GW中に多くのツーリングバイクを見ました。中にはキャンプ道具を積んだ長距離ツアラーも。私の最も長距離・長期間ツーリングを共にしたバイクの話です。
東京の職場で林道ツーリングの集いが恒例化し、今まで意外だった方々も実はオフローダーだったり、新たにバイクを買う人もいたりで輪が広がり、楽しいツーリングに誘っていただく機会が増えました。私は相変わらず「なんちゃって125」のXTで参加。 古臭い125で最新型についていくのもそれなりに楽しいものでした。
ツーリング先が遠方になったり高速を経由したりするときは、私だけ単独で待ち合わせ場所へ行き、帰りは下道を一人で帰る。そんなパターンで参加していました。これはこれで良いもので、ソロツーリングが好きな私には何の苦にもなってはいませんでした。
そんな折、ツーリングの中心人物であり、敬愛していた先輩が「いつも一人で行き帰りは大変だろう?兄貴が乗らなくなって壊れているのがあるからよかったらあげるよ?」と!!SRXを買ったばかりで当分オフロードバイクは買えないと思っていた私に天の声が!!早速ご自宅へ行き、シートを被っていたバイクと対面。なんとXT-250Tの2型でした。
しばらく放置さていたらしく、エンジンは不動でキャブからガソリンが漏れる状態でしたがあのXTが我が物になる?無料でいいとの事でしたが、幾ばくかのお礼をして持ち帰り、整備して動けるようにしました。幸いキャブの清掃とフロートの固着・ニードルの交換だけで生き返り、僅かな出費で元気に走り出すことができました。
XTは私が高校生でDTのカタログを見てため息をついていた頃にフルモデルデビュ-しました。それまでのXTから全く変化し、なんとツインカム4バルブ。しかもツインキャブでスタイルも4ストモトクロッサー然とした戦闘的なスタイル。車のボディにも誇らしげに「DOHC」などと書かれていた時代です。デビュー当時は驚きましたね。目にしたXTはディスクブレーキにオーバーフェンダー。エンジンもパワーアップした2型だったので二重の喜びでした。
当時のまだ免許すらなかった私には実に大きく重そうに見え、とても乗れそうに無い印象でしたので「すごいのが出たなあ」くらいの印象だったのを覚えています。
旧式然のXT125から乗り換えた印象は「でかい!」「重たい!」「トルクフル」で、軽快に振り回せた125とは全く違う乗り味でした。しかし迫力のエンジン音やパワー。高速安定のよさ、新型のモノサスの足回りの良さ(すでに二世代前ですが私には最新!)にすっかり魅了され、ますますツーリングが充実した内容になりました。高速を使って行動範囲も広がり、関東一円の林道を走り回り、当時はまだ閉鎖されていなかった富士山周辺の林道にもよく行きました。ここはまさにオフロードパラダイスでトランポに乗せてもってきたレーサーも走っている状態。
時にはレーサーを追いかけ、気づけば速度警告灯が点いているなんて事もありました。
XTは実に頼もしく、これがあればどこへでも行けそうな気がして、とうとう日本一周まで。若さゆえの過ちでしょうか?しかし旅先で出会った方々とはいまだに会ったり便りを交わしたり、得がたい思い出になったので良しとしています。
燃費も整備性もよく、まさにツアラーとして故障もなく走りきってくれました。キャンプツーリングの大半を一緒にすごしたバイクです。おそらく一番安価で手に入れたバイクでしょうが、一番中身の濃い内容を与えてくれたバイクです。今もXTはラインナップでその名を残していますが、間違いなく私の中の名車であります。
Posted at 2015/05/10 07:12:36 | |
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