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2007年01月28日 イイね!

鯨が火事 その5 ここです,ここです,ここですよぉ~~♪

鯨が火事 その5 ここです,ここです,ここですよぉ~~♪ 耳を澄まして聞くのみのパッシブ・ソナーに対して,アクティブ・ソナーというのがある。レーダーの海中版で,音を出し,目標からの反射音で,主に相手の方位と距離を測る。パルスのドップラー・シフト量から計算すれば,目標の速度や針路も測れる。

スピーカーに相当する「トランスジューサー」が発する音圧は凄まじく,発振時には周辺の海水が沸騰するという。負圧域では真空状態が発生し,キャビテーションで泡も出るそうだ。
ちなみに米原潜装備でポピュラーなBSY-1(ビジー・ワン)戦闘システムで出力75kw以上,BQQ-5Dは若干下回る。


 いつも腹立たしく感じるのは,ハリウッド映画でさえ,必ずと言っていいほど,「コンッ・・コンッ・・コンッ・・コンッ・・」と,アクティブ・ソナーの発信音を響かせながら潜航している。潜水艦の存在意義は「秘匿性」に尽きる。作戦なりパトロール行動中には絶対に絶対にアクティブ・ソナーの発信はあり得ない筈だ。

自らの存在を誇示する訳がなく,アクティブ・ソナーの発信は「ワシはここじゃ~~! 早く沈めてくれ~~!」と怒鳴り散らしながら航行するに等しい。
先日放映していた「007 私を愛したスパイ」でも残念ながら同様だった。こういう場面を見ると一気に興醒めする。大好きだった「原子力潜水艦シービュー号」も残念ながら同類だった。

ゲップと屁を連発しながら,床下や天井裏に潜む忍者なんぞ,存在価値の欠片もない。

 仮にアクティブ・ソナーのレンジ・・・目標を感知できる最大距離・・・が50kmだったとしよう。発信して反射音が戻るまで往復100kmを音は進んだことになる。ということは,100km先の敵は潜水艦からの発信音を受信でき,潜水艦の存在を感知できる。
 つまり発信源を中心とする半径50km~100kmのドーナッツ形の水域は,敵にとっては感知されずに一方的に攻撃できる「安全圏」になるのである。いわゆる「アウトレンジ戦法」を可能にならしめ,結果的に敵に塩を送ることになる。

では,どんな時に使うか?
戦闘状態では確実に仕留められる目標の,差し違え覚悟での最終手段としての,厳密な位置と速度ベクトル確認。直後には魚雷発射する。

平時には極々希なケースとして,マークしている他国の潜水艦が,こちらの存在を知らずに衝突しそうになった時に,警報として使える。


 脱線するがTCP-IP,つまりインターネットのチェックで使われるコマンド「PING」の語源は,昔のアクティブ・ソナーの発信音から来ている。「ピンッ~~」という音で駆逐艦から潜水艦を探す時に発せられ,その行為を「ピンを打つ」と呼ぶ。

恐らく現代のはそんな単純な音ではなく,人間の可聴域以下の低周波から超音波まで一瞬に出すと思う。周波数帯とその変調,パルス間隔と幅等々がとても気になる。
憶測では「オオッ~~ピィ~~キュイン~~ン」か,その逆ってところか?

ネットで色々探したが,現代のソナー音の録音データは未だ見つけていない。非常に興味があるのでご存知の方はご一報戴けると,滅茶苦茶嬉しい。ねぇ島津さん。


潜水艦ネタになると話は尽きない。
Posted at 2007/01/28 01:24:14 | コメント(0) | うみ | 趣味
2007年01月27日 イイね!

