カローラに次いで売れるインプレッサ。SUBARUの2017年国内販売台数が過去最高を記録
1月30日に、各自動車メーカーより2017年暦年の生産台数、販売台数についての数字が発表された。その中から国内外で好調と伝わるSUBARUの数字について注目してみよう。
2017年秋、完成検査における不正が明らかとなったこともあり、2017年12月の国内販売については全体で9.9%減となっているが、登録車(6.7%減)よりもOEMの軽自動車(21.0%減)における減少が目立っていることから、不正によるブランドイメージの毀損とは違うところに原因があると考えるのが妥当だ。
さて、注目は2017年暦年での生産・販売データ。まず日本と北米を中心としたグローバル生産は前年につづいてミリオンを達成、107万3057台と過去最高の数値を達成した。これには36万3414台(22.4%増)と海外生産が過去最高を記録したことが大いに貢献している。海外生産が増加した理由は、北米向けインプレッサを現地生産に切り替えたため。水平対向エンジンを積むSUBARUのエントリーモデルの好調は、グローバルでの好調につながっている。
もちろん、日本でもインプレッサ(XVを含む)の躍進はSUBARUの販売増に貢献している。SUBARUの国内における登録車販売は14万4143台と過去最高記録を更新しているが、その原動力となったのは前年比172.5%の7万839台を販売したインプレッサ系にあることは間違いない。ちなみに、2017年の年間販売台数(登録車)におけるインプレッサの順位はトヨタ・カローラに次ぐ13位。現在のカローラを国民車と呼ぶのは無理筋かもしれないが、それでもインプレッサの販売台数が、カローラに近いレベルになるというのは、インプレッサが生まれた1992年には思いもよらないことだった。
インプレッサの魅力は、SUBARUのコア・テクノロジーである予防安全技術「EyeSight(アイサイト)」と、生まれ変わったプラットフォーム「SGP(スバルグローバルプラットフォーム)」にある。予防安全システムの代名詞といえる「EyeSight」と走りの愉しさを生む「SGP」を進化・拡大しつつ、省燃費性能についてもユーザーに評価されるようなメカニズムを採用することができれば、SUBARUの価値はさらに高まることだろう。
(文:山本晋也)
日本より20倍売れてる車が米国で販売首位!! スバル 世界で売れてる車 ベスト5
今や国産メーカーの多くが世界中で車を販売し、トヨタやホンダなど大規模なメーカーには、“日本では売っていない日本車”も存在する。いっぽう、トヨタなどより小規模なスバルは、車種を自社の得意分野に絞り、世界で売っている車種も日本国内とほぼ同じ。そのスバルが、特に強いのは米国だ。2017年に、9年連続過去最高販売台数を記録したという米国での販売ベスト5車は、日本でのベスト5と大幅に異なる顔ぶれに。欧州の傾向も日本とは異なり、「最も売れているスバル車」は、日・欧・米ですべて違う車種なのだ。
文:ベストカーWeb編集部/写真:SUBARU
日本でのスバル販売台数ベスト5は?
日本で最も売れているスバル車はインプレッサ。派性車種のXVも2位のセールスを記録する
まずは日本での販売台数トップ5車種を見ていこう。以下は2017年1-12月期の台数で、スバルが公表したデータ。1位のインプレッサから、その派性車種で2位のXV、3位のレヴォーグまで日本での扱いやすさを意識したサイズのモデルが人気を集めていることがわかる。
それを象徴するように、大型化したスバルの代表車種、レガシィ(B4)は同期2277台とベスト5選外だ。
■スバル 2017年 年間販売台数【日本】
1位:インプレッサ(スポーツ、G4)/4万7271台
2位:XV/2万5705台
3位:レヴォーグ/2万3072台
4位:フォレスター/1万9937台
5位:WRX(S4、STI)/7541台
(スバル公表データより作成)
同じ2017年に、スバルが年間64万7956台を売り上げたのが米国だ。これは、日本国内販売の3倍超の数値でもある。以下、米国で売れているスバル車を見ていくと、日本での人気順とはかなり違う。販売台数規模の違いにも注目だ。
日本ではランク外の車が首位に!! スバル米国販売 ベスト5
■1位:アウトバック/18万8896台
堂々1位は、日本でベスト5選外となったアウトバック。日本におけるアウトバックの販売台数(7834台)と比べて、実に24倍もの売れっぷり! 北米仕様には水平対向6気筒エンジン搭載グレードも用意している。でも、このアウトバック、実は全世界で最も売れているスバル車ではありません。
■2位:フォレスター/17万7563台
続いて米国2位は、日本で4位に入ったSUVのフォレスター。こちらも17万台強のセールスを記録していて、アウトバックとともにスバルの世界販売を担う二枚看板車種といえるほど。日本販売の約9倍となる売れっぷりだ。北米では日本仕様にはない2.5Lエンジン搭載車も販売されている。
