がお相手いたします」。

自分はこの魅力的な新モデルをちょっと見れれば良いから、とかえって恐縮したが、結局ケージに入れた愛犬と共に店内に招かれ（これは初体験）、飲み物を頂きながら小一時間も話し込んでしまった。


今の愛車を買ったのは二年前の夏だが、それ以後少なからぬ回数通ったこの店で、前の店長とはとうとう一言も話したことも顔を見たこともなかった。それがこの新しい店長さんは、135クーペを試乗に来た自分を覚えていて、すぐに声をかけてくれたのだった。

この方は元エンジニアの、「店長なんて言いますが、古いだけのことですよ」と爽やかに笑って謙遜する、飾り気のない親しみやすい人で、しかも話がこと車の仕組みや歴史に及ぶと、「もう一つお話ししても良いですか」と断りながら、実に楽しそうに熱弁をふるう、車好きのBimmerにはたまらなく魅力的な人柄だった。

このお店ではかつて、写真撮影を断られたことがあり、それがきっかけとなってかなり足が遠のいていた。次の新車購入の準備のために、最近は近隣の他のディーラーを回ってもいたが、今日、この魅力的な店長さんと楽しく話ができたことで、再びこのお店に今まで以上に親しみが持てるようになった。

そんなわけで120iカブリオレのデビューは、自分にとってはとても好ましいイベントとなった…と言って終わっては、ちょっとこのニューモデルがかわいそうだから、最後に少しだけインプレも書いておく。

決して狭いとは感じられない座席だが、オープンにするとそれが良い意味のコンパクトさに感じられ、小さなリアシートも近く親しみやすく、安心感に包まれるようだ。我が家のような夫婦二人と愛犬（または子供一人とか）しかいないような家族には、ベストサイズのプレジャー・カーと言えるだろう。

キャンバス・トップのデザインは、やや頭でっかちに見えがちな1シリーズクーペの欠点を補って、車全体のシルエットをとてもスマートに見せる。「カシミヤ・シルバー」というおしゃれな名前の色も、この明るいムードの車にぴったりの遊び心を上品に演出しているようだ。320iツーリングと変わらないエンジンと重量と価格から見ても、極めて魅力的な車であることは間違いない。