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2011年06月27日 イイね!

日本のお客様は神様

日本のお客様は神様テレビ8台、ビデオ6台。
地上デジタル放送への完全移行に伴い、7月24日をもって、我が家では粗大ゴミとなる。リサイクル費用が追い打ちをかける。
テレビのみならず、レコーダー、信号レベルにシビアなデジタルゆえ、アンテナ、パラボラ、ブースター・アンプ、分配器、同軸まで、現実には買い換えとなってしまう。工事費がそれに追い打ちをかける。

 最も悲しいのは、自作のチビ・テレビが使用不能になること。
まだ液晶TFTモニターが極めて高価だった頃に、作る決心をするまでに2週間、製作に2日を掛けた小さな大作だ。

当時、新品TFT液晶は超高額のため、中古のパチンコ機から流用した。「CR黄門ちゃま」と「エキサイト・レディー」だった。
 これとは別にカーナビ用も作ったが、黒がうまく出ず、狭い車内ゆえ手探りで感電しまくりながら、調整した思い出もある。


 国全体で見れば、アナログ・テレビのみでも1億3千万台、購入当時の額にして、軽く数十兆円の国民財産が、地デジ移行に伴って消滅することになる。放送設備の更改も同様の額であろう。
リサイクル料金、廃棄物の環境負荷もはんぱではない。
予想はしていたが、回収されたテレビは、国外ではまだまだ十分使え高級品、東南アジアや発展途上国に大量に輸出されている。リサイクル料金と回収手数料もすでに徴収済みなので、まさに「一粒で三度おいしい」


エイヤッ!と適当な値で計算すると

○新規購入テレビ: 5~80万円
  16万x1.3億台=20.8兆円

○レコーダー: 6~30万円
  8万x8千万台=6.4兆円

○アンテナ類工事: 3万x3000万世帯=0.9兆円

○リサイクル料金
テレビ    収集運搬料   リサイクル料金   支払い合計金額
21型以下    3,150円    2,700~3,615円   5,850~8,865円
21型以上    5,250円    2,700~3,615円   8,100~9,090円

0.7万x1.3億台=0.9兆円

締めて29兆円。経済的には、大都市が絨毯爆撃によって、一夜にして壊滅したに匹敵するインパクトだと思う。

地デジ化を急いだ大きな理由の一つは、ある自動車メーカーが推進する、車と交通制御が一体となったIT化の実現。アナログ・テレビ放送用の周波数帯を使っている。すでに試作を終え、試験準備完了。邪魔なアナログ放送終了待ちの状態なのだ。そのメーカーは電波有効利用の審議会の有力メンバーでもある。

電波有効利用の審議会メンバーは、大衆が恩恵に浴している電波を、大衆に代わって自分たちが「さらに有効に利用してあげる」という企業・団体によって構成されている。

放送局側も補助金と、B-CASに伴う収入の旨味がある。公益法人B-CAS社の出資者と幹部は、国営・民間放送局、官僚、メーカーおよび、そのOB達で占められ、審査料、カード発行料は、テレビ、レコーダーの全数から得られる。B-CASに協賛しないメーカーは、暗号化された放送を解読できず、受信装置は一切作れない。海外や弱小メーカーの締め出しにも貢献する。「公益法人」は「利権法人」の同義語なのかもだ。

 B-CAS社は正社員一名、役員九名の小世帯ながらも、すでに1.5億枚のカード発行数で、推定では動く金は兆に近く、まさに兆優良企業だ。ただし、いくら社員が優秀でも一名では無理なので、実作業はメーカーに全て丸投げし、指導・監督・放置する立場に徹している。無料放送にもコピー・ガードを掛けているのは日本のみで、受信機器の複雑化・高級化に、拍車をかける。

日本独自のコピー制限は、ダビングしても劣化しないデジタル録画のメリットを半減させているのは残念だ。ダビング中にエラーが発生すると、コピー元も消してくれる凄まじい仕様に、私も随分と泣かされた。
そもそも権利を独占する法人のカードを挿さない限り、全ての機器は動作しないというのは、限りなくとんでもない暴挙で、「日本の常識は世界の非常識」の典型だと思う。

 このB-CAS社は秘密主義を貫き通してはいるが、世間からそろそろ注目を浴びだし、何かと外野が五月蠅くなりそうなので、B-CASカードの廃止と、発展的解消のタイミングを検討中である。財務内容、所在地、役員、人員等は非公開、実体の有無すら不明なので、清算は一瞬だろう。膨大な個人情報の行方も気になる。

 一方、家電メーカー、通信機器メーカーは、この地デジ化を当然ながら大歓迎。未曾有の特需で、顧客の購入期限も確定している。朝鮮戦争勃発以上の神風であろう。
購買ターゲットは全ての階層を網羅し、生活が苦しかろうが、待ったなし。可処分所得が十分でない人々にとっても、随一の娯楽と情報取得メディアは外せない。

