
「MV22」
正式名称はこうなる。
オスプレイには空軍用と海兵隊用の2種類があり、空軍用は「CV22」、沖縄に配備予定なのは海兵隊用の「MV22」だ。
空母への搭載も前提で、格納庫へお片づけする時には、主翼が水平面で90度回転し、胴体と平行になる。プロペラも折れ曲がり、「お前、ホンマにそれで飛べるようになるんか?」と突っ込みたくなるぐらいの、変わり果てた姿で、コンパクトになる。
折りたたみ時には、周囲に注意を促すため、幼稚園でお馴染みの
「♪おかたづけ~、おかたづけ~、さぁさみなさんおかたづけ~♪」
のメロディーが流れる。<--ウソ
TVニュースで、「日本へは分解した状態で、民間フェリーで運搬し、到着後組み立てる」と報道されたが、いささか怪しい。
女子アナの実況中継、
「今到着しました。分解された翼やエンジンは、胴体の上に積まれた状態で、船から運び出されました」
私の見たところ通常の収納形態のままだった。コックビットからの操作だけで、1分もあれば、飛行可能状態に戻る。
穿った見方をすれば、批判をかわすためか
「一応日本に運ぶけれども、バラしてあるので飛べない。部品で持って行くだけ」
との、錯誤を狙った高度な政治判断なのかも知れない。
米軍の全世界の現行大型輸送ヘリは、オスプレイに入れ替え予定なので、日本だけ「ヤダヤダ」と覆すのは、なかなか難しいと思われる。
悪魔の囁きとしては、もし現行の50年来の輸送ヘリ「CH46・チヌーク」が、老朽化ゆえの事故でも起こしたら、逆にCH46全廃運動が起きるかも知れない。
バカボンのパパの名言「反対の反対は賛成なのだ」になる。
過去の事故はさておき、60年以上かかって、やっと実用化の悲願を達成した、初めての大型VTOL機(Vertical Take Off and Landing: 垂直離着陸)だ。
ヘリコプターが実用配備されたのが1940年代後半、飛行場が不要なその垂直離着陸と、ホバリング(空中停止)機能は回転翼機(ヘリ)独自だが、いかんせん速度、燃費、航続距離、飛行可能高度、搭載量は、固定翼機(飛行機)に大きく劣る。
よく報じられているのでご存じだろうが、CH46ヘリとオスプレイとを比較すれば、全ての項目において、ざっと2~5倍の能力差がある。
全世界の海兵隊基地の配置と、戦術をがらりと変え、パワー・バランスにすら、変化を与える威力がある。
垂直離着陸機の開発は1940年代に始まり、色々なゲテモノ実験機が出現したが、ハリアー等の一部小型機の例外を除いて、結局モノにはならなかった。
一番のネックは垂直離着陸と水平飛行、つまりヘリから飛行機への変身する、2つのモードの変わり目での制御が最も難しく、操縦も人間業では不可能なことだった。また逆への変身も同様に極めて困難。
全く異なる二つ性質を使い分けるさいには、変わり目であるモード遷移が、極めてデリケートかつ困難であることは、私たちの日常生活に当てはめて考えれば、よく理解できると思う。
若いオネータンとの楽しい初デート。当然ながら最初のうちは
「素敵なおじさま」
あくまでもジェントルにお行儀良くお食事。・・・上体垂直=エンジン・ナセル(カバー付本体)垂直モード
相手がホロ酔い加減になった頃合いを見計らって、空気の流れを読みながら、
「チョイ悪オヤジ」
にいつの間にか遷移。ちょっとやんちゃな叔父様に。「エロ爺」の本性をちらつかせながらも、慎重かつ大胆な駆け引きが始まる。・・・上体やや斜め=エンジン・ナセル斜め45度モード
「こりゃイケル」
との感触を得たところで、安全な場所に移動し水平姿勢に。
・・・上体水平=エンジン・ナセル水平モード
ここまで来れば、もう大丈夫。何らの躊躇もなく「メチャ悪オヤジ」に一気に変身。
幼少時にチクロ、サッカリン、キノホルムおまけに寄生虫で鍛え上げた体に、フル・ブーストをくれてやって、おっさんパワー全開。一気に急上昇し天に昇る。
・・・が典型的な健全パターン。
「斜め45度モード」の時が、一番デリケートで扱いが難しく、危険かつ操縦困難であることが、痛いほど身にしみて、絶対ご理解戴ける筈と信じる。
的確な状況の把握、冷静な見極め、とっさの機転が、その後の命運を決定づける。
あせれば
「私、そんなつもりで来たのではありません(キリッ!)」
とか、オッサンを扱いなれた歴戦の勇者レベルのオネータンなら
「どうか私の好きなXXさんでいてください」
となる。
言うまでもなく、こっちは一切の邪念を潔く捨て去った、100%純粋の「そんなつもり」だ。
ぼやぼやしていれば、
「そろそろ終電なので。とっても美味しかったです。今日はご馳走様。また誘ってください」
となる。
「ん? 何? 美味しかった?」・・・こっちはこの後の攻略法に、CPUはオーバー・クロックでフル・ブースト状態。CPUパワーの99.9%を取られ、味なんぞ知らん。中華か和食か、それともイタリアンだったかも分からん。
辛うじて残っていた0.1%で、手と口を機械的に動かしていただけだ。箸で食ったかフォークで食ったかすら記憶にない。
・・・と、いずれにせよ悲惨な結末を迎える。
ホント難しい。
何十年たっても修行の身からは抜け出せない。まさに「人生是一生修行也」
