
「RECON」(リコン/レコン)とは偵察(隊)のことで敵陣に密かに侵入し情報を収集する。実際には破壊活動や殲滅(せんめつ=皆殺し)を伴うことが多いので,最も有能な精鋭で構成される。
「特殊部隊」と銘打つと印象と隠匿性に欠けるので,表向きの部隊名は「reconnaissance」(リコネセンス:偵察隊)と称されていることが多い。
公式には存在しない隊で「denial」(否認)されている。早い話が「何が起ころうが当局は一切関知しない」ということだ。
その最たる物は「LRP」(Long Lange Patrol),「LRRP」(Long Lange Reconnaissance Patrol)と呼ばれ,長距離偵察パトロールを意味する。
「長距離パトロール」と云っても,高速道路のパトカーみたいに広範囲を流すという生やさしいものではなく,実際には国交のない国や非交戦国の奥深く侵入して,非合法の破壊活動や誘拐,暗殺のダーティーな任務や人質奪還等を行う。
米軍では主に陸軍ではグリーベレー,海軍ではシールズ等の特殊部隊があたり,英軍ではSASとなる。マニア向けの映画や小説のネタによくなる。
数多くのLRPをこなし,生還(これが一番難しい)した元隊員の話しでは,チーム編成は4~6人がベストだそうだ。それ以上少なくては行動に支障をきたし,多くては却って失敗率が高くなる。
穴掘りのような労働集約的なものは除き,組織における知的集約的なプロジェクトでも,選りすぐりの精鋭を集めた,そのサイズが経験上最適だと私も思う。6人の直接要員が集中的に作業すれば,短期間でも大抵のことはできるし,品質も確保できる。
お祭り騒ぎで数を増やすと,とたんに数合わせ的な,寄せ集め集団に変貌してしまう。
先日パンツ一丁で仰向けに寝ころびながら,マニュアルを読み,調べ物をしていた。
すると左の脇腹に「チョンチョン」と何かが微かに触れる感覚を覚えた。
「気のせいかな?」
チョンチョン
「糸くずでも付いているのかな?」
チョンチョン
「それにしても意志を持った規則的な接触・・・」
チョンチョン
「まさか?」
「もしや?」
「念のため・・・」
未確認物体に対する刺激を避けるべく,そ~~と,脇腹を右に捻りながら持ち上げて,起きあがった。
「お久しぶり!!!」
LRPが我が陣中深く,パトロール中であった。
記念撮影後に身柄確保。遠くの敵陣=山中の藪に強制国外退去願った。
触覚を用いた情報収集の偵察行動に止まってくれていたことが,幸いだった。警戒線は突破されたようだ。侵入経路を探らなければ。
もし,不用意に手で掻いたりでもしようものなら,その瞬間にガブリと噛みつかれる。4cm級の少年兵だったが,このクラスでも悲鳴を上げて飛び上がる。飛び上がるのはもちろん,ムカデではなく人間のほう。
まさに危機一発だった。
Posted at 2007/08/28 06:49:49 | |
ぜろ ぜろ ひち 危機一発 | その他