2019年02月23日
アフリカの角と言われる地域付近にある「アデン湾」
映画にもなったように「海賊」による襲撃が国際問題化していたのは承知の通りです。
そこで国連安保理決議により多国籍による海賊対処が決定され、日本も自衛隊法第82条の海上警備行動を発令して海上自衛隊の護衛艦を派遣する方針を固めたのが発端です。
この裏にはウクライナ船籍「ファイナ」号が襲撃された。この船には戦車を含む武器が多数積載されており、荷物の行き先がダルフール紛争の続くスーダンであったため、単なる海賊事件ではなく安全保障上の事態として重大視したアメリカ合衆国、EU、ロシアはこのファイナ号事件を境に対策を強化したので国連も動かざるを得なかったと言っていいかと思います。
この自衛隊の海賊対処行動には海上保安官も護衛艦に搭乗し司法警察権により、容疑者を海上保安官が対処するのが原則です。つまり海上警備行動を発令しても「警察権」は海上自衛官にはありません。そういうことを踏まえ「法整備」が遅れているのが現状です。主に海上自衛隊水上部隊と航空部隊がありますが、ジブチにある海上自衛隊哨戒機が駐留する空港では陸上自衛隊が警備を担当する事になっており、物資輸送等で航空自衛隊輸送機が飛来する事もあります。
2009年から始まった海賊対処行動は10年を経過し、その抑止力により今はソマリア沖やアデン湾の海賊が減少した事は良いことです。今ではあまりニュース等でも取り上げる事は無い事ですが、現場では海賊がいついかなる手段を講じてもおかしくない状態には変わりなく、その為に民間船には危険が常に伴う事になります。
そこで対象となる船舶を船団としてまとめ、それを海上と航空から警戒監視するのが任務となります。また、哨戒機P-3Cを二機派遣している強みはかなりのアドバンテージがあります。他国海軍からの絶大な信頼を受けている海上自衛隊航空部隊への依存度は大きいのです。
上の動画の旅客船「飛鳥Ⅱ」によるアデン湾航行は海賊から見れば絶好の「的」と成り得ます。当然ながら「武器等」は搭載していませんからね。そこで海上自衛隊水上部隊、航空部隊が護衛し旅客船「飛鳥Ⅱ」を無事に危険海域から何事も無く無事に航行した事で、「飛鳥Ⅱ」からの御礼がこれだったと言う訳です。また、船長は行政文書に乗っ取り、護衛した部隊に送達したのは異例だと思います。
大洋に出れば、辺り一面は海でもあるし、そこで何が起きても不思議ではない事から、旅客船のお客さんや船長以下乗員も、日本の国旗、旭日旗を掲揚する海上自衛隊護衛艦の頼もしさは計りしれないモノがあると思います。
現在でも海賊対処行動は継続しており、任務を無事に終えて日本へ帰国する事を拙に願っております。
海上自衛隊第二十一次水上対処部隊の映像です。任務名は「Sword of Lightning」です。
Posted at 2019/02/23 21:58:01 | |
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