鯨が火事 その4 眼下の敵

鯨が火事 その4 眼下の敵  潜水艦の機動の一つに,「エマージェンシー・ブロー」とか「エマージェンシー・サーフェシング」と呼ばれる行為がある。
何らかの事故が起こった緊急時に,深海で急激に重りの海水を全量排水して,一気に急角度で急速浮上する行為だ。
実際には訓練や体験試乗時のアトラクションとして行われる。
試しに空のペット・ボトルを風呂桶の底から放てば,水上に飛び出すのが分るだろう。

予め浮上前に潜水艦ははソナーで海上の様子を探る。厄介なことに帆掛け船は帆走中には,ほぼ無音になる。日本近海では「エマジェンシー・ブロー」はまずやらない筈だが,もし帆掛け船の存在を見落とされたまま,それをやられたら,運が悪かったとしか言いようがない。

質量7千トン以上の砲弾に相当する,運動エネルギーには凄まじい物がある。まともにぶち当てられたら,ほぼ全ての艦船は撃沈されてしまう。
ちなみに厚さ40cmの鋼鉄をぶち抜く戦艦大和の主砲弾ですら,1トン半に過ぎない。
厳密に言うと「運動エネルギー = 質量 X 速度の2乗」なので単純比較はできないが,とんでもない威力に変わりはない。
ちなみに米原潜で最多のロスアンジェルス級で7千トン,オハイオ級で1万9千トン弱の排水量と,第二次大戦中のに比べればとても大きい。


一応帆掛け船にも海底までの深さを測る,「ディプス・ゲージ」(測深器)というアクティブ・ソナーの同類は備えているが,潜水艦が潜んでいそうな海域では,ヘビメタ・ロックでもガンガン流しながら航行するのが安全かも知れない。

実際,海には色々な魔物が潜んでいる。海中のみならず海上にも真夜中に一切の灯火を灯していない,黒一色に塗りつぶした船に遭遇することもある。密漁船はまだ可愛いほうで,得体の知れないものに遭遇もしばしある。多いときは一晩に数隻も。
Posted at 2007/01/27 10:15:20 | コメント(0) | うみ | 趣味
2007年01月26日 イイね!

鯨が火事 その3 vs タンカー

鯨が火事 その3 vs タンカー 先日,ホルムズ海峡で日本のタンカーと米海軍の原子力潜水艦が衝突した。幸い双方大事に至らず良かった。

潜水艦が浅深度や海面に浮上するさいには,予め海上の艦艇の機関音やスクリュー音を聞いて,海上の様子を探る。
具体的にはパッシブ・ソナーという,方向も感知できるマイクで聴音して確かめる。そして潜望鏡深度まで浮上し,潜望鏡で安全を確認し,そこでやっと穏やかに浮上する。ちなみに潜望鏡1本折れば,恐らく数億円は吹っ飛ぶ。

相手は15万トンのタンカー「最上川」。ソナーの能力から考えて,聞き逃すということは絶対あり得ない。数十キロ先のも感知できる。余程,ボケーとしていたか,何かに興じていたとしか考えられない。

一番考えられるのは,タンカーの船尾下にコバンザメのごとく密着して,自鑑の存在を隠匿しながら海峡を通過しようとして,ドジを踏んだ可能性だ。それにしても素人目にはお粗末だ。
衝突後のタンカーとの交信でも,「こちらは潜水艦」とのみ告げ,国籍,艦名を伝えなかったのも秘匿性を表している。まぁ言語と訛りでほぼ判るだろうし,いずれ明白になるのは避けられなかっただろうが。

 それにしても「最上川」の頑強さ。浸水量は4~5,000トンだそうだが,旧日本海軍の駆逐艦なら軽く数隻は沈む量。ほぼ平気で航海できるのは驚きだ。以前大火災を起こして炎上中のタンカー撃沈を自衛隊の潜水艦が担うことになったが,魚雷が外れたり,何発当ててもしぶとく,なかなか沈まなかった。
多くの旧海軍潜水艦乗りから

「たるんどる」
「ワシの頃は1発で仕留めた。こんな無様なことはなかった」
「ワシにやらせろ」

と「温かい励ましのお言葉」が多く届いたそうだ。

また原潜は艦首を破損したとのこと。タンカーの鉄板を破ったのだから,それなりの破損だろう。艦首にはアクティブ・ソナー,パッシブ・ソナー,魚雷発射管等々のとても高価な機材が集中している。艦長もただでは済まないだろう。
Posted at 2007/01/26 07:03:54 | コメント(0) | うみ | 趣味
2007年01月24日 イイね!

