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Maid IN Germany MBTのブログ一覧

2006年10月07日 イイね!

OICW

OICW■個人携行火器・サブシステム
ランドウォリアーで開発される歩兵用小火器は第一段階が既存のM4カービンライフルを使用し、第二段階では、XM-29SABR(Selectable Assault Battle Rifle)計画で次世代個人戦闘兵器OICW(Objective Individual Combat Weapon)が開発される。OICWは、米国大手銃器製造メーカーH&K社と米国航
空宇宙・砲弾弾薬製造メーカーのATK(Alliant Techsystems Inc/アライアント・テクシステムズ)社が共同で主契約企業に選定されM29の開発コード名称が与えられ、現在も開発中で、これだけでM16A2、M4A1カービンとM203擲弾発射機(グレネード)を全て更新する画期的歩兵用アサルトライフルである。

M29は、5.56mm弾(20/30発弾倉)アサルトライフルにブルバップタイプの20mm擲弾発射機(6発弾倉)が一体化され、光学照準器、昼夜間兼用熱線映像装置(ビデオカメラ機能付き)と射撃指揮装置(TA/FCS)、レーザー測距装置LRF(laser rangefinder)、デジタルコンパスDC(digitalcompass )が標準で組み込まれている。 IHASと直結する事によりM29の照準をヘッドアップ・ディスプレイ上で行う事が可能で、遮蔽物に隠れたまま体を曝す事無くビデオカメラ(M29)を向けるだけで射撃可能となっている。
TA/FCSの搭載とLRFで正確に目標を捕捉し、FCSスタビライザーで照準が補正され無理な姿勢からでもヘッドアップ・ディスプレイ上のレティクル(照準点)に合わせるだけで精密射撃が可能となっている。
20mm擲弾発射機は従来のM203 40mmグレネードに代わる物で、口径は縮小したが威力はほぼ同等の性能を有する。 また、TA/FCSの搭載によって瞬発・遅発・空中炸裂が選択可能となっており、中でも空中炸裂モードは面制圧が可能で、LRFとDCの併用で正確な距離と方角を算出し従来の40mmグレネードと比較にならない攻撃力を発揮出来る。現在は開発段階だが、重量が8kg強もある為陸軍では5kg台まで軽量化を図るように要求している。 
2006年10月06日 イイね!

FN-FAL

FN-FALベルギーという国は日本では無名ではないにせよ、小国ではあるためにあまり印象ある国とは言えない。第一次大戦と第二次大戦ではドイツ軍に真っ先に占領されたこともあるほどの小国で、特に第一次大戦前と第二次大戦前のドイツ軍のフランス侵攻作戦構想では両方とも、ベルギーの中立を無視した作戦が立てられた。ようはドイツ・フランスが直で接している所は当然フランスの防備が固いから横から攻めればいい。特に森林や大河などの傷害物がなかった低地諸国三国(ベルギー・オランダ・ルクセンブルグ)はその格好の進撃路となった。小国ゆえ、その進撃を独力で防ぐ手段はなかった。
 日本でベルギーが知られているといえば、ベルギーワッフルとサッカーが強いぐらいなもんだろう。ただ、銃器マニアには有名なFN社という銃器メーカーがある所としてよく知られている。特に長らく使用された軍用銃に「ハイパワー拳銃」というのがあるし、これから紹介するFAL自動ライフルも長く、そして多くの国に使用された。
 FN社の技師の何人かは1940年5月に始まったのドイツ軍侵攻でイギリスに逃れ、そこで新型ライフルの開発をしていたとされる。戦後、彼らが作ったのはSAFNと言う自動ライフルだった。このライフルはセミオート射撃しかできなかったものの、性能自体は満足いくものでいくつかの国に採用され、特にエジブトからは大量の発注が来た。残念な事に全部を納入する前にエジプトで革命が起きて王制は崩壊してしまった。
 SAFN自体は普通のライフルではあったが、これからの戦闘では歩兵個人の火力が重要視されると戦訓で得ていたために、どうしてもフルオート機能を持たせる必要があった。完成したのが後にFALと呼ばれる自動ライフルだった
1948年に原型が完成したとされる。ただ、当時想定していた弾薬は7.92mm×33や.280などの小口径弾薬だった。FAL自動ライフルはSAFNと違いフルオートもできるように設計されてるため当然とも言える。しかし、1950年代にアメリカはNATO軍制式弾薬を.308ウィンチェスター(7.62mm×51弾)に制定したためFALもその銃弾用に設計をし直した。この弾薬選定は今でこそ失敗だと言われている。結果を知っている我々の意見を言うならば、たしかに全くその通りだと結論を出さざるを得ないだろう。だが、やはり後知恵の意見であることは今の人間も考える必要はあるだろう。

