ArduinoによるDIY EFI企画、Speeduinoフルコン化 6回目です。
前回では安定した始動とアイドルまでを行いました。
今回は街乗りができるようにします。
ということで作りました、テーブル
とはいってもそう簡単なものじゃありませんでした。
なんせゼロからテーブルを作成しますので・・・
私流ゼロからはじめるテーブルの作り方ByTunerStudioを備忘録として書いておきます。
用意するもの:
タイミングライト(アストロで5000円)
ノートPC
配線完了済みのSpeeduino+車両
空燃比計(PLXなど)
TunerStudio 有料版(7000円程度)
①まずVE TableとSpark Tableをいじってアイドル安定までもっていきます。
※下準備としてVE Tableの下の項目の「Multiply by AFR to Target AFR」を「No」にしておいてください?
AFRテーブルをターゲットとして際御するかどうか?ということですが
この時点ではまだAFRは無視します。(というか手動で合わせこみます)
ここでタイミングライトを使って要領書の基準値に点火時期を合わせますが、
たとえば要領書には「5°BTDC」と書いてあるのにSpark Tableで20にしないとそこに合わない、という場合はクラセンがズレてます。なので「Trigger Setting」からクランク角度を合わせてください。
なのでこの場合はSpark Tableのアイドルエリア6セルくらいに「5」と入れてからTrigger Settingで実際の5°BTDCに合わせる感じです。
それ以外のエリアにはそのアイドル点火時期-10、最高負荷域では-15ぐらいの数値を入れておいてください
フルトラデスビ車両の場合はデスビの角度を真ん中に合わせてから点火時期を調整するほうがいいです
②VEテーブルの作成
VEテーブルですが、TunerStudio有料版には「VE Table Generator」なるものが存在します。
(VE TableのウインドウのToolバーにあります)
これを使ってVEテーブルのひな型を作ります。エンジンのタイプを入れていけば勝手に作成される超便利なツールです
過給機搭載車はVEの値が180とかヤバい値になりますが気にしないでください。
(理論上吸入できる値よりも多くの空気を吸えるのが過給機搭載車両なので。100=理論上「吸い込む」ことができる空気量)
これが作成出来たらアイドルエリアにアイドルを安定させた値を入れておきます。
(理論空燃比に近いほうが理想です)
そのアイドルセルとジェネレーターで作成したテーブルに差がある場合は有料版TunerStudioには段をなだらかにする便利機能もありますのでそれを使ってみるといいです
この時点ではまだAFRは気にしないでください
③この時点で走行できるか試します
安全な場所又は私有地またはサーキットでロードテストをします。
発進時にエンストしないか、ドライバビリティが極端に不良でないか、加速状態など、街乗りできるかどうかを総合的に判断しておきます
この時点では上まで回してはいけません あくまで常用回転域でどうか?という話です。
AFRは過度に気にしなくてもいいですが理論空燃比より大きくなる(燃料が薄い)場合はアイドル以外のVEセルを増やしたりします
基本的な考え方は「壊さないように、燃料は濃いめ」です
燃料が薄いと高負荷で排気が超高温になってバルブが欠け落ちたりするらしいです。
④AFRを詰めつつ徐々に負荷や回転数を上げていき、点火時期を合わせこみ
ここまできたらあとはひたすら走って詰めての域になります。
ついでに①でOFFにしていたターゲットAFRを使用するかどうかの項目をONにします
ここで点火時期も詰めますが、点火時期も「エンジンを破壊しないように、遅めから詰めていく」ことが大前提です
最初からギリギリの数値を入れたりしてノッキングが最高負荷で起こったら、エンジンはあっけなくズタズタになります
(ピストンINマニ側が棚落ちすると思われます)
そしてノッキングの音には常に敏感になりましょう。
私は中央分離帯のある道の一番右側を窓全開で走りながら詰めたりしています(音が聞きやすい)
なので最初はかなり出力が低い状態になるはずです(点火時期が遅いので)
私は今④の段階ですが、点火時期の調整がなかなか難しく
ノック信号を入れたいなぁとか思っています。
あくまでこれは私がはじめてフルコンをいじるときにとった方法なので、別のもっと簡単な方法もあると思います。
クルマによってもだいぶ合わせ方が違うと思うので、もしチャレンジする場合は、この記事を100%鵜呑みにはせず、自分なりに調べながらセットアップしていってください。
そして、常に「ソフトウェアによってエンジンを簡単に破壊できてしまう」ということを頭に入れながら現車合わせをしてください。
次回は(もし記事を書くとしたら)配線やトリガーなどの細かい部分の紹介か、ダイノにかけて出力を見るか、ローンチのセットアップでも書けたらなー、と思います。
今回のフルコン化で基礎的なECUチューンの情報を教えていただいた、
霧ちゃんさん、ta-bowzさん、
twitterのほうでも他の方にも情報提供していただいてここまで持ってくることができました。
この場でお礼申し上げます、本当にありがとうございました!