政府が「自動ブレーキ搭載車」の愛称を決定! 2020年までに新車搭載率90%へ
国土交通省によると、75歳以上の高齢ドライバーによる加害死亡事故は、速度が30km/h以下で起きているケースが約半数(46%)を占めており、75歳未満の運転者に比べて約 1.7 倍多く発生しているそうです。
要因別では、「操作不適」によるものが最も多く、その中でブレーキ・アクセルの踏み間違いによる死亡事故が約7.4%を占めているそうで、75歳未満の運転者による加害死亡事故に比べて約10倍の状況とか。
こうした状況から、高齢者の場合は走行速度は控え気味ではあるものの、運転時の「認知」、「判断」、「操作」のサイクルにおいて、認知遅れや、それに伴う誤判断、誤操作を起こしやすい状況が浮かび上がってきます。
また、高齢者ほど運転経験の長さから運転に自信を持っているようで、今後もなるべく長く運転を続けたいという思いが強いそうです。
安倍総理はこうした状況を踏まえ、昨年11月に石井国土交通大臣らを交え、「高齢運転者による交通事故防止対策に関する関係閣僚会議」を開催。
その中で総理は、今後も高齢ドライバーの一層の増加が見込まれることから、取り得る対策を早急に講じ、喫緊の課題に一丸となって取り組むことで、事故防止に向けた対策を積極的に講じるよう指示しました。
これを受けて政府は今年1月、「安全運転サポート車」の普及啓発に関する関係省庁副大臣等会議を設置。
一方、高齢者に限らず、一般的に交通事故の原因の9割が人的要因とされており、「認知」、「判断」、「操作」を電子化することで運転精度が向上、交通事故を削減できるとして期待されています。
「自動ブレーキ」や「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」はその有効な手段と考えられており、標準装備化することが非常に重要となっています。
政府は2020年までに「自動ブレーキ」の新車搭載率を現在の約半数から、2020年までに90%以上に拡大することを目指しており、これにより乗用車全保有台数に占める自動ブレーキの普及率は約30%程度となり、その後も新車代替にともなって普及が進む見通しとしています。
また、「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」については、性能試験法を明確化した上で、数値目標を検討するそうです。
対策をスピード感をもって進めるためには、新車対策に加えて既存車への対策を進めることが重要であり、以前にご紹介した町工場による発明品等も実用化されていることから、政府はこれらの装置について、その効果や使用上の注意点を評価した上で、ユーザーに対して公表する枠組みの創設について検討するとしています。
そして今回、経済産業省や国土交通省等が検討を進める「関係省庁副大臣等会議」が、高齢運転者の交通事故防止対策について中間まとめを発表。運転支援機能を備えたクルマの愛称を公募により決定し、公表しました。
その愛称が「セーフティ・サポートカー」(サポカー)。高齢運転者向け車両は「セーフティ・サポートカーS」(サポカーS)
「S」には、シニア、シルバー、セーフティなどの意味が込められているそうで、各メーカーの装備内容に合わせて、3種類(ワイド、ベーシック+、ベーシック)にランキング付けされています。
交通網が脆弱な地方や山間部に住む高齢者にとっては、クルマが生活の足となっており、免許更新時の認知機能検査の強化や免許の自主返納だけでは解決し得ない課題になっています。
政府は先進安全技術搭載車を覚え易い愛称で表現することにより、市販車への装備拡充を急ぐ考えで、各自動車メーカーにおいては、これまでの「燃費」競争に加えて「サポカー」競争への対応が業績を左右する時代になりそうです。
(Avanti Yasunori)
なんかこんなくだらない事をするよりもMT率を5割とかにした方が事故率が下がりそうな気がするんだけど…
ATとかみたいにダラダラとクリープとかで進んだりしないだろうし
見切り発進とかは減らないだろうけど無駄に車間距離を詰めたりはしないんだろう
ってかそれ以前に「自動ブレーキ搭載車」っていうのをやめてほしいんですけど…
事故減少のためにはMT車を再び増やすべか?
駐車場などでの踏み間違い事故減少には効果がある
駐車場などで起きるペダルの踏み間違い事故について、「MT(マニュアルトランスミッション)であれば起き得ない」という声がある。ただし、ペダルの踏み間違いなどに起因する『意図しない加速』について駐車場などで起きる事故の被害が目立っているだけで、調査すると道路上の走行中にも起きているという。ブレーキペダルを踏もうとしてアクセルペダルを踏んでしまうというヒューマンエラーは、それなりの確率で起きているのだ。
停車状態からの発進であればMTはクラッチ操作が必要なので踏み間違えたとしても、即座にリカバーできる可能性が高いかもしれないが、シフトチェンジが不要な速度で走行中に起きる踏み間違いについてはMTであっても発生している。MTにすれば「すべての踏み間違い事故が防げる」とはいかないようだ。
もっとも、駐車場などで起きる踏み間違いに起因する事故はMT車であれば防げる可能性が上がるだろう。しかし、交通事故というのは駐車場だけで起きるものではない。むしろ、それ以外の道路上で起きているほうが多い。たとえば速度超過や脇見といった原因によって起きる事故についてはトランスミッション形式との関係性はあるのだろうか。
すなわち、ATが主流になるなかで交通事故は増えてきたのかという疑問が浮かぶ。「クルマ離れ」などと言われているが、日本国内の保有台数自体は増加傾向にある。つまり、もしも台数に対して一定の割合で交通事故が起きているとすれば事故件数は右肩上がりになるはずだ。
MT主流時代に比べて保有台数が増加しても事故は減少している
しかし、警察庁の資料によると日本国内での交通事故発生件数のピークは2004年の95万2709件で、2016年の発生件数は49万9201件と大幅に減っている。ちなみに、MTが主流だった昭和40年代で事故が最多だった1969年の発生件数は72万880件。
信号などの整備状況やドライバーへの啓蒙活動など条件が異なるので横並びで比較できないが、トランスミッション形式と事故発生率に相関関係があるとは言えなさそうだ。なお、事故件数には二輪も含まれている。
ちなみに、ピックアップした年における乗用車の国内保有台数は以下の通り。 1969年:551万4190台
2004年:5528万8124台
2016年:6083万1892台
※一般財団法人 自動車検査登録情報協会調べ それぞれの個体において運用されている時間や距離は一定ではないので、保有台数をそのまま母数とするのはフェアではないが、クルマの数が10倍以上になって交通事故件数が減っているわけだから「ATが主流になったことで事故が増えた」とは言えなさそうだ。
Posted at 2017/04/07 17:30:47 | |
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