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KEN16のブログ一覧

2006年10月22日 イイね!

フィアット (3)

「調布バイパスでは恋人を乗せて朝帰りらしいプリンス・スーパー・シックスとベレルのツインキャブが抜きつ抜かれつの競走をやっていた。

その2台に追いつくと急に右の車線に出て一気に追い越すと、そのままピッと横に滑るようにして元の車線に戻った。

本格的なスポーツ・チューンのサスペンションを持った車でないと、百数十キロでこのようなことをやれば大きく流されて危険だ。

ブルーバードに抜かされたと思ってか、2台の車はハッスルした。
アクセルを床まで踏み込み、クラクションをわめかせて追撃してくる。

この時になってはじめてフィアットのエンジンを5500回転にまで上げ、一気に逃げきった。

八王子を過ぎ高尾からの曲がりくねった狭い登りの山道にかかると、1600スポーツのエンジンを積み足回りを硬く補強したフィアット・ベルリーナは、一流のスポーツ・カーに匹敵するロード・ホールディングで70から110キロを保って相模湖まで駆け登っていった。」
Posted at 2006/10/22 20:54:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説ネタ | 日記
2006年10月21日 イイね!

フィアット (2)

「住宅街の狭い十字路を50で廻る。
ロールは少なくミシュランのタイヤは泣かない。

パッシングライトのスイッチを入れてライトを自動的に上下に切り替えて飛び出しの車に警告を与えながら、制限速度25キロの一方通行路をサードで80で飛ばして甲州街道に出て行く。
凄まじい排気音が左右の堀に反響して快感の身震いを起こさせた。

しかし排気音で交番の警官の注意を引くのもまずいから、サイドブレーキのそばに取り付けさせたマフラーのカット・アウトレバーを引いた。
排気音が急に静まり、マフラーの背圧でエンジンの力が5%ほど失われる。

早朝の甲州街道は数えるほどしか車が通っていなかった。

調布バイパスに出ると、カット・アウトのレバーを外し、各ギアで5000回転まで踏みしめてみる。
ローで45、セカンド75、サード120、フォース140といったところだ。
7000回転までエンジンを廻せばサードで135は出せるであろう。」
(続く)
Posted at 2006/10/21 21:35:59 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説ネタ | 日記
2006年10月20日 イイね!

フィアット (1)

「庭にはニュー・ブルーバードとそっくりの車があった。

新しいブルーバードがスタイルの手本にしたと伝えられるだけあって、そのフィアット1500ベルリーナは街を走り回っているニュー・ブルーバードだと言われても、車に関心の薄い者は疑いもしないであろう。

エンジンはもともとこの車に付いている筈の1481cc,80馬力のもののかわりにフィアット1600Sスポーツの100馬力のものが付いていた。
ダブル・オーバーヘッド・カムのエンジンに結晶仕上げのダブル・チョーク・ウィーバーのキャブレターが美しい。
ステアリングのギア・ボックスはアバルト1600スパイダーの5速が付いていた。

門を出るとアクセルを踏み込む。
エンジンは電気モーターのように素早く回転が上がり、2500回転のあたりでキャブレターの加速バレルが開き、フィアットは猛然と加速しはじめた。
回転計の針が止まるところを知らぬように跳ね上がっていく。

慣らし運転が済めば、7000回転近くまでエンジンをぶん回しても無理ではない。
しかし今はまだまったくの新車だから5000回転に押さえてセカンドにギヤをシフトした。」
(続く)
Posted at 2006/10/21 00:47:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説ネタ | 日記
2006年10月13日 イイね!

夢の車

夢の車










「やはり目立つスポーツ・カーよりも、外観はパブリカからブルーバードまでのクラスで、実際はエンジンからサスペンションやギヤなどを徹底的に改造した車が欲しい。

その夢の車は例えば外観は平凡なブルーバードだ。

ボディも傷ついて塗装も色あせている。

ただ重心を低くとるためと硬いサスペンションのために、標準より車体の沈んでいるぐらいが外観上の相違だ。

注意して見れば全輪に装備されたディスク・ブレーキが分かるかもしれない。

しかし、ボンネットを開けば、

4キャブレター・ダブル・オーバーヘッド・カムシャフトの

1.7リッター160馬力の芸術的なエンジンが鋭く光り、

わざとゆっくり走っているのを、グロテスクなほど大きな米国車やメッキだらけの

国産2リッター”デラックス”車が馬鹿にして抜きにかかると、

アクセルを一杯に踏み込めば

ロー75、セカンド140、サード210、トップ250キロまで一気に引っぱれ、

ゼロ発進して400メーターを走りきるまでに12秒を切る凄まじい加速力で、

バリバリと轟音だけを残してたちまち見えなくなってしまう・・・。

強烈な破壊力を秘めた銃器、圧倒的に早い車・・・それらは力のシンボルであり、力への憧憬だ。

しかし、それだけのことではない。

素晴らしいメカニズム、精巧な機械は現代の宗教なのだ。」



Posted at 2006/10/14 00:56:21 | コメント(1) | トラックバック(0) | 小説ネタ | 日記

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「[整備] #インプレッサハードトップセダン ワイパーゴム交換(120500km) https://minkara.carview.co.jp/userid/227216/car/131145/8120488/note.aspx
何シテル?   02/18 03:00
日本では年々数少なくなってきている5ナンバーサイズのコンパクトセダン。 その数少ないコンパクトセダン市場の中で購入したインプレッサ1.5R。 見た目...
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