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2011年06月19日 イイね!

流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 5

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流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 4
流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 5




 突然の急ブレーキに上体が前にのめる。とっさに前席の背もたれに手を付き、体を支えた。

牛だ。

年季の入ったVWサンタナのシートベルトは千切れていて用をなさない。

ここは沿海部の地方都市。毎日仕事場まで片道200kmほどの距離を、契約しているタクシーで移動するのだが、こちらの運ちゃんの飛ばすこと飛ばすこと。

高速道路はもちろんのこと、地方幹線道でも踏みっぱなしだ。体感速度は独製快速車換算では200km台後半で、体が縮み毎日肩が凝る。
 もっともメーターを見れば130ぐらいなのだが、今にも分解しそうな振動と音に襲われ続ける。

急ブレーキをかけたのは、広い地方幹線道でのことだったが、長い綱に繋がれた牛が、車道のど真ん中に佇んでいたのだ。
中央分離帯に当たる草地は、幅100mはあり、昼間はその草地の方々で牛が繋がれている。

 収穫期には車道の半分ほどに、穀物を広げて天日干しをしている。その脇を猛スピードで車が、ロースピードで耕耘機に引かれたリヤカーが走っている。高速道路ですら農耕用トラクターに引かれたリヤカーが。車両のジャンルも性能も年代も極めて幅広く、ごった煮の世界だ。

 町には人民公社時代の鉄筋アパートが建ち並び、なんとも言えない凄みを醸し出している。急ピッチで西欧化された都会より、「これぞチャイナ!」という猥雑な町の方が、私の興味をそそる。

 日本では節電エコ・ブームで「グリーン・カーテン」と称して、ビルの屋上や壁を、カッコイイ洋名の草花で覆う、小じゃれた装いが、今年になっていきなり登場して来た、「xxプランナー」と称する御仁達によって紹介され、脚光を浴びているようだ。

こちらはさすが「中国四千年の歴史」。ずっと前から建物のグリーン化は進んでいたようだ。

ほぼ全ての鉄筋建物の屋上は、草ボウボウ。背丈も十分以上にある。わざわざ土を持って上がらなくても、大自然の恵み=黄砂と雑草の種が、毎年降り積もるのだろう。
壁面の蔦の類とて、建物によってはジャングルと化し、入り口をカムフラージュしている。

 キザな「室内観葉植物」を、鼻先でせせら笑うかのように、しっかりと室内に根を下ろした大木は、窓をぶち破って、天高く健やかに育っている。

一体どうやって大木の根元で暮らしているのか、室内を見学してみたい。

人民のみならず草木だって逞し過ぎる。コメントのしようがない。
Posted at 2011/06/21 00:51:43 | コメント(0) | 流れ流れて | 旅行/地域
2011年06月12日 イイね!

流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 4

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流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 4


 西日が低く照らす交差点脇の小さな広場に,10人ばかしの人々が集まっている。殆どが買い物帰りの主婦達だが,中には子供もいる。
辺りに薄くたなびく煙に運ばれた香ばしい臭いが,仕事帰りの私の空きっ腹を刺激する。
人力で引くリヤカーを改造した屋台があり,横幅2mほどのバーベキュー・コンロにで魚,鳥,野菜を焼いている。
客は焼き網の向こうに並んだ食材から好きな物を選び,。炭火で焼いてもらうのだ。日本なら高級店でしかお目に掛かれない炭火焼きが,ここではデフォルトなのがありがたい。

殆どの人々は夕食のおかずに持って帰るが,望めばそこでも食べられる。
辺り一面に立ちこめた,夕方の空きっ腹に直接訴える香りが,達者な宣伝員の役目を十分に果たしてくれる。呼び込みなど全く不要だ。

 広場と言っても大きさ30mX8m程度で,商店街の外れにある。ビーチ・パラソルが付いた丸テーブルが3つほどと椅子が置いてあり,近所の人々が飲み食いしながらワイヤイ・ガヤガヤ,ちょっとした宴会になっている。

