2017年02月03日
中古車情報'17 スバル・レガシィB4 GT・Sパッケージ 2010年式
※今回は、かつて自動車ジャーナリスト三本和彦氏が司会の、TVKテレビが制作し全国のUHF局を中心に放送された
「新車情報」をモチーフに書きます。従って、ご存じない方は余り面白くないと思いますがご了承ください。
ご機嫌いかがですか。中古車情報’17の時間がやってまいりました。
わたくしは四本和彦です。
で、今日話題の中心にするのは、平成22年式のスバル・レガシィ・B4です。
試乗しましたのは、B4というサブネームの付いた4ドアのセダン、2.5リッターのターボ付きエンジンに
6速のマニュアルトランスミッションが付いたものです。
お客様をお呼びするつもりだったのですが、残念ながら新型車の開発で忙しいとのことで
出演を断られました。残念ですねー。
このレガシィは、2009年に発売された、5世代目に当たります。
えー、レガシィは1989年に初代が出まして、それまでのレオーネに代わるスバルの中心車種となり
大ヒットしました。特にワゴンは、日本ですとどうしてもライトバンのイメージが強かったのですが
それを覆す人気車で、スバルのみならず日本を代表するモデルの1台となりました。
それに比べセダンは、影の薄い存在でしたが、3世代目からB4という名を付けられまして
存在感を出そう、としております。
そのレガシィですが、今回から主力のエンジン排気量が2.0Lから2.5Lに引き上げられました。
アメリカ向けではすでに3~4世代目から2.5Lが中心でしたが、5世代目から国内向けも
2.5Lになりました。ヨーロッパ向けには2.0Lが残っているようです。
これは4気筒の話で、NA・ターボ両方とも2.5Lです。
合わせて、6気筒も3.0Lから3.6Lに大きくなりました。
初代レガシィには1.8Lエンジンを積んだモデルがありましたから、単純な話排気量が
2倍になったわけですね。
但し、セダンには積まれずアウトバックというツーリングワゴンより少し背の高いモデルのみ
に組み合わされております。ただアメリカ向けB4には3.6Lもあります。
で、今回は2.5LターボのGTというグレードに、特別装備のついたSパッケージという仕様です。
Sパッケージの特別装備は、18インチタイヤ・ビルシュタインのダンパー、などです。
随分豪勢なものですね。
そのGT・Sパッケージに乗りに行ってまいりました。いつものようにVTRが撮ってございます。
ご覧ください。
えー、これはスバルのレガシィのB4という4ドアセダンです。
で、今回は都合により、まずいきなりいつもの山坂道から始めます。
この山坂道は、狭いところで普通車同士がやっとすれ違えるほどの幅しかありません。
そうなるとこの1780㎜の車幅は、ちょっと持て余しますねー。
せめて、1750以下にしてもらいたいものです。
勾配は最大でせいぜい7%前後ですが、この285馬力/35.7㎏・mのパワートレインは
全く意に介さないというか苦にしません。4速目のギアでも、スイスイと登っていきます。
続いて、高速道路です。
このレガシィには、SI・DRIVEという装備がついてます。
I・S・S#という3パターンがあって、大人しく走る場合と、目え吊り上げて威勢よくかっ飛ばす
なーんて時用とに走り分けられるよう、出力を調整できるという装備なのですが
一番威勢のいいS#モードの走りは、爆発的で物凄くて、時速100キロ以内に抑えるのが難しいほどです。
放送はできませんが、アクセルを勢いよく踏み込んだ結果、体がシートに押さえつけられるような
衝撃で、ぬおわ㎞くらいまで一気に加速し、怖くなったほどです。
改めて、このパワーというのは、麻薬のようなもので、足を踏みいれたが最後
どんどん強い刺激を求めざるを得なくなっていく危険性があります。
時速100キロで6速目のギアで走りますと、ざっと2100回転で、5速に落とすと2500、4速ですと3000
回転ほどです。もっとも上のギアで2100回転ですから、この車の威力がわかります。
私は身長178㎝ほどですが、頭上高はこぶしが上下出来るほどの空間があります。
先代のモデルに比べ、室内高をあげましたので、室内空間は広々としていて
大人が後部座席に乗っても余裕ある広さを保っています。
その点は大いに結構ですが、やはりボディーが、ちょっと大きすぎですねー。
ステアリングホイールの径が、思ったより細くて、こんな大排気量・高出力車には
少し不似合に思えました。
今回エコー電子さんの手配が間に合いませんでしたので、数値化はできませんが
