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RicoAlfaRomeoのブログ一覧

2019年05月03日 イイね!

四万十の深く青き流れよ

四万十の深く青き流れよ~これまでの旅程~

4月29日 松山
   30日 松山
5月 1日 松山
    2日 四国カルスト・
       梼原   ← 今ここ
5月 3日   ↓
       四万十川

【令和元年5月3日】
高知・梼原町
AM 6:00
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旅先で、朝からめずらしく神社に参拝をしている。

『三嶋神社』
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なぜなら、神社の参道にこのようなものが川に架かっているのを見つけたからである。
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御幸橋、というらしい.

なにこの神社、カッコいい。
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川を渡って神社に参拝なんて、
伊勢神宮ぽい。
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思わず参拝したくなることまちがいなし。
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民宿にもどると、(その距離200メートル)
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ダイニングルームで朝食をいただく。
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と、そこにネコちゃんが先に陣取って離れない。
ちょっとそこ、どいてくれないかにゃ。
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名を「シャンシャン」という。

パンダみたいな名前ヤナ。

というと、民宿のおばちゃんは怒ったふうで、パンダよりうちのが先!と言い張る。
べつにどちらが先でもよい。
ていうか、そもそも繰り返し音にするからパンダっぽくなるんじゃ?
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すると、土地の方言で「早く」の意味だという。

ん?ちょっとまて。
方言?自分にはふつうに通じますけど。標準語じゃないの?

わたしの母は九州のひとで、まあ父もそうだなのだが、よく母に「しゃんしゃんと歩きなさい!」と𠮟られてた記憶がよみがえる。

四国・九州共通の方言かな、もしや。

ねこちゃんはいいから、朝ご飯ちょうだい。
「ちょっとまって。メザシ焼いてるから」
完全に人んちの台所で朝飯、というこの非日常性が、いたずらにわたしをニヤつかせる。
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うほっ!
これこれ、こういうの!
最高の朝食キタ!
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AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR

たけのこはともかく、
イカの煮たやつでてくるあたりが、意表ついててなんかグー。
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ごはんはおどろくべきことに、
古代米。赤米である。
もっちりしてほんのり甘い。
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お味噌汁は岩手県産の手作りみそを使用。
なんかゆかりでもあんの?ときいたら、
復興支援だって。
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おかわりあるよ。
お味噌汁も?おっしゃ!
ところが、おかわりのタイミングでおかーさん、朝立ちのライダーのお見送りでおもてへ。

上のほうの写真で、バイク好きでめざとい方ならお気づきかもしれないが、民宿のまえにkawasakiのバイクがとまっている。昨日わたしの投宿時には見なかったバイクだ。
福井ナンバー、学生っぽい二人のわかいライダーで、昨夜ちょこっとだけ話をしたが、福井から直でカルストでここ梼原に一泊だという。で、つぎに香川で一泊、うどんたべて帰るという。ずいぶんと短兵急なツーリングなんだな。そう皮肉ると、若いライダーはニコリ笑顔で応じた。

で、おかーちゃんもどってこないので、自分でごはんをよそい、お味噌汁をおかわりした。民宿の台所でおかわりよそっている自分はなんなんだろうと、なんだかおかしみがこみ上げてきた。

食後、ゆったりお茶など喫してると、
自分もカメラをもってるとかぼそぼそ言い出す。
カメラ?コンデジかな。
ちがう、「3」だという。「3」という名前のカメラだ。

キャノンのM3かな?ミラーレスの。
ちがう、といって奥へ。もどってくると、その手にあったのは、
デジタル一眼レフやん!
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Canon EOS Kiss X3

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10年前の機種だが、1500万画素の立派なAPS-C機。

去年は飛騨高山・白川郷に行ってきた。

ふだんは宿の庭に咲く花を撮る。

そう、宿の名前は伊達じゃなかったのだ。

ええっ!?おかーちゃん、めっちゃうまいやん!
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蝶って、フォーカシングの決め方がむずかしい。
それなのにピンばっちりだし、きれいに撮れてる。
RAW(ロウ)現像という言葉もしってるみたいだし、
なんなの、おかーちゃん・・・。
人はみかけによらんか。

・・・さて、なんでこんなに出発もせずグズグズしてるのかと言いますと、

ひとつ懸念材料があるんです。

それで出発できない。

じつは四万十川までの道がわからないんです。

  *  *  *  *  *

【「梼原ー四万十川」 正しい道はどの道か問題】

いや、調べれば道はわかります。

いちおうセオリーとして、偉大なるグーグル先生にきいてみたんだけどねえ。
そのルートがコチラ。
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これねえ、ただの最短ルート示してね?
ほんとに信じてだいじょうぶ?まじで?変な道じゃないよね?
だいたいグーグル先生、四国知ってるの?知らんでしょう?

やはり地元の道にくわしい人にきかねば。
このとき前日の夕方5時。
しまった。観光案内所は閉まっている。
すると、民宿から道のはすむかい。
駐在所がある。
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そう、お巡りさんにきいてみよう。
すると、親切に教えてくれた。
まず、グーグル先生のルートを一蹴し、
「いかれん。いわゆる酷道。まさに酷道。よその人は通らんほうがええ」
その代案として、
「いったん須崎にでて、エエ道(無料区間の自動車道)で四万十市に入ればいい」
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なるほど!そういう方法があるのか。
さすが警察。これでもう安心。

・・・ところが翌朝になって、疑念がうずまく。
じゃあ、地図上のほかの道の存在は?
ここの人は、みな四万十市に行くときそんな遠まわりをするのだろうか。

ここで民宿のおかーちゃんが登場する。
おかーちゃんはなんと四万十市、中村の出身。
よく軽自動車で往復するという。
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「90キロ」
だという。
時速90キロで走るのか。なんだ、梼原最速でもめざしてるのか。アレだろ、紙コップに水をなみなみついで、こぼさないように走るんだろ?
「ちがう」
という。四万十市までの距離だという。おかーちゃんはつねに単語でしかしゃべらない。
なんだ、距離か。べつにシルクロード走るわけじゃないからいいよ。
それより道幅は?たっぷりある道なの?
「だいじょうぶ」
ただし、「江川崎」からは道がせまくなってるから気をつけること。

よっしゃ!きまった。
このルートでいこう!
(※ほんとうに朝食後決めました)

  *  *  *  *  *

その「江川崎」までたどりつく。
この風景におもわず車をとめる。
むう、これは・・・。
鉄道風景写真になりそうな景色じゃないか?!
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ダイヤをしらべると、いやいやスマホって便利だネ。
列車くるの、1時間後!?
・・・今回はやめにしよう。

【岩間沈下橋】

にぎやかな駐車場をみつけ、
これまた車を停める。
と、この風景があった。
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あ、知ってる!テレビでみたわ。
橋が崩れたって。
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で、その部品をベンチにしてる、と。
違和感なさすぎ。
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ここは売店・トイレがあり、眺めも素晴らしかった。
勝間の沈下橋もこんなふうに駐車場が整備されてたらいいんだけど。

