本気で欲しかった車:アウディA2

アウディA2。A8のような高価なオールアルミスペースフレーム、軽自動車より一回り大きいコンパクトサイズなのに広い室内、今でも（今だから？）通じるモダンデザイン、33km/Lの超低燃費モデルもあるなど、いかにも21世紀の車でした。残念ながら（当然）正規輸入は無し。販売もわずか17万台。





ほんと、欲しかった！





ポロをベースにチャチャっと造ればいいのに、当時のアウディはそれをしなかった。凝りすぎた専用設計で無駄にコストかけすぎ、アルミフレームで修理できなさすぎ、ボンネットヒンジが無いなどいろいろ先進的過ぎ、ATが無いなど売れない要素満載。ネガティヴな要素にこそ創造性が満載とも言えます。

昔のマーケティング的には大失敗作だけど、でもこれこそが「デザイン」なんですよ。古いマーケティングやスタイリングなんかじゃ良いものなんて造れないのはどこかの大企業達を見れば明白。そこにNOを突き付ける気迫を持って創られたところがまたソソるんですね。

（この車の失敗のあと、アウディはわかりやすい「ウケ」狙いの拡販路線に大転換し中国市場で大成功したわけです。昔のマーケティング経営ではこれが正解だった。ところが今のマーケティングやものづくり、アジア市場って、15年前とは大きく変わってしまいましたから、とっくにグリルやライトやチリでの差別化が難しくなっており、次世代は大転換するとの噂もありますね）

同時期に初代TTや初代A6オールロードがあり、思えばこの頃のアウディのデザインは本当に良かった。コストと時間と知性をたっぷり注ぎ込んで、ディテールも素材も本当に良いものを作り込んでいたと思います。面白かったなあ。

当時の宣伝ムービー
https://youtu.be/zypSzjbagAg