関連スレ 「朝採り 」
やっとムカデの活動が下火になる季節になった。うちの狭い庭でも,今年の4月から9月だけで,大小合わせて300近くを捕獲した。いくら捕獲しても,行動範囲が広いと共に速度が速く,ご近所や山からジャンジャン後続部隊がやって来る。
それなりのバリアーや薬剤で防衛しているが,屋内への進入を完全阻止は不可能だと断言できる。もし私なら新築の機会に恵まれたさいには,家屋の回りに掘りを巡らすか,空中浮遊を試みる。
昔のことだが悪夢の年は,一夏で2回噛まれた。噛まれた以外にも,ベッドで真夜中睡眠中に,直接腹の上を10cm越えの赤黒い大型が徘徊していた。それも週2回。ノイローゼになりどんな些細な刺激でも,夜中に飛び起きる習性になったことがあった。
「ムカデに刺された」という表現をよく聞くが,実際にはムカデはスズメ蜂の口器に似た一対の牙で噛む。牙の無駄のない形状と力強さには惚れ惚れする。牙の根元はとても太く,いかにも筋肉むっちりだ。裏返した状態でその牙を撮影した。
運動神経は抜群で,ムカデの体の一部にでも何かが触れようものなら,バネのように長い体を反らし,反射的に噛みつき,毒を注入する。
毒はタンパク質溶解毒で激痛と共に,数日経った沈痛後も数週間,爛れや痒みが持続する。多くは語らないが対症療法は,
直後に
●ポイズン・リムーバーで毒を吸い出す
注射器様の先がカップ状になったもので、登山用品店やサバイバル用品の取扱店にある。スズメ蜂、マムシにも有効。
なお口での吸出しはダメ。毒の摂取になり悪寒、ショック症状の恐れあり。搾り出しも体内の毒の拡散を助長する恐れがあり、避けたほうがいいそうだ。
●毒を変性させ体内での拡散を低下させる
43度以上で火傷になる寸前の温水、43~46度で傷口と周囲を洗い流しながら暖める。痛みが消えるまで20分程度。石鹸、シャンプー等も使い何度か繰り返す。
毒の成分にたんぱく質が含まれるため、43度以上で変性する。ただしあまり高温だと火傷になるので、その狭間を狙う。
その後、抗ヒスタミン剤の塗布。アナフラキシー・ショックの恐れがある場合は病院へ。・・・以上、なお予後に責任は持てないので、取捨選択は自己責任でお願い致します。
以上はネガ情報だが,虫として見ると,とても洗練された種だと思う。4駆や無限軌道(俗称キャタピラ)なんぞクソ食らえの,悪路踏破性。垂直壁,天井も何のその。速度も素晴らしく,1回の産卵で50~100匹産み,幼体の生存率も高く,寿命も5~10年と長い。
天敵は鳥ぐらいだが,ムカデは夜行性で昼間は石の下等で,空襲の恐れも少ない。
熱帯に生息する20cm越えの種類は,子ネズミや,洞窟内で飛行中のコウモリまで補食し,その実写動画もある。
ムカデの先祖を辿れば,何と4億年前。その頃から生息,進化を続けて来た種だ。40万年の人間とは3桁違う。恐竜の出現前で,魚類すら地上に上がるかどうかの頃,したがって地上生物は殆どいない時期だ。
ちなみに1億年というスパンでは,太平洋プレートの移動に伴い日本とハワイは地続きになり,ハワイ日帰りが湘南感覚でできるようになる。
やっぱ,人間ごときが敵う相手ではないなぁ。来年もお手柔らかに頼みます。
Posted at 2006/10/31 23:40:16 | |
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