 しかし、決まってしまったのはしょうがなかったものの、フルオートでの射撃精度が大幅に落ちた。しかし、FAL自動ライフルの完成時点でライバルのライフルが存在せず、またFAL自動ライフル自体も優れた性能、そして優れたデザインであったために採用国は多くに登った。実に50ヶ国以上にのぼりライセンス生産していた国も多かった。FAL自動ライフルの完成の後にアメリカでM14自動ライフルやAR-10自動ライフルなどが完成したが、FALの優位は崩れなかった。ただ、西ドイツ(当時)のG3自動ライフルはそこそこに営業的成功を収めたためにFAL自動ライフルのライバルはこのG3自動ライフルだったと言えるのだろうか。

 多くの国で採用されたために、当然ながら世界各国の戦争・紛争で使われた。ローデシア(現ジンバブエ)での戦いでも使われたし、また、同じFAL自動ライフルが敵味方で使われたという例もあった。フォークランド紛争ではイギリス軍とアルゼンチン軍の双方が使っており、特にイギリス軍のFAL自動ライフル(イギリスではL1A1と呼ばれていた)は現実的でないという理由でフルオート機能が省かれていたが、アルゼンチン軍にはフルオート機能がそのまま残っていた。また、折りたたみストック型を装備していたために持ち運ぶ際はコンパクトにできた。そのためにイギリス軍兵士でアルゼンチン軍のFAL自動ライフルを捕獲したときは好んで使用したと言われている。

 今では弾薬体系が世界的に5.56mm×45弾になりつつあるために、FAL自動ライフルは退役傾向にある。ただ、今でもどこかで使われているのは間違いない


 FAL自動ライフルはデザイン的にはオーソドックスな構造ではあるが、これの原型が1940年末には出来上がっていた事を考えれば先進性はかなりあったとも思える。上の写真ではプラスチックグリップに銃床(ストック)であるが、初期のタイプは木製だった。
 上の写真の上は分隊支援火器(SAW)タイプで下がカービンタイプとなっている。通常のFAL自動ライフルには2脚(バイポット)は存在しない。ちなみに、上の写真では銃口消炎器がついているが、初期の製品にはついていなかった。
 FAL自動ライフルの外見的特徴といえば、運搬用ハンドル(キャリングハンドル)があることで、これがあると、持ち運びの際に楽だといえる。ただ、通常移動の際にのみ使って、戦闘行動の時には使わない。というか使ってはいけない。このキャリングハンドルは折りたたみが可能となっている。
 コッキングハンドルは機関部左側にある。これはMP43の影響としか思えないのだが、操作してみると、案の定というか操作しにくい。コッキングハンドルを左側面にもってくるならG3のようにハンドガード上にもってきたほうが操作はしやすい。セレクターも左側面にある。比較的大型で操作はしやすいが、小柄な手の人にはしにくいかもしれない。
 
