
何気なくネットでニュースを見ていると、ハッ!と息を呑み、目が止まった。
「出たっ!」
と、思わず呟いた。出たのだ。
私にとっては、おいそれとは手が届かない、ぶうぶうの新型なんぞどうでもいい。
IT関連の青年実業家、オーナー経営者、不動産賃貸業や士族の面々にお任せしておけば良い。・・・と毎度、自分に言い聞かせて断念し、慰めている。
自称「青年失業家」が、ぼやぼやしているうちに「中年失業家」、いやもはや「老年」・・・、とうとう「し」に濁点が付くことはなさそうだ。ただし、気持ちだけは若く、精神年齢は小学校三年生をキープしている。
先週の夜のことだった。野暮用で近しい人間に電話した。
私「今いい?」
某「かまわんよ」
私「どこ? 家?」
某「いいや、XX」
私「何してんの?」
某「メシ食ってる、YYと」
私「何人で?」
某「二人で」
ほんの0.数ミリの糸くずや、小さな塗装片も逃さない、日本の科学警察同様、私も大物に繋がる、微細なきっかけを決して逃さない。「ミジンコで鯨を釣る」が私の座右の銘だ。
私「代わってくれ!! ハァ ハァ」
某「zzが代わってくれだって」 (電話の向こうで)
かくかくしかじか、たわいのない会話の後、
私「若い者とばかりではなく、たまにはオッサンとも遊んでやってください」
YY「あっ、喜んで♪ 是非是非♪ 今度誘ってください♪」
・・・と、相成った。
電話の後、小さくガッツポーズをとる、勘違いした脂ぎったオッサン。
そのYYさんが、「出た!」のだ。その僅か一週間後に。知らなかった。束でも出る予定だったとは。プロダクション名は「雄か?」だが、長身でスタイル抜群の超美形は、ほぼ確実に「雄」の鯛王国とは異なり、間違いなく全員「雌だ」
メンバーの一人がインタビューに答えた言葉、
「いつか私もxxに乗ってみたいです♪」
は、もちろんサービス・トーク。
この類の職業婦人の常識、言うまでもなく、この手の車には、常日頃から乗り慣れている。それにユニット結成前から、既に業界で活躍中の彼女達、自腹で買えるだけの稼ぎもある。
この言葉を真に受けて、
「XXちゃん。xxに乗りたいんだって? 今度の日曜日どう?」
なんぞと、勝ち誇ったように誘っても、
「ごめんなさい。ちょうど田舎の母が出て来ているので」とか、
「親戚の法事があるので」
と軽くかわされてお終いとなる。
これらの定番以外にも、「美容院に」「お料理教室が」「水漏れの修理で」「犬の具合が」「トリミングに」「靴の片方を隣の犬がくわえて行った」「玄関に大きな蜘蛛が」「草履の鼻緒が切れたので」「持病の癪が」「こっくりさんが、行くなと」「玄関に貼られた御札が怖くて」「金縛りが酷いので」・・・等々。彼女たちの引き出しには、条件反射で即座に取り出せる切り札が、いっぱい詰まっている。
残念ながら、今後暫くは増すであろうユニットの露出度に反比例して、ただでさえ望み薄だった、オッサンとの約束の実現度は、限りなくゼロに近づく。
予想問答は
「この前電話でお話ししたxxです」
「どちらのxx様ですか?」
「ほらxxx・・・xxxした」
「あぁ、あの時の・・・」 (低く呟き、しばらく無言)
「あの時の約束のことだけど、xxx・・・xxx」
「おっしゃってることの意味が、理解できないのですけれども・・・」
これにて一件落着。チャンチャンってことになる。
Posted at 2012/08/31 18:59:34 | |
トレジャー・ハンター | ニュース