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売店で、ご当地オリジナルのお茶をマストバイ。

これを撮ってると、まわりから冷たい視線をあびる。
「なにあの人、ペットボトルがそんなにめずらしい? ネアンデルタール人なの?クスクス」
みたいな。
ちっきしょー。ネアンデルタール人なのは否定はしないが、人の気持ちもしらないで。おれはただCMや広告っぽい写真を撮りたいだけなんだ。ああ、もう!この写真をみせてやりたい。
『しまんと緑茶』
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これでこのお茶を、吉岡里帆(最近気に入っている)がURであーるの衣装(ここはゆずれない)でガフガフ飲んだら、もう立派なCMの完成となる。

車でチョット行った先が、本当の絶景ポイント。
いや、もう・・・、絶景かな、絶景かな。
緑の大地に刻まれた、雄渾な流れ。
四万十。
この深く青き流れを、日本の宝を、どうか未来まで残してほしい。
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ここから先がたいへんだった。
離合に難渋する狭い道がつづく。
要所に、警備員が合図だしてくれてたのには助かった。
あのひとたちは、どこから雇われてああして連休中に仕事してるのだろう。そればかり気になった。

【勝間沈下橋】
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今回の旅の、最終目的地。
ここがいちおうのゴールだ。

河原におりて、ガレ場を足を痛めながらも歩く。
ふだんジョギングできたえた足はこの日のためだ。
ほどよいところでパチリ。
誰もここまでこない。


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世界に誇りたい、
日本の原風景がここにある。
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やっと、ここまでたどり着きました。

・・・ここから先は、とりとめもない。
四万十市のホテルに投宿し、
居酒屋でカツオのたたきをタレでいただく。
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これを食べたとき、ああ四国を縦断したんだなという気持ちがこみ上げてきた。
松山から四万十市までの道のりは、瀬戸内と太平洋のへだてる四国カルストを越えてゆく旅そのものだった。

四万十市のホテルの朝食バイキングがなかなか。
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いい写真もとれたので、特別にもう一回のせとこ。
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AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G

今回もよい旅ができました。

・・・では最後に、
民宿のおかーちゃんにおしえてもらった絶景スポット、「香山寺(こうざんじ)」より。
四万十市を一望する。
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このために車をおいて、大汗かいて30分登ってきました。
なんでおれ、四万十市まできて「登山」やってんだろ?

おかーちゃん、約束どおりちゃんと写真撮ったからね!
太平洋の方向。
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四万十市の眺めで

今回の旅を終えたいと思います。

ありがとうございました。
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またお会いしましょう。

  *  *  *  *  *

  (恒例・自分用メモ)

*52,243*52,988
*745km

【SDカード】
①32GB 350枚 (オフ会・撮影会)
②16GB 400枚 (松山城)
③16GB 500枚 (四国カルスト・梼原町・四万十川)

※帰り、高知自動車道。渋滞回避で大豊ICでおりる。「大歩危」による。

Posted at 2019/05/18 20:04:25 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記
2019年05月02日 イイね!

雲の上のプール

雲の上のプール【これまでの旅程】

4月29日 松山
   30日 松山
5月 1日 松山
    2日 四国カルスト←今ここ

① 【四国カルスト】

はるばる来たぜ、カルストーッ!
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叫びたい気持ちをおさえかねて、「何シテル?」に投稿したのはこのときです。

眼前に寛がるこの雄大な景色!
ちょっとここ本当に日本の風景なんだろうか。
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みんカラで訪れる人が多い。
自分もぜひ来たかった。
今日こうして、やっとここまでたどりついた。
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ちなみにこの時点で、
この日の宿がまだ決まっていない。
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ここまでの道のりがたいへんだった。

あらかじめみん友さんである「一文無し。」さんに道順は教わっていた。それがなければここにたどりつくのにきっと困難をきわめた。
まさか国道をそれ、長いトンネルの手前で右折して、そこから険しい山路をいった先に四国カルストがあるとは。そもそも場所を知らなかった。
もっと、国道ぞいの簡単なところで、それこそ吞気に行けると思ってた。

それがどうであろう。この離合にきびしい泣きたくなるようなせまい道は。

どれくらいひどいか、一目でわかる写真をお見せしたい。
これは帰りに、四国カルストから「地芳峠」までの区間。
カメラでバックミラー越しに撮った写真。
(わかりやすいように反転させてます)

女性が運転する白のSUVタイプの車が、路肩で脱輪している。
(左前輪・左後輪とも)
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これをみたとき、ゾッとしました。
ここからJAFよんでもすぐにはこれんぞー。
これたとしても、脱輪箇所の高低差が15センチ以上ありそうで、どうやって出るんだ?

いかん。マジで気合いれて運転しないとエラい目に合う。
「地芳峠」で左へ。慎重に。
【梼原町】方面へ向かいます。

② 【維新の門】

カルストから1時間もかからず、梼原町につく。
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山が、ずおおおーッとせまってくるような町だ。
町はきれいに整備されてて、おしゃれに観光地化されていたのにはおどろいた。

梼原町といえば、幕末史にかならずでてくる。
わたしも高校生のころから知ってたし、一度訪れてみたかった。

まず、坂本龍馬が脱藩したところで有名ですね。
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↓このシーンである。
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そしてなにより、土佐郷士、維新の志士。
「那須信吾」と「吉村寅太郎」のゆかりの地として有名。alt

かれらは脱藩後、天誅組に参加し、
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大和(奈良)の地で
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壮絶な最期を遂げる。

『おーい、竜馬 』(小山ゆう/武田鉄矢)より。
那須信吾の最期。alt

そして吉村寅太郎の最期。
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両人の偉業をたたえ、町に像が建てられてるそうです。
町からは、歩いてすぐのところ。
梼原では、観光案内所のかたにはたいへんお世話になりました。

梼原川を渡って、スズキの修理工場を左に。
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こじんまりした変なお城のそばにあります。
『維新の門』
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今にも駆けだしそうなほど、躍動感みなぎる像で、これはみごと。
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左から、沢村に龍馬。みぎはじは那須俊平。那須信吾の義父である。
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那須慎吾は婿養子で、もとは浜田姓。那須姓にあらためた。しかも名前も信吾じゃない。(などとはここには書いてない)
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幕末、新しい時代と回天を夢見て立ち上がった維新の志士たち。その多くが草莽の志士であり、名もなきまま歴史の露となって消えた。

那須と吉村はそのなかでも国に奉じ、歴史に名を刻むことのできたすくない志士であり、

このように、故郷の土地にて立派な銅像が建てられていることは、
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たいへん喜ばしいことであり、
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なにより旅人の私からすると、こういう「観光のとっかかり」みたいなのを作ってくれると、観光しやすくなってありがたい。

歴史に思いを馳せることができる。
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② 【民宿「花の家」】

さて、歴史探訪ができて満足なのはいいのだが。

眼前の問題はそう、

まだ今夜の宿がきまっていないのである。

梼原の宿泊施設は、「雲の上のホテル」が有名。

町のど真ん中に、このような何とも言えないような奇妙な建物がある。
「まちの駅 ゆすはら」である。
面白いことに、上はんぶんはホテル別館となっている。
つまり、下がお土産屋さん、上が宿というわけである。
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私とて馬鹿ではない。
じつはこの宿に予約の電話も事前にしてあるのだ。この宿にはシングルルームがある。もちろん部屋はいっぱいで、その時点でウェイティングリスト、つまりキャンセル待ちを申し込んだ。そのときの順番が1番目。
よゆーだわ。泊まれるも同然。ぜったい泊まれるわ。
と思ったら、結局泊まれませんでした。オウ、イェー。

ホテルがダメでもすぐ隣に民宿があるから。
と、観光案内所はおしえてくれました。

いやー、民宿の部屋は余計あいてないでしょー。
まあ、ダメもとで聞いてみますけど。

民宿 花の家(や)』
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写真にある引き戸をソロリあける。
入るとひろい三和土(たたき)があり、
古い家特有のカビくさいような、それでもなにかなつかしい感じのにおいがする。
さらに奥へすすみ、
すみませーん。ごめんくださーい。
と数度呼ばわるが、返事がない。
地球の裏側、アルゼンチンかブラジルにむかって呼ばわってる気分だ。
やがて、ふつうの顔をしたおばちゃんが現れる。
このおばちゃんに、部屋があるかどうかきくと、
「ありますよ」
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おっしゃあーッ!おれほんとツイるわ。
いつもなんだかんだで泊まれる。
人生の運すべて、旅の宿さがしについやしてるんじゃないか、おれ?

