
小学校の低学年の頃
父親に連れられて埼玉の農家を訪ねたことがある。
外で遊んで帰ってくると
その家のおばあちゃんが大きな板を持ってきた。
それを板の間に置き
白い粉(小麦粉)をひく。
取り出した乳白色の大きなカタマリ。
棒で伸ばして平べったくなった。
たたんでいくつかに切り分ける。
次に出てきたのは
クルクル回る取っ手のついた麺打ち器だ。
切り分けられた長方形の板を入れる。
クルクルクル
取っ手を回すと次から次へとうどんの麺が生まれてきた。
「何ができるんだろう?」
ジッと見ていた私はようやく”うどん”を作っているとわかった。
おばあちゃんは打った麺を持って土間へ。
そして私の座っていたちゃぶ台に持ってこられたのは
黒い、ものすごく濃いおつゆに入ったうどんだった。
ホカホカホカァ~
しょっぱい、麺は強いコシ、というか固い。
でも、とてもうまかった。
ズルズルばくばく、いっぱい食べた。
幼いながらも最高のごちそうだなーと感じた。
実際に当時の田舎では最高のもてなし料理だったのだろう。
他にも何か出たのかもしれないが
うどんしか記憶にない。
「おかわり!」
ニコニコ笑ったおばあちゃんの顔が目に浮かぶ。
私がうどん好きになった原風景である。
Posted at 2006/12/12 20:45:09 | |
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