 私はどうもエコポイントや補助金制度は好みに合わない。きれいな謳い文句の建前の裏側には、密かに笑いを堪えた連中の姿が見え隠れする。利権が渦巻き、低所得者から高所得者への所得移転を促進する。
買いたくても買えない人は、恩恵に浴せず、将来にわたって税負担のみが残る。実質財界への補助金でもあると思う。

 その点、アメリカではデジタル化にあたって、フェア・プレイの精神がまだ生きている。コンバーターのクーポン券が全世帯に無償交付される。希望すれば二枚まで貰え、一枚の額面は40ドル。コンバターの価格は50ドルからあり、アナログに変換できる。

つまり、テレビ一台あたり10ドルの負担で、手持ちのテレビでデジタル放送を受信できる。2台でも20ドル=1,600円の負担ですむ。
「新しいテレビはお金ができて、値段がこなれた頃に買う」という選択肢が、ちゃんと用意されている。日本ではコンバーターは、BーCAS絡みで、メーカーも限られ、小型テレビに近い、馬鹿げた価格設定となっている。

 ちなみにヨーロッパでは、設備更改費用が少ない衛星で、デジタル放送をするのが主流だ。またアナログ変換したケーブル・テレビのサービスも多い。


 次は日本製テレビの、海外での販売状況について。
写真の2台は、いずれも発売開始直後の最新モデル。場所は太平洋に浮かぶ常夏の島の量販店。
あこがれの70インチ・モデルで2,900ドル。物価が1/2の米本土では同じのが2,200ドルで買える。邦貨換算で約17万円。

日本では、同時期に発表した同等のモデルは、実売価格が80万円。これを元に通貨交換レートを計算すると、

80万円 / 2,200ドル = 363円/ドル

 あえて暴論覚悟で言えば、つまり日本メーカーのドル円交換レートは、実は363円/ドルなのだ。これは戦後長く続いた、「シャープ勧告」に基づく固定レート「360円」と奇しくも一致する。
全く無作為に選んだサンプルだが、我ながら驚いた。なお「シャープ勧告」と言っても、特定企業を対象としたものではない。

これも暴論覚悟だが、メーカー社内においては円高は嘘っぱち、すでに「超円安」なのだ。業界、マスコミ挙げて、さらに下げろということは、700~1,000円ぐらいを目指しているのだろうか?

テレビだけを例にとっても、日米における内外価格差は、モデル末期の叩き売り商品で2倍、最新型の人気モデルで5倍が相場のようだ。もっと言えば、アメリカでは40~50インチ以上の大型モデルを買えば、おまけで32インチとかが無料で付いてくることも、極めて多い。

逆に、もし日本の販売価格が適正とした場合、80万円のテレビはアメリカでは1万ドルで売らなければならない。2,200ドルで苦戦するものが1万ドルでは絶対に売れない。つまり日本製テレビは、大幅に円安にしようが、すでに輸出商品としては全くビジネスにならないとも言える。銀座の高級寿司店でカッパ巻きと新香巻きの二品のみで、勝負するようなものである。


 長文になって恐縮だが、それ以上に、どうしても私には理解できないことがある。
この神風に近いチャンスのお祭り騒ぎに、各メーカーはこぞって莫大な費用を投じて、大規模工場の新設や増設を行っている。
どう考えても投資の回収に、10年、いや20年やそこらは掛かる筈だ。
それに反し、一昨年から始まったこの、買い換え特需は、せいぜい2年、2011年秋には終焉を迎えるだろう。

消費低迷のみならず、就業人口の過半を占める、食住すらおぼつかないメーカー自らが生み出した臨時雇用者の方々。購買力が圧倒的に低下しているのだ。デジタル化を機に諦める人も多いと思う。そして全体的なテレビ離れ。番組自体も同じようなのばかりだ。

「雛壇」に並んだ、知名度はあるが低ギャラの芸人の集合。
立ち上がって大声を張り上げれてさえいれば、「はい。お疲れ様でした」と収まる。同じ事務所の看板芸人と抱き合わせ販売で、露出の機会を得ている。
それに、芸は売っても良いが、プライベートは売る必要はない。局のスタッフ共々、近場の飲み屋で、勝手に盛り上がっていればいい内容で、楽屋ネタは放送不要だと思う。「オネェ」キャラの氾濫も食傷ぎみだ。

ニュースですら、モザイク、効果音、「この後すぐ」「驚きの結末が!」の連発。さんざん引っ張られた後、何もなしとか「次週」で放置されると、手にしたリモコンを画面に投げつけたくなる。
涙して見ていれば「青汁」や「ゴマ」「ニンニク」「蟹の甲羅ゴミ」に帰結で、騙される。
ネット動画からの拾いもの番組なら、視聴者は好きなものをパソコンで見る。余計なコメンテーターは不要だ。