 私は,露天とは交差点を隔てた向かいのホテルに荷物を置き,「今日は何を食おうか」と出て来たところであった。

 ここは長江・・・旧揚子江の河口にある広大な中州に位置する小さな港町。中心街には「人民共和国」という名に相応しい,質素で年季の入った5階建てほどのアパートが立ち並んでいる。

郊外には解放政策になってから建てられた,広い区画に欧米風の豪邸が並んでいる。政府高官の別荘地として人気があるそうだ。

 中州といっても河岸との連絡には,船で1時間前後かかる。「川が荒れる」と欠航になり孤立する。この国ならではのスケールの大きさだ。
船着き場には,お気の毒にも川に浮かんでいたご婦人の,身元を尋ねる貼り紙があった。効率的だがリアルで,ある意味この国の人々の逞しさを感じさせる。


 「店」と言っても大きめのバーベキューのコンロと,食材を並べる2mX70cmぐらいの机,冷蔵庫代わりの発泡スチロールの箱が全てだ。
主人らしき30才前後のニーチャンと少し年下の子分らしきニーチャン。どちらも坊主頭で強面。喧嘩早い感じで,さぞかし若い頃はやんちゃだったであろう雰囲気。そして20台後半らしき愛想良さそうなヨメさん。この三人で店を賄っている。ヨメサンは専ら焼き役に徹している。

その失礼ながらも,いささかの胡散臭さゆえ,躊躇して遠巻きに様子を伺っていたが,なかなか繁盛している。大丈夫そうだ。晩飯決定。
かしこまったレストランよりも,こういった所のほうが性に合う。露天であることが何よりも良い。

 食材の種類はそこそこあり,大河の河口に位置する中州ゆえか,中には見たこともない,得体の知れない魚もあるが,空きっ腹には,どれもうまそうに見える。
私は迷いながらも魚と野菜を何点か選び,真っ赤に燃える炭火の上に載せてもらった。この火力なら3分もかからないであろう。

焼き上がった餌を受取り,ついでに箸ももらった。10mばかし先のテーブルを見るが,どれも満席だ。

「まっ,いいか」

屋台の裏手で立ち食いすることにした。

それを見た人相の悪いご主人,「ここに座って食え」と,上に載った荷物を片付け,発泡スチロールの箱を,引きずりながら持って来てくれた。意外に親切だ。
ありがたく座らせていただき,腰を落ち着けると,次にはビールが欲しくなる。

「ビールは売ってないの?」

「あそこで売っている」

とすぐ脇の商店を指差す。早速買いに行く。
夕暮れの中,行き交う人々や人力三輪タクシーを眺めながら,まったりと食う。

 2本目のビールを空けた頃,店仕舞いの時間が来たようだ。ヨメハンは残った食材をジャンジャン焼き始める。「閉店安売りの時間か?」と思ったがそうでもないらしい。
「さあ終わった」とばかりに,パッと表情が明るくなったご主人と子分が,向こうから空いたテーブルと椅子を持って来た。
その上に焼き上がった食材を並べ,発泡スチロールの箱から取り出したビールの大瓶を並べた。人数より一本多い。

そして私の方を見ると,

「こっちへ来い,ここで一緒に食え」

と手招きする。とりあえず遠慮したが,しきりに勧めてくれる。
あまり遠慮するのも失礼なので,仲間に入れて戴くことにした。
私がテーブルに付くと,「ホィ」とばかりにビール瓶を渡され,

