数週間前、
TVを見ていたら、
昨今の若年層の車離れや、年寄りの事故率増加によって、収支のバランスが変わった為に「
自動車保険が数千円引き上げられる」
と言っていた。
その件について気になっていたので先日、ネット検索してみた。
その中の
記事を確認すると、
数千円の場合は、あくまでも各保険会社が加盟する「
損害保険料率算出機構」
が、9年ぶりに引き上げとして金融庁へ
届出した来年度向け内容の「
一例」であって、
平均だと5.7%、
場合によっては20%弱もあるという。
記事に書かれていた「損害保険料率算出機構」とは、国内殆どの保険会社が加入し、その会費によって加入する各社のデーターを集計し、その収支バランスを保持する為に調査、提案等を行う所のようで、その一つとして料率の算出や新特約の提案等を行っているそうだ。
また、損害保険料率算出機構が引き上げの届出を行った事は確かに9年ぶりだが、
数年前から各社は、独自で同理由にて既に数%の引き上げを実施しているという。
その為、今回の件は各社に対する更なる保険契約料引き上げの種になるのか?、また、自分の場合にはどの位の引き上げになるのかを調べてみた。
●
「損害保険料率算出機構」が届出した公開資料を確認すると…
資料の内容は、事故が発生した際に支払う保険金(運営する為の経費等は除く)を想定し、各保険会社が参考に出来る率(「参考純率」)であるというだけ。その為、今回の公開値(改定率)は、各社の料率に一致するとは限らないというモノだ。
その事から保険会社によっては、今回を基に改定を行わない場合もあるかも知れないし、反対に経費等を含め、更に引き上げるかもしれない。ただ、外資系商品と比較した場合、更に価格差が発生すると、ユーザーが再契約を行わない場合も想定される為、大幅な引き上げは出来ないようにも思う。
2頁を参照すると、確かに「自動車」保険引き上げとしての平均は5.7%だが、「
自家用乗用車」(普通、小型、軽)
での引き上げの
平均は2.4%との事だ。にも関わらず、「改定率の一例」(自家用乗用車)の表を参照すると、対象者を
限定した場合には、
最大では20%どころか、30%弱にもなる場合が存在する。またその変わりに、引き下げになる場合も存在するが、対象者を
限定しない場合には更に
30%を
超え、新規加入(6等級)にいたっては尚、上回るように読み取れる。
更に細かく参照して行くと、
新たに限定「本人+配偶者」特約を設け(5年位前から各社では既に商品化済)、限定度を更に上げる事で
安価な契約が可能になる事と、年齢条件において「
30才以上保証」の費用で、
26才より対象とする変わりに、契約者に対して
細分割された年齢枠が設けられ、
事故率が高い年齢層(若年者と高齢者)
の契約料を引き上げている。
この内容からだと、追い討ちを掛けるように
更に若年者の車離れが加速しそうだ。しかし、金銭面で余裕が出来始める社会人数年目位の人達(26~29才)に対しては、上昇率が一番押さえられている。これが戦略的なものなのか、本当に事故率が一番少ないかは解らない。
また、表の横には契約条件として、対人、対物、車両等が記されているが、この値が変わっても、表内の各項改定率は変化しない(同一等級内では車両の有無を除き、基本部分の改定率の変化はないそうだ)。
そして、今回の最大の変更点は、表からは読取り難い「年齢条件」(3頁の「年齢」項参照)。
「
35才以上保証」を
特約条件に入れている場合には、「30才以上保証」よりも、
2弱~6弱%引き下げられている(各社で異なる)。それが廃止される事で
契約者が40才を超える場合には、
その分が更なる割増分へと変貌する。
一応、
現在の契約内容を確認の上、特に
引き上げが多い場合には次回更新時に備えて
予め、費用や構成に対し、今から覚悟(準備)しておく方が良さそうだ。
現行 | 改定 |
年齢条件 | | 年齢条件 | 契約者 |
全年齢保証 | » | 全年齢保証 | … |
21才以上保証 | » | 21才以上保証 | … |
26才以上保証 | » | 26才以上保証 | 26才以上30才未満 |
30才以上保証 | » | ↓ | 30才以上40才未満 |
↓ | » | ↓ | 40才以上50才未満 |
↓ | » | ↓ | 50才以上60才未満 |
↓ | » | ↓ | 60才以上70才未満 |
↓ | » | ↓ | 70才以上 |
35才以上保証 | » | … | … |
私の契約内容だとどうかるか、該当する改定率を当てはめて見た。
現契約内容は、20等級、車両付、保険対象者は「限定」とせず、年齢条件を「36才以上補償」(現契約会社では30才よりも1.8%減)とし、年齢は40代。
想定する改定後の最大引き上げ率は…
まず、「限定なし」が同表に表現されていない(他の限定と比べると引き上げ率が目立つ事を恐れている?)。
そこで、3頁目の「運転者限定」項を参照すると「限定なし」値については、「家族限定」との関係で、最大1.03倍(2頁表の「家族限定」での該当改定率/0.97)と記されている。その為、その較差(「家族限定」に対する「限定なし」)は実質、最大で3%から4%弱の割増になるようだ。
そして、年齢条件については、「35才以上補償」廃止による割増分に、「26才以上補償」での契約者年齢の改定率が加わる。
結果、契約の保険会社が、この参考案をそのまま採用した場合には、表の値を下記の式に代入して行くと、平均値(2.4%)よりも上回る、
最大で「
約3.5%弱」(現保険料が\200kなら\7k)の
割増になりそうです(泣
ゴールド(10%割引/5年間)が欲し~い
●
計算方法:
自分の契約する保険の改定料金について、今回の損害保険料率算出機構が金融庁へ届出した資料を基に、「最大」でどの位になるか気になる方は、
資料2頁表内「家族限定」項の改定率より算出下さい。
note:更新時については、更に算出された値に対し、前年度の事故の有無によって
等級が変化(無事故:1等級
アップ、事故による保険支払請求毎:3等級ダウン)し、割引率が変化する場合には、その差分も加わる事
となります。
◆ 限定なし、20等級、車両付、26才以上補償の40-49才(-0.014)、36才以上補償の廃止(+1.8%)の場合。
-0.014+1/0.97≒1.0165 |
1.0165-1=0.0165 (1.65% ) | :「限定なし」での改定率 |
1.65+1.8=3.45% (約3.5%弱) | :年齢条件等を含めた改定率 |
1.65-(-1.4)=3.05% | :「限定なし」と「家族限定」との較差 |
◆ 11~19等級の場合…
10、20等級以外の等級については、限定(年齢)条件のように今回の改定内容には公開されていない為、解りません。その為、20から10等級を当分割した「あくまでも目安」レベルとなりますのでご注意下さい。
・上記と同条件(但し、年齢条件での30と35才の差が5%)で14等級の場合。
(20と10等級の条件に属する各年齢級の差を10当分し、20等級から見た自分の等級分を乗算)
(6.6)-(-1.4)/10=0.8 | :家族限定での1等級の増率(%) |
0.8x6=4.8 | :家族限定での20等級から見た契約等級(6等級ダウン)の上昇率(%) |
(-1.4)+4.8=3.4 | :家族限定での14等級の引き上げ率(%) (3.4%:0.034) |
0.034+1/0.97≒1.0660 |
1.0660-1=0.0660 (6.60% ) | :「限定なし」での改定率 |
6.60+5.0=11.6% | :年齢条件等を含めた改定率 |
6.60-(3.4)=3.2% | :「限定なし」と「家族限定」との較差 |
Posted at 2009/07/28 18:26:37 | |
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