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2011年03月06日 イイね!

流れ流れて その9  ヴァン・リー !?

流れ流れて その9  ヴァン・リー !?流れ流れて その1
流れ流れて  その8 勝率 0% (1/4)
流れ流れて  その10 洋風 サブマリン 707


 時折雪に変るみぞれ混じりの中を快調に走っていた。
片側3車線,トラックは必ず右端,乗用車は中央,そして左端は追越専用車線。ルールがきっちり守られている。
追越し車線は本当に追越し時のみで,居座る車は皆無。日本のように「梃子でも動かん!」と信念を貫き通す車は,ここでは全く見掛けない。

勿論追越し車線を走るトラックも見たことがない。追越車線が塞がるのは大都市のラッシュ時のみだ。

 余談だが以前,ガラ空きの中央道下りで200キロ近くの距離に渡って,同じ会社のトラック2台がピタリと併走して,両車線を塞ぐという状況に出くわしたことがある。その2台の前には見渡す限り他車は全くいない。
おかげでその二台を先頭に,延々と続く大名行列に加わるはめになった。

「世の中には珍しい楽しみをする人達もいる」

と勉強させて貰った経験がある。

それに比べれば,ほぼ全車マナーについては100点をあげてもいいと思う。これは歴史の深さを感じさせ,車が地位や富の象徴や,それを誇示する武器,裏返しとして引け目を感じさせる持ち物としてではなく,純粋に移動手段として確立されている証拠でもある気がする。

 乗用車の一般走行車線にあたる中央車線の流れは,メーター読みで160前後。欧州の他国でさえ流れは日本より遙かに速いが,この国ではさらに一段速い。
ただ,追越し車もエコ志向か,加速は緩慢で殆ど速度差を付けず,かなりの距離を費やしてのんびりと追い越す。たまに「バシューン」とかっ飛んですぐに点になるのは,どういう訳かアウディのA8が多い。

 地図上では遠く感じたが短い時間で到着。感覚的には同じ時間でも距離にして日本の倍は稼げる。また,「ふわわ」や「ぬゆわ」とか表現する気遣いも無用だ。

 こちらの連中の出張時の移動手段の第一選択肢が車なのも頷ける。
私の回りでは本当に数カ国跨いだ出張でも,ほぼ必ず車で来る。様々な国のナンバーや左右両ハンドルの車が駐車場を埋めるのが,お馴染みの風景になっている。
事前に鉄道での経路を尋ねても,必ず「何で車で行かない?」と不思議がられる。


 ・・・で今回は私用での移動だったが,走行中の車の挙動が気になった。同じスタッドレスでもコンチネンタル,ミシュラン,ピレリの「御三家」に比べ,「グニョグニョ」感が強く,修正舵にいささか神経を使った。
本来は出発前に確認すべきだが,目的地に着いてからタイヤを確認した。

「空気圧」・・・「良し」
「残り溝」・・・「十分」
「スピード・レンジ」・・・「ん? ・・・わからん」

・・・この辺りで少々背筋が冷たくなりそうになる。

「メーカーとモデルは?」

てっきりこの国ならユニロイヤルかコンチネンタルだろうと,先入観を持っていたが,どうも違う。

「WANLI」

「ん? 見たこともない・・・」

「ワンリー・・・いやいや独語読みなら,ヴァンリーだな」

「・・・聞いたことがないな」

「ヴァンリー・・・ヴァンリ・・・バンリ・・・」

「・・・ここはお国の何万里・・・いやいやあれは何百里だったな」

「まさか・・・」

「万里の長城の・・・万里!?」

そのまさかが当たった。よく見ればクネクネした城壁らしき図柄もある。
万里を駆けるタイヤの,誇らしげな産地の浮き彫りがそこにはあった。

個人的にはトレッド・パターンはあいでんてぃてぃーの象徴として,中華丼の淵に書いてある,四角い渦巻き模様にして欲しかった。

「帰りは大人しくしよおっ~~と」

内心呟いた。

かの国の工業製品は,この分野においても想像以上に先進国に浸透しているのかも知れない。恐るべし超大国。

蛇足:
写真右下はこの国の地方道で時折見かける標識。
「さすが嘗てのワルシャワ条約機構国と隣接する国,戦車のほうがトラックより制限速度が速い!!」

この国では1990年までは数万の戦車が,一斉に国境を越え侵攻して来る状況を常時想定していた。

「迎え撃つ戦車は緊急自動車扱い,速くて当然」

・・・と当初は感心していたが,それにしても時速80キロは速すぎる。何かおかしいと思っていた。MBT(Main Battle Tank: 各国主力戦車)の多くは,最高時速にしてせいぜい60キロ程度だ。