 内部的には、FAL自動ライフルはオーソドックスなガス作動式で見るべき点はない。昔の鉄砲だからだろうか、機関部が削り出し加工で作られている。これは製作に手間がかかるという欠点はあるが、プレス加工と違って、1つの鉄の塊から作るので耐久性が高い。それがFAL自動ライフルが長らく使われてきた理由の1つかもしれない。また、削り出し加工はプレス加工と違ってボルトアクションライフルが作れる設備があれば作れるためにライセンス生産国が多かった理由の1つとも思える。東側のAKシリーズも機関部がプレス加工で量産しやすいAKM登場後にも機関部が削り出し加工のAK47がソビエト以外の国で作られつづけた理由もそこにあるだろう。
弾倉(マガジン)には20発の銃弾を入れることができる。装着方法はMP43やM16のようなリリースボタン式ではなく、右写真のように弾倉受け(マガジンハウジング)の前に弾倉を引っ掛けて後方に回転させるようにして固定する。ちょうどAKシリーズやドイツのG3ライフルと同じ方式になっている。取り出すには弾倉受け後方にあるリリースレバーと弾倉受けを一緒に握るような感じでリリースレバーを作動させて、装着の逆の動作をすればいい。この着脱方式は外れにくいという利点がある。また誤動作で弾倉が外れにくいという利点もある。しかし、M16などのリリースボタン式と比べると素早く弾倉交換ができにくいという欠点もある。
銃弾は5発1組のクリップに入った状態で支給されてくる。弾を弾倉に装填する際は右図のようなクリップガイド(正式には「マガジンフィラー」と言うらしい)を弾倉に装着してジャラジャラっと押しこむ。この動作を4回すれば素早く正確に弾込めができる。クリップガイドは銃に1つ付属している。
 クリップガイドがない場合は、クリップから弾を抜き取って1発1発積めこむ必要がある。手詰めは正確さに欠けるために、最後の1発を込める際にそれを指で押しこんでちゃんと下がるかを確認する。銃弾先端が弾倉前方に引っかかっている可能性があるため、下がらない場合は弾倉後ろを手でひっぱたくように指導されている。アメリカ映画でBARなどの弾倉を装填する際にヘルメットでコンコンと弾倉を叩くのはこういう理由がある。
 どっちの装填方法でも、戦場においては大抵1~2発ほど銃弾を抜くようにしている。理由は、めいっぱい積めこむと装填不良を起こすので(弾倉のバネが圧縮されすぎて銃弾がボルトをめいっぱい押してしまうため)そうする場合が多いらしい。言うまでもなく、軍隊での教育ではそうしたことはさせていない。
 1人あたりの弾倉装備数は採用国によってまちまちだけど(マガジンポーチなどのアクセサリー類が異なってくるため)イギリス軍の例では通常は8個装備が標準だった(銃に装着している1つを含めて9個になる)。ただし戦場においてはそうした服務規定はある程度は無視されるようで、イギリス軍のフォークランド紛争時においては14個装備した例もあった。

2006年10月05日 イイね!

MG42

MG42第二次大戦で結果的に負けたドイツではあったが、アメリカ・イギリス・ソビエトといった大国に独力で戦いを挑んでアメリカ以外には敗北寸前まで追いこんだし、特に、戦争初期は、ポーランド・デンマーク・ノルウェー・ベルギー・オランダ・ルクセンブルグ・ギリシャ・ユーゴ諸国・そして陸軍大国フランスをも屈服せしめ、一時的にせよ西ヨーロッパの全てを支配ないし影響力圏に置いた。そのドイツ軍の強さは、伝統というのもあったが、一番の理由は火力が充実していた事にある。

 第二次大戦初期のドイツ軍歩兵部隊には1個分隊(10人ぐらい)に1丁のMG34が配備されていた。MG34は世界初の汎用機関銃(GPMG)で重機関銃としても軽機関銃としても使えた。つまり1個分隊に重機関銃が1丁配備されてたと同じだった。MG34はベルト給弾式の機関銃で箱型弾倉(ボックスマガジン)の機関銃と比べた場合に火力の差が大きかった(箱型弾倉はせいぜい30発ぐらい入れるのが限界でその都度弾倉を交換する必要がある)。また、MG34は銃身交換が簡単で、たとえ銃身が連射で熱しても、銃自体を休ませることなく(従来の空冷機関銃は冷却させるために10分程度休ませる必要があった)、銃身だけをポイと交換するだけで即座に射撃を継続できた。予備銃身が2本もあれば、弾の続く限り銃身ローテーションで敵陣に銃弾を叩きこめた。ドイツ軍の快進撃は戦車の機動的運用がよくクローズアップされるが、こうした火力の強力さも多大に影響していた。

