流れ流れて その11 何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 1
流れ流れて その11 何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 2
流れ流れて その11 何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 3
流れ流れて その11 何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 4
流れ流れて その11 何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 5
突然の急ブレーキに上体が前にのめる。とっさに前席の背もたれに手を付き、体を支えた。
牛だ。
年季の入ったVWサンタナのシートベルトは千切れていて用をなさない。
ここは沿海部の地方都市。毎日仕事場まで片道200kmほどの距離を、契約しているタクシーで移動するのだが、こちらの運ちゃんの飛ばすこと飛ばすこと。
高速道路はもちろんのこと、地方幹線道でも踏みっぱなしだ。体感速度は独製快速車換算では200km台後半で、体が縮み毎日肩が凝る。
もっともメーターを見れば130ぐらいなのだが、今にも分解しそうな振動と音に襲われ続ける。
急ブレーキをかけたのは、広い地方幹線道でのことだったが、長い綱に繋がれた牛が、車道のど真ん中に佇んでいたのだ。
中央分離帯に当たる草地は、幅100mはあり、昼間はその草地の方々で牛が繋がれている。
収穫期には車道の半分ほどに、穀物を広げて天日干しをしている。その脇を猛スピードで車が、ロースピードで耕耘機に引かれたリヤカーが走っている。高速道路ですら農耕用トラクターに引かれたリヤカーが。車両のジャンルも性能も年代も極めて幅広く、ごった煮の世界だ。
町には人民公社時代の鉄筋アパートが建ち並び、なんとも言えない凄みを醸し出している。急ピッチで西欧化された都会より、「これぞチャイナ!」という猥雑な町の方が、私の興味をそそる。
日本では節電エコ・ブームで「グリーン・カーテン」と称して、ビルの屋上や壁を、カッコイイ洋名の草花で覆う、小じゃれた装いが、今年になっていきなり登場して来た、「xxプランナー」と称する御仁達によって紹介され、脚光を浴びているようだ。
こちらはさすが「中国四千年の歴史」。ずっと前から建物のグリーン化は進んでいたようだ。
ほぼ全ての鉄筋建物の屋上は、草ボウボウ。背丈も十分以上にある。わざわざ土を持って上がらなくても、大自然の恵み=黄砂と雑草の種が、毎年降り積もるのだろう。
壁面の蔦の類とて、建物によってはジャングルと化し、入り口をカムフラージュしている。
キザな「室内観葉植物」を、鼻先でせせら笑うかのように、しっかりと室内に根を下ろした大木は、窓をぶち破って、天高く健やかに育っている。
一体どうやって大木の根元で暮らしているのか、室内を見学してみたい。
人民のみならず草木だって逞し過ぎる。コメントのしようがない。
Posted at 2011/06/21 00:51:43 | |
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