2020年04月15日
車の整備が2020年4月から複雑化? 整備費の高額化招く「エーミング」とは
■小規模自動車整備業者に大打撃? 新たに始まる「特定整備」とは
自動車業界で“アフター”と呼ばれる、修理業や補修部品製造・販売業の関係者から、「(2020年)4月から始まるのですが、さて、これからいったいどうなることやら」という言葉をよく聞きます。彼らが話題にしているのは、新しい自動車整備制度と関係する「特定整備」です。
一般ユーザーの多くは整備についてあまり関心はないと思いますが、今後はクルマの修理コストが上がったり、または修理期間が長くなる可能性もあるといいます。特定整備とは、いったい何を指すのでしょうか。
これまで、自動車の修理は、エンジンやミッションなどの駆動系、板金、塗装に関することがほとんどでした。部品を取り外して整備することから、国はこれを「分解整備」と呼びます。
一方で、最近の自動車に標準装備されるようになった、衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)や、アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置など、高度な運転支援システムの整備については、分解しなくても、ソフトウェアを書き換えるなどの作業で、自動車の性能や安全性に大きな影響を及ぼします。
また、バンパーに赤外線センサーが埋め込まれていたり、ルームミラーの後ろに画像認識用のカメラが装着されているため、バンパーやフロントガラスの交換で、センサーが正確に作動するどうかの確認が必要になります。
そのため、従来の分解整備だけでは、整備が不十分になるとの判断に至ったのです。
特定整備とは、分解整備にこうした「電子制御装置整備」を加えた整備全体を指します。また、後述しますが、ここに「自動運転装置」が加わります。特定整備による、新しい自動車整備制度は2020年4月に始まります。
特定整備に対応するため、修理事業者に必要なことは、整備するための場所と人、そして専用機器の導入です。
ここでのキーワードは、「エーミング」です。カメラの光軸やセンサーの検知範囲など、センサーの機能を調整することを指します。
エーミングをするための作業場の広さは、普通自動車(大型)から小型二輪車や軽自動車まで8つに分類されています。例えば、普通自動車(大型)の場合、奥行き16m×幅5m、で、このうち屋内部分が奥行き7m×幅5m、かつ十分な高さが必要となります。
だたし、自動車メーカーや車種によって、高度な運転支援システムの機能や性能に差があるため、実際のエーミングに必要な寸法は違います。
専用機器は、車載コンピュータのデータを検出するOBD(自己診断機能)機器を使います。こうした機器も自動車メーカーで指定品が違う場合があります。
このように、場所とモノに加えて、作業は2人以上が義務付けされているなど、特定整備にはなにかとお金がかかります。
これらコストや作業時間は、一般ユーザーに直接、または間接的に、跳ね返ってくることになります。
また、資金力のない小規模な自動車修理工場にとって、特定整備は死活問題になりかねません。
筆者(桃田健史)は全国各地の自動車修理事業者の会合で意見交換することがありますが、そのなかで、特定整備の話が具体化する前から、OBD導入などによるコスト増、電子制御系の整備に対するスキル不足、そして後継者問題などから「近い将来、廃業を考えている」という声を小規模業者から聞くことが度々ありました。
■「特定整備」は自動運転時代にも重要な制度
最後にもう1点、特定整備と自動運転の関係についてです。特定整備の導入を含めて、国は2019年5月24日、道路運送車両法の一部を改正する法律を施行しました。
法改正の主な目的は、レベル3と呼ばれる自動運転を公道で可能とすることです。
当初、2020年夏の東京オリンピック・パラリンピック(東京2020)開催に合わせて東京・お台場などを“未来のクルマのショーケース”とすることをきっかけに、レベル3の自動運転の社会導入を世界に先駆けておこなうというシナリオでした。
東京2020の1年程度の延期が決まったことで、自動運転実証試験などでは軌道修正が余儀なくされますが、ホンダが2020年夏に渋滞時のレベル3対応の量産車を発売するなどの動きは進みます。
特定整備では、自動運転レベル3以上への対応として、「自動運行装置」に影響を及ぼす整備や改造についても規定しています。