 MG34は歩兵部隊のみならず、戦車や装甲車やサイドカーの側面座席など、ドイツ軍の軍用車両の多くに搭載されていたせいもあり供給が需要に追いつかなかった。MG34は繊細な作りが故に加工の手間が多く、また繊細な作りは故障を少なからず起こす原因となった。これはスペイン内戦時に既に指摘されていた。既に1937年には後継機関銃をドイツ陸軍兵器局は欲していた。大規模な戦争になった場合、供給が需要に追いつかないのは目に見えており、事実そうだった。いくつかの会社に試作機関銃を作らせ、1938年4月までには各社の試作機関銃が完成した。特に有望視されたのがヨハネス・グロスフス・メタル・ファブリク社の機関銃だった。特徴はプレス加工を多用し、特に閉鎖器にローラーロック機構を採用した点が大きかった。比較的単純な仕組みで閉鎖機構を作った意義は大きかったといえる。機関銃で発射時に可動する部品はいくつかあるが、一番激しく動くのはボルトである。”激しく動く=壊れる確率が高い”のは言うまでもないだろう。そのためボルトは最高級の固い鉄で作られ、製造誤差も可能な限り少なくして作られた。「ボルトは銃の心臓」と言われる所以でもある。MG34はショートリコイルさせて(銃身が銃弾発射の反動で後退して)ボルトを90°回転させて閉鎖を解除してその慣性でボルトを後退させて作動する。MG42もショートリコイルするには違いはないが、閉鎖解除方法にローラーロッキングシステムを採用した点にある。ローラーロッキングとは左右2つのローラーがボルトに取りついていて、閉鎖時は広がって機関部(レシーバー)に固定される。銃弾を発射して反動でショートリコイルして銃身が後退するときに同時にローラーがボルトにもぐってある一定の後退で完全にもぐってしまい、ボルトと機関部の閉鎖が解除されボルトが後退して作動する仕組みとなっている。そのため単純な前後運動なのでその信頼性は理想の上でも高かったし実際にも信頼性は高かった。この仕組みは定説ではポーランド軍が開発中だった機関銃を1939年のポーランド戦役の際にドイツ軍が資料を押収して開発してMG42を作ったというのが定説となっている(チェコ侵攻時に同国の試作機関銃を元にしているという資料もある)。上で書いたように戦前には既に原型が完成しているので実際の所はグロスフス社のグルナー博士と、同社で技術指導を行ったドイツ陸軍兵器局機関銃部門のエッカルト技師の功績といえるだろう。

 さて、1939年までには完成された状態にはなったが、同年9月1日にポーランドとの戦闘状態に突入し2日後の9月3日にはイギリス・フランスがドイツに宣戦布告し第二次世界大戦が始まったせいもあって、開発ペースが遅れてきた。それでもごく少数ながら試作機関銃が改良を重ねて作られてはいたらしい。
 1941年6月22日。ドイツは突如としてソビエト軍に攻撃をしかけた。この作戦には300万人という空前絶後の大兵力が動員された。無論、全員が鉄砲担いで戦ったわけでもなかったが、これだけの兵力となると機関銃も相当数必要であり、ここにきてMG34の生産性の悪さが表面化してきた。快進撃が続いてはいたが、兵員の数だけはドイツ軍に勝っていたソビエト軍ではあったため、戦いが続くとより機関銃不足に悩まされる可能性は大きかった。実際に機関銃不足が解決することはついになかった。
 クローズアップされたのが上記グロスフス社の試作機関銃で、仮にMG39/41と命名され300丁(1500丁とする資料もある)が急遽作られて東部戦線へと送られ戦場実験が行われた。結果は上々で、翌1942年初めに正式に「MG42」と命名されて制式採用された。

