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2016年09月19日

STABLEX-Ride考

STABLEX-Rideについて、最初は固いかなと思っていたのですが、2年も乗っていると、かなりしっくりくるようになりました。トヨタ車に乗る機会がありましたが、こんなに柔らかいんですね。まぁ、それはそれで良かったのかもしれませんが。

さて、そう感じていると、STABLEX-Rideについて、ちゃんと調べておこう、という気になりました。現在の理解は、減衰力を速度に応じて制御して、よりよいフィーリングを得る、ということのようですが、その程度でしたので。

http://chubu-jihan.com/subaru/news_list.php?page=contents&id=69
こちらにその構造が記載されておりますが、

まずは減衰力から(笑。物理でいう、バネ・マス・ダンパーです。
・バネという、変位に対して反力を生むもの
・マスすなわち、重さのあるもの
・ダンパ、(ここではオイルですが)動きに対して抵抗を生むもの
この組み合わせで表現します。
物理学ではその基本である入試でもおなじみ減衰運動になりますが、
そういうのはさておきまして、直感的内容に終始します。

ダンパの効果が大きくなると、バネは自由に動くことができません。これは、固いという表現になります。逆もしかりです。
つまり、減衰力を強めるとショックに対して車が沈むのに必要な力が大きくなり車のロールが減ります(復元にも力が必要になります)。乗り心地は固くなりますが、コーナリング性能などが向上しスポーツ走行するのに適する、といわれています。逆に、減衰力を弱めるとショックに対して車が沈むのに必要な力が小さくなり衝撃をよく吸収します。衝撃に対して車がよく動くようになるため、車がロールするようになり、乗り心地がソフトになります。

さて、これをどのように制御するのが良いのか?ですが、個人的には、オフロード・コンフォート走行車としてあるべき姿と、ハイウエイ・スポーツ走行車のあるべき姿で違うという理解でいます。

通常、バネ乗数や、ダンパ定数(減衰係数)は変化しません。特にパネ乗数は材質や形状で決定され、変化できるものではありません。一方でダンパ定数は、変化することも可能です。
ちょっと古いですが、ドラマ「ガリレオ」の第7話ER流体は、電圧を加えることで粘性が変わる流体をテーマにしたお話でした。
これを、オイルの動きを遮蔽すること、また、遮蔽する力を変えることで制御するのが、STABREX-Rideになります。

低速でのゆったりとした振動は柔らかく受け止め、
速度が上がってきたところでの路面状況の変化は素早く固く対応する、
ただし、高速域では、再び柔らかくなり乗り心地をよくする、

というのが理想ではないか、と思います。
とにかく、固い車は高速域でも固くて、路面をダイレクトに伝えて、ガクガク震え疲れます。もちろん、悪路などありえません。それでも、操縦の安定性を考えれば、揺られてほしくない、なんとまぁ贅沢な要求でしょう。

物理学では、周波数応答で議論しますが、ここも直感的に、動くスピードで話をすすめましょう。
悪路での揺れは、速度の遅い入力といえます。
ガン!というインパルスや、高速域での揺れは速度の速い入力といえます。
つまり、入力速度の情報に従って、
最初はソフト、そしてハード、最後もソフト、という応答が優れている、といえます。

これをまとめますと、
低速域での振動は、悪路での走行に対応し、ピストン速度が遅く、低周波数応答が求められます。この場合は減衰力が低く、柔らかい状態が必要です。ただし、操舵性は減少しますが、悪路ですから乗り心地の方が重要、ともいえます。
速度が上がれば、通常走行に対応し、ピストン速度は速くなり、中程度の周波数応答が求められます。この場合は減衰力が高い、固くなることで操舵安定性が確保できます。ただし、乗り心地は悪いとも言えます。
さらに速度があがれば、高速走行に対応し、ピストン移動速度が速く、高い周波数応答が求められます。この場合は減衰力が低く、柔らかい状態になることで乗り心地が向上します。この場合も操舵性は減少しますが、そもそも高速道路ですから、めったやたらとハンドルを切ることもないでしょう。

実際、先のリンクの図では、従来バルブ(一般的なバルブ)と比較して、低速では同様の減衰力を得ながら、そこから急激に減衰力が高くなり、そうかと思えば、ある速度以降は、従来と比較して安定した、変化の乏しい減衰力を維持します。なるほどですね。
確かに、これは良い仕組みです。これが、一般的なバルブとは異なるため、理屈として通っていても、各個人の趣向に合うかは別でしょう。乗り心地が悪いという意見があるのも、もちろん納得です。

さて、少し違う観点から話を勧めたいと思います。
問題はこの重ね合わせになります。単純なオイルダンパでは、例えば電気回路などでの減衰振動同様、周波数応答は分解可能であり、線形結合が可能です。
STABLEX-Rideはメカニカルな機構でオイル流路の大きさを変えるため、これができないと考えています。具体的には、既に開いてしまっている状態(早い応答に対応中)で、遅い応答が届いたからと言って、早い応答に対して低い減衰力を維持しつつ、遅い応答には高い減衰力を与える、ということができないようです。

つまり、高速域でソフトなのですが、そこで、少々荒くハンドルを切ると、やはりソフトなままでロール間を感じることになるでしょう。
逆については、中速域で操舵安定性を保っている状態で、細かい振動など早い入力がくると、減衰力が高い状態から柔らかい状態に移り、ソフトになります。操舵安定性は落ちますが、細かい振動に対する乗り心地は確保します。それぞれ異なる入力の速さに対して個別に反応してほしいところですが、比較的この場合は問題なさそうです。

高速走行中での、機敏なハンドリング、これについては、意見が分かれるところでしょう。
アウトバックという車の車格や醸し出す雰囲気からすれば、高速域はゆったり走る方が合っていますので、これでよい、と私は考えています。

もう一つ、この絶妙な制御ですが、果たして理想的な係数変化であるか?というのも問題になります。よりフラットにする方が良かったのか、どうなのか。
速度ごとに、自由に設定を変えられるのが理想ですが、そういうこともできません。

そうなると、話は戻って、ER流体を使ったスペシャルなサスペンションは、まだ登場しないかな?これならば、速度や入力に応じて、いくらでも自由に係数を変えることができます。
そして、なんといっても、やっぱり、これですよね!
http://jp.autoblog.com/2016/02/27/bose-project-sound-suspension-cnet-video/
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Posted at 2016/09/19 02:32:32

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