大学生である私が幼稚園の頃からの付き合いのクルマ好きの友人と理想のスポーツカーについて話し合ってみた。以下は話し合いの中で生まれた我々二人の個人的な見解です。
まずクルマの楽しみは、いくらHV化やEV化しても、エンジンの音が聞こえて自分でクラッチを切ってギアを繋ぎ、足の裏に伝わる振動を感じ取って走ることだ。電子デバイスの発達により、人間の力が介入する余地が少なくなっている現在のクルマは我々からしたら、もはやクルマではなく「家電」と感じてしまう。クルマが楽しいのは100キロで走る鉄の塊を人間の力で制御するからだと思う。
次に、スポーツカーに求めること。それは「価格の安さ」と「DIYで改造できる余地が残っていること」、そして「クルマを楽しめること」の3点だ。
まず「価格の安さ」とは何か。車両本体価格の安さはもちろん、税金やオイル交換にかかる費用、タイヤ代やパーツ代などのクルマを維持、改造するのにかかる費用の安さも求める。具体的には、タイヤサイズはプリウスなどの大衆車が履いているサイズにして、現在中古パーツ市場にある中古品を流用できたり等である。ランニングコストまでを考えての「価格の安さ」を求めたい。注意したいのはここでいう「価格の安さ」とは、何も軽自動車並みの安さを求めているのではなく、昔のインテグラタイプRのような「価格の安さ」を求めているのだ。それには車両本体価格は150〜190万円くらいが理想だ。
次に「DIYで改造できる余地が残っていること」。これは我が愛車ジムニーを考えていただけるとわかりやすい。ユーザーが気軽に愛車の不完全なところをDIYで改善する。ジムニーでいうと、ワイパーレバーを流用したり、スピーカーを増設したり、車中泊仕様にしてみたりなどである。このようなユーザーが自分の愛車の欠点を気軽に改造することで改善できることは非常に重要である。とりわけユーザーの思い入れが深くなるスポーツカーでは、この点が非常に重要。完全なクルマではなく、不完全なところを改善することも楽しめるクルマがほしいのである。かつてのAE86もそうだったのではないだろうか。
最後に「クルマを楽しめること」。これは非常に簡単な事だ。簡単にいってしまうと、車重が1トンを切り、エンジン排気量は1.5L以下、無駄な電子デバイスを一切排除して、FRレイアウトかつマニュアルトランスミッション。まず絶対的に追求するのは「軽さ」。これを「価格の安さ」と両立しながら実現するためには、エンジンは1.5L以下で他車流用。これによってボディに過剰な剛性を付加しなくて済み、価格の安さも実現。さらにはマニュアルトランスミッションは6速ではなく5速として徹底的な軽量化を狙う。車体重量が軽ければ、過剰なエンジンパワーは不必要なので、低排気量で済み、結果税金も安くなる。また人間がクルマの力を制御する余地を残すためにABSや横滑り防止機能(冬道で必要)等の最低限の電子デバイスを残して、過剰なものは一切排除。最も重視すべきなのは「人間がクルマを制御すること」。ドリキン土屋圭市が述べているように「クルマは人間がねじ伏せるから楽しい」のである。
現在のスポーツカーの代表である86は、若者へのスポーツカー熱の復活を願ったのかもしれないが、現実問題として価格がネックとなっている。今、我々のような若者が求めているのは決して豪華で大きなボディーを大きなエンジンで動かすことではない。たとえ内装が樹脂パーツばかりで、ボディーがペラペラでも、「人間がクルマをねじ伏せる」、「不完全なところをユーザーが自分好みにDIYで改造して改善する」、「クルマを維持するのにコストがかかりすぎない」などなど…。こういったことをスポーツカーに求めている。
と、今まで書いたのが我々クルマ好きの若者が求めるスポーツカーです。長々と拙い文章を書いてきましたが、今の若者の本音を書いたつもりです(クルマ好きですが…)。世界初の技術や世界に通用する実力を追求することもいいのですが、運転して、いじって、眺めて、考えて…といったクルマの様々な楽しみ方を教えてくれるのが本当の意味でのスポーツカーではないでしょうか?
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2014/09/12 23:25:59