レベル3では、運転の主体は自動車のシステムに移りますが、状況によってドライバー自身が運転しなければならない場合があります。
こうした、システムと人が運転を切り替えで生じる、運転の責任を明確にするため、「自動運行装置」でもデータの保存が必要となります。
特定整備は、こうした自動車の大きな技術変革期で必要不可欠な制度だといえます。
Posted at 2020/04/15 00:05:25 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年04月15日
「自宅へ納車」の慣例変わる? 自動車業界の「納車引き取り」問題 苦しい現場
自動車業界の慣例「納引き」 人手不足で重荷に
石川県の自動車販売店協会が一般向けに、「納車・引取り等についてのご協力のお願い」と題したポスターを作成し、2020年4月現在、加盟する販売店などに順次掲示しています。
これは、販売店のスタッフが顧客の自宅まで新車を届けたり、車検対象車を引き取りに行ったりする、いわゆる「納引き」について、スタッフの負担が大きいことから、店頭での納車やクルマの持ち込みに協力してほしいという内容です。
自動車業界において、納引きはある種の慣例となっており、石川県自動車販売協会がこのような呼びかけを出すのは初めてだといいますが、近年、全国的に見直す動きが広がっているそうです。「新車については店頭での引き渡しが浸透してきたものの、問題は点検整備の現場です」とのこと。単純に考えても、クルマを顧客の元へ引き取りに行くだけで2名が必要になる一方、整備業界は構造的な人手不足で、負担が大きくなっているといいます。
「『クルマを整備に持ち込む時間がない』『帰りの足がない』など、お客様にも様々なご事情があるでしょう。ただ、納引きの料金を別途設定したとしても、納引きで失われる『技術』は代替できません。そのぶんの時間を整備に充てる必要があります」(石川県自動車販売協会)
昔からの慣例を変えるのは容易ではなく、販売店は弱い立場にあるといい、まずは納引きが当たり前という意識を変えるために呼びかけたとのこと。全国では、納引きをやめたことでスタッフの残業時間が激減した例もあるそうです。
「納引き」そもそもなぜ始まった? 苦しい現場の実態
関東地方のある自動車整備工場の代表によると、もともと納引きのサービスは、販売や点検整備の一環として始まったといいます。「お客様のもとへうかがえるので、確かに営業のチャンスにもなりますし、売りにもなるサービスですが、全体で見たら負担が大きいので極力なくしたいところ」と話します。
「その昔、クルマがバンバン売れた時代は、営業も外回りが中心だったので、納引きは片手間でできました。しかしいまは、なるべく店に来ていただくセールスが主流です。もちろんディーラーの営業担当としては、お客様のもとへ行きたい気持ちもわかりますが、それだけに時間を費やされては意味がありません」(自動車整備工場 代表)
車両販売だけでなく点検整備においても、値引きなどの特典によって店頭での納車や持ち込みをうながしていることもあり、納引きは少なくなっているといいますが、「特に法人のお客様に対しては、そういうわけにはいきません」とのこと。
法人の場合、まとまった台数を車検に引き取ることもあり、1日に15台から20台もの納引きを行うケースがあるといいます。専門のスタッフも雇ってはいるものの、多いときには整備スタッフはもちろん、部品運搬のドライバーに手伝ってもらうこともあるほど、総動員で臨むそうです。
それでも、「『当たり前』になっていることなので、納引きの代金を頂けないケースもあります」(自動車整備工場の代表)といいます。
Posted at 2020/04/15 00:00:05 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年04月14日
アルファロメオ「4C」「4Cスパイダー」が年内で生産を終了!2020年末に限定車を50台発売
カタログモデルの受注は4月30日で終了
FCAジャパンは、アルファ ロメオのレーシングスピリットを体現してきた「4C」および「4C Spider」の2020年内での生産終了に伴い、 日本における最終受注受付を4月30日までと発表した。また、2020年末ごろには国内50台の限定車「4C Final Edition」「4C Spider Final Edition」(いずれも仮称)の発売を予定している。
