「不思議 その1」で時刻のゾロ目現象について書いた。
それ以外にも身の回りで起こる不思議現象に,ある事柄が何の脈絡もなく唐突にポッと気になることがある。世間一般には殆ど知られていない語句や人名,事柄なのだが,早ければ数分,長くて2,3日中にその事柄が,ほぼ確実にマスコミで取り上げられる。
テレビのスイッチを入れると,丁度その特集やニュースの真っ最中,新聞を開くとその記事がといった具合だ。
つい先程気になったキーワードは「ミニッツ・リピーター」。テレビのスイッチを入れると,「何でも鑑定団」の再放送中。
そこで取り上げられていたのが,懐中時計のコレクションで,その中の一つにミニッツ・リピーターがあった。
時刻を音で知らせる機構だ。柱時計ならありふれた機構だが,これが懐中時計,極めつけは腕時計に実装するとなると,途端に難しくなる。
定時に鳴らすのではなく,操作すると時分秒を音で知らせる機能だ。
実際の音色は
こちらでお楽しみを。逸品揃いで感心する。
画像は私のコレクションの一部で,赤い矢印がハンマーの打撃方向。(・・・と言える身分になりたいが,そんなわきゃ~~ない)
ムーン・フェースの使い道が今一,ピンと来ない。釣りか潮汐か月見か? 同じ出すなら荻野理論のほうが,有り難いと思うのは私だけか?
実際の私のコレクションで一番のオキニは,子供からのもらい物だが,ガチャでゲットしたデジタル表示のクオーツ。日差ならぬ時差数分という代物だが,ここまで凄まじい誤差を,クオーツで実現するのもなかなかできない。原材料として購買しようにも,誤差2桁%の水晶発振子は市中に出回っておらず,ある意味,希少価値が高い。一発売ってドロンは容易いが,もしそんな水晶発振子を継続供給しているなら,その企業の販売力は我々の想像を遙かに超えたレベルにあるということになる。
話を戻すが,狭い場所に機構を実装し,愛着を覚える音色を奏でるミニッツ・リピーターだけでも尊敬するが,トゥールビヨン,永久カレンダー,ダメ押しに自動巻の長期パワー・リザーブと抱き合わせにすると,設計・製作するには偏執狂の執念が要求される。絶滅種の職人を貼付ける必要性もある。
ブランドと上代で武装した宝石敷き詰めや,貴金属のガワもいいが,一皮剥けば中身はETAの原価数千円や高くて2,3万のムーブメントのことが多い。ファッション雑誌でセレブ向けアイテムとして紹介され,知名度と飲み屋のネーちゃん受けは良いだろうが,それでは,記号化した「キカイシキ」という言葉に飛びついているだけで,なんだか寂しい。
ETAを否定するのが目的ではないが,3桁以下の価格帯のブランド物で,内製ムーブメントを使っているのは,ザラッと思いつくのは,ロレックス,ゼニス,ジャガールクルトぐらいだ。
機械式腕時計の本当の醍醐味は,職人の意地を賭けた機構に触れるところにあると思う。
・・・とここまでは勿論,機械式腕時計,かつEU諸国産でのお話し。
余談だが,時刻のゾロ目現象について,先日ふとヨメハンに少しだけ漏らした。「くだらん!」と一蹴されるかと思いきや,
「私もまれにあるわ。それに,一緒に占いに行った時に,そのことを言われたでしょ」
6年ほど前のことで忘れていたが,確かに言われた。
「時計の数字が合うことがあるわね。でもそれは良いことよ」
と。こちらからはそんな事は切り出してはいないが,のっけから唐突に言われた,その時のことを思い出した。
その方には全くこちらから質問する必要はない。やろうかと企んでいることを,ずばりと言い当て,そっちに行きなさいと後押ししてくれる。
その方はもっと不思議だ。
Posted at 2007/12/10 06:19:57 | |
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