流れ流れて その1
流れ流れて その7 スペシャリティー・カー 1/4
流れ流れて その9 ヴァン・リー !?
前スレ:
流れ流れて その8 勝率 0% (1/4)
流れ流れて その8 勝率 0% (2/4)
画像にある不幸な出来事は,受け狙いのネタであって欲しいと願う。ただし十分に起こり得ることなのだ。シミュレーターに相当するデモトレードで,3ヶ月間に5倍の運用成績を叩き出したのなら,自信を持つのも無理はないであろう。
1年続ければ単純計算で,5の4乗倍である625倍になり,1束の元手は625束。ヒルズ族の仲間入りして,牛馬を飼い,カエルを足にして,最上階にある住民専用ラウンジで,夜毎開かれるパーティーで知り合った綺麗なオネータンを,日替わり弁当のごとく食せた筈である。
その筈が仕込んだ翌日には,根こそぎ持って行かれ,哀れにも免許取得費用すら覚束なくなったのはなぜか?それは練習と実戦の舞台が全く異なることによる。ゲーム・センターのシューティング・ゲームで全勝したことに気を良くして,自信満々でジャングル戦に挑んだようなもので,実戦になれば,自分と相手の技量・武器自体も全く異なることを,知らなかったことによる喜劇いや悲劇なのだ。
デモトレードでは自分の武器は正宗の日本刀で,幼稚園児の相手が振り回すのはポリエチレンの刀だったものが,本番になったとたんに,自分のは新聞紙を丸めただけのタダの筒,フォースの加護を受けた達人の相手の武器は「スター・ウォーズ」に登場するライトセーバーに変化する。決して誇張ではなく,これぐらいの差がある。種明かしは後ほど。
これほどまでにマスコミで「外 国 為 替 証 拠 金 取 引」,通称「F X」がもてはやされるようになったのは,数年前のニュースに端を発している。
それはごく平凡な主婦が8箱(十文字の帯封が80束)分の申告漏れをしたのである。たった数年で一般サラリーマンの生涯賃金の三倍以上を稼ぎ出したことは,随分と物議を醸し出したので,覚えていらっしゃる方も多いかと思う。札束をしまっておくだけでも,貸金庫なら一般サイズで40個の引き出しが要る。
このニュースは,業界にとてつもない宣伝効果をもたらした。何しろ国税局というお上が,伝説の信憑性を保証したのだから。今でも業者の勧誘説明会において,この事例は度々引用され,お客に夢を与え,新規参入に躊躇するお客の背中を力強く押してくれている。
現在ではF X参入業者も増え,その頃に比べ,ネット取引とコンピューター化が凄まじく発達している。業者がシステムを進化させる目的はただ一つ,つまり「自社の利益と投資効果の最大化」なので,進化した手強いシステムを相手に,現在F Xでこの主婦ほどの稼ぎを叩き出すのは,まず不可能と断言できる。古き良き時代の伝説として,これからも語り継がれることであろう。
ここで簡単に取引の仕組みを説明すると,
○客は業者を選び,登録する。
○客は業者が管理する口座に元手を入金する。一般的には中国ファンド(中期国債ファンド)の口座。
○客は外国通貨の安い時に買い,高い時に売る。利益は口座に溜まる。
○外国通貨と円の両替時の手数料が業者の利益になる。
以上が「本来」の趣旨と仕組みである。実際には通貨間の金利差(スプレッド)等も絡むが基本原理はこうだ。
外貨が上がるか下がるかを見込んで売買するので,「丁半博打」そのものに他ならず,もし無作為に長期間すれば限りなく勝率は50%に近付く筈だ。銀行では馬鹿高い両替手数料も,業者のは限りなくタダに近く,殆ど無視できるほどだ。
雀の涙ほどの両替手数料のみが収益のはずだが,ところが殆どの業社は抜群の業績を誇っている。
同一オーナーが複数の,異なる看板を掲げている所も多い。電話ボックスに綺麗なオネータンの写真を貼った,「生もの」の出前サービス業界にも似ている現象だ。
コンピューターとネットを駆使して個人客相手というところが味噌だ。
つづく
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Posted at
2010/07/26 15:09:51