「カンペー」

と瓶同士を当てる。そして一気飲み。すぐに次の瓶を出してきて,

「カンペー」

と,また一気飲み。それも大瓶だ。

テーブルの上はご馳走ですでに満杯だが,ヨメサンはお構いなしにジャンジャン焼いている。
二人は凄いペースでむさぼり食い,そして呑みながら,

「食え,もっと食え。呑め,もっと呑め」

としきりに勧めてくれる。とてもついて行けない。
きっとこの楽しみの為に,毎日商売しているのに違いない。売り上げや利益なんぞ糞食らえの潔さだ。きっと「宵越しの銭は持たねぇ」嘗ての江戸の町民もこうであったのだろう。

 ふと焼き網の上を見ると,次のメニュー,無数の鶏の足が載っていた。もも肉ではなく,大地をしっかりと踏みしめる爪の付いた足だ。

「やばい・・・」

私は宗教上の理由で鶏を避けている。ちなみに宗教上好ましいとされるのは,鮑,かに,伊勢エビ,フカヒレ,フグ,カラスミ,鰻,霜降り和牛・・・等々だ。ましてや足先なんぞ食すれば,天罰で地獄行きは確実だ。コラーゲンなんぞいらん。

「焼けたよ」

とばかりにヨメサンが,大きなボールに山盛りの「足」を,テーブル上にドンと置いてくれた。

「おっ。来たか」とばかりに,ご主人と子分の二人が豪快にかぶりつく。

「さぁ,食え」

覚悟を決めて怖々囓り,なんとか一本だけ,いっぱい皮と肉を残して食べたが・・・

「もっと食え」

しょうがなく2本目も・・・

「もっと食え」

限界だ。
この鶏足,その形状から日本では別名「もみじ」と称しファンも多いそうだが,赤ちゃんの「もみじのような可愛い手」ならまだしも,私にとっては,そんな愛着は抱けない。

「折角だけどすまん。もう腹いっぱい」

と腹をさすって,何とか誤魔化した。
そしてタバコを勧め,話題をそらした。
私の語学力の皆無さゆえ,お互いチンプンカンプンな会話で,噛み合わないが,呑めばみんな友達。まるで十年来の友達のように楽しくご馳走してもらった。


 この国では反日教育が国是とされているが,庶民レベルの付き合いでは,私はありがたいことに厭な目に会ったことはない。特に地方部においてだが,むしろ気さくに良くしてもらったことのほうが多い。

帰り際,いくばくかのお金を渡そうとしたが,断じて受け取ってはくれない。押し問答の末,「焼け石に水」にさえもならないが,嘗ての日本人がこの国の人々に対しての数々の所行の償いの気持ちもプラスして,お礼を無理矢理テーブルに置いて暇した。
Posted at 2011/06/19 23:23:00 | コメント(0) | 流れ流れて | 旅行/地域
2011年06月10日 イイね!

流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 3

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流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 2
流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 3

 ご存知のように,この国は共産党のみの一党独裁主義国家。そして共産党は人民解放軍を掌握し,国民選挙制度すらない。




共産主義: goo辞書より
財産の私有を否定し、生産手段・生産物などすべての財産を共有することによって貧富の差のない社会を実現しようとする思想・運動。
マルクス主義で、プロレタリア革命によって実現される人類史の発展の最終段階としての社会体制。そこでは階級は消滅し、生産力が高度に発達して、各人は能力に応じて働き、必要に応じて分配を受けるとされる。

そのような前提知識と共に,この国に一歩足を踏み入れたら,
・・・思わず

「どこがーっ!?」

と,突っ込みを入れたくなるほど,都市部には商店が建ち並び,贅沢品が溢れ,ネーちゃんたちはお洒落を楽しんでいる。
やたら美容院も多く,真夜中まで客で賑わっている。

建築ラッシュで1分歩けば,次の高層ビルの建築現場に出くわす感覚だ。「どれだけ作れば気が済むんだ」と言いたくなる。

思うに

「建前はXXだけど,野暮な堅いことはひとまず置いといて,みんなうまく儲けまひょ」

という思想が,生まれながらにして,この国の人々のDNAに染み込んでいる気がする。
全ての局面において「Negotiable」・・・「交渉次第」なのだ。
この国の人と係わるさいに,これを「ケシカラン」と取るか「話が分かる」と取るかは,その人のしたたかさ次第かと思う。勿論私は後者のほう。

