マクラーレンF1の再来! ゴードン・マレーが開発した新作「T.50」発表【動画】
Gordon Murray Automotive T.50
ゴードン マレー オートモーティブ T.50
2022年から限定100台の生産をスタート
F1デザイナーのゴードン・マレーが手がける自動車メーカー、ゴードン・マレー・オートモーティブは、初の生産モデル「T.50」を発表した。かつてマレーが手がけたマクラーレンF1のスピリチュアルな後継モデルとして開発された「T.50」は、これまでに製造されたあらゆるスーパースポーツよりも、ピュア、最軽量、かつ最もドライバーオリエンテッドな1台になるという。
「T.50」はF1グランプリと自動車産業の50年に及ぶデザイン及び技術的進化にインスパイアされており、わずか100台のみが限定生産される。開発に関してはすでに高度なレベルに達しており、2022年初頭にはフル生産とカスタマーへのデリバリーが開始される予定だ。
マクラーレンF1と同様に一切の妥協を廃した開発
ゴードン・マレー・グループの設立者であり、CBE(大英帝国勲章)授受者でもあるゴードン・マレーは「T.50」の発表に喜びを隠さない。
「軽量化、高度に先進的なアクティブ・エアロダイナミクス、そして世界をリードする高度なエンジニアリングを採用した『T.50』は、これまでのスーパースポーツの基準を書き換える存在となるでしょう。我々の経験豊富な開発チームは、マクラーレンF1と変わらない妥協を一切廃したアプローチを用いました。これは、あらゆる箇所が大きく進化していることを意味します」
「T.50」のシャシー開発、そして内外装のデザインは、すべてゴードン・マレー・デザインによって行われており、生産はゴードン・マレー・オートモーティブが担当。これまでマレーがデザインした車両にはすべて「T」のイニシャルが与えられており、「T.50」はその歴史の50番目となる。
ブラバムBT46Bから受け継がれたリヤのファン
「T.50」は、マクラーレンF1が1992年に世界中に革命を起こしたように、ハイパフォーマンスロードカーの常識を覆す存在となる。まず、980kgと既存のスーパースポーツよりもかなり軽量に仕立て上げられた。さらに、ロードカーでは考えられなかった先進的なエアロダイナミクスも採用されている。
パワーユニットはゴードン・マレー・オートモーティブと英国のレーシングカンパニー、コスワース共同で新たに開発された、3.9リッターV型12気筒自然吸気エンジンを搭載。最高回転数1万2100rpm、最高出力は650hp、最大450Nmを発揮する。パワーウェイトレシオは663hp/tという抜群のスペックを実現した。
「我々が目指したのは、今までに製造されたどんなスーパースポーツよりもピュアで、最高に楽しいドライビング体験を実現することでした。その結果、確かにかなり速くなったということです」と、マレーは付け加えた。
「T.50」はマクラーレンF1と同様に、センターにドライバーズシートを備えた、象徴的な3シーターを採用。リヤセクションには400mmサイズのファンが装着され、車体下面の空気を強制的に排気。この強制的にダウンフォースを獲得するシステムは、かつてマレーがデザインしたF1マシンのブラバムBT46Bで初めて採用されたシステムだ。
生産は英国・サリーに建設された専用ファクトリーで行われ、パワートレイン、ボディ、シャシーなど、すべての主要パーツは英国製が約束されている。この真の英国製スーパースポーツの価格は、200万ポンド(約2億7500万円)からとなる。
【SPECIFICATIONS】
ゴードン・マレー・オートモーティブ T.50
ボディサイズ:全長4380 全幅1850mm
乾燥重量:980kg
エンジン:コスワース-GMA 65°V型12気筒自然吸気
総排気量:3980cc
最高出力:650hp
最大トルク:450Nm
最高回転数:1万2100rpm
トランスミッション:軽量6速トランスミッション
駆動方式:RWD
https://www.youtube.com/watch?v=o3dJciP5yP8
ゴードン・マレー設計のV12新型スーパーカー『T.50』公開。F1譲りのファンカー機構搭載
世界的なカーデザイナーで、かつてはF1マシンの設計も手がけたゴードン・マレー。彼が率いるゴードン・マレー・オートモーティブが6月5日、まったく新しいスーパースポーツカー『T.50』を発表した。
市販ロードカー『マクラーレンF1』のデザイナーとしても知られるマレーが新たに設計したスーパースポーツは、高回転型V12エンジンをリヤミッドシップに搭載しながら車重は1トンを切るスペシャルマシンだ。
980kgという車両重量を実現する軽量化の要は、独自のカーボンファイバーモノコック。この技術によりT.50は定員3名分の空間と実用的で充分な荷物スペースを確保しながら、俊敏なコーナーリングを可能とするライトウエイトを手に入れている。
なお、ドライビングシートはマクラーレンF1と同様にセンターシートが採用され、その後方にふたつのパッセンジャーシートを備えるという。
