
1971年まで続いた,ドルと金との兌換を保証した,ブレトン・ウッズ体制の崩壊を最後に,通貨の価値を保証する,金本位制はとっくの昔に地球上から消滅している。
ある国では,国債償還の資金を調達するために,新たに国債を発行し,それを中央銀行が増刷した札で直接引き受ける。
無茶苦茶な比喩をすれば,「タコが自分の足を囓りながらしのぎ,タコ焼きを作って売っている」みたいな。書いている私自身も,訳が分からなくなる。
もっと言えば,金融デリバティブやビット・マネーの氾濫で,各国政府の通貨供給量の実体を,数桁上回る通貨が流通していて,その総額は誰も知らない。これから見れば1万分の1の贋札が可愛く見える。
コンピュータ上のほんの数ビットをシフトさせるだけでも,錬金術が可能になる。
お金ってつくづく不思議なものだと思う。それ自体に価値があるのではなく,価値がある筈だと思っている人がいるから,価値があるのだろう。企業の清算価値とはおよそ乖離した,一部の企業の株価に通じるものを感じる。
もちろん,断じて否定されるべき行為だが,この事件は,刷り物の紙切れを巡って,熾烈な争奪戦に明け暮れる人類に対して,ある意味,強烈なアンチテーゼを突きつけているような気がする。
宇宙人が地球に飛来する時には,出発時に餞別を貰ったり,不測の事態に備え,ブーツの底にも忍ばせたりしているのかな?
はたまた,腹巻きに札束を忍ばせた隊長は,たまには隊員に太っ腹で振る舞っているのかな?
当人達に会ったら是非,聞いてみたい。
Posted at 2006/11/07 01:47:08 | |
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