2015年10月15日
売却金30億円が神戸山口組の資金に!? 新宿の「超問題物件」売買の真相
■ 不動産業界では誰もが知る新宿の「魔窟」
まさに「魔窟」である。
ワケあり不動産には自信を持つ暴力団系不動産業者、事件屋、ブローカーが取引に挑み、枕をそろえて討ち死にしてきた物件がある。
新宿駅南口から徒歩3分の約150坪。形状がよく、大通りに面していて交通至便とはいえ、「なんの変哲もない」というしかない土地だが、「真珠宮(しんじゅく)ビル跡地」といえば、不動産業界では知らない人がない。
その「魔窟」が、また騒動に巻き込まれた。今度は山口組分裂騒動に絡むというのだからスケールは大きい。
飛び交っているのは、次のような情報である。
真珠宮ビル跡地の所有権者は、今も後藤(忠政・元山口組系後藤組組長)さん。今回の山口組分裂騒動で、神戸山口組に心情的に肩入れしている後藤さんは、売却代金の30億円を神戸山口組の立ち上げ資金にしてもいいと考えている――。
確かに、絶妙なタイミングで不動産登記簿謄本は動いていた。8月21日、新宿区西新宿に本店を置く不動産業振興協同組合(代表理事・三橋圭一)が、売買予約の所有権移転請求権仮登記を打っていた。
仮登記のための手付金が3億円で、それを負担したのが九州の暴力団系金融業者だと言われていた。
山健組の井上邦雄組長ら13名が、神戸市の山健組に集まり、神戸山口組を結成したのは、それから6日後の8月27日。正確な売買代金は26億5000万円で残りの23億5000万円は、10月8日に決済されるという話だった。
■「ウワサ」を補強する材料
山口組分裂は、これまでも何度か仕掛けられている。
その中で未遂に終わった最大のクーデターが、08年秋、井奥文夫・井奥会会長や奈須幸則・3代目大門会会長が仕掛け、太田守正・太田興業会長、浅川陸男・2代目浅川一家総長などが関わったものだった。
十数名が集まり、謀議をした直後、執行部の知るところとなって、井奥、奈須の両氏は最も重い絶縁処分となり、太田氏ら5名は除籍処分となって引退した。
彼らは、司忍6代目の出身母体である名古屋の弘道会が、山口組の運営も人事も好き勝手に行い、しのぎも弘道会を優位にしていることへの不満をつのらせていた。武闘派で知られ、資力も戦闘力もある後藤氏を押し立てるか共闘することで、弘道会執行部に対抗しようとしていた。
大量処分の直前、後藤氏が除籍を受けている。名目は「芸能人を集めた誕生日祝いのゴルフコンペやディナーショー」だったが、実態は、執行部批判を強める後藤氏を恐れ、引退に追い込む材料を探しており、それにうまくハマったに過ぎない。
クーデターをともに仕掛けたわけではないが、弘道会支配への不満は同じ。後藤氏は、日本を離れてカンボジアに暮らしているものの、日本と連絡は密にとっており、山口組への郷愁もある。神戸山口組への肩入れは、十分、考えられることだった。
だが、10月8日の売買は成立しなかった。というのも、協同組合が残金の23億5000万円を用意できなかったのだ。
資金的な背景がなかったということは、「後藤氏の協力」という前提が崩れる、ということだ。後藤氏周辺は「心情的に応援するのはわかるけど、今の後藤さんが資金支援することはない」と、断言する。
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2015/10/15 16:14:36
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