パワートレインは、コスワースがゴードン・マレー・オートモーティブのために専用設計したV12自然吸気エンジンと、Xトラックス社製の軽量6速マニュアル・トランスミッションの組み合わせに。後輪に動力を伝達するミッションはドライビングプレジャーを最大限に高めることと軽量化を狙い、T.50用に新設計されたHパターンが採用されている点がポイントだ。
リヤミッドに搭載されるエンジンは3980ccの自然吸気V12で、最高出力は650馬力。最大トルクは450Nmに達する。同じくコスワース製の6.5リットルV12 NAエンジンを搭載するアストンマーティン・ヴァルキリーが誇る最大1000馬力には届かないものの、最大回転数は1万2100rpmとハイパーカーのそれを1100rpm上回る超高回転型であることが分かる。
この他、エアロダイナミクスではマレーが設計したブラバムのF1カー『BT46B』でみられた“ファンカー”テクノロジーが取り入れられた点が最大の特徴だろう。
ファンを使用し、床下の空気を積極的に引き抜くことによってダウンフォースを生み出すこの技術を採用することで、T.50はこのカテゴリーのモデルで多くみられるリヤスポイラーなどのエアロパーツを用いず、車両上面の美しさを保持することに成功している。
「軽量化や高度に進歩したアクティブエアロダイナミクス、そして世界をリードする高度なエンジニアリングなどに対するたゆまぬ努力の結果、T.50はスーパーカーのルールブックを確実に書き換えることになるだろう」と語るのはゴードン・マレー・グループを率いるマレー。
「私たちの経験豊かなチームは、F1のあらゆる面を形作ってきたのと同じように妥協のないアプローチで設計とエンジニアリングに取り組んでいる」
「そして彼らは(これまでの経験から)さまざまな方法で、クルマに大幅は改良を施すことができるんだ」
限定100台のみの生産となるゴードン・マレーT.50は2022年初頭にデリバリー開始予定。その価格は200万ポンド(約2億7500万円・税抜)だ。
■ゴードン・マレーT.50 諸元
ボディタイプ:2ドア グランドツーリング・スーパーカー
定員:3名
駆動:後輪駆動
エンジン:コスワース製 3.9リットル65度V12 NAツインカム
シャシー:カーボンモノコック構造
ボディ:カーボンコンポジットパネル
重量:980kg
全長:4380mm
全幅:1850mm
●パワートレイン
エンジンタイプ:ドライサンプ自然吸気V12
排気量:3890cc
最大出力:650馬力
最大トルク:450Nm
最大回転数:1万2100rpm
トランスミッション:軽量6速マニュアル
ゴードン・マレー、新型スーパーカー開発へ…980kgの軽量ボディに650馬力
デザイナーのゴードン・マレー氏が率いるゴードン・マレー・デザインは6月5日、ゴードン・マレー・オートモーティブの第1号車となる新型スーパーカー、『T.50』(GORDON MURRAY T.50)の開発計画を発表した。
ゴードン・マレー氏は、1992年に発表されたマクラーレン『F1』のデザインを担当したことで知られる。同車は、F1のマクラーレンと同じグループ会社、英国のマクラーレンオートモーティブが、F1参戦から得たノウハウを導入して開発したスーパーカーだった。
マクラーレンF1は、BMW製の6.1リットルV型12気筒ガソリンエンジン(最大出力627ps)をミッドシップに搭載。カーボンやアルミをふんだんに使用したボディは、わずか1140kgという軽量さで、最高速は391km/hと、まさに「ロードゴーイングF1」と呼ぶにふさわしい性能を誇った。
◆T.50はポルシェ911よりも小さい2ドアのグランドツアラースーパーカー
今回、開発計画が公表されたT.50は、ゴードン・マレー・オートモーティブの第1号車となる新型スーパーカーだ。車名の「50」とは、ゴードン・マレー氏の自動車デザイン、エンジニアリング、モータースポーツにおけるキャリアが50周年を迎えたことを意味している。
T.50のボディサイズは全長4380mm、全幅1850mmだ。ポルシェ『911』よりも小さい2ドアのグランドツアラースーパーカーになる。マクラーレF1同様、運転席と、そのやや後方に2座席を設置する3シートレイアウトを採用する。
◆車重は980kgと軽量。伝説のF1マシン「ファンカー」のアイデアも導入
T.50には、独自設計のカーボンファイバー製モノコックを採用する。ボディパネルもカーボンファイバー製だ。ブレーキもカーボンセラミックとした。すべての部品の重量を最小限に抑えることに重点を置いた軽量化戦略により、車両重量は1トンを下回り、980kgに抑えられる。ゴードン・マレー・デザインによると、他のスーパーカーよりも、圧倒的に軽量という。
T.50では、最も先進的なエアロダイナミクス性能を追求する。そのひとつの例が、車体後部に装着される直径400mmの「ファン」だ。これは、ゴードン・マレー氏がかつて設計したF1マシン、ブラバム「BT46B」(通称:ファンカー)のアイデア。大型のファンを回転させることにより、フロア下の空気を強制的に後方へ吸い出し、強力なダウンフォースを生み出した。1978年のF1スウェーデンGPに初投入されたブラバムBT46Bは、ニキ・ラウダが操り、いきなりの優勝を成し遂げた。しかし、ブラバムBT46Bは、この優勝限りでF1参戦を禁じられ、伝説のF1マシンの1台となった。
◆ミッドシップに自然吸気の4.0リットルV12搭載。最大出力は650hp