鯨が火事 その2

鯨が火事 その2やがて波頭に見え隠れする船体に白文字で描かれた艦名が読みとれた。

「XXしお」

昔懐かしい「あじしお」ではない。希望としては「あじしお」「ごましお」「はかたのしお」なんかにしてくれると,親近感が湧くと思うのだが。

ハッチを開けて司令塔に乗員が姿を現した。
こちらに向けて手を振りながら,やがてゆっくりと航行し始めた。
濛々とした黒煙は,発電機を回すディーゼル・エンジンの排煙だった。

後に知ったことだが「XXしお」は建造直後でテスト航海中だった旨。就役すると艦名は消される。したがって仮に洋上で浮上中の潜水艦に遭遇しても,素人が国籍やクラス(XX級),艦名を判断する材料は,外観のみとなる。軍事的には行動海域,情報,機関音,スクリュー音で判別する。
人間の指紋同様に,各国全艦の音紋が予め収集記録されている。

後に見た停泊中の他艦のケースでも,始動直後は火災発生かと思うほどの,おびただしい量と濃度の黒煙だった。定常運転時も大量の黒煙をたなびかせていた。排ガス規制とは無縁なようだ。
Posted at 2007/01/25 00:26:52 | コメント(0) | うみ | 趣味
2007年01月23日 イイね!

鯨が火事 その1

鯨が火事 その1数年前のことだった。その日オッサンは足を延ばすべく,湾口に向けて帆掛け船を走らせていた。
風速は10ノットでメートルに直すと5m,艇速は6ノット。のんびり行くには,ちょうど心地よいコンディションで穏やかな海だ。
「ザザザザザー」という微かな波を切る音と,たまに「ザップーン」という,波頭に乗った船首が,落ちる時に海面を叩く音以外は何も聞こえず,無音に近い航行だ。
ぼけ~~と走らせていると,300mほど右斜め前方の海面が波立ち盛り上がり,真っ黒な物体が浮かび上がって来た。

前端と後端がなだらかにすぼまった葉巻型で,背中の一部分が波頭に見え隠れしている。

「鯨か?」

この辺りには小型でスナメリという種類の鯨が生息している。「プファー」と呼吸のため波頭に背を見せるのは,それまでにも見かけたことはある。
まれに大型種も迷い込むことがあるが,今回のはとても大きい。もし鯨なら数秒で再び潜る筈だが,それは浮いたままで動かない。

「一体何物?」と双眼鏡でよく見ると潜水艦だった。ドックに入っているのは見たことはあるが,洋上では初めての遭遇だ。
潜水艦は出撃して一旦港外に出ると,作戦行動中は帰還するまで,決して浮上しない筈だ。
「洋上で浮上=緊急事態」を意味する。
しばらくすると胴体から濛々と黒煙を吐き始めた。

「火災発生か?」
「救助しなければ」

潜水艦にとって火災は致命的な災害だ。密閉された空間には煙がすぐに充満する。極小のハッチで排煙も困難。元々沈むのが商売。予備浮力も僅かで,消火に水も使えない。

また潜水艦には救命ボートなんぞという有り難いものは搭載していない。あるのは小さなゴムボートのみだ。それも人数分の用意はおそらくない。大半の乗員は救命胴衣のみで波間に漂うはめになる。
船形は近代的だが国籍も不明だ。不用意に接近して,機関銃やロケット弾をぶっ放されるのも困る。玉が当たればきっと痛いに違いないだろう。

物騒な筒をこちらに向けていないか,恐る恐る様子を窺いながら近付いてみた。
Posted at 2007/01/23 11:26:09 | コメント(0) | うみ | 趣味

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