
文句のないターボ・シャフトが出ていた。
現在の持ち主は元海軍の空母乗組員で,かつては航空機の整備をしていた。現役時代だけでも25年のキャリアを誇る。
彼が趣味用に購入した2基のうち1基を手放すとのこと。
海軍にて完全オーバーホール済みで,実質新品と信頼性も耐久性も変わらないレベルのものだ。
ちなみに「ターボ・シャフト」とは「ターボ・ジェット」エンジンの噴出口に羽根車を追加して,燃焼ガスの圧力でその羽根車を回す。
その回転をギヤ・ボックス経由で取り出して利用する。
「ガス・タービン」とも呼ばれるが,航空界では「ターボ・シャフト」の呼び名のほうが一般的なようだ。
ジェット・エンジンとターボ・シャフトのメリットは,レシプロ・エンジン(ピストン式)に比べ小型/大出力以外にも,信頼性が高い。このエンジンではオーバーホール期の2,500時間までは殆ど手付かずでも,まず故障しない。最近のエンジンはもっと長く4,000時間とか。それも90%出力で長時間連続使用しての話だ。レシプロではこうはいかない。
実際には航空機搭載ではそれまで点検やオイル交換はするが,操作を誤らない限りつぶれない。デビュー直後の初期不良を除き,枯れたエンジンではバード・ストライク等の異物吸い込みのトラブルぐらいだ。
なお,透視図の右上のギア・ボックス部分はオプションで,エンジン本体には含まれない。本体とは別メーカーの恐らく外観からして「ろーるす・ろいす」製と思われる物が描かれている。
現在の400hp辺りを境に,それ以上のパワーを出す,ヘリコプターやプロペラ機のエンジンは,ほぼ全数この方式だ。
「ターボ・シャフト」エンジンでプロペラを回す駆動方式のことを,「ターボ・ブロップ」と称している。
Posted at 2007/02/23 23:06:54 | |
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