この難問をコンピューターの力で、初めて解決したのがオスプレイなのだ。
劣悪状況下や挙動不安定になった時の操縦は、ヘリと飛行機では全く異なる。今のモードがどっちで、ヘリか飛行機かどちらの非常操作で切り抜けるかは、瞬間的に判断しなくてはならない。
やってはいけないことが、極めて多く、安全ゾーンを逸脱した場合のマージンも極めて少ない機体でもある。特に風向き、降下率、タービュランス(先行機が作り出す気流の乱れ)に敏感で細心の注意を要する。
ヘリに比べれば、ローターの回転面積や、バタついた時の自由度が、絶対的に小さいので、降下角度(特に追い風時)やオート・ローテーション(全エンジン停止時)のマージンは、とても厳しくなる。
戦場における急襲や救出場面では、限界を越えた領域での運用が常識だ。非常訓練時も含め、低速時に飛行機やヘリのつもりで運用すると、しっぺ返しが間違いなく来る。
ちょうどテニスの試合で、ラケットをしゃもじに代えたようなもので、スイート・スポットが極めて狭い。機能・性能の秀越さと引き替えに失った、トレード・オフの関係に当たる制限だ。
「ヘリでもあり飛行機でもある=ヘリでもなく飛行機でもない」を意味する。
勿論、マニュアル・訓練の充実と共に、コンピューターによる安全策は、今でも進化しつつある。何事もメリット・デメリットを見極め、トータル・バランスを重視した運用体制が大事だ。
この制御技術は当分の間、他国では追従できないと思われる。当然ながらコンピューターとソフトは最高機密。
・・・が!
この度、エライ物を発見した。
実機の新型が出来れば、驚く程の早さで、リリースするプラモとラジコン業界。
極端な例では最高機密だった世界初の米ステルス機、F117なんぞは、デビュー前にプラモが発売され、国防総省が大慌て、議会で公聴会が開かれ、実機開発関係者が詰問されるという大騒ぎになった。
プラモは想像の域を出ない形状だったので、機密漏洩はなしとされたが、実機開発者は「ひどく時間を取られ、とんだとばっちりを受けた」とぼやいていた。想像を逞しくすれば、慣れないプラボンドの刷毛やレベル・カラーと格闘する、各国のスパイの姿が目に浮かぶ。まあ血生臭くなくて微笑ましい光景だ。
ご多分に漏れずオスプレイのラジコンも、すでにいっぱいある。しかしどれもヘリ・モードのみの飛行でプロペラは上に向いたまま。たまに斜め固定でSTOL(Short Take Off and Landing: 短距離離着陸)のもあるが、いずれにせよチルト・ローター(空中でプロペラの向きが変わる)のは皆無だった。
「マニアがこれで満足する訳がない。誰か作っている筈だ」
と、しつこく調べた結果、
あった!
しかもキットで販売している。
機能も実機と遜色なく、モード遷移も危なげなく、どちらのモードでも、まともに飛んでいる。
キット通販のみならず、究極は、良心的なことに全部品をバラ売りしている。それも
妥当な価格で。ちなみにコンピューターは500ドル。
模型の開発には、オスプレイ実機の製造メーカー「ベル・ボーイング社」が関与し、ライセンスすら取得している。
ということは・・・コア技術は本物を踏襲!
つまり、これのジャイロ・センサーとコンピューター、サーボを購入すれば、極論すれば実機にも応用でき、実用化での最難関箇所は、クリアできるということだ。
このままでも使えそうだが、リバース・エンジニアリング(ソフトの中身の動きを解析)を駆使すれば、ソフトのアルゴリズム(仕組み・動き)も知ることができ、流用や拡張も容易だ。
もしかしたら軍事用に購入している、仮想敵国もあるかもだ。
米友好国での購入は至極簡単。本国に持って帰るにしても、ポケットに入るし、大事を取るなら外交官特権という伝家の宝刀もある。
あと難しいポイントはプロペラとその根本の設計。
ヘリコプターのローターは、一周する間にもピッチが動的に変化する。またローターの軸への取り付けも、基本的には上下、回転方向共にブラブラで、自由度が大きい。ローターは想像以上に、じたばたしながら回っている。
それに対して、飛行機のプロペラでは可変ピッチの機構こそあれ、一周する間のピッチは不変。またブレード(羽根)もソリッドでたわまず、軸への固定もガッチリしている。
オスプレイでは両者の要求を満足する、落とし所としての設計と、絶妙な材質と形状のプロペラを使っている。名称もプロペラとローターの混血として「プロップ・ローター: Prop-roter」と称している。
ラジコン模型でもこの部品、つまりスワッシュ・プレート(ピッチを変化させる)とかプロップ・ローターも、ちゃんと忠実に再現されている。とても実機の構造に近い。
もしかしたら、米国防省は事の重大さに気付いて、いずれこの模型を発禁にするかもだ。もし私が当事者ならそうする。
我が国では何かとゴタゴタの多い「オスプレイ」だが、私の深い洞察では、姓名判断上、問題がある。名前が災いしている。
やっぱり同じ遊ぶなら、断然「オネータン」とに限る。
和名「メスプレイ」
に改名してはどうかと思う。
意味も鷹の一種から、「オネータンと遊ぼうよ」に変わり、親しみが湧きそうだ。