折に触れて原住民に
「何で戦車のほうがトラックより制限速度が速いの?」
と疑問をぶつけると,笑いながら教えてくれた。
答えは「橋の重量制限」とのこと。それにしても戦車の表記は日本では考えられない。さすが「地続きで大戦を重ねた国」と感心した。

因みに我が国のMBT,90式は北海道以外では行動困難だそうだ。
北海道の原野での使用が前提で,本州とかでは多くの橋の重量制限に引っ掛かり,事前に橋の補強や架け替えが必要との説がある。そのままでは鉄道輸送も不可で,どうしてもという場合には,モナカみたいに上下二分割にして運ぶ。
多くは語れないが北海道には無縁の梅雨や湿気も禁忌事項。と言っても雨漏りや錆びるわけではないが。

本州や九州の海岸線では海に向かって,進入禁止の道路標識を林立させる必要があるかも知れない。指定事項の札は「0-24時 戦車」と。
そうすれば上陸侵攻されても国会答弁で

「事前に万全の対策を講じていた」
「敵が想定外の行動を取ったのが原因であり,当局に瑕疵はない」

と申し開きが通りそうだ。

まぁ,次期MBTは小さく軽くなりますが。
Posted at 2011/03/14 06:53:26 | コメント(0) | 流れ流れて | 旅行/地域
2010年10月16日 イイね!

トレジャーハンター その4 紅葉狩り 2/2

トレジャーハンター その4 紅葉狩り 2/2前スレ
トレジャーハンター その4 紅葉狩り 1/2

・・・で,その実態はと言うと・・・
大正から昭和にかけて建造された別邸で,特に池の面積比率が大きく,庭園が素晴らしい。
この地域には同様の広大な敷地の別荘郡が隣接してはいるが,建造当初に比べ,周辺の開発は進み,コンクリート作りの高層建築も点在している。
 そのような中にあっても,さすが日本を代表する庭師の作,一歩敷地内に入れば,周辺の雑然さを全く見せない,見事な造園が施されている。
とりわけ遠景の仏閣も,敷地内に存在するとしか見えない「借景」の技も驚嘆に値する。緻密な計算に基づく築山と庭木の配置により,邸外の余計な建造物の姿は,完全に視界から消し去っている。

 給水は決して枯れない,一山越えた大きな池から,専用と言ってもよい長い水路を経て行っている。敷地内の小さな滝,小川,池を経た水は,隣接する他の別荘に流れ込む。数軒ある他の別荘も,同様に芋蔓式に他の別荘に水を供給している。利害が絡む現在では不可能な方策だ。何事も「むしり取った者勝ち」の現代とは異なり,共存共栄を善しとする,かつての大らかな時代で,独り占めしないというのが気持ちいい。おまけに電動ポンプにも頼らない莫大な水量がタダだ。

元々この地域は,明治時代に,水車を動力源とした工場群を誘致するために,ダムと水路の構築と共に造成された。しかし急速なエネルギー革命と共に,その用途は意味を成さなくなり,広大な敷地と水源が取り残された。

そして当時羽振りの良かった数人がこの土地を引き取り,それぞれ贅を尽くした別邸を,風情を競い合うかのように構築した。
したがって都市近郊でありながらも,一区画の面積は広大。平野部でありながらも,水量は豊富という,凝った庭園造りに必要な好条件に恵まれている。今ではとうてい実現不可能なことだ。借景に不可欠な山裾を望むも含めて。

 未だ嘗て一度も人手に渡さず,常時ベスト・コンディションに保つのはやはり大変で,専属だけでも十名の庭師の方が常駐し,著名な屋号を背中に染め抜いたはっぴ姿で,毎日せっせと手入れなさっている。
邸内には予備の樹木の養生地すらあり,それだけでも半端な広さではない。

四畳半一間でいいから,隅っこに掘っ建て小屋を建てさせてもらえないかなぁ~~。あの広さなら,多分誰も気付かないと思うが・・・

Posted at 2010/10/16 06:57:10 | コメント(0) | トレジャー・ハンター | 旅行/地域
2010年10月14日 イイね!