 MG42はMG34と比較した場合、MG34は丸みが合って繊細なため兵器というより芸術品という感じもするが、MG42はプレス加工を多用しているためにゴツく、まさに「兵器」そのものと言えた。MG42を受領した部隊ではMG34と別れるのをすごく惜しんだとも言われている。しかしそんな彼らでもいざ戦場で使ってみるとその惜しみも即座に吹っ飛んだ。
 MG42は毎分1200発という驚異的な発射速度とその命中精度の良さ、また銃身交換も本当に容易に行う事ができたし、多少荒っぽく扱っても作動不良は起こさなかった。MG42のすばらしさはまさにそこにあったといえる。なぜなら出現した時点で既に完成されていたからだった。たとえば陸の王者といわれたティーガー1重戦車も足回りの脆弱さはついに解決しなかったし、世界最良の中戦車と言われたパンター戦車も初陣(クルスク戦)ではトランスミッションの欠点が解決されておらず、投入数の実に5分の4が戦場に赴くことが出来なかった。戦争中はとにかく戦力化を急ぐので欠点の是正は戦場に投入してその報告を聞いて是正するのが主だったから、申し訳ない話だが、そのツケは末端の兵士が支払わされていた。しかしながらMG42は出てからすぐに戦場で大活躍したのだ。それは奇跡とも言えた。
ただ、アメリカ軍が自軍将兵に配布したMG42レポートにはあまりいい事は書かれていない。
「……MG42機関銃手は5~7バースト射撃をするように教育されている。なぜならそれ以上撃つと弾道が定まらないからだ。またその弾道も地上50センチほどの射撃で草刈機のようだ。MG42の射線に立ってもその命中精度の悪さから逃げおおせることもできる……」
 結論としてMG42は恐れるに足らずということになるのだが、これはMG42の高性能の裏返しと言える。そこまで嘘を言わないと兵士はドイツ軍と戦いたく無くなるからで、実際MG42に遭遇した兵士はその高性能を実感でき、そして恐れた。
 上のレポートはただの兵士慰撫用なのはアメリカ軍上層部も承知の上でその性能の良さは認めていた。だからこそ急いでBAR(ブローニング・オートマチック・ライフル)の後継機関銃としてコピーして作れといってきたのだった。コピーして試作したはいいが、ドイツでは単位はメートル法、アメリカはヤード・ポンド法だった。その変換の際の微妙なズレが影響して、試射の際に1000発ほど撃って壊れてしまった。その後、その寸法のズレが是正される事はなかった。
 余談ながら、ドイツ軍兵士の間では「Knochesage(骨きりノコギリ)」と呼ばれていたという。その発射速度の高さと命中精度の良さが伺える話ではないか。

 優れた機関銃であったMG42だが欠点もあった。毎分1200発という高発射速度は分隊支援火器としては高すぎた。分隊支援火器としては突撃に参加できるのが絶対条件でその際は射手1人で機関銃を持ち射撃しなければならない。当時のマニュアルだと、スリングを肩に通して左手で折りたたんだ2脚を持って射撃するようになっていた。発射速度が高いため銃口が定まらず、脅し以上の効果は期待できなかった。そのせいか、命中精度が出る射撃方法としてマニュアルに記載されていた方法には、戦友の肩に銃を載せて戦友に2脚を保持してもらって撃つというがあった。この方法は戦友の肩に反動が幾分か吸収されるのてたしかに安定した射撃はできたという。しかし機関銃の射撃音は相当にやかましいため(銃口付近では110ホーンを超える)、銃口に近い戦友の耳は間違いなく難聴になっただろう。無論、死ぬよりはマシだろうけど。
 後に重機関銃と軽機関銃に分化していったように、やはり1つの機関銃で2つを共用させるのは無理があったのだろう。MG42は「優れた重機関銃」から脱却できなかった機関銃であったとも言えなくはない。

 話は戻して、MG42の生産数は40万丁とも70万丁とも言われる数に登った。生産コストもMG34が310マルク(帝国マルク)に対してMG42が250マルクと生産コストも下がっていた。ほぼ全ての戦線に投入され、ドイツ兵と共に戦いそして散っていった…。ただ、使える状態で鹵獲された場合は敵軍もMG42の高性能さは知っていたから使う場合もあったという。
 MG42はドイツ敗戦と同時に生産がストップしたが、MG42の歴史が終わったわけではなかった。戦後の西ドイツはMG42の高性能さを認めていた。使用弾薬を7.92mm×57弾から7.62mm×51弾(旧NATO弾)に変更したMG1を自軍の制式機関銃として制定した。今でも改良型のMG3は現役にある。しかも他国でも採用している国は多いし、また、イタリア・スペイン・ポルトガル・トルコ・パキスタンなどではライセンス生産も行なわれている。しかしイタリアのように毎分1200発の高発射速度は実用的ではないとして重いボルトを採用して毎分800発に落としている所もある。