■3位:クロストレック(XV)/11万138台
所変わって北米ではクロストレックの名で売られている、日本名XVが3位にランクイン。こちらは日米ともに支持を受けている1台と言えそう。米国で売れているトップ3を見るとアウトバック、フォレスター、クロストレックと、クロスオーバーの人気が日本以上に強い。
■4位:インプレッサ/8万6043台
ここで、日本販売首位のインプレッサがランクイン。日本では“ベース”のインプレッサが、クロスオーバー仕様のXVより上位に入ったが、北米ではその力関係が逆転。北米仕様も日本と同じく、5ドアハッチと4ドアセダンともにラインナップ。ただし、エンジンは2Lのみだ。
■5位:レガシィセダン/4万9837台
5位はスバルの代表的な車種のひとつ、レガシィがランクイン。実質的なワゴン版のアウトバックが、米国ナンバーワンセールスを記録しているのと比較すると、北米市場の需要がよくわかる。北米仕様はアウトバック同様、水平対向6気筒エンジン搭載グレードもある。
日米とは違う車種が首位に!! スバル欧州販売 ベスト5
■1位:フォレスター/1万3650台
日本1位のインプレッサ、米国1位のアウトバックを上回り、欧州で“最も売れてるスバル車”はフォレスターだ。1万3650台は米国での販売台数より少なく、日本での台数と比べても約7割。ところが意外や意外、グローバルで最も売れているスバル車は、このフォレスター。米国1位のアウトバックより「世界各地で満遍なく売れている」(スバル広報部)ことで、“世界で最も売れているスバル車”となっているのだ。
■2位:XV/1万833台
XVは欧州でも安定した人気で2位。日欧米すべての地域で、ベスト3以内にランクインだ。欧州でのインプレッサ(5ドア)の販売台数と比べると、実に10倍超の売れゆき。近い将来、世界的にはインプレッサよりXV(クロストレック)の名がメジャーになる日も近い!?
■3位:アウトバック/7084台
米国で1位のアウトバックは欧州3位。日本では年間7834台売れているので、台数的にはほぼ同数。スバル車全体では欧州より日本の販売台数が多いことを考えると、アウトバックは、日本より欧州での支持が高いことがうかがえる。こちらもディーゼルエンジン車をラインナップしている。
■4位:レヴォーグ/2898台
当初、国内専用車というイメージが強かったレヴォーグながら、実は欧州でも販売されていて4位にランクイン。台数を見ると、日本では「アウトバックよりレヴォーグ」、欧州では「レヴォーグよりアウトバック」という、日欧の“傾向”がよくわかる。
■5位:インプレッサ/1040台
欧州では4ドアセダンの販売はなく、こちらは5ドアのみの販売台数。同車格は、VWゴルフなどがひしめく定番クラスなだけにライバルも強豪。逆に言えば、クロスオーバー化したXVが人気を得ていることで、スバルの「強み」がハッキリわかる結果と見ることもできる。
評価は微妙だね
スバルXV 2.0i SE 英国試乗 水平対向4気筒、力不足も輝き増す
どんなクルマ?
ー 優れたシャシーに220mmの最低地上高
どんな感じ?
ー エクステリアとは対象的な室内
ー エンジンはスムーズでも力不足
ー ONもOFFも相性の高いシャシー
ー アピール力の高い安全性能
「買い」か?
ー 輝きを増したクロスオーバー
スペック
ー スバルXV 2.0i SE プレミアム・リニアトロニックのスペック
どんなクルマ?
優れたシャシーに220mmの最低地上高
少し無骨なデザインをまとうスバルのクロスオーバー「XV」は、今回のモデルで大幅な変更を受けた。
そもそも、スバル・グローバル・プラットフォームをベースにしたクルマで、ふんだんな安全技術に加え、ボディではユーロNCAPによる衝突安全評価で5つ星を獲得。コンパクト・ファミリーカーのカテゴリーとして、トップクラスの乗員保護性能を誇っている。
さらにこのクルマの最大の特色は、パーマネント方式の4WDシステムに220mmの最低地上高を備えている点。セアト・アテカや日産キャシュカイなどのライバルと比べても、優位な存在だろう。
しかし、新型ではディーゼルエンジンが選択できなくなった。搭載されるのは、ガソリンエンジンにCVTの組合せで、日本ではこれが一般的なようだ。
ライバルがひしめくクロスオーバー・モデルにおいて、XVはどう評価されるのか、予想は難しい。
実際、スバルはここ英国でメインストリームは狙っておらず、スバル・ファンとも言える、しっかりとした顧客基盤の形成に意識が向いているようだ。2018年を通してのスバル車全体での販売計画は3500台となっており、XVはその1/3を占めると予想している。
新しいスバルユーザーを広げることができるのか、少数と言える現在のスバルユーザーの買い替えを見込んでいるのか、今後が興味深い。
まずはエクステリアから見ていこう。
どんな感じ?