でも、ちょっとまて。
なんだかおばちゃんの様子がおかしい。
おばちゃん、もしかして「ある・なし」で答えてないか?
おれは部屋の存在を問うてるわけではなくて、
Is thereでなく、おれがききたいのは
Can I stay,here?なんだぞ。
泊れますか、だよ?
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するとおばちゃん、
「泊まれますよ」
と答えるが、そのあと奇妙な沈黙が流れる。
な、なんだろう。この気まずい雰囲気は。
中華料理屋入って、「炒飯ありますか」ときいたら店のオヤジが「ありますよ」だけこたえて終わってしまうような店があるのだろうか。
おれがおかしいのか。まるで外国で宿をさがしてるような、外国人としゃべってるような不思議な錯覚にとらわれる。
ふつう、宿で「部屋ありますか」は「泊まりたい」の意思表示を兼ねるのではないか。

そしたらおばちゃん、
「泊まるなら、5時半にもいっかいきて」
と、チェックイン時間を指定しだした。なんでも、いまから「習い事」があるそうなのだ。
ほかに客きたらどうすんだろ?

④ 【雲の上のプール】

夕方まで時間をつぶせ、というなら
この梼原にはいいところがある。

車で5分、
『雲の上の温泉』
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広大な緑の敷地内に
道の駅があり、
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雲の上のレストランがあり、
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雲の上のホテルがある。
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さらっと書いてるが、どこがなんの施設か把握するのに時間を要した。
看板などないからである。

緑のなかに、イタリアン・ロッソの
アルファロメオなぞ置いてみる。
いちおうカッコよく置いたつもり。
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2回駐車場所をかえている。
上述の通り、どこがなんの施設か、本気でさっぱりわからなかったためである。

ここが、温泉とプールの建物。
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中に入ると、下駄箱に靴を入れその鍵をカウンターに預けると、別のカギを渡される。まさに銭湯・健康ランドで渡されるヤツである。
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階段の途中、吹き抜けの採光のためのちいさな庭がみえ、ここで
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温泉と
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プールにわかれる。
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ふつう、プールの脱衣所といえばコンクリの打ちっぱなしでジメジメした地下を想像しがちだが、ここは2階の風通しのいい場所にあり、
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脱衣所をでると、うわっ!
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雲の上のプールThe Water in the Forest~』
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(taken by ZenFone4 MAX)

これはスゴいッッ!!
天井の梁は、なんと木造。
まぶしい新緑にかこまれ、
木の温もりが人の目にやさしい。
こ、ここは楽園か!?
ここを楽園っていうんだろ?

今回の旅で最高の「絶景」となりました。

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ふだん私は水泳もしないし、プールに入るなんて何十年ぶりくらい。
でも、このプールは別格。
こんな絶景プール、泳いでみたくなるにきまってる。

え?水着持ってんのかって?
フッフッフッ・・・。じつは持ってきたんですよ。
これのために旅の前々日にネットで急遽買ったんすよ。
某会員なのでおかげで前日に届きました。水着。

・・・とりあえず、「25メートルを息継ぎなしでクロールで泳げる」ことをこのたび確認できました。

ひとしきり泳いだ後、
『雲の上のレストラン』で
遅めの昼食を。
やっぱ、眺めは最高だね。
だいぶお昼をすぎたから、なんとか座れた。
変な時間にお昼だが、あの民宿は夕食出ないから、べつにかまわない。
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さて、泳いだあとだからカツカレーでも食べたいなーと思ったら、
「限定キジ丼」だと!?
ここはコレ頼まないと男じゃないよな!?
でもなー、土地の名物料理で今までさんざんな目にあってきたからなー。去年の立山黒部アルペンルートで白エビかき揚げ丼という、ひどい料理を食べさせられたのが今でもトラウマになってるからなー。
ええい!思い切って頼んでしまえ!
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で、きました。
これが「限定キジ丼」。
あっちゃー。やってもうたわい。
なんだかすごく貧相。
どこがキジの味なのかさっぱりわからずじまいでした。
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やっぱりカツカレーにしときゃよかった。

⑤ 【民宿に泊まろう!】

本ブログ初、民宿に泊まります。

部屋まで土足です。靴を脱いで、部屋をのぞくとまず台所が!
べつに不思議な光景でもなく、長期滞在客のためです。
でも、もはや「人んち」の雰囲気がバリバリです。
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その奥の部屋。ここが居室となる。
キャンセルがでたので私は運よく泊まれたらしいが、どんなせまい「ふとん部屋」に押し込められるのだろうとおもってたら、案外ちゃんとした部屋だったのでほっと胸をなでおろす。その瞬間の一枚。
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私の荷物、左の赤いのが旅行用リュック、黒いのがカメラリュック、右のランチジャー入れみたいなのがシグマの70-200f2.8、だいじなレンズ入れ。(カメラリュックに入れるとちょっとキツい。リュック、買わんといかんかな)
手前の白と青がタオルとバスタオル。おばちゃんに言うとくれる。言わないとくれない。

ふとんが冬物かとおもうほど厚手でおどろく。
いま5月だよ。
でも、梼原の夜は冷え込むのでこれでちょうどいいのだ。
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台所にもどって、おもむろに冷蔵庫をあける。
ヤバイ。
いつ入れたかわからん飲料と調味料が、タイムカプセルの様相を呈している。
なんか色々とやばい。
見なかったことにしよう。
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このせまい階段を下りた先に、
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お風呂があります。
うひょー。
完全に、人んちのお風呂やん!
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まァ、そうですね。こんな宿、ぜったい泊まりたくない!って人が多数でしょうけど。

わたしは昔バックパッカーやってまして、タイ、インド・ネパールなどを旅してそれこそ一泊200円とかの安宿を泊まり歩いたわけでして、それからすると、こんなのぜんぜんへっちゃらでして、

でも、さすがに年齢的にどうよ、わたしも最近すっかり上品かつ潔癖症(?)になってきて、ああ潔癖で思い出しましたけど、風呂はこんなでもなぜかトイレだけは「最新鋭」でして、温熱便座、温水ウオシュレット、人感センサー、自動排水、だけど扉に鍵ついてないという最高のファイナライズで笑わせてくれました。

