関連スレ 「ムカデはかむで」
今年一番の大物で10cm級。
オオムカデ科のアオムカデで2004年産と睨んだ。ちなみに2~3年でいっちょまえの大きさになり,寿命は7年程度。
同じオオムカデ科の「トビズムカデ」も我が家の頻客。
ヤフオクとかでも売っているが,あまり大型を狙うと,天寿を全う寸前の率も高いのでご注意。
今回は生きたまま撮影したが,モデルに調教するのは難しい。白熱灯下でホワイトバランスも取らず,バカチョンでいい加減な接写なので,ピンボケと色再現についてはご容赦願いたい。
上右にあるように,鋭い左右の牙で噛み毒液を注射してくれる。
「焼き」が入っているかのような,先端の黒色が熱処理を思わせ堅そう。牙の根元もとてもマッチョで一撃を食らうといかにも痛そうだ。
ムカデと混同しやすいのは,「ヤスデ」と「ゲジ」でこれらは無毒。ムカデとの識別法は,
左上に小さく映っている「ヤスデ」は,茶褐色で足が短く,刺激すると丸くなり鈍足。
右下の「ゲジ」は灰色で一つの体節から2本の長い足が生えている。極めて俊足で,ムカデを上回る。体は真っ直ぐのまま歩行する。それに対してムカデは蛇のように若干体をくねらせながら歩く。
毎度の如く庭に仕掛けたブービー・トラップで捕獲した。ブロックを置いておくと,夜行性なので朝にはその下で眠っている。ピンセットで摘んでコーヒーの空き瓶に。生け捕りにした此奴らは,少し離れた川向こうの山に放している。できれば先住民の既得権を尊重したい。
厳密に言えば,「ヤスデ」と「ゲジ」は無毒なので捕獲不要だが,屋内に侵入した場合,
真夜中であろうが
「ギャー~~!!」
という悲鳴が家中に響き渡る。家族にとっては多足は全て「ムカデ」で私以外は瞬間的に判別できない。物陰に潜まれてしまうと確認のしようもなく,家具をどけて大捜索をし捕獲するまで,その部屋は使えない。
したがってムカデのみならず紛らわしい御仁にも,屋内侵入前にお引き取り願っている。
なお,蟻や蜂のように帰巣性はなく,巣や定宿はない。肉食で夜間徘徊し,明るくなると適当な石垣の隙間や石の下に潜る。
言葉を変えれば,自宅だけで退治しても,近隣や周囲からの侵入の脅威は残り,根比べとなる。
緑豊かな山の中腹の新たに造成した新築一軒家。自然林が庭に隣接し,借景にもこと欠かない。
・・・こんな夢のマイホームを絵に描いたような家には,ムカデもお友達以上にいっぱい訪れてくれる。
私も昔々同様な環境に住んだ頃は,恐怖の連続だった。
昼寝をしていて脇腹に,まるで焼け火箸を突っ込まれたかのような激痛。(・・・もっとも突っ込まれた経験はないので想像)
夜中に腹の上がモゾモゾ。飛び起きるとパジャマの中に13cm級のトビズムカデ。紅黒のコントラストがとても強そうだった。
それも1回のみならず。暖かい所が好みで,人肌の温もり求めて布団の中にも入って来る。ここで不用意に刺激したら,その瞬間に噛まれる。
対策としてベッドを壁から大きく離し,ベッドの足には円錐状のムカデ返しを設けた。それでも天井から落ちてくる急降下爆撃には無力。
噛まれた経験のある方は,結構ノイローゼになる。少しでも「モソッ」とした感覚があれば,今でも飛び起きてしまう。
布団カバーのジッパーやヒモがとても紛らわしい。
そこで以下に対策法を簡単に述べる。
●室内編
○蚊帳
新築当初で猛烈な数が出現する場合は蚊帳がベスト。ムカデ避け専用で底まで繋がったのが市販されている。
○ムカデ返し
表面がツルツルの垂直壁は上れない。ベッドの足に対策する。鏡面仕上げのステンレス板等を巻き付けるか,傘状のムカデ返しを付ける。
体長を上回るように垂直部で15cm以上,急傾斜ならそれ以上確保したい。
○壁
壁下端にアルミ等の幅広金属テープを張り,天井に到達できないようにする。
●室外編
○侵入口
通気口に網を張る。
○外壁
鏡面仕上げのステンレス板で登壁防止帯を設ける。
○庭石
住処になる無駄な石やブロック,煉瓦,植木鉢等は撤去。落ち葉もまめに清掃。
○地雷原
家の基礎の周り,侵入可能部周辺の床下にムカデ除けの薬剤を散布。
経験上では入手容易な薬剤は,効果,有効期間,雨で流れる等で満足できなかった。
色々探して辿り着いたのが,成分名で「パーメスリン(ペルメトリン)」。4月~10月の1シーズン有効だ。
回し者ではないが
アイ・ビー・アール株の「
ムカデ博士」
同成分の他社製に比べ価格も妥当で効力も抜群。ただし通販のみ。使い始めてからの2年間,ムカデの室内侵入はゼロだ。
(・・・ったのだが,後にこの記録は2007.8.26に中断された)
ペットのいる家庭ではそれらが接触しないように,散布場所は考慮したほうが良いだろう。
もし,将来自然豊かな場所に新築するなら,私なら土地の周囲に浅い堀を巡らし,流水で虫類の地上進撃を阻止。基礎部は鏡面仕上げステンレス柱で支え,高く浮かした構造にする。
できれは敷地全体を金属メッシュで覆いたいぐらいだが,眺望と通風が阻害され難しい。
かなり過激な思い付き対策だが,それにしてもこれらのことに真剣に取り組んでいる建築家は寡聞にして知らず,作品例も皆無なのが寂しい。
「自然環境とのトレード・オフ。我慢しなさい」
のスタンスだろう。被害に悩まされる当事者にとっては,とても切実な問題なのだが・・・
余談だが
「必ず2匹のつがいで行動する」
「1匹見つければ必ずもう1匹いる」
「片割れを殺傷すると,片割れが必ず復讐に来る」
は私の独断では俗説。2匹いることもまれにあるが単なる偶然で,本来の行動様式とは言えない。
また人間目がけて突進して来ることもない。刺激されたら瞬間的に噛みつくだけだ。
最後にムカデはゴキブリを捕獲する益虫。先住民でもあり,無益な殺生は避けたい。
Posted at 2007/08/11 09:09:31 | |
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