流れ流れて その2 進化論
どういう訳か,こういう羽目になってしまった。
流れ流れて異国を相手とする仕事で,何とか食いつないでいる。
「じゃぱゆき」さんの心情が忍ばれる。
難点は,プライベートな時間はおろか,睡眠時間すら全く取れず,「時間を金で買う」モードに突入してしまった。
いかにも稼いでいるような誤解を招く,聞こえはいい言葉だが,現実には先方の要望と都合上,伝票作業のみの第三者が介在で,搾り滓は笑ってしまうレベル。従前ならば頑なに拒んできた形態であり甚だ情けないが、まあ,このご時世これで良しとすべきであろう。
何とか2008年内にカキコ再開しようと思ってはいたが,年末年始の休みも2009年1月1日のみという悲惨さだった。思い返せば2007年末より休暇は皆無。
当たり前のことだが,金のスプーンをくわえて生まれてこなかった者にとっては
「時間がある時は金がない。金がある時は時間がない」
は特殊相対性理論に匹敵する法則のようだ。
私の辞書には,昨今の世知辛い世情を反映して,
「金がない時でも,時間が全くない」
という新しい法則が追加されてしまった。
以前,牛飼い殿達の集まりでのけだし名言,
「xxさん,自分で働いてはダメですよ。お金に働かせることを考えなくては!」
できるなら,私も生まれ変わってそうしたい。
・・・で毎度の長い前置きはこのぐらいにして・・・
写真は赤道直下の国際港に隣接する国際リゾート・レストラン(のつもりらしい。門構えにはそう書いてあった)
この近場での仕事の合間に,本来は国際的なリゾート・ビーチである別の所へ行って、砂浜でボケッ~~とするつもりだったが,港に行ったところ希望の地への水上便は満杯で、代りに空いていた便に飛び乗り、何の事前知識も持たずに行った場所だ。半ばパスポートのスタンプ・ラリーのノリで。
なるほど,パンフレットだけを見ればそれっぽく見える。もしパンフレットだけを見て,日本からここを目的地として行ったら,愕然とすることであろう。
このレストランの門を入ってすぐに,一瞬怯んだ。
水上の桟橋の両サイドに,店員の若いヤンキー風,アンチャンが6人ばかし,5mばかしの間隔をおいて,ラフなスタイルで手すりに腰掛けている。中に入って途中で引き返そうとすれば,入り口で通せんぼをされそうな雰囲気だ。
目つきもヤバイ感じで,逃げづらい。勿論回りにはここ一軒しかない独占企業だ。ボッタをするには理想的環境。
国際港と言っても小さな船着き場のみで人通りは全くない。船の発着時以外は役人も全く不在。つまり密入国自由状態といったおおらかな所だ。
「腹が減っては戦は出来ぬ」の格言を守るべく,
「先ずは腹ごしらえ」
覚悟を決めて桟橋を渡り,いざ国際水上レストランへ。
席に着きメニューを見て,愕然とした。
「ゼロの数が2つ多い!!」
何も頼まずには,生きては帰してくれまい。
先ずはビールと,とりあえず一番安い物を注文する。
それに,ここしかメシにありつける場所はない。町までは狭いガタガタ道を通って40kmはある。
ビールのグラスをハイピッチで何回か空けると,気が大きくなりジャンジャン食い物と酒を追加注文する。
ふと冷静になって,メニューを見ると,表記は不明確ではあるが,どうやら価格表示はその国のマイナー通貨のようであった。
その国では実際には隣接国のメジャー通貨が通用しているので,その基準で考えていた。それらの交換レートはゼロが2つ違う。
で,結局のところアンチャン連中も,見掛けは危ない感じだが,実際は親切で,洗練されてこそはいないが,「そこまでしなくていいよ」と言いたくなるほどの細やかな気配りで,精一杯のもてなしをしてくれた。
釣り道具も貸してくれ,テーブルのすぐ脇で釣りができる。
「ゲッ! 鰐!」
と一瞬驚いたが,フロアのすぐ脇の陸地を,大トカゲが闊歩していた。
結果的にさんざん飲んで食っても,思いの外,安上がりだった。
後日,知ったことだが,通の間では有名な「男性天国」の地であるとのこと。
日本からもそれだけを目当てに,通は行かれるらしい。
Posted at 2009/01/24 20:48:51 | |
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