トレジャーハンター その4 紅葉狩り 1/2

トレジャーハンター その4 紅葉狩り 1/2「どうだった?」
「おいしかった」
「ん?」

話は数年前に遡る。
帰って来たヨメはんがアクセサリーを外しながら上気した顔で言った。
辺りはしばらく前からすっかり暗くなっている。今日は仲良し奥様軍団で,古都へ紅葉狩りに行って来た筈であった。こちらが知りたいのは紅葉の感動なのだが。

「凄く凝ってた。晩ご飯いらないぐらい。今晩は簡単に済ませよっ」
「・・・・」

私の飼い主であるヨメハンの帰宅に,これから貰えるエサを期待して,尻尾を振っていた私は,突然冷や水を浴びせかけられた。こっちは毎度のごとく,昼に冷凍物を食った記憶が,かすかに残っているだけだ。今日の昼はソバ飯だった。

「お皿も凄く凝ってた。年代物ので」
「食材も特別で,他のお客さん達のとは違ってたみたい」

流し台にはフライパンと木のへらのみ。古伊万里はおろか皿さえ使わずフライパンから木のへらで直接食った。ちなみに湯飲みはプリンの空きカップ。年代物ではあるが廃物利用の濁ったガラス製だ。
今回の行楽を主催してくださった方のつてで,やっと予約が取れた老舗割烹で会食もしたらしい。世の不景気も奥様軍団には通じないようだ。
そこなら今日の昼会席一食だけでも,軽くおとーちゃんの数ヶ月分の昼飯代に相当する筈だ。ひどい時には軽く一年分を,料亭の昼会席たった一食で消費するらしい。

「いくら言っても受け取ってくださらなかった」

高額すぎる場合は,誘った立場と年齢差からか,奢ってくださるのだが,やはりその後のお礼の埋め合わせは欠かせず,インパクトはでかい。

「お店に対するお土産までご用意されてたわ」
「なんでそこまで媚びなきゃいかん?」
「常連であっても,とにかく予約を取るのが大変なんだって」
「座卓も顔が鏡のように写る,大きな漆塗りで,もしお皿の扱いが悪いと,お店の人に叱られるそうよ」
「ワシも壁や天井が鏡の・・・いや記憶違い。人に聞いた話だった」
「器もそっと置かなければならないし,なんだか気を使っちゃった」

こちとら普段の昼は,もっぱら立ち食いうどんで「玉の緒」を繋ぐ身としては,全くもって別世界の話だ。予約の苦労なんざ,アスファルトの照り返しで全てが歪んで見える,炎天下の長蛇の列に比べればたかがしれている。失神寸前になる。
食べ終わった残り汁をポリバケツの上のザルに空ける。ザルにはうどんや蕎麦の麺の細切れや,飯粒がチャンポンで山となっており,見た目はゲロと何ら変らず,食後の満足感を増進してくれる。イザとなったらこれを食えばといつも思う。
 勿論,プラスチック製のどんぶりを,金属網のカートンに投げ入れても,誰も叱ってくれない。
店に対するお土産も無用,回数券さえ出せば,ちゃんと食わせてくれる。

ずっと気楽でこちらのほうが私の性に合っている・・・と密かに目頭の汁を指で拭い,自分に言い聞かせた。

「で,肝心の庭と紅葉はどうだった?」
「広かった。どこが端っこだかよく分かんなかった。赤い木もあったよ」
「それだけか?」
「建物の中にも入った。縁側の梁も床板も,長~~い一本の木なんだって。ここからあそこぐらいの長さ」

ヨメハンの指先は,我が家の外のずっと先を指し示している。
例年は寺社や山を巡る奥様軍団の紅葉狩りではあるが,今回は趣向を変えて,メンバーの方が,幼少の頃かつて住まわれていたお宅で,紅葉狩りをと洒落込んだのであった。現在は誰も住んでおらず,別邸となっているそうだ。後々に分かるのだが,このような御仁にとっての「誰も住んでおらず」という表現は,いささか怪しく曲者なのだが。

「池に船も浮かんでいた」
「風呂で遊ぶガキのおもちゃか?」
「ううん。屋形船で人が乗れる」
「それに乗って夏に天ぷらでも揚げたら旨いだろうな」

隅田川の屋形船で食べた,東京湾の穴子の味を思い出す。

「無理だと思う。茶室になってたから。お月見に使うんだって」
「カセット・コンロを持ち込みゃ火力も問題ない」
「そういう問題ではなくて・・・」

ヨメハンは柔軟思考に欠ける。

「去年は傍の美術館に行った」

そういえばその前年に,そこの近傍の小さな私設美術館に,ヨメハンが連れられて行ったことを私は思い出した。あの時も老舗割烹で結構な物を食って来やがったことも,ついでに思い出した。

