新・新車情報'17の時間です。わたくしは二本和彦です。
で、きょう話題の中心にするのはスバルのインプレッサです。
インプレッサは、1992年にレオーネに代わる形で登場しまして
早いもので、昨年フルモデルチェンジして5世代目です。
実はわたくしが最初に所有した車は初代のインプレッサでした。(末尾に写真)
1500㏄の2ドアセダンで、山坂道でトラックを抜かせないほどの非力な車でしたが
たっくさんの思い出が残っています。
先代のモデルから、G4というサブネームを持つ4ドアセダンと、スポーツという
サブネームの5ドアハッチバックの2種類になりました。またエンジンも2.0Lと1.6L
のNAの2種類です。かつては、WRXという、恐ろしく威勢のいいモデルがありましたが、
それはインプレッサとは別の車系となりました。私はその売り方に賛成です。
なぜなら、売れるのはNAのほうなのに、どうしてもWRXのおまけのような陰の薄い
存在になってしまったからです。
今回、1.6LのスポーツのFFのモデルにCVTの付いたモデルに試乗してまいりました。
いつものようにVTRが撮ってございます。ご覧ください。
えー、スバルの新型インプレッサです。発表されたのは昨年2016年ですが
事情により今年ご紹介します。
そしてこれまた事情により今回は高速道路は乗らず、市街地と山坂道のみ試乗します。
まず動かす前に、1つ良いと思ったのが、まあ最近の標準装備なのかもしれませんが
ステアリングの位置が上下方向だけではなくて、前後方向にも動かせる点です。
最適な運転ポジションを設定し易いです。
一方で、今回のフルモデルにより、全幅が1770mmにまでなりました。
インプレッサの初代、そして2世代目は5ナンバーサイズでした。全長は依然5ナンバーサイズとはいえ
この幅は先代のレガシィとほぼ同じです。
インプレッサに限ったことではなく、ライバルと目されるマツダのアクセラやVWゴルフも
1800mm前後あります。さまざまな事情があると思いますが、これはとても小型車といえません。
小さいから小型車と呼べるはずです。側面衝突対応などあるのでしょうが、この辺は考え直
してもらいたいです。
外見を見た印象は、先代モデルとあまり変わりません。継続性は感じますが、目新しさは
少なくとも外見からは強く感じません。
しかも、よく見るとアウトバックを小さくしたような感じです。同じことはセダンにも言えて
レガシィを小さくしたように見えます。
マツダ車も、アテンザ→アクセラ→デミオと同じようなスタイリングです。
かつてトヨタが90年代にクラウン→コロナ→カローラと同じようなスタイリングで、「金太郎飴」
と揶揄されたのを思い出します。どのメーカーのモデルかというアイコンとして
なりうる手段と思いますが、陳腐に思えますねー。
市街地を走らせます。
トランスミッションは、このモデルから、MT車がなくなりCVTだけになってしまいました。
これを言い出すと私の知り合いは耳にタコと思われると思いますが、このCVTの乗り味が
私はどうにも好きになれません。加速しているのか減速してるのか惰性なのか
メリハリがなく、つかみどころがないので状況がさっぱりわからない。
運転をする楽しさは全く感じさせず、つまらなさを感じさせるための代物とすら思えます。
売れる新車の99%がAT車のこの国ですから、MT車を残せとはさすがに求めませんが
体が動く限り、CVTの世話になりたくないと思ってます。
まあ、でも1つ長所をあげるとすれば、こういう非力なエンジンと組み合わせることで、パワーロスを感じさせず
最適なパワーを引き出せることにあると思います。
そういう意味では、スバルが自製している中で最小のこの1.6L・NAエンジンにはベストな組み合わせなのでしょう。
ただ、300馬力もあるようなハイパワーモデル、ま、そんなものが必要かという議論がその前にありますが
せめてそういう車には、トルコンのATが欲しいですねー。
山坂道に入りました。勾配が6%くらいです。1人乗車なので当然ですが、エアコン作動させていても
力不足は感じません。
どうしてもこういう道ではアクセルを深く踏みがちで、結果的にスピードを出しがちですが、
そのたびに「速度超過です」と音声で叱られてしまいます。ごもっともですが、「分かってらい」と
言いたくもなりますねー。まあこの辺も現代の標準装備の1つで、当たり前になっていくのでしょう。
私はあまり欲しいと思いませんが。
今回、ざっと20キロほどしか走れませんでした。その間の燃費は燃費計で
13.8キロ/lでした。
国土交通省の審査値では、1リッターあたり18.2キロと公表されています。
騒音は、いたって静かでした。今回もエコー電子さんの手配が間に合わず、数値化できませんでしたが
かつての水平対向のドルドルドルという独特な音はせず、普通のレシプロエンジンと変わらない
印象でした。
頭上高は、こぶしが余裕で動かせる広々とした空間でした。
大人4人から5人が、快適に移動できる手段として、よくできていると思います。
安全装備や環境対応、燃費の面でも改善はされていると思います。
しかしその一方で、かつてのスバルにあった、良い悪い含めての豊かな個性、独自性は
薄くなったと感じました。スバルにしかない、インプレッサにしかないものが何かあるか
問われたら、ほんのわずかの試乗であったのは確かですが、その間では見出せませんでした。
その辺りが、ここ数年新規オーナーを増やしつつあるスバルの課題と思います。
<公式HP>
https://www.subaru.jp/impreza/impreza/