まー、ずっとビジネスホテルが続いていたので、けっこうこういうの、楽しくてしょうがないんですよ。

⑥ おまけ【さまよえるRico】
    ~梼原の酔えない夜~

さいごにしょうもない話でも。
そもそも書かないつもりでしたが、ちょっと「変」な話なので。

上のとおり、民宿では夕食はでません。
歩いて5分のところにちいさな居酒屋が。
灯りがともったのれんをくぐると、誰も客がいない。
せまいカウンターに膝を押し込むようにすわる。
店主は同い年くらい。
金髪で無精ひげ。
無口だ。
ときどきイヤな咳をする。
5月だぞ。風邪か?
ずっと咳をする。
テレビのニュースの音がやけによくきこえる。
いたたまれなくなり、わたしにとっても珍しいことながら、
「とりあえずセット」みたいないのだけでお勘定。
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ここでこのまま宿に帰ったら男がすたる。
さいわいなことに、すぐそばにもう一軒店があった。
入ると客がいる。
よかった。ここは繁盛してるんだ。
ただそのかわり、注文しても料理がこない店だった。
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若い店主と、そのおふくろさんかな。ちっこいおばあちゃんがホールスタッフのお店。
奥の座敷がにぎやかだが地元のひとだろうか。
そこそこの客数だが、なによりこの店主のオペレーションが悪かった。

逆L字のカウンターの短辺にわたしが。長辺にやがて3人の客が。
仮に手前からAのスマホいじりの兄ちゃん。Bのスーツ着た「あんた梼原になにしに?」の兄ちゃん。Cのトレッキングから帰ってきましたみたいなカラフルな旅装の姉ちゃん。

3人ともビールやら酎ハイなど一杯たのんで、
Aの兄ちゃん、メシを食いたかったのだろう、「キムチチャーハン」をたのむ。それあとで俺も頼もうかと思ってたので、耳をそばだてると、ご飯が炊けてないという。耳をうたがう。
Aの兄ちゃん、よほど腹がへっていたのであろう。メニューをみながら「カルボナーラうどん」をたのむ。がそれもできないという。意味不明。
それじゃなにができるのか問うと、焼きそばならできるという。面白いことに、B、Cもそれにならっておなじ焼きそばを注文する。
しばらくして、3人の男女がひとつの鍋でこしらえた焼きそばをずぞぞーッとかきこむ光景が目の前で繰り広げられた。
わたしはずっと、腕組みしてながめていた。
3人は焼きそばを平らげると、ほぼ同時にお会計し、ほぼ同時に店を出ていった。
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結局、私が店にいた1時間ばかりのあいだに店主がこしらえた料理といえば、
「玉子焼き」
「焼きそば」
「から揚げ」
の3点で、
こう言うのはなんだが、調理師免許もない飲食店で働いたことのない私がいうのもなんだが、私なら20分でできる。豪語できる。

料理は手際だ。オペレーションが悪すぎる。
から揚げを注文した時、店主が片栗粉の封をあけるのをみて、めまいがした。
下ごしらえや段取りを知らないしろうとが店をやってるのかと。
迷惑するのは客である。

もちろん店主は、一国一城のあるじ。
好きにやってくれてかまいません。

わたしはそうそうに会計をして店をでました。
そのときなぜか帽子を置き忘れ、翌日それだけをとりに行きました。

さあ、次回はラストオーダー。
四万十川です。
Posted at 2019/05/14 20:04:12 | コメント(6) | トラックバック(0) | 日記
2019年05月01日 イイね!

松山旅情

松山旅情【令和元年5月1日】


愛媛県松山市。


AM 6:00 

この日、元号があらたまる。
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新しい時代の幕開けだ。
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年号が改まるたび、

この国は生まれ変わる。
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リセットではない。

「rebirth」なのだ。
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そう、春になれば咲く花のように、

この国は何度でも生まれかわるのだ。
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  *  *  *  *  *

宿にもどると、朝食バイキングに焼き鯖や焼き鮭のかわりに「焼き鯛」が供され、わたしもすっかり新元号祝賀モードの仲間入りとなった。
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しみじみ、安い男である。

同時に「ちらし寿司」なんかも供され、
前回のブログでお話した、「お料理写真なんかを逆光をうまくとらえ、カメラを思い切ってアンダーにかまえる」撮り方をさっそく実践してみたところ、そもそも「ちらし寿司」のよそい方が雑すぎて、ネコちゃんのエサじゃないんだから。これはもう写真のていをなしてませんね。朝からつまらぬ写真を撮ってしまいました。
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・・・要するに、はしゃいでるわけで。

朝食後、ゆっくりしたあと、
松山城」をめざします。

2年前は「坂の上の雲」関連ばかりだったので、
今回は松山の街の雰囲気をとっくと味わいたいと思います。

お城へ上がる「ロープウェイ乗り場」は、2年前訪問した「秋山兄弟生誕地」のすぐ近所にあることを今回の下調べでしった。
「なんや、すぐそばやったんや」
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さすが観光地・松山。
朝10時でこのにぎわい。
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行列の正体は名物料理の「鯛めし屋」である。
朝10時に鯛めし食うんかねえ。

ロープウェイ乗り場につくと、めっちゃ混んでる!
100人とは言わないが、長蛇の列!
うわ、これはマズい。もっと早くに来るべきだったか。
すると、ここで妙なことが。係員が、
「リフトに乗る方はコチラへ!」
500円を払うと、ロープウェイとリフトのどちらでも可なのだが、リフト希望者は圧倒的に少ないらしい。「はやく行けるほうに一票!」とばかりに列を追い越して「繰り上げ当選」した直後の写真がコチラ↓
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リフトだと、10分とたたずに乗れそう。
なんか、ドキドキしてきた。
ロープウェイは相変わらず長蛇の列。あれは1時間できかんぞー。
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いよいよ自分の番。
空に駆け上がる浮揚感とともに、コワッ!
気持ちいいけど、こわいぞ!
だっ、誰だ揺らすのは。
うしろのボウズか!?
コラッ!足をバタバタさせるんじゃない!
おれは本気でこわがってるんだ!
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ぶざまにもバーにしがみつきながら、それでもシャッターチャンスはのがさない。
おお、ロープウェイも祝賀記念か。
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え、なんだ?
歩いていけるの!?
ロープウェイに並んでる人っていったい・・・。
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このモヤモヤ感、どっかでデジャブったなーと思ったら、思い出した。尾道の千光寺公園だ。歩いて行けるのに、みんなロープウェイならぶんですよ。

こういうの、仮に「観光名所トラップその③」としておきましょう。③というからには①も②もあります。ちなみに「その①」は、「駐車場が満車で苦労して停めたら、奥に広い駐車場があった」です。

ロープウェイを降りて、この石段を上がると、
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霧にかすんで天守がみえてくる。
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雨がちな天気もよう。
松山城の広さをこのとき実感する。

新緑の本丸にでると、
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みごとな三層の天守が目の前に。
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本丸広場にはおおきな売店があり、
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あ、これテレビで見たことある!
蛇口からポンジュース出るやつですね。
空港や駅にあるときいてましたが、ここにもあるんですね。
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せっかくだから賞味してみよう。
自分で自由につげるから、
なみなみついでみた。
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みかんの和歌山からきた私の感想は、
「悔しいけどうまい」