 例えば街でカッコイイ装いの見知らぬオネータンに会ったとする。
「洒落てるね。どこで買ったの。教えて」
日本では「ケッ!」と一瞥されシカトされて,足早に逃げられるのがオチだろう。
ところがこの国では,
「気に入ったのなら,売ってあげる。XX元でどう?」
と,早速その場でビジネスが始まる。


 もっと凄い例について話そう。
貴方は非常に重要な案件のキーパーソンだったとしよう。ある夜,豪勢な晩餐会に招待されることになった。
接待主から

「ちょっと食事の前にデパートに寄って行こう」

と誘われる。
中心街にある巨大で豪華なデパートに入って行く。そこには若い店員や,センスの良い客のオネータンがいっぱいいる。

その中をそぞろ歩きしていると,おもむろに接待主が

「誰でもいいから,好きなのを選んでください。気に入ったのがいれば遠慮せずに教えてください」

と貴方の耳元で囁く。
貴方は細くすらりと長く伸びた足の綺麗なオネータンの,思いのほかの多さに,きっと驚くであろう。

 さて満漢全席ばりのご馳走で満腹,乾杯責めでヘロヘロになって,ホテルのスイート・ルームに戻る。

「あーっ。食った食った。呑んだ呑んだ」

ズボンのベルトを緩め,大きなソファーで一服した頃,ドアが控え目な音でノックされる。

「誰だろう? 今頃」

大きな一枚板のテーブルの上には,財布も携帯電話もある。名刺入れもある。酔った頭で持ち物の記憶を辿るが,忘れ物はない。
不可解な思いと,少しばかりの警戒心を抱きながら,

「なんやねん・・・」

と呟きながら覗き穴に目を当てたしかめっ面が,一瞬にして変る。
ドアを開けると,そこにはデパートで見かけた,モデルばりのオネータンが,少し恥じらいながら笑みを浮かべ立っている。

貴方はただ「ニイ ハオ」と微笑みながら開けたドアを保持するだけで良い。オッサン独りには余りにも勿体ないスイート・ルームが,文字通り「甘い部屋」に様変わりする。これが設計者の意図する本来の使い方だろう。

 勿論,「その筋の専門職」のオネータンではなく,見栄えこそ素人離れしてはいるが,ごく普通の生活をしている「小姐」だ。
残念ながら私の体験談ではないが,体験者の一次情報に基づく。

もしこの項をお読みになって感動された,奇特な方がいらしたら,是非遠慮無く私までお申し付けください。
謹んでご接待申し受けます。勿論どんな条件でも呑みます。

今では絶滅危惧種に近くなった「共産主義国家」だが,ロシアも同様。バービー人形のようなオネータンがいっぱい。キューバはもっと凄い。ナンパし放題で商売気は皆無。無償で恩恵に浴することができる。
「共産主義」の定義を見直す時期に来ているようだ。
ここまで考えていたのなら,「マルクス。あんたは偉い」


・・・とここまでは,私以外の「前世で善行に勤しみ,天からそのご褒美を授かった人々」の話。

私のホテルに話を移すと・・・
ロビーは豪華。吹き抜けには椰子の木がそびえ立っている。イブニング・ドレスを着た,綺麗なオネータンがグランド・ピアノを若干詰まりながらも奏でている。
部屋の調度も趣味が良い。
スタンドはイームズの本物。椅子はハーマン・ミラー。
腰痛持ちにはありがたい配慮だ。サイド・テーブルの天板の下にはFAXまで隠されている。
私が泊まれるホテルはたかが知れており,別に馬鹿高い部屋ではないが,ここまでの配慮は他国ではなかなか見かけない。
ここでも
「本当に共産主義国家?」
と訝りたくなる。