その時には紅葉狩りは寺社巡りで,別邸には行かなかった。割烹の近くだったとはいえ,どうして美術館に連れて行かれたのか,訳が分からなかったらしい。
別邸を訪れて初めて,美術館はセットとして存在することが,理解できたそうだ。

「展示物は昔使っていた身の回りの物とかだって」
「鍋釜,たらいやちゃぶ台並べて,有り難がる人がいるのか?」

氷で冷やす冷蔵庫,ローラーが付いた洗濯機,真空管式の丸い画面のテレビなら,私にとっても価値がある。ついでにダイハツのミゼットも。

「そういうのじゃなくて,お茶碗とか」
「他人がメシ食ってた茶碗なんぞ見たくない」
「茶道の茶器や掛け軸とか。よくわかんないけど美術品だそうよ。香炉が多かったわ」
「そんなのより千両箱や金の延べ棒のほうが,インパクトもあるし分かりやすいな」
「思い出のお雛様が見当たらないと,がっかりなさってらしたわ」
「ふーん。それにしても美術館とは大袈裟だな」

 どうも断片的な説明だけで頭の中にイメージが湧かず,ピンと来なかった。
「誰も住んでいない古い別邸」=「ギーッ」と軋む,椎茸や得体の知れないキノコが生えた古木戸を開けて,草ボウボウのジャングル化した庭を抜け,戸車の動きが悪い玄関のガラス戸を,悪戦苦闘「ガシャガシャ」と罵りながら開けて,腐った雨戸を開けるのも一大作業,蜘蛛の巣をかき分けながら,かび臭い部屋を,床板を踏み抜かないよう,異様に柔らかくなった畳を,場所を選んで恐る恐る踏みしめながら,探検したのだろうと,私は勝手に廃墟探検記を思い描いていた。

 それから数年経った今年のこと。

「あっ,ここから入った」
「これも見た!」

とテレビを見ていたヨメハンが叫んだ。今までマスコミにさえ非公開を貫いていたが,今年初めて取材を受け入れたのであった。しかもとんでもないお方までもが映っていらしたのだ。

つづく
Posted at 2010/10/14 05:54:52 | コメント(0) | トレジャー・ハンター | 旅行/地域
2010年07月26日 イイね!

流れ流れて  その8 勝率 0% (4/4)

流れ流れて  その8 勝率 0% (4/4)流れ流れて その1
流れ流れて  その7 スペシャリティー・カー 1/4
流れ流れて その9  ヴァン・リー !?


前スレ:
流れ流れて  その8 勝率 0% (1/4)
流れ流れて  その8 勝率 0% (2/4)
流れ流れて  その8 勝率 0% (3/4)




 仮の数値で為替取引をしてみよう。
元手が100万円で現在米ドルが1ドル100円とする。手持ち資金は
1,000,000円 + 0ドル

この先,円安ドル高になると予想し,元手の半分でドルを買うと
500,000円 + 5,000ドル
 
その後1ドルが102円になった。そこでドルを売った。
500,000円 + 510,000円 = 1,010,000円

そして口座を解約し101万円を返してもらった。
そこで始めて1万円の利益を手にできる。

上記とは逆のケースで,ドルが下がり始めたので1ドルが98円の時にドルを売り解約した場合は
500,000円 + 490,000円 = 990,000円
1万円の損害となる。

通貨の場合,短期の上下巾は数%なので,本来ならば利益/損害共に数%に収まる筈である。ところが元手の全額を失うことも決して少なくなく,最悪はさらなる損失分を請求される。
「証拠金」や「レバレッジ」という言葉を,一度は聞かれたことがあると思う。
実際には為 替 取 引では元手が「証拠金」に相当し,それの何倍かの金額を業者が親切にも貸してくれて取引できるのである。その倍率をレバレッジ(梃子の比率)と言い,小さな力(元手)で大きな岩(取引)を動かす道具だ。例えば元手が100万円でレバレッジ率が100倍の業者では,1億円の取引が可能である。しかも親切にも金利なし。ジャパネットの数100倍も親身になってくれるのだ。口座開設すれば,お祝いに元手すら入金してくれる業者も多い。

