
先日、ついに果てたアルミジャッキを修理してみました。
修理というよりはメンテナンス的な内容ですかね?
作業:2021/8/11
手順を間違えつつも、ひとまず復活しましたので、覚えているうちにメモ目的で残します。
それと、先人達の整備手帳やブログなど、下調べで大いに活用させていただきました。
ありがとうございますm(_ _)m
お陰様で終始トラブル無く作業できました。
※今回は一部パッキンを交換せずに再利用しております。参考いただける場合は、ご自身のジャッキの様子に応じて適切な作業を実施願います。
あと、全行程を一纏めにした超長文につき、要望頂いたら工程ごとに分けようかとも(^^;)
症状は、二本ある内の右側の高圧ピストンが戻らなくなるやつ。
おそらくパスカルの原理にて、無負荷では左側の低圧ピストン(大径)でサドルを素早く上げ、荷重が乗るとパワー寄りの高圧ピストン(小径)でゆっくり上げていく仕様です。
まずはオイルを抜きます。“WARNING”の上がドレンとフィラー兼用の穴で、手に持っているのがプラグです。
ピストン周りのメンテナンスだけならジャッキごとひっくり返して抜くわけですが、途中であっちこっちに飛び散らないように穴をテープで塞いでおきます。
ひっくり返してから手探りでテープを剥がす作戦です。
当初はオイル受けが割れないように空中戦でテープを剥がし、抜き取り中も持っておく作戦でしたが、カイリキーとか阿修羅じゃないので無理だと数秒で気付き…
意外とオイル受けは頑丈でした。
フィラープラグとOリングです。
Oリングは傷んでいるので、処分します。
Oリングは7.0×.2.0がピッタリとの情報があり、耐油性のものをアストロプロダクツで入手しました。
ちなみにピストンは11.8×2.4と17.8×2.4が2個ずつ必要だそうですが、アストロプロダクツでは見つからず。コーナンにあるものはそもそも水周り用。
Yショッピングで見つけるも到着まで待てませんので、今回はピストンのOリングは再利用しました。
無理して性能不足な物を使って、ポンプ内がボロボロのパッキンで詰まるよりマシという考えです。
フィラープラグのOリングはピッタリでした。
ゴミが入らないように、仮締めしておきます。
続いてピストンの摘出です。
ピストンを引っこ抜くためにはハンドルベース前の横棒を外します。
六角穴5mmのボタンキャップボルトで、両サイドから締まっています。
ハンドルベースが横棒に当たっていてもピストンのスプリングが張っているので、ジャッキハンドルを錘にして倒しておくと、横棒が外しやすいです。
※ジャッキハンドルは反時計回りに緩めておいてください!
方っぽがサビサビで全然緩まず、556吹きまくった後、プライヤーで横棒を思いっきり掴んで何とか緩みました。
ボルトが横棒と共回りするせいで、スプリングワッシャーのエッジでアルミボディーがザグられてしまいました(丿Д`)
(たぶん、手探りでジャッキハンドルを外しちゃった影響もあります。)
Assy状態では高圧ピストンが縮んだままビクともしなかったので、ここもプライヤーの出番です。ピストン上の皿を掴みます。
中途半端な力だと滑ってゴリゴリ削れるので、思いっきり握ります。かつ、真っ直ぐ引っ張ります。
抜けた勢いで返り血ならぬ返り油を浴びるケースもありそうなので、作業服でやると安全です。
私は終始部屋着でやりました(^^;)
低圧ピストンは多少力は要っても、割とすんなり抜けてくれました。
Oリング周りに汚れがギッシリ(笑)
ピストンとシリンダーはゼロ当たりだと思っていたのですが、Oリング二つで拘束をかけているようです。
…実はトチッてオイルを抜く前にピストンを抜いてしまい、このあとまた戻すというムダを踏んでいます(^^;)
さらに戻すときの圧の逃げ場もないので、地面にオイルを撒いてしまいました…
ピストンが刺さっていたシリンダーです。
中に金属のボールが入っているそうなので、この状態でひっくり返してはいけません!
残油も出てきます。
ピストン洗浄中はゴミが入らないように、養生テープとかを貼っておきます。
ピストンとスプリングを洗浄します。
このまま再利用予定ですので、ゴム系にダメージを与えないようにまずは水ですすぎます。
歯ブラシがあると隙間の洗浄や錆落としに使えるので、なお良しです。
エンジンオイルほどしつこくないので、ハンドソープで大方落とせます。
その後現状確認し、問題なさそうであれば、ケミカル系(後述)でさらに洗浄します。
高圧ピストンの様子。
Oリングと樹脂製のリングが入っていますが、ピストンの溝に対してクリアランスがあります。
ピストンに細かい傷があるので、分解・交換歴あり?
それとも新品でクリアランスありなのでしょうか?