松山には、このような袴すがたの女性がよく似合う。
記念撮影のお手伝い。
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天守に登るには、ここでもまた行列ができてる。
まあ、そこまで登りたいわけじゃなし。
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行列をやりすごし、ぼんやり歩いていくと誰もいない敷地があり、そこにこんなのをみつけておどろく。
え、マジで!? 撮影スポット!?
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本当になにも知らずにこれを見つけました。

アヴァンタイトルのアレか。渡辺謙のナレーションが入るやつだ。
「まことに小さな国が、開花期をむかえようとしている・・・」
ここか。ここで撮ったのか。
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スペシャルドラマ「坂の上の雲」は、アマゾンプライムで有料でもいいから視聴できたらブログ一本つかって書きたいことがあります。

石垣そびえるこの風景ひとつとっても、ただならぬ風情をかんじてやまない。
さすが天下の名城。
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ロープウェイ乗り場までもどって、
そこの茶店であっと思い出す。
「そうそう、こんど松山きたらコレ食べるんだった」

「坊ちゃんだんご」
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なんか、風情あるように何事もなかったように撮ってるますが、

じつはこれを買うときちょっとしたアクシデントがありまして、ふだんこういうネガティブな話はしないんですが、ちょっとおもしろいので、

大型連休中は学生バイトがたくさん働いてるわけで、この茶店にも高校生くらいでしょうか、女の子のバイトががんばってるのですが、

このお団子、420円なんですよね。女の子に500円払うでしょ。おつりみたら5円玉混じってるんですよ。あれ、消費税か?とよく手の中をみると、5円玉が4枚
、それに10円玉と50円玉。

私は接客サービスとかでどんなことがあっても声を荒げないようつとめているつもりですが、さすがにこのときは、
「ナニコレ!?」
と声をあげてしまいました。
すると女の子、悪びれもせずむしろ傲然と、
「10円玉がないので」
ウンウン、そうだよね。なければしょうがないよね。
って、そんなわけあるかーい!!

奥から店の女性が飛んできて、
「すッ、スミマセンッ!(これは女の子に)お釣りないなら釣り銭両替って・・・」
と、お土産コーナーのレジにすっ飛んでいきました。

大人げないふるまいはすまい、と心に決めておったのですが、さすがにこれはねー。あまりのことに、度をうしないかけましたよ。
今思い出すと笑えるのですが、アレですね。いま考えると、あの子は「かぐや様」みたいにお嬢様で、自分で財布をもって買い物をしたことがない箱入り娘だったんですよ、きっと。

面白いことならまだまだ。
ロープウェイをおりて、東雲(しののめ)口でいいのかな。
駅舎内に、
「なんでこんなところに巨人が!?」
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コラボかなんかやってるらしく、
てか、なんで進撃の巨人と松山がコラボ!?
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リヴァイさんこんなところで何やってるんすか。
松山で何やってるんすか。
カッコつけてる場合ですか。
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いちばん度肝ぬかれたのは、会場を上からみたとき。
「調査兵団だ・・・」
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さて、気を取り直して坂をくだり、
松山市のランドマーク「大街道」までもどります。
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そこから西へ。
お堀まわりをぐるっとまわります。
つつじが咲いてる。もう5月だもんなあ。
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この先になにがあるのか。
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とくになにもなかったので(笑
ここから引き返します。
「愛媛県庁」が絵になる場所。
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左手に「二之丸史跡庭園」が。
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松山在住の「一文無し。」さんがあざやかな写真を撮る二之丸庭園ってここか!と思いつつ、なぜかこの時は素通りしてしまう。あとになって、しまった、入ればよかった!と後悔したが、このときここに入らなかったことが、次なる「奇貨」につながるわけでして、まことに旅はサイコロの出目しだい。なるようにしかならない。

県美術館のまえにて。
雨露をふくんだ「里桜」が人知れず
可憐な花を咲かせていた。
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新緑まぶしいお堀をあとにし、
街にもどろうとすると、
路面電車を撮るのに恰好の場所をみつけ、
カメラリュックをおろす。
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ホテルにもどろうとしてる最中なのだが、こんな感じでなかなかホテルにもどれないのが松山クオリティー。

ようやくふたたび「大街道」にもどってくる。
ホテルはこの先にある。
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2年前のブログで「松山市にデパートの三越がある」ことに言及した。
そもそもデパートに用はないので、今回は素通りするつもりが、店内に人垣が。
なにごとだ!?なにが起きてるんだ?
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オーケストラ・・・?
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ほお~。こういうこと。
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すごい!
こんなのめったにお目にかかれない。
もう、夢中になってシャッターを切る。
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『松山中央高校 吹奏楽部』による

The Symphony for
   the Memorial of  enthroned the
 New Emperor “NARUHITO ”

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さすが伊予十五万石。
やることが粋ですね。

凛とした表情。ひさしく見ない。
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演奏はここで終了。
どうやら私は、ギリギリ滑り込みセーフで最後の演奏に間に合ったらしい。
まことに運のいい男である。

一気に緊張がとけた生徒たち。
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デパートの前で、地元テレビ局が生中継をやっていた。
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お祝いムード一色の松山の街。
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旅人である私が、記念すべき改元を歴史と伝統あるこの街でむかえたことに、意義と誇りを感じざるをえません。


さて、宿にもどってひとっ風呂浴びると、ホテル内のレストランで。
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せっかくの松山の夜、本来ならば外に出かけたいところですが、

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松山の繫華街「大街道」周辺は店が多すぎて、逆に見つからない、決められない。

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部屋でひとりスマホのアプリで探してると、2時間くらいさがしても決まらず、その時点でいい加減馬鹿馬鹿しくなって、考えるのをやめました。

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安易でいい。部屋のスリッパ履きでいける気軽さがいい。

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メニューもそこそこ充実でしてるし、
なによりよかったのが、ホールスタッフのおばちゃん3人が、入れ替わり立ち代わり話し相手になってくれたこと。(忙しくない時間帯だったため)

あるおばちゃんなんか、
「接写で撮るわねえ」
と声をかけてきた。私がこれらの写真を撮ってるときである。
しろうとじゃないことが言葉からもわかるし、じっさい訊いてみると、フィルム時代にはやってたそうだ。いまはやっておらず、かわりに絵を描いているという。
スマホでその絵をみせてもらった。
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ざくろと花の水彩画だ。
あと、だれかわからない女性の顔の線画。
それがあまりにひどい出来だったのでおもわず、
「デッサンとれてへんやん」
そもそもこれ、誰?ときくと、
「宮沢えり」
「りえやろ」
雑誌AERAの表紙を模写したらしいが、足の指に鉛筆はさんでかいたとしか思えないほど顔面のラインが歪曲しており、キュビズムにしかみえない。

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居心地がよかったらしい。
もう、外に出るのめんどくさくなってしまった。
もう、ここでいいよ。

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結局、二夜連続でこの
「おばちゃんホステスのいる店」
に通ってしまった。
よほど居心地がよかったらしい。

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(↑松山名物・「じゃこ天」は安いので、、ひとり酒にぴったりの肴。わきの「おろししょうが」でたべるとすごく酒に合った)

したがって、お料理も二夜分の写真をランダムにだしてますからね。けっして一度の食事でこれだけ食べたわけじゃないですから。

ああ、おばちゃん。どうやらおれは、
松山の旅を満喫できたようだよ。
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あとね、
おれの連休は
おばちゃんたち連休に働く人の上に成り立ってるんよね。
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感謝を。

次回、四国カルストへ。
お楽しみに。
Posted at 2019/05/10 20:04:13 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記
2019年04月29日 イイね!