仮に元手が100万円,レバレッジが400倍,現在米ドルが1ドル100円とする。最初の資産は
100万円(証拠金) + 0ドル

この先,円安ドル高になると予想し,レバレッジ400倍で4億円を借りドルを買う。資産は
100万円(証拠金) + 400万ドル - 4億円(借金)
 
その後1ドルが102円になった。そこでドルを売った。
100万円(証拠金) + 4億800万円  - 4億円(借金)= 900万円

そして口座を解約し900万円を返してもらい,800万円の利益を手にした。めでたしめでたし。

上記とは逆のケースで,ドルが下がり始めたので1ドルが98円の時にドルを売り解約した場合は
100万円(証拠金) + 3億9200万円  - 4億円(借金)= -700万円
結果800万円の大損害となり,700万円の借金を負う。

仮にドルが25銭(0.25円)だけ安くなった場合でも,100万円の損害で元手を全て失う。
全てすってしまってチャラの場合は,まだ救いがあるが,借金を負うのは忍びない。そこで顧客を保護するために,「ロス・カット」という有り難い仕組みがある。為替相場が顧客にとって不利な方向に動いた場合,傷口が拡がる前に,システムが自動的に手持ちのドルを売り払ってくれるのだ。

仮にロスカット率が50%の場合,客の正味資産が元手の50%である50万を割れば,手持ちのドルを全て売ってくれ,損害を50万円に留めてくれる。つまりこの例では一瞬でもドルが12.5銭(0.125円)安くなれば,自動的に手持ちのドルは全て売り払われ,50万円の損害が確定される。
12.5銭(0.125円)程度の相場の振れは,いくらでも演出でき,説明もつく。数円程度もしかり。

 画像にあるようなグラフも,一度はご覧になったことがあろうが,相場の推移を時間単位に表したものである。ご存知のように相場は秒単位で時々刻々と変化する。仮にある通貨が上昇局面であっても,一本調子で常時上がって行くことは絶対なく,瞬間的には上下に振れながら全体的には上昇して行く。
つまり瞬間的にでもロスカットの対象となる価格になれば,強制的に売られてしまうのである。

また殆どの個人投資家は金融政策や世界経済を常時注視して,世界の為替市場相手に相場を張っていると思っているが,とんでもない誤解で,実際には胴元である業者相手に売買いを仕掛けているのである。そして丁半を決定づける相場は,業者が独自に決め客に提示する。
これまでは比較的振れ幅の少ない米ドル/円のレートで説明したが,他の通貨も扱われている。金利の高さをエサに大荒れする通貨,例えば南アフリカ・ランドなんぞはやりたい放題となる。実際に取引時間外に一瞬で25%暴落したこともある。

ニュース等で見られる為替の推移は,基幹投資家である金融機関による「銀行間取引」のレートで,相関関係こそあれ業者独自のレート推移とは,「似て非なる」ものなのである。
極端に言えば客が張ってから,サイコロを振るところは客に見せずにそっと置いて,目の結果だけを「こうでしたよ」と提示できる。さて勝利の女神はどちらに微笑むだろうか?

 これまでに述べた事柄は表面的なごく一部分の乱暴な説明に過ぎず,もっともっといっぱいの複雑なルールや仕組みが存在する。私のオツムでは宇宙語だらけで煙に巻かれてしまう。


 もし私が持てる悪知恵を最大限に生かして,極悪業者を開業するとしたならば以下のようにする。

○為替売買手数料はなし
○レバレッジは最大倍数まで可とする
○数ヶ月で企業は清算。精算時には全口座を有利なレートで強制決済
○また新たな同業サービスを立ち上げる
○同時に複数企業を立ち上げ,システム・人的資源は共用

●練習用の体験シミュレーション・システム
○本番用とは別立て。
○レスポンスは高速で24時間ノン・ストップ。
○客の売買に有利な相場推移で,仮想的に億万長者になってもらう。
○客は狙った価格で一発で瞬間的に売買できる。

