
なんと,前夜ネット接続不能で,最終確認できなかった1つの出品が,開始価格=希望落札価格となっていた。当然ながら一発落札。その方にとっては「日頃の行いのご褒美」,私にとっては「日頃の行いの報い」と諦める。
後日談だが,希少な物が含まれていたそうで,落札者さんにはたいそう喜ばれたので,まぁ出品の甲斐があったので良しとした。私の元で死蔵されるより,毎夜好き者のおっさんに,ニタニタと嘗め回すように眺められるほうが,よっぽど良いに決まっている。(落札者様失礼)
・・・と言っても裏AVとかではない。
そんなことはどうでもよく,これからが地獄の闘いのスタートであった。
無線LANが使用不能は「業務に重大な支障を来す」
早い話が,トイレで使えない。屋根の上でも,車を弄りながらも,そして布団の中でも・・・
特に「Gyao」の無料映画を見ながら,腹の上にパソコンを載せたまま寝入った時に,有線では寝返りと共にケーブルが首に巻き付き,アクション映画さながらの連続ピンチという,それは怖い夢を見る。運が悪ければ,命に拘わる重大な問題だ。仮に新聞沙汰になったところで笑いのネタになるのがオチ。
私のノート・パソコンのOSは出荷時のディスク・イメージを,HDDの特別区画に保存してあるタイプなので,出荷時状態にバッサリと戻すことは可能だが,ドライバー1個だけを戻すという芸当はできない。
(後日談:偶然発見したが,できるよう用意されていた。また自分でも購入時にイザという時のために別HDD,CDにもドライバー類をバックアップしていたが,今まで全くノントラブルだったので失念していた。保険をこれでもかと掛けている人が事故らないのと似ている)
別のHDDに展開して,目星を付けたDLLを拾ってくることもできるが,曲芸は概して墓穴を掘ることが多い。
先ずは定石に従い,障害の切り分けに取りかかった。ルーター(無線LANのベース・ステーション + ルーター + VoIPの複合機)のファームを再ロードし再起動した。
このルーターは,製造元自体は大企業だが,この世界ではマイナーであまり好きではなく,光ネットのプロバイダーの限定指定機種なのでやむを得ず使っている。
ソフトが「今3つ」って感じだ。このルーター自体も日頃何かと不思議な技を見せてくれていた。
「ダメだ」
次に,この所ご無沙汰しているパワー・ブックを引きずり出して,試してみる。
「ダメだ」
私が思うに,設定項目のシンプルさと,ネットの接続性ではMacの方がデファクト・スタンダードの機種より遙かに優れていると思う。障害時の切り分けにはMacが重宝する。
「ルーターか?」
設定項目を確認しようとするが,ルーター設定のパスワードが通らない。Ether経由で何とか色々試し,やっとルーターにアクセス。
このルーターには「初心者向け」と「詳細」の2レベルの設定項目があって,パスワードも別個となっている。「初心者向け」メニューにはアクセスできるが,マニュアル記載のパスワードでは第2段階の「詳細」メニューにはアクセスできない。
やむを得ず「初心者向け」の設定を変え,試してみる。
「ダメだ」
何と,このルーターは概略設定を保存すると,詳細設定は全てクリアされるとんでもない設計だった。
怒り心頭
「おのれには,もう頼らん!!!」
こうなると
「困った時のハマグリ」
昔使っていた無線LANの元祖「AirMac ベース・ステーション」に,ご登場願うことにした。
大きなハマグリを思わせる形状のプラスチック製で,接続性も良い可愛い奴だ。
「ヤフオクで売り飛ばさなかって良かった!」
・・・と思いきや,どこを探しても見当たらない。以前は良く見かけた記憶はあるのだが・・・
自室は勿論のこと,家具の上や裏側,いっぱい作った床下収納含め,家中を探し回る。
「もしや,あっちに持って行ったかも?」
と,電話で聞くが,遠く離れたマンションにもない。
こうなれば最後の手段,
「このぐらいの大きさで,プラスチックでできた,大きなハマグリみたいな形の可愛い奴,どこかで見たことない?」
「3年ぐらい前まで,横に並んだ小さなランプがチカチカしてた奴」
「そんな得体の知れない物,一度も見たことない!!」
「・・・ふぅ~~・・・。ま,そうだろな・・・」
期待を決して裏切らない,見事に切り捨てる回答が帰って来た。
そうして半ば諦め家中をぶらついていた頃,ふと視線を落とすと,
「あった!!!」
何と,電話,FAX,コピー機を並べた机の上に置いてあるではないか。3年間はその位置だ。
彼女は素通りとは言え,日に何度もその部屋を通っている。FAXとコピー機の使用頻度は,私よりも遙かに多い。
「どこに目玉を付けてやがる!」
・・・と静かに心の奥底で毒づいた。人のことは言えた義理ではないが。
「やった! これで解決!」
・・・が,そうは問屋が降ろさなかった。
以前とは環境が変っているので,設定変更が必要だ。先ずはリセット。
「ん?」
工場出荷時のIPアドレスとパスワードが記憶とは違う。何とか探り出し設定完了。
苦労の末,めでたくパワー・ブックとは無線にてアクセス成功!
・・・が,肝心のメイン使用のWindowsノートPCとは繋がらない。
データー・スコープを持ち出し,パケットの解析をするが,今一,ハード・ソフトの切り分けができない。
LAN上の全てのデータを表示するものだが,これを持ち出す時は迷宮入りの時で,ちなみにこれを使えば,物理レベルで把握できるので,セキュリティーやヘッタクレも関係なく,「丸見え」となる。
久しぶりに使うためか,厄介なことに,こいつ自身もなかなかうまく動いてくれない。前回使用時のフィルタリングの設定かもと確認するが,別におかしな所はない。
AppleTalkのパケットは拾えるが,肝心のIPが送出はできるが拾えない。火事場で消防自動車の修理をしているもどかしさを感じる。
無線内蔵のパソコンだが,やむなく手持ちの無線カードを差し込む。
・・・が,OSに適合するドライバーがない。メーカー・サイトを探しダウン・ロードする。マイナーなメーカーだが潰れていなくてホッとする。
「繋がった!」
でも出っ張った無線カードはスロットを占有し,折角の特注仕様が台無しになる。そもそも横向きに寝ころんで見る時にも邪魔で,屏風のようにパソコンを立てられない。
・・・・等々の,1つのソフトを入れたがために,NHK教育テレビの「ピタゴラ・スイッチ」の如く,次々と新たな障害がドミノ倒し的に発生し,ほとほと参った。
結果的には内蔵無線チップのファームとドライバーの更新版を,奇跡的にネット上で見付けダウンロードし,現在は内蔵無線LANが使えている。
無線のベース・ステーションは奇怪な動作をせず,動きが読める
「困った時のハマグリ」
ことApple製の「AirMac ベース・ステーション」をブリッジとして使っている。