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2011年03月06日 イイね!

流れ流れて その9  ヴァン・リー !?

流れ流れて その9  ヴァン・リー !?流れ流れて その1
流れ流れて  その8 勝率 0% (1/4)
流れ流れて  その10 洋風 サブマリン 707


 時折雪に変るみぞれ混じりの中を快調に走っていた。
片側3車線,トラックは必ず右端,乗用車は中央,そして左端は追越専用車線。ルールがきっちり守られている。
追越し車線は本当に追越し時のみで,居座る車は皆無。日本のように「梃子でも動かん!」と信念を貫き通す車は,ここでは全く見掛けない。

勿論追越し車線を走るトラックも見たことがない。追越車線が塞がるのは大都市のラッシュ時のみだ。

 余談だが以前,ガラ空きの中央道下りで200キロ近くの距離に渡って,同じ会社のトラック2台がピタリと併走して,両車線を塞ぐという状況に出くわしたことがある。その2台の前には見渡す限り他車は全くいない。
おかげでその二台を先頭に,延々と続く大名行列に加わるはめになった。

「世の中には珍しい楽しみをする人達もいる」

と勉強させて貰った経験がある。

それに比べれば,ほぼ全車マナーについては100点をあげてもいいと思う。これは歴史の深さを感じさせ,車が地位や富の象徴や,それを誇示する武器,裏返しとして引け目を感じさせる持ち物としてではなく,純粋に移動手段として確立されている証拠でもある気がする。

 乗用車の一般走行車線にあたる中央車線の流れは,メーター読みで160前後。欧州の他国でさえ流れは日本より遙かに速いが,この国ではさらに一段速い。
ただ,追越し車もエコ志向か,加速は緩慢で殆ど速度差を付けず,かなりの距離を費やしてのんびりと追い越す。たまに「バシューン」とかっ飛んですぐに点になるのは,どういう訳かアウディのA8が多い。

 地図上では遠く感じたが短い時間で到着。感覚的には同じ時間でも距離にして日本の倍は稼げる。また,「ふわわ」や「ぬゆわ」とか表現する気遣いも無用だ。

 こちらの連中の出張時の移動手段の第一選択肢が車なのも頷ける。
私の回りでは本当に数カ国跨いだ出張でも,ほぼ必ず車で来る。様々な国のナンバーや左右両ハンドルの車が駐車場を埋めるのが,お馴染みの風景になっている。
事前に鉄道での経路を尋ねても,必ず「何で車で行かない?」と不思議がられる。


 ・・・で今回は私用での移動だったが,走行中の車の挙動が気になった。同じスタッドレスでもコンチネンタル,ミシュラン,ピレリの「御三家」に比べ,「グニョグニョ」感が強く,修正舵にいささか神経を使った。
本来は出発前に確認すべきだが,目的地に着いてからタイヤを確認した。

「空気圧」・・・「良し」
「残り溝」・・・「十分」
「スピード・レンジ」・・・「ん? ・・・わからん」

・・・この辺りで少々背筋が冷たくなりそうになる。

「メーカーとモデルは?」

てっきりこの国ならユニロイヤルかコンチネンタルだろうと,先入観を持っていたが,どうも違う。

「WANLI」

「ん? 見たこともない・・・」

「ワンリー・・・いやいや独語読みなら,ヴァンリーだな」

「・・・聞いたことがないな」

「ヴァンリー・・・ヴァンリ・・・バンリ・・・」

「・・・ここはお国の何万里・・・いやいやあれは何百里だったな」

「まさか・・・」

「万里の長城の・・・万里!?」

そのまさかが当たった。よく見ればクネクネした城壁らしき図柄もある。
万里を駆けるタイヤの,誇らしげな産地の浮き彫りがそこにはあった。

個人的にはトレッド・パターンはあいでんてぃてぃーの象徴として,中華丼の淵に書いてある,四角い渦巻き模様にして欲しかった。

「帰りは大人しくしよおっ~~と」

内心呟いた。

かの国の工業製品は,この分野においても想像以上に先進国に浸透しているのかも知れない。恐るべし超大国。

蛇足:
写真右下はこの国の地方道で時折見かける標識。
「さすが嘗てのワルシャワ条約機構国と隣接する国,戦車のほうがトラックより制限速度が速い!!」

この国では1990年までは数万の戦車が,一斉に国境を越え侵攻して来る状況を常時想定していた。

「迎え撃つ戦車は緊急自動車扱い,速くて当然」

・・・と当初は感心していたが,それにしても時速80キロは速すぎる。何かおかしいと思っていた。MBT(Main Battle Tank: 各国主力戦車)の多くは,最高時速にしてせいぜい60キロ程度だ。

折に触れて原住民に
「何で戦車のほうがトラックより制限速度が速いの?」
と疑問をぶつけると,笑いながら教えてくれた。
答えは「橋の重量制限」とのこと。それにしても戦車の表記は日本では考えられない。さすが「地続きで大戦を重ねた国」と感心した。

因みに我が国のMBT,90式は北海道以外では行動困難だそうだ。
北海道の原野での使用が前提で,本州とかでは多くの橋の重量制限に引っ掛かり,事前に橋の補強や架け替えが必要との説がある。そのままでは鉄道輸送も不可で,どうしてもという場合には,モナカみたいに上下二分割にして運ぶ。
多くは語れないが北海道には無縁の梅雨や湿気も禁忌事項。と言っても雨漏りや錆びるわけではないが。

本州や九州の海岸線では海に向かって,進入禁止の道路標識を林立させる必要があるかも知れない。指定事項の札は「0-24時 戦車」と。
そうすれば上陸侵攻されても国会答弁で

「事前に万全の対策を講じていた」
「敵が想定外の行動を取ったのが原因であり,当局に瑕疵はない」

と申し開きが通りそうだ。

まぁ,次期MBTは小さく軽くなりますが。
Posted at 2011/03/14 06:53:26 | コメント(0) | 流れ流れて | 旅行/地域

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