 MG42は出現して60年以上たつが、「古めかしい」のではない。MG42は出現した時点ですでに完成したいただけのことである。



 MG42は見た目でMG34とすぐに区別はつけられる。丸っこいMG34と角張ったMG42だからである。双方の機関銃を比べた場合「MG34がカッコいい」という人は多いが、俺個人的にはMG42が好きなんですけどね~。
 外見といえば、MG42にはコッキングハンドルがなぜか2種類あった。ストレートに銃の右に出ているタイプと筒状のハンドルが垂直に立っているタイプがあった。この違いは良く分からないが、生産時期か生産場所で違っていたのだろうか?

 MG34とMG42は部品互換性は全くといっていいほどない。使用弾薬・弾薬ベルト・クリーニングキット類は当然同一だけども、対空照準器は互換性がなかったし、銃身も銃身基部の形状が異なるため互いのを使用することはできなかった。基部が違うために、銃身ケースも互換性がなかった。
 銃身基部が違う理由として、銃身交換方法が異なるという理由がある。MG34は機関部リリースキャッチを押して機関部とストック部分を半時計周りに回して銃身を交換するが、MG42は本体右側面真ん中あたりにあるバレルリリースレバーを解放すれば即座に銃身が取り出し可能となる。機関銃自体は動かす必要はないため、対空用3脚に乗せた状態でも2脚に乗せた状態でも即座に簡単に交換が可能だった。慣れれば5秒で交換できたという。ただ、加熱された銃身だから、取り出すのは素手では絶対に不可能でアスベストパッド(石綿)は必需品だった。ただ、機関銃手に支給されたアスベストパッドは比較的小さめで即座の銃身交換では素手を滑らせて銃身に触れてしまうそうな気もしなくはない。実際の所は、銃身に水をぶっかけて少し冷やしてから、自分の帽子や脱いだコート、はたまた棒っきれなど使えるものはなんでも使って交換していたのだろうか(MG42の銃身基部は穴が開いているので棒をそこに突っ込んで取り出せた)。
 銃身は250発撃つたびに交換するように教えられていた。250発というのはベルト弾薬のリンク数で、ドイツ軍では50発1組のベルト弾薬を5つ繋げて弾薬箱に収めて使用していた。ドイツ軍の弾薬のベルトはアメリカ軍と違って分離式ではなく、繋がっていた。そのため何度も利用する際に便利という利点はあったが、撃った後でもベルト自体が残るので、多く撃った後にMG42を持って移動する際は多少は邪魔っけだった。あとはいい目安だから250発ということにしていたのだろうか。
 無論、銃身自体は250発で寿命というわけでもなく、ただ冷却のために取り出すだけだった。冷ましてからまた使った。上手に使えば1万発は撃てた。ただ、ライフルと違って、機関銃射撃の1万発というのは何ヶ月で(ひどい時は数日で)達成できる数字だから弾薬だけでなく予備銃身の補給も絶対に欠かせなかった。

 閉鎖機構は上で書いたようにローラーロッキング閉鎖方式を採用している。ただ、ローラーの閉鎖解除には銃身を下げて行っている。ようはショートリコイルとの併用で、後のG3ライフルとは構造は多少異なる。ボルト(閉鎖器)は四角い金属の左右にローラーがついたような単純なもので、これが生産性および信頼性向上の理由でもあった。ちなみに撃針はローラーが完全に開いた状態(ようは機関部と完全にくっついて閉鎖している状態)でないと前進しない仕組みになっていた。本文でも触れているように前後作動しかしないので、その点(耐久面での)優れていた。ただ、戦後になって冶金技術および工作技術の発達によって、ターンボルト式(ボルトを90°回転させて閉鎖解除する方法)が主流になったし、機関銃のような重たい銃身を前後させるのは効率的ではないためガス式が主流になり、MG42の作動機構をもつ機関銃はMG42の後継機関銃であるMG3シリーズを除き出現はしなかった。

