
夕食後はナイト・ダイブを場所を変えて2本。
眠っている魚はその気になれば、手づかみで捕れる。
そこそこで切り上げて陸に戻り、夜更けまで酒盛り。
私がここを気に入っているのは、オーナーの気っ風の良さ、全スタッフの器量の良さと、損得勘定抜きの献身的サービス。
オーナーはかつては大規模なリゾートを経営していたが、持ち前の人の良さゆえか、乗っ取りに。その後ここに移り住み開業した。
規模は小さく、お世辞にもリッチとは言えない質素さだが、こちらが恐縮して頭が下がるぐらいのもてなしをしてくれる。
私の場合、1日当たり日本の民宿の宿泊費程度の額で、その日の全ての費用が賄える。
24時間、酒をいくら浴びようが、何を食べようが、何度潜ろうが、追加費用は一切なし。
私一人のためにボートを出してもらっても同じだ。それもガイド付きで。
商売気を廃した太っ腹かつ細やかな気遣いで、常時、
「楽しんでいるか?」
「困っていないか?」
「何かして欲しいことはないか?」
「食いたい物はないか? 何でも買ってくるぞ」
・・・等々
オーナーは元々の出身はこの国ではなく、初老の域で、この先ガツガツ稼いで一旗揚げようといった気も元よりなく、私たちもまったりと過ごせる。
毎夜、客と一緒のワイワイ・ガヤガヤしながらの夕食と酒盛りを、一番の楽しみにしているような風情である。
そんなこともあってか、客層は口コミと紹介で増えたプロ・カメラマンを含む常連が多く、国籍も種々雑多だ。ただし日本人客は超稀少。
ここは宣伝もしていなく、付近に日本のツアー会社とタイ・アップした日本人が経営する
写真上小綺麗な、ダイビング・センターが数件あるので、日本人客は日本語が通じることもあり、ほぼ全数そちらに行く。ここの存在や実態すらご存じでないと思う。
私と同行の現地人運転手さんにも、こちらがお願いする前にすでに、デフォルトで三度の飯を振る舞ってくれる心遣いも憎い。
申し訳ないから、追加の支払いを申し出ても、辞退して受け取ってくれない。
宿泊は部屋というよりも小屋というレベルだが、各室トイレと冷水シャワー、クーラーも付いている。質素ながらも清掃は行き届き、シーツ・タオルも清潔だ。隙間もなく虫は入ってこない。
リゾート・ホテルのリッチさに慣れ親しみ、かつそれに重きを置く方には、全くもって勧められないが、「binbo大好き」こと私にとっては十分だ。
長期滞在中の宿が、ホテル自称「リゾート・コテージ」、実態「海辺の竹囲いに椰子の葉を被せただけの、外界とはスカスカの、蛭やいろんな生物が遊びに訪れてくれる小屋」なので、それに鍛えらた私の閾値は、幸いぐっと低下している。
Posted at 2014/08/11 17:37:16 | |
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