
過去の愛車を投稿してみて、わたしは過去3回にわたって「同じ車種を2回買う」という愚行を繰り返していることが分かった。たぶん、わたしは乗り物に関してすごく保守的なんだろう。
しかしその一方で、同じ車種を買うくらいなら似たような競合車種も買っておけばよかったと思う時もある。
2012年に最初のシトロエンDS3を買う際に、同時にアルファロメオのMiToも検討していた。どちらもすごく欲しいがもちろん2台同時には買えない。DS3とMiToを比べてみるとMiToは価格が30万円くらい高く、馬力はちょっと小さく、これは主観だが、内装は少し安っぽく見えた。そして当時のモデルはミラーが手動格納式だった。それならお得なDS3にしようかなと安易に決めてしまった。
そう、今思えば全く安易だった。上で羅列したMiToのウィークポイントらしきものは、こうして今になって再び思い出すと価格以外は全く瑣末なことだったと断言できる。何と言ってもMiToは素晴らしいスタイリングで、しかも「アルファロメオ」って書いてある。それが330万円なら十分にお得だった。もったいないことをした。どうせ3年という超弩級スーパーローンを組んで買うのだから、30万円の価格差など僅かな節約で乗り切れたはずだ。
2016年にディーラーから超お得価格で提案されていた2台目のDS3を買う時も、MiToのことが少し頭の中をよぎった。当時のMiToはなぜかものすごくお得な価格になっていた。たしか下のグレードはDS3と同じくらいの価格ではなかったか。しかしMTはラインナップから消えていた。MTだろうとATだろうと本当はどっちでも良いのだが、宗教上の理由でMTしか乗れないとかわけの分からないことを言ってむりやり自分の中で折り合いをつけてしまった。最後のダブルシェブロングリルをつけたDS3というポイントに惹かれたが、これまた今思えば全くどうでもいいポイントではあった。とにかく急いで決意しなければならなかったし、何より4年間でDS3がすっかり気に入っていた。
外車の中古車はスーパーカーでもなければ総じて安い。登録から7年を超えたあたりで急に安くなる。10年も経ったものなら買うだけであればかなり気軽だ。そういう激安車を車検のたびに乗り換えるようなカーライフも悪くない。
過去に所有していたCB750というバイクは2回買って、どちらの場合も非常に気に入っていたのだが、同時期に売っていたカワサキのゼファー750もずっと気になっていた。どちらも同じような作りの同じような性能のバイクだったが、まあそのうちつまんでみようと油断しているうちに機会を逸してしまった。今やゼファー750の中古車はすごく高価でとても手が出ない。2000年ごろまでは安価な中古車もいっぱい売っていたので買っておけばよかった。
今所有しているバイクであるヤマハSR400はこれまた2台目だ。最初の1台は2003年に買った新車だが、4年前に買った2台目は2008年式で、買った時点で17年落ちという大古車だ。これまでこんなに古いバイクを買ったことはなかった。しかし価格は新車より高かったし、初代の2003年式SR400より5年も新しいという錯覚が働いてどうも気持ちが混乱する。とにかく大古車なので、細部には部品の消耗や組み間違えもあった。そんな箇所が見つかるたびに近所のバイク屋さんで修理してもらっているが、それでも動けなくなるような故障はタイヤチューブが裂けてパンクした時だけなので、まあ売った店は良い仕事したと言えるのではないだろうか。完璧ではなくても、致命的な箇所だけは事前にちゃんと修理されていたことも事実だった。
実を言えば、2003年にSR400の新車を買うまでは、超激安の中古車を何台も乗り継ぐようなバイクライフをおくっていた。中には3万円で買ったスズキGSX750Sカタナもあった。カタナは人気のあるバイクだったが、世間では1100ccの輸出モデルが持て囃されていて750ccは非常に安かった。わたしのはさらにサビだらけで、きわめつけにタンクがボコーンと派手に凹んでいたから安かったのだ。それでもちゃんと調子良く動くので、あちこち修理しながらも4年くらい乗っていた。
そう、昔はナナハンなら3万円では難しいが30〜40万円くらい出せばけっこう良いのが買えたのだ。今はさすがにそうはいかないようだ。しかし、近所にある数軒の中古バイク屋を回っただけの感想ではあるが、昔のようにアカラサマにボロっちい中古車というのはあまり見られないような気もする。昔は上野で買ったバイクは荒川を越えられないとか、甚だしい場合は隅田川すら越えられないとか言われていたものだ。
さらにわたしは歳をとり、中古車が多少おかしくてもいちいち機嫌を損ねない程度の分別が身についた。これでさらに経済力と置き場所があれば、ボロっちいクルマやバイクを大量にかき集めてしまって大変なことになっていただろうが、幸いどちらも無いので無事に過ごしている。
Posted at 2025/05/09 14:15:33 | |
トラックバック(0) | 日記