2.29kmのコースを35周して争われるモスクワePrix決勝レース。絶好のスタートを見せたのは、2番手スタートのピケJr.。1コーナーまでにポールポジションスタートのベルニュを交わし、一気に先頭に立つ。以下、ディ・グラッシ、ブエミが等間隔で続く。2周目以降、5番手に上がっていたダニエル・アプト(アウディ・アプト)のペースが上がらず、トップ4台からは徐々に引き離されていってしまう。その後ろにはジェローム・ダンブロジオ(ドラゴン)、ニコラス・プロスト(e.ダムス・ルノー)らが、数珠つなぎで続いていく。
5周目からはピケJr.がスパートを開始。後続よりも約1秒速いペースで飛ばしていく。しかし、バッテリー残量はベルニュ以下とほぼ同じで、決してオーバーペースなわけではない。8周目にはピケJr.とベルニュの差が4.1秒まで広がってしまう。チャンピオンをピケJr.と争うディ・グラッシとブエミからすれば、早い段階でベルニュの前に立ちたいところだ。
10周目終了時点で、バッテリー残量に差が出てきた。先頭を逃げるピケJr.は39%の残量となっていたものの、ベルニュ、ディ・グラッシは40%以上。ブエミに至っては47%と大幅に残している。ブエミはベルニュとディ・グラッシを抜けないと見るや、バッテリーをセーブしてピットインのタイミングを変える作戦に出たようだ。
後方ではアムリン・アグリのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタが、シケインでヤルノ・トゥルーリ(トゥルーリ)のインに飛び込みオーバーテイクを狙う。しかし、ここではデュランがトゥルーリをコース外に押し出す形となってしまう。
バッテリー残量が少なくなってきたピケJr.はペースを落とし、後続のベルニュ以下が接近。当初4秒以上あった差は14周終了時点で2.8秒にまで縮まっている。ピケJr.のバッテリー残量は16%だ。ブエミは27%を残している。
ディ・グラッシとブエミは17周目にファンブーストを使い、ペースを上げる。ピケJr.もファンブーストを使い、2%を残してピットへ。後方ではブルーノ・セナ(マヒンドラ)が1コーナーでスピンし、リヤのアッセンブリーを完全に脱落させている。
18周目にはベルニュとディ・グラッシがピットインしてマシンを交換。このタイミングでディ・グラッシがベルニュの前に出る。ただ、ピケJr.からは7秒も遅れてしまった。ブエミはコース上で飛ばして順位の逆転を狙い、19周目終了時点でピットインする。
しかしブエミは、ピットでの最低滞在時間(59秒)よりも10秒近く長い1分8秒もピットに留まってしまうミス! 順位こそ4番手をキープしたものの、先頭のピケJr.から15秒以上も遅れた位置でのコース復帰だ。チーム代表のアラン・プロストの説明によれば、完全にチームのミス。ピットレーンの最低滞在時間を68秒と勘違いしていたという。チャンピオンシップを争う上でも、これは痛すぎるミスと言えよう。コースに復帰したブエミは、失った時間を取り戻そうと、ファステストラップを連発して前を追う。
なお、14番手を走行するベンチュリのステファン・サラザンには、ピットの最低滞在時間違反で、ドライブスルーのペナルティが課せられてしまう。また、ヴァージンのサム・バードはレース序盤にマシントラブルが発生。早々にマシンを交換したために、24周を走り切った時点でエネルギーを使い切ってしまい、リタイアとなっている。
レース残り6周というところで、2番手のディ・グラッシが先頭のピケJr.に急接近。差は2.6秒まで縮まってきている。この時点でトップ3台のエネルギー残量はほとんど変わらず。ブエミは5%以上多く残して前を追うが、まだトップからは10秒以上の差がある。
32周目に入ったところで、ディ・グラッシはピケJr.の1.7秒後方まで迫る。残りは4周。ベルニュはここから6秒遅れ、ブエミはベルニュまで2秒差まで詰め寄っている。この頃、ヘアピンではトゥルーリにロイック・デュバル(ドラゴン)が追突。トゥルーリのリヤアッセンブリーが脱落してしまう。
残り1周というところで、ピケJr.とディ・グラッシの差は2秒まで広がり、ここで勝負あり! ブエミは3番手のベルニュに0.5秒まで迫っている。
そのままピケJr.は先頭でチェッカー! フォーミュラEでの自身2勝目を挙げ、ランキングトップの座を堅持した。2位でフィニッシュしたのはディ・グラッシ。ブエミは最終ラップでベルニュを交わし、3位表彰台を確保している。ベルニュは最終ラップでバッテリー残量が足りなくなり、結果的にはニック・ハイドフェルド(ベンチュリ)にも抜かれて5位フィニッシュ。予選での速さを、またしても決勝に繋げることができなかった。
このレースの結果、ピケJr.が128ポイントでランキングトップ。ディ・グラッシが116ポイントで2番手、ブエミが111ポイントで3番手となっている。残すは2週間後、ロンドンで行われる2レースのみ。さて、最後の最後の笑うのは誰なのか?
