トレジャーハンター その2 初めてのお使い 1/7
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徹夜をしてワッチしていた訳ではないが,2010年6月14日 午前5時現在での情報では,ハヤブサの標本格納「用」カプセルの帰還状況は,日本時間で
●06/13 21:36 : カプセル分離
●06/14 00:42 : 地上からカプセルの発光(火球)と大気圏再突入を確認。
●06/14 00:43: ビーコン確認
●06/14 00:45: ヘリコプターよりカプセルを目視確認
●06/14 02:47: ヘリコプターで熱シールドを捜索したが発見できず。明朝以降も捜索予定。
情報源は当事者である「JAXA」なので信頼できる筈。6時現在でのNHKでのニュースでは,「ほぼ予定の地域に落下したことを確認。回収へ」という微妙な表現になっている。
これだけでは私の読解力不足ゆえ,国会答弁的で具体的な状況が見えてこない。疑問点は
●ビーコンは大気圏突入前かパラシュートで落下中か?
(パラシュートは高度1万メートルで開く。燃えている間はプラズマの影響で電波は通じない)
●ヘリからの目視確認物は「火球?」「パラシュートで落下中?」「地上?」
●「カプセル」と「熱シールド」は同体だが,表現が変ったのは単なる偶然?
●「ほぼ予定」の「ほぼ」は,どれだけ外れた?
(落下予想地点は100キロ×20キロの範囲)
・・・と,肝心な情報,特にパラシュートが「開いた」か否かが欠落していて,日頃の性癖とは異なり,珍しく性感より生還を待ち望む身としてはもどかしい。
最大の謎は「ヘリより目視したが発見できず」。さっぱり分からない。ヘリの通常時の運用高度はせいぜい7千フィート(2,300m)までなので,見つけたのなら直ぐに降下や着陸できる筈である。
そうなっては欲しくない最悪予想は
「ヘリより見上げて夜空に火球の目視により,大気圏突入を確認したが,その後燃え尽きたか,パラシュートが開かず地面に激突し,砂に埋もれてバラバラに破壊された」
もしカプセルが破壊されていたら,砂漠にばらまかれた砂粒を発見するのは不可能であり,それも元々入っていたかどうかも怪しい。ない物を探すのは,知らないことを吐けと拷問されるに等しく辛い。
なお落下を夜間にしたのは,流れ星同様に軌跡を目視するのが容易なのと,落下地点を赤外線で探査できるため。
カプセルの仕様は空飛ぶ円盤型で3000度の高熱と50Gに耐える。
一部ではパラシュートが開かなくても,「自由落下の場合,空気抵抗により落下速度は時速300km程度に収まるので,カプセルは無事かも」という説があるが,これはフリスビーのように,都合の良い姿勢で落下に限られる。
ICBM(大陸間弾道弾・ミサイル)の落下速度はマッハ25,約3万kmになる。1m以上の厚さの鉄板をぶち抜く,APFSDS(対戦車弾)の速度でさえ,時速1万kmである。
また,カプセルは重さ17kg、直径40cm、高さ20cmと小さく軽いので,ヘリで回収すれば良いと思うのだが,「捜索班」「回収班」と縦割り組織のようだ。
素人目には,超高温にさらされた後,砂地にドスンと落ちるのにも拘わらず,回収後の保護パッキン材とシステムが大がかり過ぎるのも,外野としての印象はアンバランスな気がする。
ヘリで一旦発見したのなら,落下地点はGPSで数十cmの誤差で特定できるのに,見失ったも奇異だ。
将来,有人衛星を回収には,砂漠で干物になったり大トカゲに食べられないように,回収方法のさらなる工夫も必要かも知れない。
最後までやきもきさせてくれたが,地上のトラック隊が回収(捜索?)に向かうニュース映像が放映されたので,落下地点の特定はできたものと思い,発見を祈りたい。
もし私が当事者なら回収したら,長旅の労をねぎらい,まず風呂に入れてやり,ビールをぶっかけてやりたい。
Posted at 2010/06/14 05:40:06 | |
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