
たかがスイカごときで一大スペクタクルが繰り広げられる訳がないが,一応引っ張ってみた。
知人の秘密基地の司令部=コンテナ・ハウスの屋根の上には,びっしりとスイカの大きな葉が生い茂っていた。その範囲は広さにして畳3畳は優にある。初夏の日差しを受け,濃い緑色の葉が逞しく映った。
とても私と同じ時期に植えたとは思えない,あまりの差異に私はしばし言葉を失った。氏は嘗て二十そこそこから数々の事業をゼロから立ち上げ,ほぼ全数成功させて来た御仁だ。
現在は第一線を退き,毎日旨い物を求め全国を巡る生活をなさっている。皮肉にもエンゲル係数は極めて高い。
私の家庭もエンゲル係数には自信があるが,同じ指標でも全く意味が異なる。
運試しにと買ったスイカの苗であったが「ガ~~ン」と頭を殴られた感覚だった。蔓の長さも優に2m以上はある。私のはその1/10。茎の太さ,葉の大きさも大人と赤子の違いがある。色合いの力強さからして違う。
花も無数に咲き,すでにゴルフ・ボール大の実がちらほら成っている。
「凄いですね。うちのと全然違います。今でも鉢植え程度です。いったい何本植えたのですか?」
ざっと目算した15本前後の返答を期待し訊ねた。
「4本」
「え~~本当ですか?」
スイカの栽培風景を見たのは初めてだったが,これが本来のスイカの成長力だったと思い知らされた。と,同時に
「やっぱり・・・。今はじっと耐える時期かぁ・・・」
と運試しの歴然たる結果の差に,暗い気持ちに襲われた。
Posted at 2007/08/23 08:17:18 | |
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