そもそも単体で2568ccもあるのに、RB26DETTは低速トルクが無い、下は諦めている、という話自体おかしいと思うべきではないか。タービンに頼らないと走れないわけでもないと思う。これはおおよそ30年前に開発されたパーツと、その時代のセッティング方法によるところが大きいと考えられる。
現代の車では燃焼の考え方や、それぞれの純正パーツがとんでもなく良くなっている。
だからこそエコカーステッカー等が貼られる訳だ。
RB26DETTは上ばっかりを目指すチューニングが多いが、果たしてサーキット仕様のセッティングだけで街乗りを気楽に出来るのだろうか?
そこで最近流行のR35のエアフロ、インジェクター、コイルの流用となる。
R35エアフロ
2,000~3,000回転辺りに存在する、純正エアフロの応答性にかなり難がある領域(踏んでも一瞬反応しない領域)でもしっかり応答する。あと、応答の遅れが無いのと、吹き替えしでのストールに強い形状になっている。
VQマップだけ合わせても、25年前のエアフロの甘い特性のままのECUセッティング方法では何の意味も無い。
設計の古い、純正エアフロの計測や特性の甘い部分を予測し、補うようにしながら純正ECUは走らせている。
因みにマーチとかセレナでも同じエアフロである。技術の進歩は素晴らしい。
そして安い。一つ4万円も払ってられない…
R35インジェクター
容量570cc。ニスモでは燃圧を上げて対応している。
高抵抗タイプであるため応答性に優れ、右ストラットタワーに付いているドロッピングレジスターは必要なくなる。これは取っ払ってしまおう。
12ホールであるため、キャブレターにも霧化特性に劣る場合のあるシングルホールインジェクターと比べると非常に燃焼効率がよく、空燃比をもっとリーンにセッティングしてもしっかり問題無く燃える。リーンバーンにしてもノッキングしない。
そして、バンパーが煤で真っ黒になりにくい!!!
今、排ガスをしっかり計測し直せば、十分に減税を受けられると思うのだが…
そのまま高回転までリーンにするとブローする。
因みに、インジェクターの向きやら位置やらの話が一時期出たが、
向きなどから考えると90度捻った方が噴射方向等を考えると一見良さそうではあるが、実験した結果は「純正の向きのまま、90度捻らない方が良い」という意外なものであった。
もし捻ってあったら戻した方がいい。
R35コイル
RB26のドエルテーブルで、点火時間は高回転域で精々2.2msであるのに対し、R35
コイルは全域で3.5msを確保している。これだけでもしっかり燃やせるのはよく分かる。
つまり、ポン付け交換しても結局は昔のコイルで新品にしただけになってしまい、ただ単に大昔の新車状態に戻っただけになってしまう。
キチンと性能を引き出すのであればドエルテーブルはキチンといじらないと何付けても一緒…ちょっと寿命が伸びるだけ…
純正でこれだけの点火時間が確保できるのは流石はカタログ燃費とはいえ第2世代Rと同等以上の燃費を確保しているVR38DETT用である。無茶苦茶に強い。
強化を謳った社外品でも3.5msを実現しようとするとパンクする製品があると思われる。
また、もっと強烈な点火を実現するコイルでも、セッティングがまともには取りにくいものもある。
そして重要なのが、極力純正タイプのECUでセッティングをしっかりとする事。
ネココーポレーションのTDL700等の古い機材等が必要になるかも…
そしてこの機材、ネココーポレーションからしっかり購入する事でセッティングが非常にしやすくなるとの事。
社外ECUは基本的に中高回転のセッティングをしっかりとするためのECUで、低回転域のマップはあまり入っておらず、詰めようとしても詰める事が出来ない。
やはりサーキットで必要な高回転域でも問題が出ないようにするパーツであると言える。
無理矢理低回転の区切りをしっかりと増やそうとする試みをされている方もいるため、そこまですれば近代的なセッティングが可能になるかもしれないが、かなりの労力を必要とすると思われる。
結局、純正ECUで制御出来る範疇であれば、純正ECUが最も広範囲をしっかりと制御できてしまう。
純正の書き換えが出来ず、社外ECUを専門に扱っている場合もあるのではないか…
純正書き換えをしていても、低回転域は手付かず、という場合もあるのではないか…
R35の3点セットを流用して、低回転域でしっかりエアフロで監視して空燃比16前後を確保してリーンバーンでの燃焼、若しくは理想空燃比前後で燃やせば、低速トルクは一気に増大する。また、リーンバーンで燃焼させるため、回さなければとんでもなく燃費も良い。
しかし、リーンバーンまで持っていく店は大手も含めほぼ無い。
流石に高回転までは無理だが…
上はどこもしっかりセッティングは取ってくると思われるが、35コイルのドエルテーブルをしっかり入力出来ていなければ、本当の意味でのR35流用はできない。
そして、R35エアフロでしっかりと計測するためには、インテークパイプまでは純正形状であるべき。
蛇腹パイプ、無加工のインテークパイプ等は一見形状は最適化されていないように見えるが、これはしっかりと前後の過給圧を混合するという点で非常に優れている。
フルパイピングや仕切り板は一見効率が良さそうに見えるが
1.前後のエアフロ電圧が暴れてしまってしっかりと中低速を詰めることができなくなる
2.タービンが仕事を出来ないサージングがかなり増大する。それを防ぐためにセッティングをわざと甘くする等、これもしっかりと中低速を詰めることができない。
また、エアクリーナーではあるが、少なくとも走行中に仕切り板等はほぼ必要無いと考えられる。前から空気入ってくるし…
キチンと作られたHKSのスーパーパワーフローリローデッドのような剥き出しタイプの方が、肝心な走行中は良い結果が出る。但し、これも吸気が安定せず、純正よりも悪くなってしまう製品もある。
(ホンダとかはまた別)
結局、メーカーの恐ろしいノウハウや技術で以て、恐ろしい資金と時間を投入して開発された純正のECUやインテーク、また純正部品に関しては、やはり恐ろしい性能を持っているようである。
超大手チューナーがフルパイピングを投入していない場合があるのはそこに気付いているからか…
また、パワー上げすぎだと目盛りが飛ぶが、しっかりと細かい目盛りを読む事が出来る純正のクランク角センサーも流石といえる…
何故カム角を読んでいるのかは分からないが、目盛りが飛ぶような状況でなければ特にデメリットは無い。
純正ECUでしっかり詰めるのであれば、O2センサーに関しても再考の必要がある。故障すると高いし、故障しやすい。
結局、フィードバックは最低限若しくはほぼ切ってしまってちゃんと実車合わせした方が圧倒的に燃費もパワーも出る。
ただ、先ずは燃料フィルター、燃料ポンプ、燃料ホースはキチンと交換を…
出来るならエンジンを降ろして、配管類の総交換、ついでならオイルポンプを大容量強化タイプに、オイルパンにはバッフルプレートを…
古い車なので…