トレジャー・ハンター その5 でかっ! 1/4
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トレジャー・ハンター その5 でかっ! 4/4
日本ではどんなに小さくても帆さえ付いていれば「ヨット」だが,異国ではかなり大きな船のことを指す。
ちなみに2人乗り程度の小さな帆掛け船は「ディンギー」,それ以上のものは「セール・ボート」「セーリング・ボート」と称する。
「ヨット」とは世界中どこにでも,冒険ではなく安楽に行けるだけの,大きさ・性能・装備を備え,シェフやメイドを含めた専属の乗組員が常勤しているものを指す。
帆船である必要はなく,むしろ少人数でも操船でき,高速でペースが天候に左右されない動力船のほうが一般的かも知れない。
このぐらいになれば「ヨット」もしくは「セーリング・ヨット」と,胸を張って言い放っても恥ずかしくない。
写真の船でサイズは長さ159フィート(48m) ,幅10m。マストのてっぺんは20階建てのビルに近い高さ。
性能は巡航速度11ノット(20km/h),最高速13ノット(24km/h) 。
太平洋横断であれ,世界一周であれ楽々こなせる。
乗客10人(ダブル 5室),乗組員8人。船体の大きさの割りに少人数だが,難民船ではないので,優雅さを優先して,定員はこの程度に抑えている船が多い。
もちろん船内はエアコン完備で,各客室には専用の風呂,トイレ,化粧室が付いている。
このクラスの正統的な楽しみ方は
「おネータンと一緒にジャグジーに浸かり,水平線に沈む真っ赤な夕日を眺めながら,シャンパン・グラスを傾ける」
となる。
この船にも後甲板に露天のジャグジーがちゃんとある。
こんな状況では動力船と異なり,厭な音や震動,臭いがなく,聞こえるのは,「ザッザァ~~」という波を切る音のみという静かな帆走が,さらに情緒と優雅さを深めてくれる。
操船はおろか食事の用意・給仕,掃除,ベッド・メイク・・・等々の野暮用は乗組員が全てやってくれる。日夜ただひたすら,おネータンと楽しむことのみに,全身全霊を傾けるだけで良い。ただただ酒池肉林に溺れていればいい。
・・・一度でいいから味わってみたいが・・・
モーターボート,ダイビング機材,ディンギー(小型ヨット)も搭載しているので,色々遊べる。
また当然ながら衛星通信も完備で,世界中どこにいようが電話もFAXもインターネットも常時使用可能で,急に仕事の野暮用が入っても大丈夫だ。
・・・「無理無理! 一生かかっても,こんなの絶対に持てるわけない!」
と思われるだろうが,大抵の場合この類はチャーター運航に供している。
従ってお金さえ払えば,誰でもオーナー面して占有できる。
船籍をカリブ海周辺等の税制優遇国に置くのが大半で,この船はバーミューダ諸島の英領であるセント・ジョージア。
チャーター料は高額には違いないが,10人で割れば,一生に一回ということで,何とかはたける金額ではないかと思える。
・・・依然それでも私にとっては無理だが・・・
ただし,ダブル・ベッドで肌を合わせる相手を,脂の乗ったオッサンではなく,いい香りのするおネータンにしたいならば,分母は5に減り,その倍を覚悟する必要がある。
・・・益々私からは遠ざかる。 一生縁はなさそうだ。
ちなみにクルー(乗組員)のおネータンのただならぬ美貌には,何だか特別の計らいを予感させる。食事は食べ放題,酒は飲み放題なのだが,おネータンも食べ放題か否かは不明。恥知らずで嫌われることに恐れを知らないオッサンでも,さすがにそこまでは聞けない。確かにそれぐらいはあっても,罰は当たらない程度の料金なのだが,「乗ってからのお楽しみ」かもと微妙なところだ。
クルーズ途中の寄港地でのことであった。
「XX時にYYで客を拾う約束をしているので」
と,そそくさと出航して行った。約束の時刻までは6時間ばかし。
お客はここで一旦船を降りて観光に行き,陸路鉄道でYYへ向かっているそうだ。陸路では3時間ほどだが,海路では半島を大回りする必要もあり,どう考えても2日はかかると思われるが・・・
まっ,のんびり優雅に楽しむには,2日ぐらいの待ちぼうけに目くじらを立てず,カリブ時間でまったりと過ごす度量も必要なのだろう。
Posted at 2011/04/12 10:52:49 | |
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