「4C」と「4Cスパイダー」は、2014年の発売以来、セグメントで唯一無二ともいえる高い運動性能を誇り、その優美で官能的なスタイリングでファンを魅了してきた2シーターのピュアスポーツカーだ。全長×全幅×全高は3990×1870×1185mmというコンパクトなボディは、カーボンファイバー製パッセンジャーセルやアルミニウムサブフレームなど軽量素材を随所に施し、クーペの「4C」は車両重量わずか1050kg、オープンの「4Cスパイダー」が1060kgと軽量に仕上げらえている。
エンジンは1750cc直噴ターボエンジンを車体中央に搭載。このエンジンは、4気筒アルミ製シリンダーブロック、新世代ターボチャージャー、超高圧式直噴インジェクター、連続可変バルブタイミング機構、スカベンジングテクノロジーを採用し、最高出力177kW(240ps)/6000rpm、最大トルク350N・m(35.7kgm)/2100-4000rpmを発揮。これにトランスミッションはAlfa TCT(デュアルクラッチ式6速オートマチック)を組み合わせる。0-100km/hの発進加速は、わずか4.5秒で達成する駿足ぶりを実現する。
「4C」と「4Cスパイダー」の生産終了に伴い、日本における受注は4月30日までとなるが、その歴史を締めくくるにふさわしい限定車『4Cファイナルエディション(4C Final Edition・右ハンドル/左ハンドル)』『4Cスパイダー ファイナルエディション(4C Spider Final Edition・右ハンドル/左ハンドル)』(いずれも仮称)を2020年末頃に50台限定で発売するという。詳細は後日、アルファロメオ公式サイトで発表される。
Posted at 2020/04/14 23:57:53 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年04月14日
【ヒットの法則200】Z4 クーぺはロードスターとは違う独自の雰囲気を漂わせていた
2006年に登場した初代BMW Z4クーぺ。Mモデルが同時に発表となったため、どうしても「Z4 Mクーぺ」に注目が集まりがちになっていたが、「Z4 クーぺ 3.0si」は実に魅力的なモデルだった。Z4 Mクーぺとあわせて行われた国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2006年7月号より)
3.0siの0→100km/hの加速は6速MTで5.7秒
目の前に突然現れたZ4クーペは、はっきり言ってこれまでのBMWデザインの不評をすべて覆してしまうのではないかと思うほどカッコ良かった。実際にはロードスターのリア部分に「ハッチバックルーフが乗せられただけ」なのだが、とくにリアエンドのやや複雑な彫刻的なライン、そして、大きく後退したキャビンを持つクラシックなサイドビューが、Z4クーペにロードスターとはまったく違う独自の雰囲気を漂わせている。
そして、こうしたスポーツクーペで、レポーターが特に重視するのは、リアゲート背後のラゲッジルームである。ふつう300Lあれば二人の週末旅行に十分な荷物を積めるが、これは340Lを確保しているというから大したものだ。
一方、残念なのはインテリアで、相変わらずシンプル過ぎることだ。ロードスターと共通のそれは、やはり魅力的なフレアに欠けるのである。その質感もポルシェ・ボクスターやアウディTTと較べると間違いなく落ちる。
一方、フロントの長いボンネットに搭載されるエンジンは、BMWエンスージアストにはすでにお馴染みのアイコンとなっている3L直列6気筒で、最高出力は265ps、最大トルクは315Nmである。
BMWのカタログによれば、0→100km/hの加速は6速マニュアルで5.7秒、最高速度はMクーペと同じ250km/hでリミッターが作動する。つまりM仕様との事実上の差は、加速でコンマ7秒遅いだけというわけだ。もちろん最高速度までの到達時間は異なるが……。
こうなると3Lモデルの存在感に俄然スポットライトが当たるというものだ。さらにドイツでの価格をお知らせすると、Mクーペが5万5900ユーロであるに対して、3.0siは3万8900ユーロ、つまり1万7000ユーロ(約240万円)も安い。理性的に考えれば、ほとんどのユーザーはおそらく3.0siを選ぶに違いない。
さらにSMGセミオートマチックは快適性に欠けるという理由から、すでにZ4プログラムからキャンセルされているので、オートマチックを求めるユーザーはZ4Mクーペではなく、トルコン式6速オートマチックが装備されるZ4クーペ 3.0siを選択するしか手はないのだ。
ワインディングロードで、俄然、活き活きとする
