
帰って来たばかりなのだが、突如再び行く必要が生じた。
先ずは飛行機。幸いネットですんなりと予約できた。
世界屈指の観光国ではあるが、クソ寒いこのシーズン。わざわざこの地に向かう物好きは少ない。
飛行機にさえ乗れれば、後は何とかなる。
次は宿の手配だ。
持ち帰ったばかりの領収書の束をひっくり返す。
A4サイズの厚手の紙にプリントされた、立派な領収書を見つけた。「XXXX」住所も市外局番も合っている。
もうこちらは殆ど夜中だが、向こうはまだ夕方だ。
領収書に記載されている番号に電話を掛ける。
国内とは異なる独特の呼び出し音の後に、程なく相手が出る。
「こんにちは。先週までそっちにいたxxxxだけど。日本から国際電話を掛けている」
「こんにちは。△%&?」
・・・ん? 英語が通じない。 アラブ人街にある場末のホテルなので、スタッフ全員英語OKではなかったが、もう少し通じても良い・・・。それに声の主はオバチャンだが、今まで見かけた事務スタッフは全員若者で、それらしき人物の記憶はない。
「急にまたそっちに行く用事ができた。あさって1人だけど大丈夫か?」
パソコンで予約照会、パチパチするかと思いきや、相手は即答で
「問題ない。OKだ」
・・・ほんまかいな? この国はまともに予約を取っていても、地方のホテルでは、しらばっくれることがある。
「3日間ほどだけど大丈夫か? 朝飯も頼む。予約したい。」
「大丈夫だ。それに予約も不要だ。いつでも歓迎する。好きな時に遠慮なく来てくれ」
「??? 予約不要? 一杯になって入れなくなったらどうするの?」
「キャパシティーは十分だ。今まで一杯になったことはない」
おまけに自信満々と
「かつて今まで、訪れた客を一度も追い返したことはない!」
とのたまう。
そこそこの客室数があり場末とはいえ、マイナー航空会社のスッチーやパイロットの常宿でもある。
交通至便な地下鉄の駅前、かつ高速道路のインターチェンジ至近なので、リピーター主体で場末にも関わらず、割と繁盛している。
いくらなんでも、予約不要ってことはないだろう。
いざ到着して「知るか!」なんぞととぼけられても困る。
その後もしばらく食い下がる。そして、ようやく謎が解けた。
何とその領収書はホテル横の巨大ショッピング・センターのものだった。
前回そこでコンピューターの部品を買ったのだが、私は支払いをしただけで、領収書を切ってもらったのは他の方だったため、私は折り畳んだ領収書を受け取っただけだった。
したがって、詳しく文面を見たのは今回が初めて。
まさか、ここまで立派な領収書とは思っていなかった。
偶然にしても、ここまで話しが噛み合ったのは驚きだった。おかげで電話を切った後、しばらくの間、腹の筋肉痛に見舞われたが、何だか得をした気分になった。
Posted at 2013/03/21 19:07:44 | |
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