
カエルの論議で毎度荒れる話題。
私はどっちでも・・・と言うか,どっちもいいと思うが,中古車市場やショップと連携の深い,ポル専門雑誌は空冷賞賛の記事が多かったと思う。
もし中古車市場が僕☆や996主体になれば,きっとそのスタンスも変わってくることだろう。
先日久しぶりにPC(ポルシェ/センター)で営業の方と長々と話し込んでしまった。きっかけはお水系たー坊が入ったとのことで,その偵察を兼ねてだ。
そのPCは356時代からの老舗で,顧客の年齢層も極めて広い。
相変わらず繁盛しているが,悩みは
「とにかく,PJ(ポルシェ・ジャパン)からの供給枠を拡げるのにとても苦労する」
ということだった。
特に希少車両の,GT,GT3RS,GT3,たー坊はほんの数台しか回って来ず,GT3系の受注はGT2に振り替えを勧めているそうな。
「でも,GT2になるとパーツ価格も1桁ちがうし,取り寄せ時間も長いでしょう?」
「う~~ん。その辺りはあまり・・・」
すぐに自分で弄ることと,メンテ費が気に掛かる貧乏性の私には向いていない。そもそも買えればの取り越し苦労だが。
従前のGT2では,それ固有のパーツは,供給経路が通常とは異なり,独モーター・スポーツ部門からとなる。見掛けは一般ポルと同じようなパーツでも,価格が1桁違うことがままある。具体的にはエンジン,足回り関連の部品だ。
「まあ,その辺りの購買層にとっては,車両価格が倍になろうが,大して変わらないでしょうね」
「そうですね。4桁を出せる層にとっては,その線を越えればいっしょで,額の上昇はあまり気になさらないようです。欲しい物には出されますから」
・・・う~~ん。納得できるが羨ましい話しだ。
私には縁遠いが,何とも景気のいい話で,当たり前の話だが「あるところにはある」ようだ。
ちなみにこの辺りの車種の営業は楽勝で,供給枠さえ取れれば,めぼしい見込み客に電話1本で決まる。
「XXの枠が確保できそうですが,要りますか?」
殺し文句は
「要らなければ他のお客さんに回します」
この一言で客は墜ちる。
「くれ」
この時点では価格も決まっていない。ただ「売ってあげられそう」が決まっているだけ。日本車の営業マンが聞いたら激怒するであろうやり取りだ。
GTでさえそのPCで2台売れたが,玉さえあればもっと売れたそうだ。
私はさらに話を続けた。
「水冷たー坊のカブは?」
「まず見込みないでしょう」
アメリカで売れる911の半数近くはカブだが,やはり日本では極端な少数派なようだ。バック・オーダーの中に埋もれて消えてしまうらしい。
万年供給不足で常時PJと供給枠の拡大を交渉するが,展示車やデモ・カーがあるだけでも,
「それを先に売れ」
と渋られるそうだ。新規顧客に対してはポルの場合,
「先ず乗らせて,舞い上がらせて,清水の舞台から飛び降りさせる」
のが一番効果的で正攻法なので,それも酷な要求だろう。
先ず見せて乗せなければ始まらない。
・・・で,そのPCの顧客の中での空冷の生存数について聞いてみた。
「お客さんの中では,現在所有されている方はほんの少数ですね。名前が即座にポンと思い浮かぶぐらいです」
片手で十分に足りる数だ。
勿論,ほぼ全数乗り換えがとっくの昔に済んでおり,そのPCでも入ってくるのは年に2,3台あれば良い方だそうだ。
それも下取りのケースはありえなく,処分を依頼されての買取りだそうだ。
早い話が,「もう運転できなくなったから」「家族に運転を止められて」,そして多いのが「相続財産の処分」だそうだ。
これらのケースは年々増えているそうで,もし程度のいい空冷を欲しい方は,空冷時代からの老舗PCに声を掛けておくと,出物に巡り会える確立が高いと思う。
「ワンオーナー」「整備記録全備」「車庫保管」はデフォルトに近いかと思う。
PCの中古車として売るには,やはり一通り手を入れざるを得ず,かなりの整備コストになるので,あまり商売にはしたくないとのこと。現状販売なら買取り値+αで入手可能かも知れない。
Posted at 2007/08/30 12:02:27 | |
おか | クルマ