極めつけは、お涙頂戴感動番組。コンビ芸人の一人を、逆さにして水に浸けて、相方の秘密を自白させるというのがあった。昔からある拷問そのもの。「コンビの絆の堅さを確かめる」企画だそうで、番組名は「24時間テレビ 愛は地球を救う」だった。どうやらテレビ局専用の辞書があるようだ。
民放の想定視聴者像は「50代前後の無趣味で高等教育を受けていない主婦」だそうだ。「大衆はこういうのを喜ぶのですよ」と愚弄し、自分達は例外だと思っている。

・・・等々、つい日頃の愚痴を並べた。

 以前この家電メーカーと、仕事で関わったことがある。「もう手作業では限界なので、至急システムを構築してくれ」との依頼で、プロトタイプを作り、デモ兼契約交渉に出向いた。プロトと言っても十分実用になるレベルに仕上げていた。
会議の席に、重役がいた。重役が出てくるほどの規模と額ではないので、不思議さと違和感を憶えた。
デモと仕様の詰めが終わると、それまで無言だった役員が檄を飛ばした。

「馬鹿野郎」「勿体ない」「本当にどうしても必要なのか?」「無しでは無理なのか?」「俺を納得させてみろ」・・・だった。
当然ながら、現場の人間は、びびって反論は皆無で全員無言。
そして
「我が社では150万以上の出費が絡む会議には、役員が全て出席している」
「経費削減に絶大な効果を発揮している」
と私に向かって話された。

私は笑顔で、
「あぁー。それは素晴らしいですね。いい勉強をさせて戴きました。お忙しい中、貴重なお時間を割いて戴き、ありがとうございました」
と応えた。
「そのウロチョロする超高給取りを、切った方がずっと・・・」
と言う勇気はなかった。かくしてプロジェクトは没となった。
恐らくトップの周辺はイエス・マンで固められ、意見する者は皆無。トップに届く情報は、良い情報に限られ、最も必要とされる現場の悪い情報は皆無だろうと思った。

 このように少額投資には極めて慎重な一方で、この企業は私のオツムではとうてい理解できない新設工場の巨額投資を連発している。おそらく少額投資の稟議に忙しく、巨額のまではアセスする暇がなかったのであろう。また、社長交代の度に記念碑的に新設するという説もある。巨大モニュメントは「あれは、ワシが作ったんじゃ」と大事業を成し遂げた満足感をもたらし、自らの偉大さをも実感させてくれる。
これらは両刃の剣でもあり、皮肉にも自らの墓標であるピラミッドにもなり得る。

真珠湾と珊瑚海海戦を終えて、勲章授与と昇進の手続きに忙殺されて、海戦史上未曾有の大規模であるミッドウェー作戦は、検証することもなく実行された構図を思い出した。

また「弾が勿体ない」との理由で、自動小銃の開発を排斥し、現場には安価で旧式な明治時代の単発銃「三八式歩兵銃」を与え、旗艦には時代錯誤の巨艦「大和型」を四隻も建造した、旧帝国陸海軍の姿とも重なる。三号艦「信濃」は米潜に仕留められ、出航後17時間の寿命だった。

 この企業では、液晶パネル・テレビだけを例にとっても、2004年稼働の新鋭工場に1千億を皮切りに、ほぼ2~3年おきに数千億の投資をしている。2009年稼働のまで合わせると1兆円超えの設備投資となる。さらに中国には4,500億円規模のG10(第10世代)の工場を建設し、2013年に稼働開始予定だ。実にテレビ関連のみでも1.5兆規模の投資を10年以内の期間にする。

日本各社の収益構造は、海外では市場価格で提供し、その穴埋めに国内は2~5倍の価格で、やっと利益を得るしくみになっている。特筆すべきは特需と補助金と内外価格差ありきの収益構造なのだ。もっと言えば、工場誘致の巨額補助金と事業税免除・固定資産税免除、という特典も支えになっている。

1941年に開戦を決定した瞬間に破局が確定した大日本帝国同様に、この事業プランを実行した瞬間に結果が確定したように思う。

お祭り騒ぎで回っている間は良い。だが活断層やプレート境界同様に、溜まった歪みの巨大エネルギーは、いつか必ず解放される時が来る。そういう時は、今までは順調に回っていた全ての歯車が、超高速で逆回転を始める。
2011年秋の特需の終焉が契機となるだろう。
日本人の懐を無視した価格設定も、その後の持続的な需要維持を妨げる。海外売り上げは助けにはならない。

この企業の特徴はイケイケ・ドンドンで急速に膨れあがった、一兆円を超す有利子負債で、それも短期借入の多さだ。


 私の独断と偏見に満ちた憶測を記せば、

国内売り上げ激減->営業利益大幅赤字->株価暴落・キャッシュ不足

キャッシュ不足->株価暴落
株価暴落->増資・事業提携不能
      ->CB激落・利率暴騰->現金返済->キャッシュ不足
                     ->新規CB利率暴騰 ー>発行断念
                     ->CDS急上昇     ->株価下落
CP返済 ->キャッシュ不足  ->新規CP金利上昇 ->発行断念
無担保銀行借入返済       ->有担保再借入・金利上昇->株価下落