なお、3位フィニッシュを果たしていたe.ダムス・ルノーのセバスチャン・ブエミは、ピットからコースに復帰する際の危険行為を指摘され、レースタイムに29秒加算のペナルティが課せられた。これにより順位が9位へと降格、代わってベンチュリのニック・ハイドフェルドが3位に繰り上がっている。
■フォーミュラEモスクワ 決勝リザルト
POS / NO / DRIVER / TEAM / LAPS / TIME / GAP
01 / 99 / Nelson Piquet / NEXTEV TCR / 35 / 43:18.867 /0
02 / 11 / Lucas di Grassi / Audi Sport ABT / 35 / 43:20.879 / +2.012s
03 / 23 / Nick Heidfeld / Venturi / 35 / 43:30.415 / +11.548s
04 / 27 / Jean-Eric Vergne (P) / Andretti / 35 / 43:31.283 / +12.416s
05 / 66 / Daniel Abt / Audi Sport ABT / 35 / 43:44.493 / +25.626s
06 / 77 / Salvador Duran / Amlin Aguri / 35 / 43:47.827 / +28.960s
07 / 55 / Antonio Felix da Costa / Amlin Aguri / 35 / 43:49.396 / +30.529s
08 / 8 / Nicolas Prost / e.dams-Renault / 35 / 43:50.423 / +31.556s
09 / 9 / Sébastien Buemi (FL) * / e.dams-Renault / 35 / 43:58.917 / +40.050s
10 / 28 / Justin Wilson / Andretti / 35 / 44:05.187 / +46.320s
11 / 7 / Jerome d'Ambrosio / Dragon Racing / 35 44:10.341 / +51.474s
12 / 5 / Karun Chandhok / Mahindra Racing / 35 / 44:11.360 / +52.493s
13 / 3 / Jaime Alguersuari / Virgin Racing / 35 / 44:14.677 / +55.810s
14 / 30 / Stephane Sarrazin / Venturi / 35 / 44:15.582 / +56.715s
15 / 6 / Loic Duval * / Dragon Racing / 35 / 44:37.630 / +1:18.763s
16 / 21 / Bruno Senna / Mahindra Racing / 34 / 43:38.559 / +1 lap
17 / 18 / Vitantonio Liuzzi / Trulli / 34 / 43:39.264 / +1 lap
18 / 10 / Jarno Trulli * / Trulli / 32 / 40:22.293 / +3 laps
19 / 88 / Antonio Garcia / NEXTEV TCR / 32 / 44:03.985 / +3 laps
20 / 2 / Sam Bird / Virgin Racing / 24 / 30:41.516 / +3 laps
(P) = Started race on pole/(FL) = Fastest lap of the race
* Car 9 (Buemi) 29 second drive-through penalty for unsafe release
* Car 6 (Duval) 29 second drive-through penalty for unsafe release
* Car 10 (Trulli) 5-place grid penalty for next event - overshot Turn 7 on three occasions and failed to slow significantly
なんだろうなー、あんまりコース上では、順位に変動のないレースだったな。ピケJr.のホールショットで勝負ついちゃってたし、抜かれたベルニュも追いつけないペースだったからな。そのあとは、ピットインまで動きないから見てて少し退屈だった。
中盤のトゥルーリ大渋滞は、笑ってしまった。だって毎周同じシケインでリプレイかよ!って感じにコースアウトさせられてんだもん。ほんとなんでトゥルーリって毎回トラブルんだろうか。F1でTOYOTAが撤退してから踏んだり蹴ったりだよね。トゥルーリ教官おつかれした~Www
終盤は、ベルニュをオーバーテイクしたディ・グラッシがピケJr.に追いついて来て抜けるのかみたいな展開あったけど周回足りないのとファンブーストしてもピケJr.も持ってたからダメだったね。終段勢に接触も多かったし。
てか、俺は3位争いが大分、ややこしかったな~と思う、ファイナルラップでベルニュがブエミに抜かれて、最終コーナーでハイドフェルドにも抜かれて、レース終わってブエミがペナってハイドフェルドが3位表彰台・・・なかなかややこしいwwwとりあえず、ニックが3位になってよかった。開幕のクラッシュ以来、いい結果出てなかったからなおさらだね。
Formula Eも残すところイギリス ロンドンの連続開催の2レースのみになり、そのレースにアムリンアグリから山本左近選手が出走するそうです。開幕戦の琢磨選手に続いて二人目の日本人ドライバーの参戦どういう活躍を期待したいね。
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Formula E | スポーツ
Posted at
2015/06/13 20:41:51