御影石の内装に囲まれた風呂に入りながら,湯を注ぎ3分間辛抱したちらし寿司をメイン・ディシュに,イカの揚げ物をつまみに「その他雑酒」ではない「本物のビール」を,ライト・アップされた高層ビル群を眺めながら,流し込めば,小市民の桃源郷がそこには出現する。

対岸には,少し前までは高さ世界一を誇った栓抜き型のビルと,でっかい球が宙に浮いた電波塔が闇に浮かんでいる。


 実は少し奮発して本場の中華を味わいたかった所だが,一歩ホテルを出ると,

「オネータンはいらんかえ」

と,しつこく付きまとうニーチャン達が一斉に寄ってくる。
香港は例外として,この国一番のメイン・ストリートを歩けば

「格安ロレックスあるよ。ヴィトンも」
「カラオケ行こうよ」
「彼女いっぱいいるよ」

・・・いくら断ろうが無視しようが,次から次へとまとわりつかれ,うるさくてまともに歩けず,閉口した次第であった。それも数百メートルはしぶとく付いて来る。
Posted at 2011/06/19 23:22:13 | コメント(0) | 流れ流れて | 旅行/地域
2011年06月05日 イイね!

流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 2

流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 2流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 1
流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 2


 ・・・と愚痴も含め,長々と書いたが,これらは単なる前置きに過ぎない。私が最も強く感じたこの国の最大の強みは

「なんでもあり」

だ。
厳しい法律や処罰では際だったこの国だが,企業活動や庶民生活の行動基準には「なんでもあり」と「物事は交渉次第」が根底となっている。
これが成長の活力となるダイナミズムの根源だと思う。

 空港では欠航,遅着,遅発は当たり前。国内便も24時間運航で,夜中であれ,カウンターで係員と大声でやりあう集団があちらこちら。
出発ゲート変更は日常茶飯事,アナウンスもコロコロ変るし,電光掲示板の表示もよく間違っているので,片時たりとも油断がならない。

機内であれ,離発着時もシートは倒したまま,ベルトもなかなか着用しない。スッチーは知らん顔で,笑顔なんて無料サービスはありえない。
まともに飛んで無事着陸したら手を叩きたくなる。感謝感激。
この国でしばらく過ごせばサバイバル本能が鍛えられる。

 この国といえば出勤風景の代名詞だった,おびただしい数の自転車に乗った集団は,すっかり見かけなくなった。日本人が見下している間に,それらは全てバイク,車に置き換わっている。
交差点では信号など糞食らえ,逆行は当たり前,あらゆる方向から人,車,バイクが流れ込み,警笛の嵐。
歩道を歩いていようが安心できない。少ない街灯の中,無灯火の電動スクーターがジャンジャン無音で直ぐ脇を疾風と共に抜けて行く。バッテリーの消耗を減じるためライトは点けないのが常識だ。

夜,広い道の横断もとても神経を使う。最大の敵はこの「無灯火電動バイク」
無音でしかも速い。60km以上は出ている。
信号無視,逆行も当たり前なので,どこから走ってくるかも読めない。
目と耳だけに頼らずに,神経を研ぎ澄まし気配を感じ取る。
まるで自分が座頭市になったような感覚だ。

 以前は車の所有や使用できるのは、党や軍の幹部に限定で,車優先だったので、轢かれる歩行者が悪いとのことだった。現在でもその延長か,歩行者の自衛意識は高く生き残る気構えがある。