突っ込み所満載で図式にうまく表せなかったが、上記のサイクルが月、いや週単位で繰り返され、その回転周期も加速度的に短くなる。

国内売り上げ激減に伴い営業利益が赤字となる。
先ずは株価が暴落し、増資や他社との提携、合併等が不可能になる。
CB(転換社債)の償還は「株ではなく現金でくれ」になり、キャッシュが必要となる。
CP(短期社債・割引手形)の償還にキャッシュが必要だが、借り換え用の新規発行CPは超高金利かつ消化困難になり、実質発行不能となる。
これらが全てキャッシュ不足と株価暴落につながり、そして再循環する。

かつては大企業の信用を背景に、銀行は無担保低利子で、短期融資をしてきたが、新たな融資や借り換えは担保あり高利子となる。支援を条件に、売却価値があり、市場流通性がある資産は早い者勝ちで、銀行が根抵当権を設定する。具体的には土地、家屋、工場、最新型製造設備、他社株などだ。金目のものは全て銀行が予め押さえる。清算価値を失った企業の株は紙くず同然となる。

無担保融資の引き上げ、担保差し出し、有担保融資への転換を積極的に迫られ、結果的に銀行側は不良債権額を減らし、安全圏への逃避を促進する。
無担保融資の返済が進み、追加融資額が根抵当権の限度額に達した時、銀行は「もう限界」と。支援の修了と担保の保全を宣言する。

CDS(Credit Default Swap: 倒産したらお金を貰える金券)の保証料率(売り出し額・人気度)が大幅に上昇し、破綻必至企業として海外ファンドに目を付けられ、博打の対象になる。巨額が動くそこにはビジネス・チャンスが生まれ、今までは関わりのなかったハンター達が世界中からやって来る。これとセットに彼らの空売り資金調達が始まる。

・・・等々の悪循環に見舞われる。タイミングは利益下方修正した時を契機に始まり、粛々と進行する。その後はほぼ毎月千億単位でキャッシュが不足するだろう。CBやCPはサラ金かそれ以上の金利となる。これらの悪循環は加速度を増し、海外ファンドが「詰み確定」と判断した時に、猛烈な株の売り浴びせと共に、連日ストップ安を更新しながら終焉を迎える。

収益構造に無理があり、短期借入が尋常ではない額であるため、始まったらあっという間だろう。月単位の期間かも知れない。「まさかあれだけの大企業が」というあっけなさだろう。

 残された新鋭工場にはペンペン草が生え、周辺地域はゴースト・タウンと化し、やがて中国、台湾、韓国の企業の手に渡る。同業の弱電他社とて、大同小異かも知れない。波及効果の大きさと、連鎖反応の確率は想像以上かも知れない。

2007年にかけて、家電各社は史上最高益を更新して来た。それまで横並びで控えていた大手企業の役員報酬は、これも横並びで1桁に近いアップを果たした。翻って従業員給与は漸減させた。臨時雇用を増やしコストダウンを果たした。短期的な利益向上には貢献したが、これをすべての企業が「従業員・従事者=消費者」でもあることを忘れ、横並びで一斉にやると、全体の購買力が低下するのは自明の理だと思う。

 日本独自の歪んだ施策、仕様、価格設定に「わぁ~きれい。おおき~い」と、素直に喜び買ってくれる日本人は、まさに「お客様は神様」。「神様」の慈悲で、元々は成り立たない事業が、これまで延命して来たのではないかと思う。

解決法としては、C-CAS, D-CAS, E-CAS・・・と2年おきに独自規格を打ち出し、特需を喚起する暴挙ぐらいしか思いつかない。

「神様」がその歪みを支えきれなくなった時、当然の帰結に落ち着く。

超長文で大変失礼しました
Posted at 2011/06/27 00:36:22 | コメント(0) | 小ネタ | 音楽/映画/テレビ
2011年06月22日 イイね!

流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 6

流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 6












流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 1
流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 2
流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 3
流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 4
流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 5
流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 6


 以前、日本で見かけた光景。

終戦後の闇市の名残である、高架下にある、いささか寂れた商店街。そこに合板で囲っただけの粗末な、一人が入ればそれで一杯になる広さの交番があった。
その前に小さなプラスチック製のパトカーが止めてあった。
幼児が跨って足で蹴りながら進むやつで、いくら路地が狭いとはいえ、まさかこれでパトロールするわけはないだろうと思っていた。

近所の子供が常置場所にしているようだったが、なかなか洒落っ気のあるガキだと感心した覚えがある。

 そんな忘れ去っていた昔の記憶を呼び起こしてくれる光景に、この国に来て出会った。

 ご存じかと思うが「公安」と言えば、この国では一般の警察のことを指す。別に政治犯や諜報員を取り締まる秘密警察ではない。
夕暮れの町を、餌を求めて彷徨っていたところ、公安と書いた建物の横の駐車場に、規模を少し大きくした、ほぼ同じ光景に出くわしたことがある。

