トレジャーハンター その2 初めてのお使い 1/7
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2010年6月13日に「はやぶさ」が帰って来る。
ニュースで何度か取り上げられているので今更かも知れないが,発射が7年前なので,おさらいとしてざっと経緯を記してみる。
2003年5月9日 鹿児島県内之浦から打ち上げ
2005年
9月12日 小惑星「イトカワ」に接近,以後写真を地球に伝送
11月12日 惑星探査機「ミネルヴァ」を宇宙空間に放出
11月20日,26日 「はやぶさ」本体が「イトカワ」表面に接触
地球から2億9000万km
2008年2月 地球へ帰還開始
2010年6月13日 地球帰還カプセルがオーストラリアに着地予定
目的は小惑星の観測と標本採取で,予定では打ち上げの3年後に帰還だったが,7年後の帰還予定となった。
その間,次から次へと発生した故障と人為的ミスで何度もダメかと思われたが,その都度工夫と幸運でここまでやって来た。
肝心の標本採取であるが,2005年11月の記者会見では成功と伝えられたが,10日ほど後には失敗かもと訂正された。
標本採取の方法は小さな金属球を小惑星の表面に打ち込み,舞い上がった岩石の小片が箱に入るという面白いやり方だ。ただし金属球を打ち出す命令は実行されていない。
ことの次第はこうだ。衛星は当然ながらコンピューター制御で,プログラムに従って動作する。記者会見では
「どういうわけかプログラムに,金属球を打ち出すのを抑止する『セーフ・モード』という命令が紛れ込んでいた」
と説明された。
ちなみに「宇宙線による影響」というオール・マイティーで便利な表現はトラブル隠しの免罪符で,その筋ではイザという時には使われるが,きっと宇宙人のハッカーの仕業だろう。
Posted at 2010/06/07 12:29:40 | |
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