●本番システム
○口座開設資金にボーナス資金を付加。無利息融資
○相場及び推移のチャートは客別に用意
○釣り相場を提示し売買を誘う。美味しい餌を提示。
○注文した途端に相場は急変する
○決済相場(約定)は客の投資状況に応じて,変化自在。不味い餌を食わせる。
○こちらの都合が悪くなれば,遅延等のレスポンス劣化をさせ,好機を与えない。場合によってはシステム・ダウンで売買停止
○売り注文には入力時のレートを下回る,瞬間的な下値を用意し確定
○買い注文には入力時のレートを上回る,瞬間的な上値を用意し確定
遅いレジに並んでいる間に,急激に値上がりするような仕組み。
○どうしても都合の悪い注文や大量売買には,「ディーラー調整」と称し,担当者が手入力によって,注文を加工操作もしくは拒否する。担当者には歩合給で報いる。
○注文不可能な営業時間外に相場は大荒れ。強制ロスカットで根こそぎ回収。時にはロスカットも思い切り瞬間的な下げ相場を演出し,「努力したが相場の下げには間に合わなかった」と,追い打ちの借金を負わせる。月曜日に端末画面を開いた時には手遅れ。
○強制ロスカットと通貨間の金利差計算(スプレッド)のタイミングをずらし,清算は済んでいる筈なのに金利も徴収。
○顧客に不利な色々なタイミングのずれは,システム・メンテナンスによるものとして言いくるめる。
○注文ボタン上に,しばらくマウスのポインターを置いているだけでも,自動的に最悪のタイミングで発注処理を通してしまう。常時するとばれるので,この機能はたまに気紛れ的に動作する。
○追証(追加証拠金)の通知から入金期限までの時間は短くし,猶予を与えない。追証の通知は金融機関が営業外である深夜・休日を狙う。実質入金不能に追い込む。(証拠金不足の場合に積み増す仕組み)。

・・・等々,アルゴリズム(仕組み)がいくらでも浮かんでくる。システム設計とプログラミングの腕の見せ所である。一番賢い方法は,システムの処理速度・能力不足やバグに見せかけた恣意的な機能を,組み込むことである。世の中,馬鹿に見せかけた,凄まじく切れる奴ほど厄介な敵はいない。
なお,ここに挙げた技はあくまでも私の悪知恵であって,実在の業者・システムとは全く無関係であることを断っておく。

俗に言う「テ ラ 銭」=胴元側の利益は,相撲界を激震させた野 球 賭 博で10%,ノ ミ屋で25%(若いオネータンが持って来てくれる弁当とコーヒー,アイスクリーム等のデザート付き),宝くじ・公営ギャンブルで25%,小鉄球遊技で90%と言われるが,この業界の中の人が言うには,95%ぐらいは行くそうだ。数字だけで見れば,お叱り前提でだが,その筋がとても良心的にさえ映る。

 もし恣意的な相場相手ではなく,オープンな世界市場を相手に,腕をふるいたい方には,その方法もある。銀 行 間 取 引 市 場に参入することだ。日々ニュースで報道される為 替 相 場はこれに依っている。ただしそれには参入以前に億万長者になる必要がある。また売買用の端末類の運用維持費用だけでも,恐らく月に十文字の帯封付き札束がいくつか要ると思う。

随分前にはなるが,機関投資家用のその類のビジネス・モデルの構築とシステム設計に参画したことがある。為替以外に債権,株,海を隔てた銀行間の決済や海外店舗も含んだ,国際ネットワークで,規模は大きくなったが,システムの構築費用だけで数百箱。トレーダー(運用担当=ギャンブラー)の元手も,一人当り500箱で,当たればトレーダーの年収は箱単位であり,通年合算で外れればお払い箱という,明朗会計の世界だった。
彼等が「マンション買ったよ」と言えば,一棟買ったことを意味していた。
勿論私は蚊帳の外で,慎ましい稼ぎしか貰っていない。念のため。

そういう連中がバックに控え,爪を研ぎながら,世界経済を動かしている。

・・・まぁ,例によって私の記述は,ホラ話しが大半。話し半分として捉え,信用なさらないでくだされば幸いだ。

PS.
ようやく重い腰を上げた金融庁が,レバレッジ倍率の上限を2010年8月1日からは50倍に,2011年には25倍へと規制する。一攫千金を目指すには今月中がチャンス???
Posted at 2010/07/26 18:15:37 | コメント(0) | 流れ流れて | ビジネス/学習
2010年07月26日 イイね!

流れ流れて  その8 勝率 0% (3/4)

流れ流れて  その8 勝率 0% (3/4)流れ流れて その1
流れ流れて  その7 スペシャリティー・カー 1/4
流れ流れて その9  ヴァン・リー !?