「えっ? ホント?」

最初に見たその時は我が目を疑った。そこにはオモチャのパトカーがいっぱい並んでいた。まるで遊園地だ。

丁度、たまプラーザ駅前で、ドラマの存在を知らずに「私鉄沿線97分署」の看板を掲げた建物に、偶然出くわした時と同じ感覚だ。

「近所の若者が洒落で置いているのか?」

とも思ったが、残念ながらこの国の若者達は、まだそこまでは砕けていない。

大都市の繁華街や、地方都市では結構このタイプのパトカーが重宝されている。

ただ、この微笑ましい姿に騙されて、いつも笑顔で寛大な振る舞いをしてくれると思ったら大間違いで、痛い目に遭う。取り締まりは容赦なく厳しい。


 この国では夫婦以外の男女が、同室で宿泊するだけでも逮捕される。
一部の都市では解禁の流れがあり、また常時取り締まりではないものの、本来の法的にはNGだ。
つまり街角やカラオケで知り合った小姐(オネータン)と、意気投合し、民間外交と国際親善を深めるために、お持ち帰りすると、宴もたけなわ、「真っ最中」に

「動くな!」

「そのまま!」

と踏み込まれ、証拠写真「旅の甘い思い出」をパチパチを撮ってくれる、特別サービスを受ける羽目になる。

 何かの国際イベントや、中央省庁の幹部が来訪中には、とたんに規制と取り締まりが厳しくなり、一斉検挙とあいなる。


「あんなこといいな~♪ できたらいいな~♪」

と口ずさみ、スキップしながら訪れる、オネータンがいっぱいいるお店においてもしかり。


・・・で、これからが本題。

しょっぴかれるさいには、身に付けているのは、右手のと左手のが鎖で繋がった、鍵付きの金属ブレスレットのみ。
生まれたままの姿で、このパトカーに乗せられ、実質「市中引き回しの刑」に浴することになる。
勿論このタイプ以外にも、普通の乗用車でドア付のもあるにはある。

余談だが「武警」(武装警察: 国内治安)、「特警」(特別警察: 対テロ)というのもあり、車両では地雷対策までした機関銃やグレネード・ランチャー(手榴弾を発射する)付のもある。

 なお、出国もしくは強制送還時に、パスポートにでっかい「淫」の文字を記した判子を押してくれる、ご褒美があると噂に聞くが、真偽のほどは不明だ。 確かめてくださる奇特な御仁の出現に期待したい。

誰に見られても恥ずかしくない、持ち物に絶大な自信のある方は、是非勇気溢れる先駆けとなって、貴重な人柱になってくださることを、切に願う次第である。

その折りには誇らしげな漢の勲章「淫」のスタンプの画像を、「うぷ」してくださると幸いだ。ダウンロードして額に入れ、家宝として大事に飾らせていただくつもりだ。
Posted at 2012/09/01 16:56:34 | コメント(0) | 流れ流れて | 旅行/地域
2011年06月19日 イイね!

流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 5

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 突然の急ブレーキに上体が前にのめる。とっさに前席の背もたれに手を付き、体を支えた。

牛だ。

年季の入ったVWサンタナのシートベルトは千切れていて用をなさない。

ここは沿海部の地方都市。毎日仕事場まで片道200kmほどの距離を、契約しているタクシーで移動するのだが、こちらの運ちゃんの飛ばすこと飛ばすこと。

高速道路はもちろんのこと、地方幹線道でも踏みっぱなしだ。体感速度は独製快速車換算では200km台後半で、体が縮み毎日肩が凝る。
 もっともメーターを見れば130ぐらいなのだが、今にも分解しそうな振動と音に襲われ続ける。

急ブレーキをかけたのは、広い地方幹線道でのことだったが、長い綱に繋がれた牛が、車道のど真ん中に佇んでいたのだ。
中央分離帯に当たる草地は、幅100mはあり、昼間はその草地の方々で牛が繋がれている。

 収穫期には車道の半分ほどに、穀物を広げて天日干しをしている。その脇を猛スピードで車が、ロースピードで耕耘機に引かれたリヤカーが走っている。高速道路ですら農耕用トラクターに引かれたリヤカーが。車両のジャンルも性能も年代も極めて幅広く、ごった煮の世界だ。

 町には人民公社時代の鉄筋アパートが建ち並び、なんとも言えない凄みを醸し出している。急ピッチで西欧化された都会より、「これぞチャイナ!」という猥雑な町の方が、私の興味をそそる。

 日本では節電エコ・ブームで「グリーン・カーテン」と称して、ビルの屋上や壁を、カッコイイ洋名の草花で覆う、小じゃれた装いが、今年になっていきなり登場して来た、「xxプランナー」と称する御仁達によって紹介され、脚光を浴びているようだ。