ミッドシップに搭載されるのは、コスワースと共同開発される排気量4.0リットル(3980cc)のV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンだ。最大出力は650hp、最大トルクは45.9kgmを引き出す。このV12は、1万2100rpmまで回る高回転域志向のエンジンとなる。トランスミッションは英国のXtrac製の6速MTを組み合わせる。シフトは「Hパターン」。多くのスーパーカーが採用するデュアルクラッチは、あえて採用していないという。
T.50は、税抜きで200万ポンド(約2億7500万円)の価格で、2022年初頭から限定100台の納車を開始する計画だ。生産は英国で行い、パワートレイン、ボディ、シャシーなどの主要部品も英国製になる、としている。
ゴードン・マーレー 独占インタビュー 現代車の醜さ/重さを指摘 EV「無謀」
もくじ
ー T.50は現代版マクラーレンF1に
ー 妥協のないクルマを作る
ー 電動スーパーカー「馬鹿げている」
T.50は現代版マクラーレンF1に
ゴードン・マーレーが現在開発中であること明らかにしたT.50ハイパーカーについて、AUTOCARではさらに話を聞くことができた。
このマクラーレンF1の生みの親は、なぜサーキットのラップレコードを気にしないのか、どうやってクラス最大のダウンフォースを実現するのか、そしてこの2022年に発売されるT.50は、なぜ1994年当時世界最速と言われたマクラーレンF1よりももあらゆる面において優れたクルマとなり得るのか。
――T.50は、あなたがデザインしたマクラーレンF1とどのように関連付けられますか?
「T.50は現代版マクラーレンF1と言っていいでしょう。間違いなく、それはわれわれの意図するところでした」
「もちろん、今日の素材や技術は当時よりずっと進歩していますから、大きく異なるクルマになります。現在利用可能な技術を見渡せば、わたしはこれまで以上にわくわくさせられます」
――あなたがT.50で異なるアプローチを採るということは、現代の多くのハイパーカーを高く評価していないという意味ですか?
「そういうわけではありません。わたしはそれらすべてのハイパーカーを運転してみましたし、多くは素晴らしいクルマでした。そのほとんどが驚異的な性能です」
「しかし、ほぼすべてのクルマが重すぎる。時にはそれを上手く隠すこともできますが、ドライバーが運転に積極的に関与しようとするとはっきりと感じられます。単に重さを感じるのです。重いクルマは、パワフルで軽いクルマほど、ゾクゾクさせられません」
妥協のないクルマを作る
――T.50でラップタイムやパフォーマンスの数値を追い求めないというのは、なぜですか?
「それが重要なことではないからです。マクラーレンF1は速いクルマでした。T.50はさらに速くなります。いずれにせよ、どんなクルマにも負けません」
「例えば、最高速度を追求してクルマをデザインしたとします。しかし、それはすぐ、他の誰かが最高速度のみを追求して作ったクルマに抜かれてしまうでしょう。あるパフォーマンスだけを狙って作ったクルマは、他の面では妥協せざるを得ません。われわれは妥協のないクルマを作ろうとしているのです」
――あなたは、クリーンでピュアなスタイリングが失われてしまったと話していました。それはどういう意味ですか?
「現代のスーパーカーのスタイリングはとても醜くなりがちです。そしてその言い訳として、風洞実験によってデザインしたという言葉を使っています。わたしは、そんなものは戯言だと思います。真実ではない。われわれのT.50は、ファンでダウンフォースを発生させることで、理想的なプロポーションとクリーンなラインを実現できます」
電動スーパーカー「馬鹿げている」
――だからT.50のスタイリングはエンジンベイまで含まれるのですね?
「まさにその通りです。われわれはマクラーレンF1でも同じことをしましたが、今回はもっと上手くやれます。他のスーパーカーでよく見られるような、エンジンを覆う大きなコンポジット製パネルなど、われわれは装着しません。エンジンルームもクルマ内部のギャラリーとしてデザインします。整然としたパイプ類やワイヤー類、美しいカムカバー、インレット・トランペットにエグゾーストなど、すべて見られることを前提にデザインしています」
――F1のエンジンベイは純金が貼られていました。再び同じことをするつもりですか?
「その可能性はあります。依然として純金が最も熱反射に優れた媒体であるなら、2022年に製造するクルマにも、われわれはおそらく採用するでしょう」
――なぜ、完全電動ハイパーカーを作らないのですか?
「単に、現時点で電動スーパーカーを作るなんて、最も馬鹿げたことだからです。現在のバッテリー技術では、最終的に出来上がるクルマの重量は2トンを超えてしまいます。直線では速いでしょうが、重いためコーナーではそうはいきません」
「そんな走りをすれば、航続距離も短くなるでしょう。われわれの新型車は、あらゆる面において、電動スーパーカーとは対極のクルマです」
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2019/06/06 21:07:20