さて、そんなことを思いながら、レポーターはテスト参加者の不思議そうな視線を感じながら6速マニュアル仕様の3L Z4クーペに乗り込む。関係者は皆、レポーターがMクーペに乗ると思っていたらしいのだ。
スタートしてすぐに気がついたのはやはりM仕様3.2Lエンジンとの吹け上がりの差である。
Mクーペのエンジンが金属的な唸りを上げて、もの凄い勢いで回転を上昇させるのに対して、3.0siの方は「なんでそんなに急いでいるの」という感じだ。静かなのはよいが、タコメーターの針の動きは一体いつになったらレブリミットに到達するのかと思われるほど緩慢に思える。
その間に315Nmという比較的大きなトルクを発生するのだが、そのトルクバンドが広いのでドラマチックな感動はない。しかしスムーズで扱いやすいギアを操作しながら気がつくと、すっかりと他の交通を置き去りにするほどのスピードが出ているのだ。しかもこうしたハイスピードからのブレーキ性能はMクーペにも負けない。強固なペダル剛性感と、しっかりした制動能力が約束されている。
そのまま高速道路を出て、ワインディングロードに向かうと、印象は少し変わってくる。3.0siはフロントノーズの軽さを生かした素晴らしいロードホールディングを見せてくれたのだ。ゼロ発進加速のときとはフィーリングが違い、スイスイと軽やかに走る。
さて、長い梅雨と厳しい暑さの夏、そして長いトンネルの存在や渋滞がちな都市高速などを考えると、事実上ルーフを開けるチャンスの少ない日本ではロードスターよりもクーペの方が実用性、そしてファッション性の問題で人気が高いのではないかと想像する。
それゆえにクーペモデルの購入を考えている人たちとっては、今年の暮れから来年にかけて質の高いヨーロッパからのクーペが目白押し状態になることをお伝えしておこう。
それは、このBMW Z4クーペ、すでに発売されているポルシェケイマンS、そしてこの後やってくるアウディTTである。それからつい先日のこと、この夏に2.7Lで245psのエンジンを搭載するスタンダードな「Sのつかないケイマン」を投入すると、ポルシェAGから発表があった。
すべてエモーショナルなスポーツカーだが、果たしてどれを選べばよいだろうか。案外、合理的な価格による判断をしてみるのも悪くないかもしれない。と言うのは、それだけそれぞれのモデルが接近した魅力と利点を持っていると思うからだ。(文:木村好宏/Motor Magazine 2006年7月号より)
BMW Z4クーペ 3.0si 主要諸元
●全長×全幅×全高:4091×1781×1268mm
●ホイールベース:2495mm
●車両重量:1395kg
●エンジン:直6DOHC
●排気量:2996cc
●最高出力:265ps/6600pm
●最大トルク:315Nm/2750pm
●トランスミッション:6速MT/6速AT
●駆動方式:FR
※欧州仕様
Posted at 2020/04/14 23:55:17 | |
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BMW | 日記
2020年04月14日
【平成クルマ遺産(5)】ツーリングワゴン市場を独占した、輝かしいレガシィの奇跡
平成という時代は、レガシィに始まり、レヴォーグの第1世代で終わった。 平成のワゴンはスバル の一人勝ち状態。スバルが築いたスポーティなワゴン作りのノウハウは、どのメーカーも真似ができなかった。 その志を受け継ぐレヴォーグも今年フルモデルチェンジして2代目に進化する。
高速ツーリング時代に絶妙のパッケージング
まさに新しい時代の幕開けを飾るに相応しいクルマの登場だった。レガシィ、中でもツーリングワゴンの登場は、日本人のライフスタイル観を変えたといえるほどの衝撃だった。人目を惹く派手さはないものの、バブル最盛期の登場とあって、時代の空気にジャストフィットしたのだ。高速道路網がほぼ完成し、欧米型の余暇を楽しむライフスタイルが浸透しつつあった。
そこにドンピシャで嵌まったのがレガシィツーリングワゴンだった。ロングツーリングも難なくこなすグランドツーリングカーとしての高い基本性能、天候や環境に左右されない信頼のシンメトリカルAWD。そして5ナンバーとは思えないほどゆとりのあるラゲッジスペース等など。ほかのメーカーが大排気量車やスポーティカーの開発に邁進する中、スバルは実直に自社の持てる技術を投入して、このパッケージングを作り上げた。