「ヘッドホンで耳を塞ぎ,メール打ちながら車道に飛び出す」自転車に乗った日本の若者を,ここに連れてくれば生存日数は分単位だろう。


 大雨が降れば高速道路はあちこちで冠水する。ついでにタクシーの床も水たまりで,目的地に到着するまで,膝を屈めて足は上げっぱなしだ。

トラック,バイク,自転車の過積載は当たり前。バイクの3人乗りは当然,最高は一家全数と思われる夫婦+子供3人の5人乗りも目にした。

 これらは日常風景のごく一部だが,善し悪しを論じるつもりは全くなく,この体質や風潮が,躍進としたたかさの原動力となっていると思う。

昭和20年代,30年代には,日本にもあった「ダイナミズム」,この国にはそれをも上回る「ダイナミズム」がある。
逆説的ではあるが,1990年まで日本がここまで成長できたのは,中国が東側諸国に付いたからだと思う。「竹のカーテン」の中に収まっていてくれた。将来は米との覇権争いの様相もあるが,したたかなこの国,うまく立ち回る気もする。


 「これもダメ,あれもダメ」で育ち,疑問を抱かずに従い,言われてないことも自粛までする「坊ちゃん」が,「何でもあり」で育った「クソガキ」に喧嘩で勝てるわけネー。


蛇足:
一昔前までは,この国では犬猫のペット飼育は法律で禁じられていた。
犬猫がいなかったという意味ではない。
そのなごりか不用意に「私は犬が大好き」とか「ニャンコたまらない」と言えば,専門料理店で接待される可能性がある。

日本での日常会話「鰻大好き」や「マグロ大好き」を思い出せばよい。
Posted at 2011/06/19 23:20:56 | コメント(0) | 流れ流れて | 旅行/地域
2011年03月24日 イイね!

流れ流れて  その10 洋風 サブマリン 707

流れ流れて  その10 洋風 サブマリン 707流れ流れて その1
流れ流れて その9  ヴァン・リー !?


「ディーゼル,コンパクト,ナビ付き」
「特にナビは絶対ね」
「明朝は早く出発したいので,今日の内に手続きは済ましておくね」

私にしては珍しく前日にキッチリと準備を済ました。人間,馴れないことをすると,なにかが狂うことが多い。私の場合はドンデン返しを食らうことがよくある。

 地方空港に隣接するレンタカー屋の事務所で,さっさと手続きを済ました。店を出ると夕暮れに店のネオン看板が浮かんでいる。
表の看板に書かれた閉店時刻まで優に3時間はあるが,客足が途絶えると店仕舞いを始める。ずらりと並んだ他のレンタカー屋も同様だ。

古都にあり小規模な空港ではあるが,そこはさすが欧州,近隣国への国際便も多く,いつも重宝している。
余談だがここの空港内にある航空会社のカウンターのオネータン,私の知る限り,ロシアを除く欧州随一の美貌だ。
ちと古いが初期の「バービー人形」を思い出させる,冷たく近寄りがたいほどの美しさだ。いつかメシでもと思ってはいるが,私にとってはここはいつも中継地点につき短い滞在のみで,なかなか時間が取れず悲しい。
・・・まあ,突撃しても,撃沈確実だろうが。