時速100キロの時の騒音は静かで、文句なく高級車と呼べる半歩手前ほどだったと思います。
スバルは2005年発売のモデルから、随時排気系を一新しまして、それまでの水平対向特有の
ドドドドという特徴的な排気音が少なくなってきました。2.5Lのターボ車ということで
いささかやかましい車をイメージしていましたが、その辺りはずいぶんおとなな車だなという印象です。
後ろに車がいないので、急激にレーンチェンジしてみます。
足回りはしなやかで、ステアリングの回答性も良く、スッとついてきてくれます。
乗り心地は良いです。
燃費は、テン・フィフティーンモードという国土交通省の審査値では11.4km/lという値が出ています。
我々の試乗は山坂道・高速・市街地が3分の1ずつでしたが非常に短距離で、満タン法で測れませんでしたが
車についている燃費計では、8.1㎞/Lでした。
試乗を終えまして、お客様はいませんが相変わらず不躾なまま、感じたこと気づいたことを
申します。よろしくお願いします。
エンジンルームを開けてみます。
ようやく、あの帝国陸軍時代からの伝統のつっかえ棒なしで、ボンネットをダンパーで
支えるようになりました。
このレガシィも最近の車で、エンジンルームの中はスッキリしていています。
スバル独特の、ターボ車のボンネットのダクト、ここから過給のための空気を吸い込んでますよーという
吸気口は、まあそれほど吸い込んでもいないのでしょうけど、昔のモデルほど運転席から視界を妨げないですし
これがないとスバルじゃない、なーんて人もいるでしょうから、あってもいいんでしょう。
ドアですが、私が数十年、その害悪を述べてきたサッシュレスドアをやっとやめてくれました。
その経緯をぜひスタジオで伺おうと思ったのですが、わかりません。
トヨタと技術提携するようになった成果なのでしょうか?
ともかく、使い勝手はサッシュ付ドアのほうが高いので、これは大正解です。
ただ、音がしょぼい。閉まった時の音が軽い。重厚感に欠けます。
スバルの最上等車なのですから、その辺は改良してほしいですね。
また、サイドプロテクターがオプションで選べるのはいいことです。
こんなのいくらもしないのでしょうから、今度はぜひ、標準装備してほしい。
Aピラーも寝過ぎてなくて、乗り降りは楽です。
トランクですが、いつもの棒が無いので開口部の広さと、地面からの高さが測れません。
ただ、トランクの外にダンパーを持ってきて荷痛めしないようにできているのは
好感が持てます。
真横から車を見ますと、トランクリッドの部分は短くて、ある種クーペ的な印象も受けますが
非常に広いトランクで、たくさん荷が積めそうです。
1つ気になったのは、クラッチペダルです。
非常に重い。
クラッチが繋がった後は、比較的足離れは早いと思います。
しかし、何故これほど踏力を要求させる味付けなのか?
確かに、日本でMT車は1年間に売れる新車の1%程度しか占めません。
アメリカもそう。一番売れる市場を考えると、そんなのどうでもいいのかもしれません。
しかし、ヨーロッパは違います。
私はとある国産他社のMTのスポーツカーも同時に所有してますが
そのクラッチは非常に軽く、何かが外れているのではと思うほど踏力を要しません。
このあたり、どの国を向いて仕上げたのかというのが、隠そうとしてもわかってしまいますねー。
それと、ターボ車にしかMTが設定がないのは、何故ですか?
過給器はいらない、でもNAの多少非力なエンジンでも
自分でギアを選んでブン回して走りたい、って人だって少なからずいるじゃありませんか。
確かにスバルは小さなメーカーです。あれこれ作れないのはわかります。
車種は少なくてもいい。
でも、せめて仕様はなるべく多くの好みに応えられるように
用意したっていいじゃありませんか。
どうしてあんな味付けのCVTをいいと思って多用してるのか、ほんとに自信持って良いと言えるのか
とか、トルコンATの多段化を進めるべきとか、まだまだ言いたいことはたっくさんありますが
ディレクターがもう時間だ、早くCM行けって言ってますので終わります。
とにかくいい車で、静かなすぐれた、日本車として貴重なセダンだと思います。
でも、惜しいと感じたことも多いというのも覚えておいてください。
ありがとうございました。
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Posted at
2017/02/03 22:42:55
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