さあ、みんカラと写真の話をしよう!【松山・ふたりだけのオフ会記】

さあ、みんカラと写真の話をしよう!【松山・ふたりだけのオフ会記】5月の連休中、

私は四国・松山に向かいました。

みん友さんである

一文無し。』さんに

会いにいくためです。

【平成31年4月29日】

和歌山から徳島へは南海フェリーで。
GW中にもかかわらず、朝8時30発といういい時間の便の予約がとれたので、ゆっくりとした船出となった。
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2時間後、徳島港着。
ゲートオープン。
ここから私の長い、四国の旅がはじまる。
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午後3時すぎには松山に到着。
2年ぶりにみる松山市内の風景。
そう、「一文無し。」さんと会うのも2年ぶり、今回で二度目となるわけです。
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松山のシンボルのひとつ、『大街道』で待ち合わせ、
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そのまま「すし丸本店」へ。
あらかじめ座席を一文無しさんに予約してもらっているので、すんなり入れます。そして落ち着いた雰囲気のお2階へ。
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まずは再会を祝して!
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くう~ッ!
まさか本当にこの「ふたりだけのオフ会」2度目が実現しようとは。
感慨無量です。

『道後ビール』
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地ビールである道後ビールは、2年前にも呑んだがあのときはさすがに初対面の緊張もあってか、あまり味を覚えてなかった。いま味わってのむと、ハチミツを溶かしたような風味があり、ドイツビールの味わいに似ている。

ビールと言えば、
この2年間で私は2kg肥え、腹回りが数センチふえました。
だらしない生きざまをさらしております。

いっぽうの一文無しさんは、体重の増減はほぼないという。
むしろ弱冠瘦せたくらい。
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お料理の注文もそこそこに、
卓にカメラのレンズをゴトゴトと並べだします。
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そう、これこそ今回のオフ会の真骨頂、
さあ、みんカラと写真の話をしよう!
そのために私は、はるばる海を越えてやってきたんです。

私と一文無しさんは、たがいに「写友」と認め合う仲。

私が彼を写友だと思うのは、みんカラのなかでいちばん
「写真にたいする方向性が一致」してるからでありました。

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ところがです。
こうして膝をつきあわせ、酒を酌み交わしてみるとどうも、けっこう一致しない点が多い。いやそれどころか、10に5ツどころか10にひとつか二つくらいしか一致点が見いだせない。

たとえば一致してる点でいえば、みんカラのブログの更新頻度が同じくらいの月に一度程度とか、それくらいで、

まァ、大の男がふたりやることなすこと考えることが完全一致してたらそれこそ気持ち悪いわけでして、まあ、別人格べつの考えで当たり前。

でもそれがあまりに一致してないことのほうが多くて、呑めばのむほど、喋ればしゃべるほどそれを強く感じ、なんだか二人して笑ってしまいました。

オフ会って、こういうところが面白いですよね。
面と向かってしゃべると、それまでのブログのコメントやメッセージのやりとりではわからない新たな一面がみえてくる。
というより、情報量がケタ違いすぎる。
コメやメッセージが「1」とするなら、オフ会だとその5倍も10倍も情報のやりとりができる。それも高速で。だって、目の前にいるんだから。

「オフ会って、面白いなー」

私は酒杯をかたむけ、ニヤリ口元をゆるめながらつぶやいたものです。

  *  *  *  *  *

では、そのおたがいの「ちがい」とやらを、
みんカラのみなさまからみて面白いかどうかは不明ですが
詳細に分析してみましょう。

①レンズにたいする考え方
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(※私はフル装備ですが一文無しさんはフル装備ではありません。18-135のズームは必要なしとの判断でおいてきたそうです)
 
画像をごらんいただくとわかりますが、一文無しさんの所有レンズにキャノン純正の70-200F2.8通しというレンズがあります。これはごく最近に購入されたものです。

私は2年前にお会いしたとき、彼に望遠ズームの導入を強く、それはもうたいへん強くすすめました。

ところが彼は頑としてきかない。
買いたくないというんです。
「自分の腕ではまだ」

そんな高価なレンズは早すぎる、とかたくなに堅持するんです。
私が望遠ズームレンズの必要性をじゅんじゅんに説いても、です。

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彼いわく、
「伊予人は頑固で」
といいますが、ほんとにがんこで、おもわず「坂の上の雲」の秋山好古・真之兄弟を思い出してニヤリとしたわけですが、この兄弟も生粋の伊予人で、小説をよんでると、「どうかしてるのではないか?この兄弟」と思うほど頑固者で、まあ、その頑固さで日露戦争に勝利したわけですから、伊予人の頑固さには一目おくべきでして、

ところが今年の桜で事態は急変します。
花を撮ってて、思うところあったらしく、レンズの購入を決断したといいます。
いったん決断すると極端でして、サードや中古などわき目もふらず純正の新品をえらびました。
伊予人は思いきりがいいというのが、よくわかりました。

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では2年前に、私と会ったとき、あのあとすぐ買えば、とつい思うわけなんですが、すると、
「あのときの自分の腕ではまだ」
となるわけです。
これに対し、私をふくめ彼をご存知の多くの方が、
(一文無しさんの写真の腕ならじゅうぶん)
購入の動機・要件にあたいするのでは?と思うでしょうが、彼は首を横にふるのみで、彼の存念はもっと深いところにあるらしく、私の筆致では到底およびません。
しいていうなら、言葉をえらぶなら、
(写真にたいする畏(おそ)れ)
というものを、かれはつねに持っている。
そういうことになるのでしょう。

  *  *  *  *  *

で、いっぽうの私なんですが、
畏れなんてあるわけない。
私は物事の本質を見極めたいだけなんです。

写真はレンズで撮るものなんです。
その画角が欲しいからレンズを買うんです。
望遠は望遠じゃないと撮れないんです。

うまいか下手かは関係ない。
腕があろうとなかろうとどうでもいい。
写真の腕なんて、あとから自然についてくるものなんです。
もしついてこなかったら、その人は残念な人なだけです。それが仮に私だとしても構いません。だれにも迷惑かけてないし、法にも触れません、
人生一度きりのゲームなんです。
リスポーン(再スタート)なしのゲームなんです。
レンズくらい買いましょう。
それが私個人のかんがえです。

・・・という話を、これをごらんのみなさまには信じがたいことでしょうが私は一文無しさんに熱く語っています。いやもー、喋りすぎてお料理にぜんぜん手を付けてないわー。酒杯はしぜんに口に運ぶんですが。喋りながらでも。

おっと、一文無しさんすみませんねえ。
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ちなみにこの酒の銘柄は
話せばわかる
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いやー、どうかなー(笑
私がいうのもなんだけど。
(※ちなみにこのお酒「話せばわかる・雪雀」はホテル内のレストランでもみました。松山ではわりとメジャーな銘柄のようで)

というわけで、ラストオーダーまで語りつくしても、まだぜんぜん時間が足りない!
延長戦は翌日に持ち越しとなります。

  *  *  *  *  *

【平成31年4月30日】

SUBARU BRZ  ×  AlfaRomeo MiTo
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三津ふ頭での車の撮影は
わたしからのたっての願いで実現しました。
なにしろ2年前はすぐに松山を発ってしまい、それが心残りだったのです。