こちらはさすが「中国四千年の歴史」。ずっと前から建物のグリーン化は進んでいたようだ。

ほぼ全ての鉄筋建物の屋上は、草ボウボウ。背丈も十分以上にある。わざわざ土を持って上がらなくても、大自然の恵み=黄砂と雑草の種が、毎年降り積もるのだろう。
壁面の蔦の類とて、建物によってはジャングルと化し、入り口をカムフラージュしている。

 キザな「室内観葉植物」を、鼻先でせせら笑うかのように、しっかりと室内に根を下ろした大木は、窓をぶち破って、天高く健やかに育っている。

一体どうやって大木の根元で暮らしているのか、室内を見学してみたい。

人民のみならず草木だって逞し過ぎる。コメントのしようがない。
Posted at 2011/06/21 00:51:43 | コメント(0) | 流れ流れて | 旅行/地域
2011年06月12日 イイね!

流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 4

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流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 4


 西日が低く照らす交差点脇の小さな広場に,10人ばかしの人々が集まっている。殆どが買い物帰りの主婦達だが,中には子供もいる。
辺りに薄くたなびく煙に運ばれた香ばしい臭いが,仕事帰りの私の空きっ腹を刺激する。
人力で引くリヤカーを改造した屋台があり,横幅2mほどのバーベキュー・コンロにで魚,鳥,野菜を焼いている。
客は焼き網の向こうに並んだ食材から好きな物を選び,。炭火で焼いてもらうのだ。日本なら高級店でしかお目に掛かれない炭火焼きが,ここではデフォルトなのがありがたい。

殆どの人々は夕食のおかずに持って帰るが,望めばそこでも食べられる。
辺り一面に立ちこめた,夕方の空きっ腹に直接訴える香りが,達者な宣伝員の役目を十分に果たしてくれる。呼び込みなど全く不要だ。

 広場と言っても大きさ30mX8m程度で,商店街の外れにある。ビーチ・パラソルが付いた丸テーブルが3つほどと椅子が置いてあり,近所の人々が飲み食いしながらワイヤイ・ガヤガヤ,ちょっとした宴会になっている。

 私は,露天とは交差点を隔てた向かいのホテルに荷物を置き,「今日は何を食おうか」と出て来たところであった。

 ここは長江・・・旧揚子江の河口にある広大な中州に位置する小さな港町。中心街には「人民共和国」という名に相応しい,質素で年季の入った5階建てほどのアパートが立ち並んでいる。

郊外には解放政策になってから建てられた,広い区画に欧米風の豪邸が並んでいる。政府高官の別荘地として人気があるそうだ。

 中州といっても河岸との連絡には,船で1時間前後かかる。「川が荒れる」と欠航になり孤立する。この国ならではのスケールの大きさだ。
船着き場には,お気の毒にも川に浮かんでいたご婦人の,身元を尋ねる貼り紙があった。効率的だがリアルで,ある意味この国の人々の逞しさを感じさせる。


 「店」と言っても大きめのバーベキューのコンロと,食材を並べる2mX70cmぐらいの机,冷蔵庫代わりの発泡スチロールの箱が全てだ。
主人らしき30才前後のニーチャンと少し年下の子分らしきニーチャン。どちらも坊主頭で強面。喧嘩早い感じで,さぞかし若い頃はやんちゃだったであろう雰囲気。そして20台後半らしき愛想良さそうなヨメさん。この三人で店を賄っている。ヨメサンは専ら焼き役に徹している。

その失礼ながらも,いささかの胡散臭さゆえ,躊躇して遠巻きに様子を伺っていたが,なかなか繁盛している。大丈夫そうだ。晩飯決定。
かしこまったレストランよりも,こういった所のほうが性に合う。露天であることが何よりも良い。

 食材の種類はそこそこあり,大河の河口に位置する中州ゆえか,中には見たこともない,得体の知れない魚もあるが,空きっ腹には,どれもうまそうに見える。
私は迷いながらも魚と野菜を何点か選び,真っ赤に燃える炭火の上に載せてもらった。この火力なら3分もかからないであろう。

焼き上がった餌を受取り,ついでに箸ももらった。10mばかし先のテーブルを見るが,どれも満席だ。

「まっ,いいか」

屋台の裏手で立ち食いすることにした。

それを見た人相の悪いご主人,「ここに座って食え」と,上に載った荷物を片付け,発泡スチロールの箱を,引きずりながら持って来てくれた。意外に親切だ。
ありがたく座らせていただき,腰を落ち着けると,次にはビールが欲しくなる。

「ビールは売ってないの?」

「あそこで売っている」

とすぐ脇の商店を指差す。早速買いに行く。
夕暮れの中,行き交う人々や人力三輪タクシーを眺めながら,まったりと食う。

 2本目のビールを空けた頃,店仕舞いの時間が来たようだ。ヨメハンは残った食材をジャンジャン焼き始める。「閉店安売りの時間か?」と思ったがそうでもないらしい。
「さあ終わった」とばかりに,パッと表情が明るくなったご主人と子分が,向こうから空いたテーブルと椅子を持って来た。
その上に焼き上がった食材を並べ,発泡スチロールの箱から取り出したビールの大瓶を並べた。人数より一本多い。

