
先日購入した「雨の日には車をみがいて」が望外に面白かったので、実写の紹介も兼ねて書いてみました。
※画像はネットから拝借しています。
第1話「たそがれ色のシムカ」の登場車はシムカ1000。
知的で高飛車な美女の関心を誘おうとした主人公が、なけなしの蓄えをはたいて購入した中古車です。
フィアットの子会社であったシムカが、独自の4ドアセダンの車体と新設計の水冷4気筒944ccエンジンを搭載して発売。
トランクスペースを稼ぎ出すために燃料タンクは後方エンジンルーム内に設置され、その結果前後重量配分は35対65と極端なテールヘビーとなり、オーバーステア傾向が顕著な反面、乗りこなせれば活発な走りを見せる車となり、フランス国内では比較的好評をもって迎えられ、翌1962年に登場したルノー8とともに、フランス大衆車市場の主力を従来の2~4CVクラスから6~8CVクラスへ上級移行させることに成功した。
1962年のジュネーヴ・モーターショウには、ベルトーネのデザインによる2+2座席の「
1000クーペ」が追加され、当時のチーフスタイリスト、ジウジアーロによりシンプルで流麗なデザインがなされた。【Wiki参照】
以下がクーペモデルで、美女に『クーペじゃないんだ』と揶揄されています。

流麗なボディーワークで、オリジナルは醜いアヒルの子状態。そのオリジナルは小説で「走る弁当箱」とさえ言われています(^_^;)
物語は、TV業界に努める主人公が美女の望みを叶えようとして高慢なディレクターを紹介しするが、自由奔放過ぎる美女は自分の美意識を本音で語ってしまい・・・・、と言う筋書きになっています。

ディレクターが乗っているのはマスタング(おそらく、この年式)。
雨の日にも車をみがく、という美意識がこの物語で語られています。
車は飾り物ではないよと言っているのかもしれません。
主人公のシムカは、元々が黄色で赤に塗り直されており、磨くほどに「たそがれ色」に変わるというシチュエーションにも切なさが感じられます。
その色は、朱色と言うか熟れた柿の色でしょうか。
一読して面白く、読み直すと新たな発見も有ってと、車と、車好きのための小説でした。
Posted at 2015/07/01 22:44:59 | |
トラックバック(0) |
読書 | 日記