きょうは時間はタップリあります。
ぜひ、ふ頭で車を並べたかった。
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昨夜来まで松山は雨が降った。
が、この日は雨が上がり、曇り空だが撮影には申し分ない天気となった。
旅の女神がほほえんでいるようです。「撮りなさい。思う存分」と。

驚いたのが、一文無しさんはこの撮影にお手本をもって臨んでいることだった。
私のMiToを撮るために、みんカラのある人の写真で勉強してきたという。

MiToっちさんをお手本にして撮りたい」

彼はそう言うと、慣れた手つきでカメラを構えた。
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②車の撮り方のちがい

ここで両者の撮り方のちがいに気づきました。

一文無しさんは上の写真をみてわかるとおり、18-135mmのレンズでおもに標準域による撮影を旨とする。

いっぽうの私は、シグマの中望遠のレンズ効果を期待するとこが大であり、
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こういう感じで。レンズ効果でてるかなあ。
いやどうでしょう。

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一文無しさんに、
「望遠ズームつかわないの?」
ときくと、
「こっちレンズのほうが使い慣れてる」
とのこと。

まあ、こういうのはまさに好きこのみなので、どちらがどうということではないんですよね
ただ、撮り方ちがうのが面白いなーと思いましてね。

あと、もうひとつおどろいたのが、
一文無しさんの愛車・BRZがピカピカに磨き上げられてることだった。
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雨ジミなどがいっさいない!
ホイールなんかも鉄粉カスなどがきれいに除去されていて、まるで新車同然。
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あまりのことに、
(新車だったっけ?)
と混乱してしまい、
「クルマ・・・、何年だっけ?」
と聞いてしまいました。
最近購入したと言われても、たやすく信じそうなほど。
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私はいうと、旅のまえにあわててコンパウンドくかけてきたくらいで、これでもいつもより幾分マシなのですが、水垢だらけで、ホイールなんかも使い古しの歯ブラシで洗ったけど鉄粉カスが隅にのこったまま。まさに「四角いところを丸く掃く」男なのです。

まあ、みんカラ的にはきれいに磨き上げるのが「ふつう」であるのかもしれません。
私がアルファ乗りの風上におけないだけで。

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だたそれでも、
(この労力と情熱はどこから湧出してくるのだろう)
と、私は曇りないスバルブルーに見とれながら首を振るのみでした。
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  *  *  *  *  *

さて、お昼ごはんは二人で
一文無しさんの行きつけのお店で。

和歌山のRicoをかなりの海鮮好きとにらんだ彼が、つれてきたのがこのお店。
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廻るお寿司のようですが、
ただの回転寿司店と思ったら大まちがいのようで、
このお店こそ、
松山の海鮮の真価を味わえる
彼が太鼓判をおす名店なのだそうです。

しんせんや
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『はぎ』
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うおッ、たしかにうまい!
シャリに「赤酢」を使っているのだそうで、ネタとの絡みが絶妙でうまみが増す!

『さより』
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③お料理写真の撮り方について

私はひとつ、どうしても聞きたいことがありました。

一文無しさんは2年前、みんカラの『70photo』さんと大分・湯布院でお会いしたそうなのですが、どうもそれ以降、

一文無しさんの写真が劇的に変わったことに気づきました。

とくにお料理の写真が、光のとらえ方が絶妙な感じがするのです。

いったい、どういうことだろう。
70photoさんに必殺技か最終奥義でも伝授されたのだろうか。
私は悩みました。マネして撮ってみるのですが、ぜんぜん真似できない。

湯布院で、一文無しさんはキビシイ修行でもはげんだのだろうか。
私はそこまでかんがえました。
逆さづりになって、オチョコで水を汲み上げる一文無しさんを私は想像しました。
そうして70photoさんから免許皆伝をうけ、かめはめ波が出せるようになったのです。
なんだか書いてて支離滅裂になってきましたが。

私はその秘密が知りたい。
メールできくのは失礼だし、なにより間接的に70photoさんにも失礼にあたる。
わたしは面と向かってきくために、はるばる松山まで来たのです。

すると一文無しさん、
「逆光をうまくとらえる」
と説明してくれるのですが、どうもピンとこない。

逆光は自分でもすでにやっています。だけどぜんぜん撮れないんです。
もっとこう、コツがあるんじゃ?

すると、
「ちょっと、Ricoさんのカメラ借りていい?」
と私のNikonで撮りはじめました。

そうだ、そうだよ!なんでこんな簡単なこと気付かなかったんだろう。
実演してもらえばいいじゃないか。
目の前にいるんだから。オフ会なんだから。
そうだ、車の撮影もおたがいにカメラ交換して撮れば面白かったのに。

で、一文無しさんの写真がコチラ。
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ね、上の私の写真とぜんぜんちがうでしょう?

たしかにこっちの写真のほうがきれいだ。
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でも、ちょっと待って。
うーん、これだとなんのお寿司かわからない・・・。
私の理想は、あくまでも「メニュー」のような写真で、なおかつ美味しそうに撮りたい。画面に占める料理の面積はなるたけおおきいほうがよい。(※接写という意味でなく。角度の意味で)

・・・とかいいつつ、文句言ってるようですが、じつはこの写真、たいへん気に入りまして、そりゃこれをききにやってきたんだから!このあと旅の最中、ずっとこの撮り方を真似して撮ってました。われながら現金な男です。

さっそく真似して、ホテルの朝食バイキングで撮ってみた写真がコチラ↓

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ウホッ!うまく撮れた!こういう写真も撮りたかった。
ありがとう、「一文無し。」さん!
いろいろお世話になりました。

旅はまだつづきます。
次回も松山で。
ご期待ください。

special thanks to Mr.MiTo-chi & Mr.70photo
Posted at 2019/05/06 14:14:47 | コメント(2) | 日記
2019年04月13日 イイね!

花の降る午後

花の降る午後花に主題がある。

今年は

花の散り際を

この手でおさめたい。

そう思っている。


といっても、花が散るまでまんじりともせず、
というわけでなく満開ともなれば、
足は自然と花の名所に赴きます。

【4月7日(日)】
『史跡 和歌山城』
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城内はお花見ムード全開。
今日は天気がいいですから。
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独り者の私がこういう写真をあげると、何かしら存念があると思われがちですが、
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きれいに撮れたからブログにあげただけで、
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存念などありません。
関係ナッシング。

この石段をあがって、
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めずらしく天守閣をめざします。
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本丸そばに見事な花があった。
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本丸には入りません。
ここから先は有料ですが、お金をケチってわけでなく、目的がちがうからです。眺望よりも花を見に来たんです。

眺望ならここからでも。
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東の方向ですが、なんら特筆すべきことはございません。
なんか、すみません。

そのかわりに、ほう、撮影ポイントとな。
このワードには食いつきいいです。
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ほう、いいですねえ。
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天守閣は以上で。
石段を下りていきます。
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この石垣の風情、
ながきにわたる歴史、歳月を感じる。
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下では露店が立ち並び、花見客でごった返していた。
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それはそれは、たいへんなにぎわいでして。
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だが、城内の華やかさとは裏腹に、
いっぽうで私は心中が急速に冷めていくのをどうしようもなかった。
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この冷めていく気持ちの正体はなんなのだろう?
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その疑念は、ワインの瓶底にたまる澱(おり)のように、
私の心中奥深くに沈んでいった。
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和歌山城をはなれ、
おなじ市内中心部
とある公園へトラヴァース。
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車を回すほどでもない。
歩いていける近さ。

花のうつくしい公園がそこにあった。
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風のない、おだやかな日だった。

花咲く散歩道、そのつきあたりに妙な店があった。
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じつは上の写真をよく見ると、この看板の全体がしっかりうつっている。

牛かつというのもめずらしい。

いっちょー、景気づけに牛でも食うか!