前スレ:
流れ流れて  その8 勝率 0% (1/4)
流れ流れて  その8 勝率 0% (2/4)

 画像にある不幸な出来事は,受け狙いのネタであって欲しいと願う。ただし十分に起こり得ることなのだ。シミュレーターに相当するデモトレードで,3ヶ月間に5倍の運用成績を叩き出したのなら,自信を持つのも無理はないであろう。

1年続ければ単純計算で,5の4乗倍である625倍になり,1束の元手は625束。ヒルズ族の仲間入りして,牛馬を飼い,カエルを足にして,最上階にある住民専用ラウンジで,夜毎開かれるパーティーで知り合った綺麗なオネータンを,日替わり弁当のごとく食せた筈である。

その筈が仕込んだ翌日には,根こそぎ持って行かれ,哀れにも免許取得費用すら覚束なくなったのはなぜか?それは練習と実戦の舞台が全く異なることによる。ゲーム・センターのシューティング・ゲームで全勝したことに気を良くして,自信満々でジャングル戦に挑んだようなもので,実戦になれば,自分と相手の技量・武器自体も全く異なることを,知らなかったことによる喜劇いや悲劇なのだ。

デモトレードでは自分の武器は正宗の日本刀で,幼稚園児の相手が振り回すのはポリエチレンの刀だったものが,本番になったとたんに,自分のは新聞紙を丸めただけのタダの筒,フォースの加護を受けた達人の相手の武器は「スター・ウォーズ」に登場するライトセーバーに変化する。決して誇張ではなく,これぐらいの差がある。種明かしは後ほど。


 これほどまでにマスコミで「外 国 為 替 証 拠 金 取 引」,通称「F X」がもてはやされるようになったのは,数年前のニュースに端を発している。
それはごく平凡な主婦が8箱(十文字の帯封が80束)分の申告漏れをしたのである。たった数年で一般サラリーマンの生涯賃金の三倍以上を稼ぎ出したことは,随分と物議を醸し出したので,覚えていらっしゃる方も多いかと思う。札束をしまっておくだけでも,貸金庫なら一般サイズで40個の引き出しが要る。

このニュースは,業界にとてつもない宣伝効果をもたらした。何しろ国税局というお上が,伝説の信憑性を保証したのだから。今でも業者の勧誘説明会において,この事例は度々引用され,お客に夢を与え,新規参入に躊躇するお客の背中を力強く押してくれている。

現在ではF X参入業者も増え,その頃に比べ,ネット取引とコンピューター化が凄まじく発達している。業者がシステムを進化させる目的はただ一つ,つまり「自社の利益と投資効果の最大化」なので,進化した手強いシステムを相手に,現在F Xでこの主婦ほどの稼ぎを叩き出すのは,まず不可能と断言できる。古き良き時代の伝説として,これからも語り継がれることであろう。

 ここで簡単に取引の仕組みを説明すると,
○客は業者を選び,登録する。
○客は業者が管理する口座に元手を入金する。一般的には中国ファンド(中期国債ファンド)の口座。
○客は外国通貨の安い時に買い,高い時に売る。利益は口座に溜まる。
○外国通貨と円の両替時の手数料が業者の利益になる。

以上が「本来」の趣旨と仕組みである。実際には通貨間の金利差(スプレッド)等も絡むが基本原理はこうだ。
外貨が上がるか下がるかを見込んで売買するので,「丁半博打」そのものに他ならず,もし無作為に長期間すれば限りなく勝率は50%に近付く筈だ。銀行では馬鹿高い両替手数料も,業者のは限りなくタダに近く,殆ど無視できるほどだ。
雀の涙ほどの両替手数料のみが収益のはずだが,ところが殆どの業社は抜群の業績を誇っている。
同一オーナーが複数の,異なる看板を掲げている所も多い。電話ボックスに綺麗なオネータンの写真を貼った,「生もの」の出前サービス業界にも似ている現象だ。

コンピューターとネットを駆使して個人客相手というところが味噌だ。

つづく
Posted at 2010/07/26 15:09:51 | コメント(0) | 流れ流れて | ビジネス/学習

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巡航速度:4,000m/h 戦闘速度:15,000m/h 戦闘出力:370mPs 上昇限 ...
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出力:毎度のごとく説明書は厳重保管し,行方不明につき不詳 巡航速度:1,200m/h 最 ...

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