傷はごく浅く、シリンダーに干渉するほどのものでは無さそう。
Oリング周りも割ときれいな状態です。
低圧ピストンの様子。
こちらはピストンに打痕や擦り傷が点在しています。樹脂製リングにも一部削れあり。
ただこちらは問題なく動いていたので、これくらいの傷なら問題無いのかと思います。
Oリング自体はきれいです。
スプリングはメッキ?されているのか、まだまだきれいな状態。
一部錆が浮いていますが、錆除去剤で落とせそうなレベル。
ちなみに、左右で僅かにスプリング内径が違うようです。
適当に組んだら、片方が低圧側のシリンダーに入りませんでした。
水とハンドソープで落とせなかった汚れは、チェーンクリーナーで落とします。
役割はパーツクリーナーと同じですが、自転車やバイクのチェーンへそのまま使えるように、ゴム系、樹脂系への攻撃性が少ないそうです。
とは言え、裏に『ゴム・プラスチック面にはかからないようにする。』と書いてあるので、過信は禁物です(^^;)
ピストンヘッドの錆は556とパーツクリーナーで落とし、再度水で流します。
全て落ちるわけではありませんが、今回は時間重視です。
Oリング周りにかからないように、手でカバーするようにピストンを持ちます。
悪あがきですが、ピストンのカムとスプリングの座面も掃除しておきます(笑)
カムはグリスを塗ったほうが良いのでしょうが、持つときに触れる確率高めですからね〜…
シリンダーも掃除しますが、あまりガッツリやるとゴミが入りそうなので、テープでペタペタ取るくらいに留めます。
トイレットペーパー(新品ウエスがベスト)で、内面も届く範囲で軽く拭き上げます。
高圧側は指が入りません(^^;)
ピストンをシリンダーに戻す前に、シリコンスプレーをOリング周りに吹いておきます。
ゴム、金属など様々な材質の潤滑に使える優れもの!
コーナンで入手しました。
これなら、マフラーハンガーブッシュの脱着にも使えそう。
ピストンを戻したあとにハンドルベース前の横棒を戻すのですが、序盤と同じく、ジャッキハンドルを錘にしてスペースを確保します。
スプリングワッシャーで見事に削られたボディー…
座面周りをきれいにしておきます。
横棒とボルトは取れる範囲で錆取りをして、ネジ山にシャシグリスを塗ります。
組み上げたら、一度ポンピングしてピストンがしっかり動くことを確認します。
いよいよラスト!
ジャッキーの注入とエア抜きをしていきます。
アストロプロダクツで入手しました。
なんとなく注射針切り。
こうすると、チューブ周りが汚れにくかったです。
これくらいの高さで切るとボトボト出て来ず、“しぼりたて生しょうゆ”の要領で注入できます。
はじめ、出てこうへんやんって思ったら、中栓がしてありました。
中古品なので説明書は無く、本体のラベルには取り扱い注意のことしか書いておらず。
下調べで『オイルはおよそ200ml入る』、『いきなりヒタヒタまで入れるとエア抜きで溢れる』という情報を得ていましたので、私のやり方を過剰書きにします。
①.サドルを下ろし、ハンドルを緩めた状態で100ml(ボトル残り2/3)入れる。
②.ハンドルを締め、最上位まで上げて下げる、を5回繰り返す。中からゴボゴボ聞こえるので、おそらくこれでオイルが行き渡っている。
※エア抜きはサドル無負荷でオッケー!
※下げるときはゆっくり。早くすると吹き出す可能性あり。フィラーからオイルミストが出てくるくらいで。
③.さらに50ml(ボトル残り半分)追加する。
④.同じく、②のポンピングを5回実施。ゴボゴボ音が減ってくる。
⑤.さらに30ml(目分量)追加する。
⑥.同じく、②のポンピングを5回実施するが、下げるときはさらにゆっくり。ゴボゴボ音はほぼしなくなる。
※下げきる直前に油面が一気に上がる。
⑦.さらに20ml(気持ち程度)追加。
⑧.フィラープラグを締める。
締め具合は、フィラープラグのマイナス線が横向きになるくらい。(初期の確認忘れ。たぶん個体差あり。)
オイルの残り。
おそらく200mlプラスαくらい入りました。
最終確認!
落ちてこないことを確認します。
皆さんだいたい30分程放置されているそうなので、私も倣って30分放置です。
もちろんほぼ最上位、車の重量バランスが重い方で。
高さは目印になるものを車の横に置くか、手で測っておくとベターです。
ここからのオイル漏れもなし。
落下もなく操作感もスムーズになり、入手時の感触に戻った模様。
にしても、改めて見るとシリンダーに雨水入りますよね(´∀`;)
よくこれで数年間の屋外保管に耐えたな…
当時ヤフオクの中古品を入手し、整備手帳を漁ると私は2015年の2月から使っています。
コストパフォーマンスはメチャクチャ高いと思うけれども、海外製ゆえアフターサービスが効かんところがネックかな〜
入手時はそんなことまで考えておらず、盲点でした。
アフター含めると、やはり日本製がベストか。
ともあれ、復旧できたので、安心して翌日のサーキットに行けます!
自分が使わなくとも、貸せるケースもあるわけですし(^^)
またいつ何時使えなくなるか分からないので、Oリングは予備含め注文しておこうと思います。
にしても、明日の西日本雨予報は悔やまれる…
屋根付きパドック使えるかな〜(´∀`;)
去年の春、狭い道で切り返してたら高さ30cmほどの岩に引っ掛けてしまい。
リップ下はもともと削れていたのでまだ良しとして、バンパーまでヤられました(´;ω;`)
中古品できれいなバンパーを大奮発っていう手も無くはないですが、懐的にも責任感としても、自分で治してあげたいところです。
錆びることはないのでとりあえず放置ですが…
車はオーナーを選べないっていうのはこういうことですね(´∀`;)