エクステリアとは対象的な室内
XVの全体的なアピアランスは高められた車高により、他のコンパクトSUVよりもクロスオーバー然としている。18インチのホイールは、ギャップも明確な太いフェンダーアーチで覆われ、セアト・アテカよりも38mmも高い最低地上高を確保している。
一方でフロントノーズはライバルよりも長く低い。これは低位置にマウントされたボクサーエンジンに依るメリットで、見た目はすっきりしていると思う。
一方、エクステリアの少し無骨な印象とは対象的に、車内はもっと上質な雰囲気にまとめられている。XVのダッシュボードやセンターコンソールのデザインは、クリーンでモダンな印象。8インチモニターのインフォテインメント・システムが標準装備され、Apple CarplayとAndroid Autoとの接続が可能だ。
機能的な大きめのボタン類も残されているが、クルマ全体のデザインを統一感のあるものにしようとする努力が見られ、印象は良い。
今回のテスト車両は、2.0ℓの水平対向4気筒エンジンで、スバルは最も多く選ばれるパワートレインだと予想する。また、より小さな1.6ℓのボクサーも用意される。この1.6ℓのエンジンは新型だが、2.0ℓの方は、前モデルにも搭載されていたエンジンをバージョンアップしたものとなる。
クルマをスタートさせてみる。
エンジンはスムーズでも力不足
エンジンは明確にスムーズになり、静けさも増している一方、リニアトロニックCVTが上手く制御してはいるものの、中回転域では大きな唸り声が聞こえてくる。このCVTは4WDに対応した唯一のギアとなるが、比較的高めのエンジン回転数が必要となるようだ。
実際、156psと20.0kg-mでは、高速道路での合流加速や追い越しの際の力不足は否めず、回転数も自ずと高くなってしまう。
ターボエンジンを積むライバルも似たようなパワー感だが、中回転域の加速はもう少し良いはず。
リニアトロニックCVTは擬似的に7段の変速ステップを持っているが、依然として極めて連続的なトランスミッションであり、最良のシステムとして残されたようだ。ステアリングホイールのパドルシフトで操作するのは似合わない印象がある。
ONもOFFも相性の高いシャシー
車高が上げられたプロポーションにも関わらず、新しいプラットフォームによる適正化されたパッケージングと、低くマウントできるボクサーエンジンのお陰で、重心高は低い。
そのため、ツギハギの多い田舎道での乗り心地は良いにも関わらず、操舵感や重心移動の雰囲気は、舗装路中心に味付けされたクルマのよう。ステアリング・フィールは不足気味だが、重さは適正で、濡れた路面でも安全性と信頼感を高めてくれる。恐らくXVがホームとするような道だろう。
一方で、このモデルに標準でセットされる18インチホイールは、かなりの量のロードノイズを車内に響かせてしまう。全体的に良い印象のXVであはるが、優秀とまでは言えない。
そこで、思い切ってオフロードに飛び込んでみると、XVは突然印象を変化させる。
新設計のXドライブモードは、4輪すべてのトルク配分を独立してコントロールすることで、トラクションを最大限に活かす。これが極めて効果的で、雨で酷くぬかるんだ路面も余裕でこなした。ライバルモデルは、これほど複雑に各タイヤへのトルク配分を行うことはできない。大きな強みだと言える。
急斜面でアクセルとブレーキのコントロールをクルマが支援する、ヒルディセント・コントロールも搭載しており、ドライバーはステアリング操作に集中することも可能だ。
ちなみに、クルマのスタビリティコントロールをオフにすれば、スバルの4WDが持つイメージに近いオフロードでの走りを、クロスオーバーでも楽しむことができる。大きなセリングポイントのひとつだと思う。
アピール力の高い安全性能
そして、もうひとつの特徴は、多くの購入者層が共感するであろう、優れた安全性能。
スバルの広報担当者は、ボルボの安全性に対するイメージに影響を受けていると、明言していた。そしてXVは、ボルボにも劣らない、充実した内容の衝突回避軽減システムを搭載することとなった。
まず、フロントウインドウ上部に搭載されたカメラが支える、アイサイト技術を体験する。カメラは前方110mほどまでカバーしているが、48km/h程度の速度なら、追突事故を防ぐのに極めて効果的なことが良く理解できた。
さらに印象的だったのが、後側方警戒支援システムで、クルマの後方もしくは側方7m以内に接近する車両をセンサーによって検知し、大きな警告音で教えてくれるというもの。バックカメラも、ライバルモデルよりも広い画角を確保している。
「買い」か?
輝きを増したクロスオーバー
結論としては、パワートレインの物足りなさがクルマの足を引っ張っていることは明確。
来年にはハイブリッド車も登場する予定だが、ガソリンターボの力不足とディーゼルの欠如は、英国においてクルマの魅力を大きく目減りさせている。キャンピングトレーラーなどを牽引したいと思うドライバーは、特にそう思うだろう。
一方で、気象条件が厳しい地域のひとびとや、季節を問わずアウトドアを楽しみたいと思っているユーザーにとっては、大きな魅力を持っていることも確か。
スバルXVが持つ本物のオフロード性能、優れた安全性能と少し無骨なキャラクターは、コンパクト・クロスオーバーのセグメントにおいて、充分ユニークな存在だ。
今回さらに、その輝きが一層増したことになる。
とは言え上2個は日本と米国での話で、下のは英国でだもんね
Posted at 2018/02/02 22:45:47 | |
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富士重工 | 日記