なおレンタカー屋のおば様は,ブスッとした愛想なし。

 翌朝素早くホテルのチェックアウトを済ませ,開店前のレンタカー屋に行く。
開店時間になったが,まだおば様は来ない。
30分ほど遅れて開店。

「手続きは全て済ましているので,さっさとキーをくれ」
と言っても,

「仕事を始める準備をするから待っとれ」
とつれない返事と共に奥に消える。やがて奥からコーヒーの匂いが漂ってくる。勿論,客に出すコーヒーではない。

 この国では「融通を効かしてテキパキ」や「お客様は神様」,「お客様をお待たせしては・・・」という言葉とは無縁だ。

やっとキーを受取り,200mほど離れたビル内の駐車場でご対面。
スペイン版フィアットである「セアト」だった。少し厭な予感が頭をよぎる。

ざっと外観の傷を確かめ,早速乗り込み,先ずはナビの行き先セットを・・・
と思うが,1DINのCDラジオのみでモニター画面がない。

「インダッシュとは,小洒落たマネを」

と全てのボタンを押すが出てこない。いや,コンソールやダッシュボードのあちこちを探すが,モニターが入りそうな空間すら見あたらない。

CDラジオにはナビ用らしき「NAV」ボタンがあり,小さな液晶パネルに,「行き先入れて」と表示はされているが・・・
気軽に「BITTE」と言われても,文字入力すらボタンとダイヤルの組み合わせのカラクリで大変だ。勿論マニュアルはない。
苦労して文字を打ち,驚くべき場所からモニターが出現か,はたまた前面ウィンドーにヘッドアップ・ディスプレーが映し出される驚異に淡い期待を込めて,エンター!

「ん??? なんじゃこりゃ!」

小さな液晶の端に「↑」マークが。

「やられた~~」

随分昔の記憶が蘇った。どうやらGPS方式のカーナビが出現する以前である1990年前後に,ヨーロッパの市街地向けに開発された方式のようだ。

発信器が設置された交差点に差し掛かると,矢印が←↑→と変化し,進行方向を指し示す方式だ。矢印のみが頼りで,地図は表示されない。
当時としてはシンプルで優れたインフラではあったが,大まかな地理が頭に入っている現地人ならともかく,「ガイコクジン」の私にとっては全く役立たない。道順はおろか現在地すらも判らず「ロスト・ポジション」・・・「ここはどこ?」になるのは確実だ。

 ここまでの格闘ですでに1時間経過。ついに断念し事務所に戻る。
「あんなナビは役立たない」
「ナビはナビだ」
「検索しても行き先すらヒットしない。現代的なナビ付きの車に変えてくれ」
「ない! それより1時間も何をしていた? お前はアホか?」
ムカッと来るが,これぐらいのことで引き下がっては,ここでは生きていけない。

「ポータブル・ナビは?」
「予約していないから貸せない」
ここの会社はポータブル・ナビは無料サービスの筈だが,石頭で融通が効かない。
「そこの引き出しの中にあるだろ。金を払うから」

・・・押し問答の末,やっとしぶしぶナビを渡してくれた。

「料金は?」
「無料サービスだ」

サッサと渡してくれれば,お互い気持ち良いと思うのだが。

ナビをセットし,いざ出発。アウトバーンの入り口は目の前にあるが,右折禁止や一方通行規制で,本来はえらい遠回りをさせられる・・・のだが,見渡す限り通行車がいないのを確認の上,こそっと乗り入れる。
途中数多くの風力発電の羽根を通り過ごしながら,順調に走り,難なく目的地の博物館へ。

「オッ,駐車場も空いてる。しかも間近のが。ヨシヨシ」

「色々あったが,終わりよければ全て良し。これから後は念願の・・・」

足早に海に浮かんだお目当てのUボート「Type U-XXI」にワクワクしながら向かう。

「ガ~~ン!」

愕然とした。
乗り込めない。春まで休園なのだった。
この国らしく,真面目にご丁寧にも,わざわざ桟橋までもが撤去されている。残された橋桁が恨めしい。
リベンジしようにも,その頃は遠い別の国にいる。

やむなく博物館の屋内展示のみで我慢することに。
やはりこれからは,私らしく土壇場で直前の支度を心掛けよう。

参考情報:
Uボート Type U-XXI
1945年製で完成はしたが,実戦配備前に敗戦。
とても大戦中の物とは信じられない。まるでタイムマシーンで未来から送り込まれたかのような先進的な設計で,戦後の潜水艦はこれを手本として発達した。技術力の卓越さを見せつけてくれる。
横山光輝氏の漫画「サブマリン707」とも外観が似ている。

なお魚雷発射管のカバーは展示用に撤去されている。

下左の写真は映画「U571」に出てくる「エニグマ」暗号機の本物。
Posted at 2011/03/24 22:14:28 | コメント(1) | 流れ流れて | 旅行/地域

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