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オヤジ的テク考察

コーナリング(2)
2008年12月21日
サーキットに来た最初は、昔から身についた「直線で減速を完了して、スロットルオフでターンイン。その後エイペックスまで車速を維持し(維持するだけのアクセル開度で)、奥に取ったクリッピングポイントの直前(円弧がゆるくなるところ)でアクセルを開けて行き、全開に持っていく」という峠走り時代からの走り方で走ってました。従ってコーナーを速く走るというのは変化するコーナリングの弧で遠心力=グリップ(摩擦係数)一杯の旋回速度を上げることだと思ってました。

実はこの基本には例外があり、競争時に進入でインをさす目的のモスラインというものがあります。(ポールフレール著「ハイスピードドライビング」参照)この走り方は、最速のコーナリングラインとスピードを捨てますが、コーナーアプローチの進入スピードを上げ、減速で相手のインを刺し、相手を抑えて立ち上がる走り方です。(前出(1)の図とあわせてご覧ください。)またこの走り方のメリットは、仮にロックさせてブレーキングに失敗してもコーナーの奥が広くつかえるので安全なことです。

ところがこの様な古典的走法とは別に、(私の場合2006年に入り、コーナリングで「ブレーキ残し」という言葉を聞き、また「曲げるブレーキ」だの「引きずるブレーキ」だの人によってさまざまですが、)フルブレーキング以外のコントロールのためのブレーキの利用があることを知りました。このような走りが可能となったのは、サスペンションとタイア性能が向上したためでありますが、しかしそれを「頭では」理解しても、単にコーナーのターンインまでブレーキペダルに足を乗っけいてたというだけで、積極的に荷重や姿勢をコントロールするということは無かったです。矢張り習い性から「コーナーでブレーキを使う」というのは当時の私にとって禁忌でした。

次にその理論的な背景や実際の走りでの応用をはじめて試したのが、2007年3月の茂原です。まぁその時は低速コーナーだけだったから、余り本格的ではなかったですが、その後より高速なTC2000で試していきました。

サーキットでのスポーツ走行時の「ブレーキ残し」の理論的な裏づけは上記の図で説明できるでしょう。

(1)で図示したコーナリングの基本、即ち直線で制動を完了して、定常円で遠心力=グリップの限界のコーナリングでエイペックスを過ぎて円弧がゆるくなったところからアクセルを入れて行くというのは、理論的にはありえますが、荷重変化のファクターがないのとステアリングの切りはじめからヨーがたった状態とコーナリング中に変化する応力変化の状況は余り考慮されてません。従って「基本が余り速くない」、「基本より速い走り方がある」という経験則が段々と理論的な分析を受けて、現代的な走りが生まれてきたのではないでしょうか?

技術進歩によってサスペンション性能がよくなり、コーナーでブレーキを踏んでもすっ飛んでいかなったのと、むしろターンイン時に制動で前荷重を掛け、摩擦円の絶対的半径を大きくして、その後横Gが増加するのに合わせて徐々に制動(後ろ向きのベクトル)を減らし、次にステアリングを戻して横Gが減少するのに合わせてトラクションをかけて、コーナリング中常に摩擦円の限界を維持するという非常に合理的、効率的な上記図の考え方(走り方)が現代の主流となってきたのではないでしょうか?

この走り方だと自ずとブレーキングポイントが奥に移り、進入の弧が緩やかになり、コーナリングしながら残りの制動を完了させることになりますので、「進入=ややオーバースピード=慣性(車の重量配分が影響します)を利用した操縦特性の変化=進入からブレーキを離すまでに車の向きを変える」という従来の「Uの字」アウト-イン-アウトを「Vの字」アウト-イン-アウトに変えてきている、といえなくもありません。

いずれにせよ、これは「近代から現代への走り方の変化」一般であり、ミッドシップスポーツの個性や、40:60のSW20、更に「私のSW20NAでの走行経験」の話ではありません。

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