そして私の方を見ると,

「こっちへ来い,ここで一緒に食え」

と手招きする。とりあえず遠慮したが,しきりに勧めてくれる。
あまり遠慮するのも失礼なので,仲間に入れて戴くことにした。
私がテーブルに付くと,「ホィ」とばかりにビール瓶を渡され,

「カンペー」

と瓶同士を当てる。そして一気飲み。すぐに次の瓶を出してきて,

「カンペー」

と,また一気飲み。それも大瓶だ。

テーブルの上はご馳走ですでに満杯だが,ヨメサンはお構いなしにジャンジャン焼いている。
二人は凄いペースでむさぼり食い,そして呑みながら,

「食え,もっと食え。呑め,もっと呑め」

としきりに勧めてくれる。とてもついて行けない。
きっとこの楽しみの為に,毎日商売しているのに違いない。売り上げや利益なんぞ糞食らえの潔さだ。きっと「宵越しの銭は持たねぇ」嘗ての江戸の町民もこうであったのだろう。

 ふと焼き網の上を見ると,次のメニュー,無数の鶏の足が載っていた。もも肉ではなく,大地をしっかりと踏みしめる爪の付いた足だ。

「やばい・・・」

私は宗教上の理由で鶏を避けている。ちなみに宗教上好ましいとされるのは,鮑,かに,伊勢エビ,フカヒレ,フグ,カラスミ,鰻,霜降り和牛・・・等々だ。ましてや足先なんぞ食すれば,天罰で地獄行きは確実だ。コラーゲンなんぞいらん。

「焼けたよ」

とばかりにヨメサンが,大きなボールに山盛りの「足」を,テーブル上にドンと置いてくれた。

「おっ。来たか」とばかりに,ご主人と子分の二人が豪快にかぶりつく。

「さぁ,食え」

覚悟を決めて怖々囓り,なんとか一本だけ,いっぱい皮と肉を残して食べたが・・・

「もっと食え」

しょうがなく2本目も・・・

「もっと食え」

限界だ。
この鶏足,その形状から日本では別名「もみじ」と称しファンも多いそうだが,赤ちゃんの「もみじのような可愛い手」ならまだしも,私にとっては,そんな愛着は抱けない。

「折角だけどすまん。もう腹いっぱい」

と腹をさすって,何とか誤魔化した。
そしてタバコを勧め,話題をそらした。
私の語学力の皆無さゆえ,お互いチンプンカンプンな会話で,噛み合わないが,呑めばみんな友達。まるで十年来の友達のように楽しくご馳走してもらった。


 この国では反日教育が国是とされているが,庶民レベルの付き合いでは,私はありがたいことに厭な目に会ったことはない。特に地方部においてだが,むしろ気さくに良くしてもらったことのほうが多い。

帰り際,いくばくかのお金を渡そうとしたが,断じて受け取ってはくれない。押し問答の末,「焼け石に水」にさえもならないが,嘗ての日本人がこの国の人々に対しての数々の所行の償いの気持ちもプラスして,お礼を無理矢理テーブルに置いて暇した。
Posted at 2011/06/19 23:23:00 | コメント(0) | 流れ流れて | 旅行/地域
2011年06月10日 イイね!

流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 3

流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 3流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 1
流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 2
流れ流れて その11  何でもありチュウカ,何でもやっチャイナ 3

 ご存知のように,この国は共産党のみの一党独裁主義国家。そして共産党は人民解放軍を掌握し,国民選挙制度すらない。




共産主義: goo辞書より
財産の私有を否定し、生産手段・生産物などすべての財産を共有することによって貧富の差のない社会を実現しようとする思想・運動。
マルクス主義で、プロレタリア革命によって実現される人類史の発展の最終段階としての社会体制。そこでは階級は消滅し、生産力が高度に発達して、各人は能力に応じて働き、必要に応じて分配を受けるとされる。

そのような前提知識と共に,この国に一歩足を踏み入れたら,
・・・思わず

「どこがーっ!?」

と,突っ込みを入れたくなるほど,都市部には商店が建ち並び,贅沢品が溢れ,ネーちゃんたちはお洒落を楽しんでいる。
やたら美容院も多く,真夜中まで客で賑わっている。

建築ラッシュで1分歩けば,次の高層ビルの建築現場に出くわす感覚だ。「どれだけ作れば気が済むんだ」と言いたくなる。

思うに

「建前はXXだけど,野暮な堅いことはひとまず置いといて,みんなうまく儲けまひょ」

という思想が,生まれながらにして,この国の人々のDNAに染み込んでいる気がする。
全ての局面において「Negotiable」・・・「交渉次第」なのだ。
この国の人と係わるさいに,これを「ケシカラン」と取るか「話が分かる」と取るかは,その人のしたたかさ次第かと思う。勿論私は後者のほう。