レガシィのヒットに慌てたライバル各社は慌てて走行性能を重視したワゴンの開発に乗り出すが、時すでに遅しだった。すでに、レガシィはブランド化し、ツーリングワゴンと言えばレガシィというくらいに一般化していたのだ。打倒レガシィを掲げたライバルたちがことごとく討ち死にしていったのは、ライバル各社にとっては今ではあまり触れて欲しくない話題だろう。
そんな無敵を誇ったレガシィにも英断を下すときがやってきた。平成26年10月、北米市場のさらなる開拓のため、セダンとクロスオーバースタイルのアウトバックを残し、ドメスティックな人気に終始したツーリングワゴンをモデル廃止としたのだ。これには多くのスバリストたちは驚いた。2代目で追加されたレガシィ・グランドワゴン(クロスオーバーのさきがけである)が、北米で人気を人気となっていたことを考えると、当たり前の判断だったのかも知れないが。
だが、スバルは国内のスバリストを見捨てたわけではなかった。同年には、WRXベースのツーリングワゴン『レヴォーグ』を国内専売モデルとしてデビューさせたのだ。その卓越した走行性は、かつてのツーリングワゴンGTを彷彿とさせるもの。レガシィのDNAはこの新型に受け継がれて現在に至る。
ひとつのカテゴリーを単一車種が長期にわたって独占し続けてきた奇跡。これも平成の一大事件だったと呼ぶべきだろう。
レガシィツーリングワゴン年代記
初代:平成元年~5年[1989-1993]
ツーリングワゴンが国内で爆発的なヒットとなり、 同時にラインアップされていたセダンもスポーツセダンとしての地歩を固めていったレガシィ。平成4年に は初のオーバー 2lエン ジン搭載車「ブライトン 220」を追加して新たな 可能性の模索が始まる。
2代目:平成5年~10年 [1993-1998]
満を持して2代目が登場したのは93年10月のこと。発表に先立つ同年9月9日には米ソルトレイクで世界最速ワゴンの記録を打ち立て、ハイパーGTワゴンのイメージをより際立たせている。この2代目が後のレガシィの運命を変えることになる。北米市場からの要望でワゴンベースのクロスオーバー「アウトバック」が追加されたのだ(94年。日本では95年8月「グランドワゴン」という車名で発売)。ボディサイズはやや拡大されて3ナンバー車となった。これが北米で大ヒットとなり、クロスオーバーカーの先駆けとなった。ちなみに国内では97年8月にグランドワゴンから「ランカスター」に改称されている。
3代目:平成10年~15年[1998-2003]
平成10年6月にデビューした3代目では、ワゴン加え、当初からランカスターをラインアップ。セダンは半年遅れて新たに「B4」というサブネームが付いて発売された。この型よりFF車がラインアップから外れ、全車AWDとなっている。搭載エンジンは、2ℓと2.5ℓの対向4気筒、新たに3ℓ対向6気筒もラインアップに加わった(ランカスターから搭載が始まり、のちにワゴンとB4にも搭載)。
4代目:平成15年~21年[2003-2009]
国内のワゴンブームもひと段落付いた平成15年5月に4代目に移行。すでにライバル車は姿を消しつつあり、市場はレガシィ一人勝ちの様相を呈していた。今まで堅持してきた5ナンバーサイズのボディ幅がついに1.7mを超えて3ナンバーとなったのもこの代からだ。そして同年10月、ランカスターが全世界統一の名称である「アウトバック」に車名変更して国内にも投入された。こちらは従来と同じく3ナンバーボディだったが、北米での生産も始まり現地での販売の主力はアウトバックになっていく。
5代目:平成21年~26年[2009-2014]
平成21年のフルモデルチェンジで、ついに全幅は1780mm、アウトバックは1820mmまで大型化。主たるターゲットが国内から完全にアメリカ市場に向いたことを意味していた。装備もより一層ゴージャスになり、上級車へと脱皮していく。
6代目:平成26年[2014~]
6代目の開発にあたり、初代~4代目を彷彿とさせる新たなツーリングワゴン、つまりレヴォーグの開発が決まった。その結果、次世代レガシィは北米ジャストサイズの規格へと思い切った変更が可能となり、長年の功労者であったレガシィツーリングワゴンは消滅する。一方、レガシィB4(セダン)は、クラウンやフーガの市場で戦う上級セダンへと進化し、アウトバックは上級クロスオーバーカーへとポジションをアップして現在に至っている。
Posted at 2020/04/14 23:52:12 | |
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富士重工 | 日記