ちなみにあとで調べたら、この店は和歌山城からじっさい丑寅(北東)にあった。いわゆる鬼門である。「丑寅の物忌み」とかいうけど、いいのかね?

カウンター席につくと、目の前に一人にひとつ卓上コンロがある。
ひとり焼き肉でもするのだろうか。
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若い女店員が点火したのち、注文のしなが運ばれてくる。
牛かつ定食
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AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR

ほう!
レアな状態のままの赤身肉を大胆にならべたこのスタイルがウケて、今話題の店なのだという。
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AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED

このまましばらくおあずけをくらう。
若い女店員のながい説明をくどくど聞かなければならないからだ。

「お肉はレアでございます。お好みの焼き加減で」
あ、自分で焼くんだ?!
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この、「最後の仕上げは自分で焼く」というスタイルもウケて、じつは入店にすこし並んだし、いま店内は満員で店のそとには行列ができてる!

モー、どんどん焼いてやる!
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「特製タレでお召し上がりください」
「よくかきまぜてお召し上がりください」
なんか、タレと卵をよくかきまぜろというので、このお店はどうやら若い女店員の指示通りにやらないと食事が完璧に達成できない仕組みにでもなっているのかやたら説明が多いが、どうせなら「よくかきまぜてお召し上がりください、ご主人様」とか語尾につけてくれないかなとか頭の隅で妄想しつつ、
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お、うまいな。コレ!

ちなみに写真はないが、フライドガーリックチップ?スライス?をこれまた若い女店員の言いなりで茶色のカリカリしたものふりかけて食べると、これがウマい!
やはりあれですな。にんにくは牛肉の旨さにブーストかけますな。

この日はこれにて帰宅する。

  *  *  *  *  *

【4月11日(木)】

冷たい雨が降る。
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花散らしの雨がふる。
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AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR

カウントダウンがはじまる。

  *  *  *  *  *

【4月13日(土)】

ふたたび公園を訪れる。
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花は盛りをすぎ、
午後から風がふいた。

ここでじっとカメラを構えていると、キィッと自転車がとまり、

「ええカメラ持っちゃるなー」

おっさんがニコニコ相好を崩している。
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和歌山弁、紀州の言葉である。ちなみに「する・してる」を「しちゃる」(しちゃーるとも発音する)とこのあたりでは言う。

おっさんは屈託のない笑顔で、

「わしもなー、ニコン持ってるで」

どうせクールピクスかなんかのコンデジであろう。家電量販店で店員のいうがままに買わせられるやつである。そうタカをくくってると、

「しょうもないカメラやけどなー。でぇの七千・・・」

えっ!?と思い、

「ひゃく?」

「そう。たしかそうやった」

ちょっとちょっと! D7100といえばおれのカメラもそうなんですけど。どこがしょうもないのか。バリバリ使用中なんですけど。

ところがおっさんにも言う意味があるらしく、

「フルサイズ機やないんや」

という。APS-Cという言葉さえでなかったものの、ちゃんと知識があるらしい。それどころか、

「兄ちゃん、えふ3って知ってるか?あれ持っとったんや」

しってる。銀塩時代のNikonの一眼レフだ。
みんカラでもごぞんじ有名な自動車デザイナー、ジウジアーロがデザインしたという名機である。

それから所有しているレンズに話が移ったが、16-80のf/2.8-4を持ってることに驚かされた。私も持ってるからだが、わざわざキットレンズじゃないレンズを買ったこのおっさんはどうしたことだろう。肝心のカメラは2年前に買って、いまは放置だそうだが。

「ええ趣味やないか」

カメラを構えた私におっさんはいう。

(果たして、いい趣味なのだろうか?)

盛りをすぎ、花が風で散る。その瞬間をいまかいまかと待つ自分はもしや悪趣味ではないのか。

時はすぎ、季節はめぐる。花が散るのは必定。だが、その瞬間をとらえようとするのは無粋きわまりない行為であり、あるいは死に急ぎの行為なのかもしれない。

今やっとわかった。
ずっと抱いていた疑念が、である。

花の「死」を撮るということは、人の死をとらえるあさましい戦場カメラマンに似て、どこか背徳でうっすら罪深いのだ。

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定年後、悠々年金生活なのだという。
定年というから60代にみえたが、昭和22年生まれ、私の父とそう変わらない歳である。これではおっさんというより、オヤジさんだ。

南海電車に勤めていたそうだ。

「昔はよかった。仕事がぎょうさんあった」

働き口がたくさんあった、の意である。

オヤジさんが高校を卒業したのが昭和40年。この国が高度経済成長期へ駆け上がっていくまさに入り口の時代。
警察官など、希望すればお望み次第。地方の役場勤めは敬遠された。現代とは真逆の就活ぶりである。

和歌山市内に「花王」の大きな工場がある。そう、あの花王である。
オヤジさんは花王にいくか、南海に行くか迷ったらしい。
結局、電鉄をえらんだ。
学校を卒業して配属されたのが、沿線の「箱作(はこつくり、大阪)」の駅員として。駅で寝泊まりし、始発電車をむかえた。

「オヤジさんは今からどちらに行かれるんです?」

言葉がさらに丁重になったのは、ひとつの仕事を成し遂げた誇りある男にたいする畏敬の念からである。

「あそこにな」

市内で有数の繫華街の町名をあげ、

「ツレがおるんや」

花見酒だ、とまでは言わなかったが、はたして待ってるのが友人なのか酒樽なのかその口ぶりからは容易に想像できた。

そうして自転車で去っていった。
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人の話をきくのが好きだ。

はじめは正直、「難儀な」と思った。集中して花を撮ってるのに、声をかけてくるひとが邪魔だったのである。
ところが、よほど話好きだったらしく、オヤジさんの話は上述だけでは書ききれないくらい多岐に及び、亡くなった奥さんの話とか、とにかくすさまじい情報量で、まるで桜の木の下で一冊の本を読み終えたような、私はそんなふしぎと満ち足りた気分になった。

  *  *  *  *  *

そのあと、私はすこし場所をかえ、時間をかけてシャッターをきった。

今回の写真には主題がある。

すこしだけ、その主題に近寄れたとおもう一枚をさいごに掲げて、このブログを了としたいと思います。

ありがとうございました。
またお会いできれば幸いです。

花の降る午後
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(by Carlos Toshiki & OMEGA TRIBE)

Posted at 2019/04/17 20:04:12 | コメント(5) | トラックバック(0) | 日記

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Ricoというのは、「ガンスリンガー・ガール」(相田裕)という、今となってはちょっとふるい漫画に登場する男の子の名をつけられた少女のことです。 作中、ドラ...

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アニオタここに極まれり。 ・・・というのは冗談で、日々の生活に必要性が生じたので購入しま ...
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