 MG42の装填方法はベルトに付いている弾を装填する方式に違いはない。ただベトナム戦争などの映像で見受けられるM60機関銃のようにフィードカバーを開けて装填する必要は必ずしもない。まず、コッキングハンドルを引いてから、ベルトの先端を銃左の装填口に突っ込んでストッパーに当たって止まるまで引っ張ればよかった。そのあとは安全装置をかけれいるなら解除して引きがねを引けばいい。ちなみに、安全装置はMG34と違って、セレクター式ではなく押し込み式だった。グリップ左の上方にあるボタンみたいなのが出っ張っていれば安全装置ON、引っ込んでいれば安全装置解除だった。そのため右手の親指で即座に解除できた(MG34では握りかえるか左手で安全装置を操作する必要があった)。この安全装置方式は見た目で安全装置がかかっているかいないかが判別しにくいという欠点はあるが、「撃つ。とにかく即座に撃つ!。そうしないと自分が死ぬ」戦場ではどうせ安全装置というのは「人差し指を引きがねにかけない」のだろうから、さしたる欠点ではなかったろう。

 使用する銃弾は当然であろうがMG34と同一で給弾ベルトも同一だった。ちなみにベルトは使い捨てではなく、何度も使っていたし使わないといけなかった。機関銃銃弾は行李から1000発箱入りのままで供給されていた。つまりはベルトについていない状態で支給されていたため受領した部隊では若衆(末端の兵士)を使って1発1発弾をベルトに装填させていた。重機関銃部隊となると手回しの機械があって、。横からベルトを入れて上から弾をいれてハンドルを回せば簡単に装填できる機械が支給されていたらしいが、分隊レベルとなると手での装填が主流だった。ドイツ軍が使用していたベルトリンクはリム部分で固定できるように設計されているため極めて正確に給弾ができた。ただ単純作業なので結構退屈する。はっきり言えば30発超えたあたりから装填するのがイヤになってくる。ただ、文字通りの自分の命を守る機関銃であったし、これも自分のため・お国のためと兵士たちは頑張ったのだろうか?。

 MG42の発射音は独特という表記を良く聞く。たしかにその通りで、アメリカ映画の「バババババ…」というのではなく「ボロロロロロ…」という音がある。


 MG42にもMG34と同様に50発ベルトリンク弾が入れられるドラム弾倉(弾倉といっても単にベルト弾を入れておくための容器)が用意されていた。突撃時など、射手が1人で行動する必要がある時や、対空射撃時に使われていた(対空射撃時は仰角を取るのでベルトリンクのままだと銃と銃弾が水平にならず給弾不良を起こす可能性があった)。

 お掃除のときの野戦分解も工具なしで簡単に行なえた。銃身・ボルト・ストック・コッキングハンドル・マズル・フィードカバーあたりが野戦分解で取る事ができた。掃除目的ならこれだけ取れれば十分だろう。特にマズル部はMG34と同様にショートリコイルをアシストするブースター(銃口付近に銃弾が来た際にここにガスを導いてショートリコイル(銃身後退)をアシストする)があったため、ここの掃除は欠かせなかった。ストックを分解する際はMG34と違って、リコイルスプリングが圧縮していない状態で分解できたため、MG34のようにリコイルルプリングの顔面パンチを食らう事はなくなった。野戦分解状態でも銃本体は2脚で置いておける状態にあり、銃本体を地べたにベタっと乗せて泥がくっつくという事態も避けられた。こうした些細な面でもMG42は完成されていたのである。と言いたかったが、フィードカバーを外す際にヒンジピンを抜き取る必要があった。比較的小さい部品なので、草むらに転げ落ちたら紛失の可能性は大だった。これがMG42の些細な欠点ではあった。
Posted at 2006/10/07 22:02:07 | コメント(0) | 国民皆兵!一人一丁化計画 | 日記

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※コメント書き込み用にID取得しました。 『実戦配備中では最新型のレオパルドA5は大きく改良されており、以前と同様に引き続き世界をリードしている。...
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