 例えば街でカッコイイ装いの見知らぬオネータンに会ったとする。
「洒落てるね。どこで買ったの。教えて」
日本では「ケッ!」と一瞥されシカトされて,足早に逃げられるのがオチだろう。
ところがこの国では,
「気に入ったのなら,売ってあげる。XX元でどう?」
と,早速その場でビジネスが始まる。


 もっと凄い例について話そう。
貴方は非常に重要な案件のキーパーソンだったとしよう。ある夜,豪勢な晩餐会に招待されることになった。
接待主から

「ちょっと食事の前にデパートに寄って行こう」

と誘われる。
中心街にある巨大で豪華なデパートに入って行く。そこには若い店員や,センスの良い客のオネータンがいっぱいいる。

その中をそぞろ歩きしていると,おもむろに接待主が

「誰でもいいから,好きなのを選んでください。気に入ったのがいれば遠慮せずに教えてください」

と貴方の耳元で囁く。
貴方は細くすらりと長く伸びた足の綺麗なオネータンの,思いのほかの多さに,きっと驚くであろう。

 さて満漢全席ばりのご馳走で満腹,乾杯責めでヘロヘロになって,ホテルのスイート・ルームに戻る。

「あーっ。食った食った。呑んだ呑んだ」

ズボンのベルトを緩め,大きなソファーで一服した頃,ドアが控え目な音でノックされる。

「誰だろう? 今頃」

大きな一枚板のテーブルの上には,財布も携帯電話もある。名刺入れもある。酔った頭で持ち物の記憶を辿るが,忘れ物はない。
不可解な思いと,少しばかりの警戒心を抱きながら,

「なんやねん・・・」

と呟きながら覗き穴に目を当てたしかめっ面が,一瞬にして変る。
ドアを開けると,そこにはデパートで見かけた,モデルばりのオネータンが,少し恥じらいながら笑みを浮かべ立っている。

貴方はただ「ニイ ハオ」と微笑みながら開けたドアを保持するだけで良い。オッサン独りには余りにも勿体ないスイート・ルームが,文字通り「甘い部屋」に様変わりする。これが設計者の意図する本来の使い方だろう。

 勿論,「その筋の専門職」のオネータンではなく,見栄えこそ素人離れしてはいるが,ごく普通の生活をしている「小姐」だ。
残念ながら私の体験談ではないが,体験者の一次情報に基づく。

もしこの項をお読みになって感動された,奇特な方がいらしたら,是非遠慮無く私までお申し付けください。
謹んでご接待申し受けます。勿論どんな条件でも呑みます。

今では絶滅危惧種に近くなった「共産主義国家」だが,ロシアも同様。バービー人形のようなオネータンがいっぱい。キューバはもっと凄い。ナンパし放題で商売気は皆無。無償で恩恵に浴することができる。
「共産主義」の定義を見直す時期に来ているようだ。
ここまで考えていたのなら,「マルクス。あんたは偉い」


・・・とここまでは,私以外の「前世で善行に勤しみ,天からそのご褒美を授かった人々」の話。

私のホテルに話を移すと・・・
ロビーは豪華。吹き抜けには椰子の木がそびえ立っている。イブニング・ドレスを着た,綺麗なオネータンがグランド・ピアノを若干詰まりながらも奏でている。
部屋の調度も趣味が良い。
スタンドはイームズの本物。椅子はハーマン・ミラー。
腰痛持ちにはありがたい配慮だ。サイド・テーブルの天板の下にはFAXまで隠されている。
私が泊まれるホテルはたかが知れており,別に馬鹿高い部屋ではないが,ここまでの配慮は他国ではなかなか見かけない。
ここでも
「本当に共産主義国家?」
と訝りたくなる。

御影石の内装に囲まれた風呂に入りながら,湯を注ぎ3分間辛抱したちらし寿司をメイン・ディシュに,イカの揚げ物をつまみに「その他雑酒」ではない「本物のビール」を,ライト・アップされた高層ビル群を眺めながら,流し込めば,小市民の桃源郷がそこには出現する。

対岸には,少し前までは高さ世界一を誇った栓抜き型のビルと,でっかい球が宙に浮いた電波塔が闇に浮かんでいる。


 実は少し奮発して本場の中華を味わいたかった所だが,一歩ホテルを出ると,

「オネータンはいらんかえ」

と,しつこく付きまとうニーチャン達が一斉に寄ってくる。
香港は例外として,この国一番のメイン・ストリートを歩けば

「格安ロレックスあるよ。ヴィトンも」
「カラオケ行こうよ」
「彼女いっぱいいるよ」

・・・いくら断ろうが無視しようが,次から次へとまとわりつかれ,うるさくてまともに歩けず,閉口した次第であった。それも数百メートルはしぶとく付いて来る。
Posted at 2011/06/19 23:22:13 | コメント(0) | 流れ流れて | 旅行/地域

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